著 者 松本 清張
出版社 新潮文庫
価 格 アマゾン価格1円 郵送料257円
松本清張を片端から読んだのは、もう30年位前になろうか。私のベスト・ワンは『点と線』。
この『黒革の手帖』は読み損ねていたので、武井咲主演のテレビ・ドラマ化の記事に刺激を受け読んでみた。
唸った。やはり清張は清張。社会派の巨星。
下巻の四分の三からは、読み進むのが嫌だった。ヒロインが絡め捕られてゆくさま、それも自らが這いあがるために陥れてきた悪の連中に復讐される過程が恐ろしくて前に進まない。
実社会では、一人の女を嵌めるために悪人たちが横に連携するチーム・プレイなどあり得ない。
清張が描いたのは、当時急成長していた地銀・予備校・私立病院などの裏の闇で蠢く色と慾の群像だ。
この物語は、過去30年の間に6回も映像化されている。
銀座、役者、社会性、どれもが時代を超えて制作意欲を掻き立てるのだろう。
昨夜、チラとオン・エア中の同番組を目にしたが、大分シナリオに手が加えられているように思えたが、果して。