先月このブログに、過去乗ってきた車をあげてみたが、正確ではなかった。
あれたちの前に、専ら乗り回していたが所有者は親父だった車があった。従って通算は12台となる。
それらを回顧してみることにした。
スバル360。
大学入学前にバイト代で免許証を取得、ビーチぞうりで湘南地方を乗り回していた。サイド・ブレーキがかかったまま走行し、白煙→高熱→ワイヤー切断という事態に相成ったのであった。
我が青春そのもの。カタチとオトとシンドウそしてニオイ。懐かしい。
サニー1100
所帯を持って初めての車。親しくしていた近所のご夫妻が転居することに。車は必要のない地域なのでと譲り受けることになった。
日産自動車が新しく出す大衆車のキャンペーンで、車名を公募。ジャズのスタンダード・ナンバー《On The Sunny Side of The Street》から‘サニー’がいいと決めていた。応募しなかったのだが、結果その名に決まった。悔しかったこと。
搭載しているエンジンB110は名器と聞いたことがある。
レオーネ
ボロでもいいからエアコン付がいいと求めた車。ダッシュボードから送り出されてくる空気がいつまでたってみ涼しくならない。あれほど店側にエアコンを確認したのに・・・、騙された。だから安かったのだ。
富士山五合目に上った時、エンジンルームから蒸気が噴出したのには驚いた。エンジン音がなんともいえずいい。
レオーネ・ハードトップ
エンジン音が気に入り、次もレオーネにした。リア・ウインドウにはレースのカーテン、シートは本革、細部にいたるまでラグジュアリー。シルエットは前方を除けばベンツに遜色なし。
出勤時、自宅の近くのT字路でダンプとぶつかる。奇跡的に怪我は免れたが、車はシャーシーが歪み復元不能、泣く泣く手放した。
ファミリア
当時、若者に爆発的に人気のあった赤のファミリア。年嵩がいって、チョット恥ずかしかったが、足の無い不自由な生活よりはと入手した。40歳頃だったか。
ヨーロッパを走る車につける国別認識ステッカー(白地の黒字の楕円形)の"F"をつけたのだった。もちろんフランスのFではなく、ファミリアのF。
スターレット
初めてのトヨタは、スターレット。小回りが効くし、堅牢。余分な飾りは無い。実用一点張りの印象。さすがは日本代表のブランド、ユーザーによく応えています。特段のエピソードは無し。
ミラージュ
名前は戦闘的だが、それは走りだけ。平和的、庶民的、生活的な車。なんたって、世界に誇るミツビシのファミリー・カー。
ローレル・メダリスト
ボルボのディーラーに勤めている友人が、個人的なビジネスとして出物のローレルが格安で手に入るという話を持ってきた。
車高が低いのとモス・グリーンのカラーに好印象を持っていたこともあり、即乗り換えたのだった。
室内のゆっとり感が得がたい。それに静か。これまでと違ってどこか大人の風情。あのデザインは今でも通じると思っている。
サーブ900
乗っていたローレルの何回目かの車検の時、エアバッグ装着車にしよう、どうせなら外車にしてみるのもいいかな、欧州車の小さいのがいい、ということで、ローバーの中古車を探した。
たまたま入った販売店のオヤジさんに、ローバーは殆どが実はホンダ製だと聞かされて、興味を失う。虚実は知らず。でこの時最終的に選んだのがサーブ900。これは大正解だった。
1、北欧の人間工学の見地からの設計。
2、加速の力強さ。さすが飛行機製造会社がつくる車。
3、無骨で独特なデザイン。
何から何まで目を開かせたカルチャー・ショックの一台ではあった。
色は、ルビー・レッド。
乗っても乗っても疲れない。
サーブ9-3
車のファンというか愛好家というかクラブというか、そうした集まりは数多いと思うが、サーブほど熱狂的に支持する人が多いのは他に無いのではなかろうか。20年も30年前の車種を、装甲車のようなかつてのデザインの車を意気揚々と走らせている御仁をよく見かける。
何台も乗り継いでいる。私でさえ2台続けた。サーブにはそうさせるDNAがある。10年もすると独特な振動と大きくなったエンジン音。面倒がかかればかかるほど、愛しくなる。意思をもって踏み込むと、一気に汗馬のごとく猛然とダッシュする。我が家はサブちゃんと呼び続けてきた。
実は、次もサブちゃんと決めていた。が、リーマン・ショックが引き金となって突然の閉鎖の報。これを中国系企業が経営することになった。わずか1000人も満たない職人の手造りの会社が、中国系になったらどうなるか、技術も理念も経営も伝統も破壊され続けることになる。
冗談じゃない、これがサーブをやめた理由である。