処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

人生経営論

2018-10-07 21:08:12 | 

著者 久米信廣 / 岡田晴彦

発売 ダイヤモンド社(10月4日発売)

定価 1620円

 

    

異能の実業家とビジネス誌編集長の対談集である。

というより、百戦錬磨の編集長の、まだあまり世に知られていない一中小企業経営者の哲学と生き様とその人物を世に送り出そうとの意欲がストレートに伝わってくる本である。そしてその意図は成功している。

凡百の経営哲学やビジネス指南書とは異なり、一言ひとことの言説が実に素直に入ってくる。世の常識を覆す持論の展開も、納得がいってしまう。それはきっと、失敗も含めて、著者が歩んできた過去に、自分の生き方に圧倒的な自信を持っているからだろう。

行間の語り口から滲み出る ”百人百色でいいんだ” ”自分は自分”という想念は、読む人の肩の力を抜いてくれるに違いない。

空白の20年このかた、何も良いことのない時代を生きて来ざるを得なかった残念を自覚する世代、非正規社員の膨らむ時代だからこそ、読まれるべき本、読むべき本であろう。

サブタイトル「あなたは、あなたの経営者」上手い表現、言い得ている。

頁のレイアウトもよく考えられている。上段に発言者名、下段に語句解説、これが短いながらも適切で正確。対談部分の活字は、明朝とゴシックの2種、より重要な箇所がポイント4倍の太字ゴシックで組まれており、読者へのサービスが行き届いている。

たり前だが、対談なので話し言葉。一気に読める。夜長の秋にお薦めの一冊である。

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