原 題 HACKSAW RIDGE
制作国 オーストラリア/アメリカ
監 督 メル・ギブソン
出 演 アンドリュー・ガーフィールド、サム・ワーシントン、ルーク・ブレイシー、テリーサ・パーマー
太平洋戦争における沖縄戦が舞台。”ハクソー・リッジ(=のこぎり崖)”は浦添市の前田高地のことを言う。
難攻不落の日本軍陣地を攻めるアメリカ軍の中にあって、一切の武器を持たずに戦う一衛生兵。砲弾の雨をくぐり、肉塊飛び交う接近戦を這い、夜陰に乗じては150メートルの崖上から、ロープに託して負傷の戦友を下ろして助ける戦い。一人で助けた数75人。
良心的兵役拒否者(宗教上などの信念によって兵役を拒否した者)としてアメリカ史上初の名誉勲章を、トルーマン大統領から授けられた人物がモデル。実話に基づいている。
見どころは戦場のリアリティ。地上戦、接近戦でのシーンは歴史に残るに残ると思える。陰惨と言えばこれほど陰惨なシーンは観たことが無い。また、”日本軍が地から湧いてきた”という言説通りの映像。身体が震える恐ろしさを感じる。
組織と人間。その目的と役割。上官が言う通り、軍隊は人を殺すためにある。一兵士でありながら殺さないという勝手は通るのか。かつて杉原千畝は外務省と言う組織のルールを冒して、称賛されている。今世情では、外務省高官が、官僚の禁を破って事実を語り、政府を追い詰めている。民主主義は、個人の心情と行動を優先する。難しい。
今年のアカデミー賞で、録音賞と編集賞を受賞した。