著 者 月村 了衛
出版社 幻冬舎文庫(406頁)
凄まじい小説である。リアルな戦闘シーンが不断に続く。ハラハラドキドキの一気読み。疲れた。
ジプチとソマリア国境を舞台にした日本の陸上自衛隊第一空挺団員12名の冒険と逃亡の活劇ドラマ。
この小説の刊行は2014年9月、安保法成立の1年前。先週、史上初めて、日本自衛隊の”駆けつけ警護"部隊が派遣された。 この小説では、弾圧されているソマリアの現地氏族が自衛隊に助けを求めて走り込んでくるという、逆の "受け入れ警護"のシチュエイション。
外に出た自衛隊は、いつか死傷に遭遇するだろう。絶対無いとは言い切れまい。
東野圭吾の『天空の蜂』が、《3.11》前に、未来の原発と社会のありようを予見したと言われるように、この小説もやがて予見していたと話題になることがあるかも知れない。
オタクが喜びそうな戦争のための装備品・武器・車輛などが、次つぎと登場するが、門外漢にはサッパリ。そこで、それらの画像をあたってみた。イメージが広がった。
RGD-5。遠投手榴弾。
1954年にソ連軍が開発し現在で東側諸国やアラブで生産・使用されている。
C-4。 プラスチック爆薬。
TNT換算で1.34倍の威力がある。
PKM汎用機関銃。
1960年代にあのAK47を開発したミハイル・カラシニコフが開発した機関銃。
銃身長658mm、 重量8990g、口径7.62mm。
RPG-7
ソ連が開発した歩兵携行用の対戦車兵器。安価、簡便かつ効果的であるため、
途上国の軍隊やゲリラ、 民兵が好んで使用し、ベトナム戦争以降から現代に至るまで
世界各地の武力紛争において広く用いられている。
40カ国が正規に採用しており、様々なモデルが9カ国以上で生産されている。
クレイモア対人地雷
アメリカが開発・使用。重量1.6kg。湾曲した箱状の外観に700個の鉄球を内包する。
地上に敷設して起爆すると鉄球を扇状に発射し、設置位置の前面に鉄球を投射することにより、
1基で広範囲に殺傷能力を発揮する。
M15対戦車地雷
アメリカ軍が朝鮮戦争で使用した。重量14kg、直径333mm、高さ150mm。
マカロフ
ソ連が開発。
大型で威力の高いトカレフの反省から生まれた。携帯性に優れ、取り回しが良い銃として
評価が高い。戦場での拳銃の必要性を見直し、拳銃を主力火器としてではなく副次的な装備
と して考え始めた結果だと云われている 。
ドラグノフ狙撃銃
セミオートマチックライフル。銃身長620mm、重量4,310g、有効射程600m、口径7.62mm。
製造期間1960年~現在。アフガン、チェチェン、南オセチアの紛争で多様。
我が世代が子供の頃、男の子のおもちゃは、ブリキの鉄砲と自動車とロボットが最高だった。夢中だった。今はゲームが圧倒的だろう。