新型コロナウイルスのため、今週は月曜日からテレワーク。二日目の昨日、ザッピングで出くわして、思わず2時間見入る。名付けてテレビワーク。
さすがNHK!と賛辞を贈ります。
近衛秀麿はベルリン・フィルを初めて指揮した日本人であり、兄は太平洋戦争末期の日本国首相近衛文麿である。その彼が、ナチス・ドイツの戒厳令下のヨーロッパで”ユダヤ人音楽家を助けるために、オーケストラまで組織してそれを隠れ蓑に活動をしていた”と思われる事実を追って構成された2時間のサスペンス・ドキュメント。
日独伊三国同盟の下で、日本の宰相の実弟が、ナチスの手からユダヤ人を救うことなどができたのか。
80年前の話であり、当時のマエストロ・コノエを知る音楽家やレジスタンスの証言を得ることは今や絶望に等しい。糸をたぐりたぐり迫って行く映像と音楽のドキュメントである。地味かつ荘重。
併せて、挿入されるオーケストラ団員の楽旅やリハーサルの姿などの再現シーンも抑制され、まるで当時の実写のよう。
玉木宏の言葉少ない語りとミステリアスな雰囲気もなかなかいい。番組の重要なファクターになっている。
これまで、’17に放送され、’19に再放送。今回が3回目の放送のようだ。ネットでも好評なので、三たび四たびもあるでしょう。もっとも今はオンデマンドか。
HPによれば他にショスタコーヴィチ『革命』にフォーカスした番組も放送されたようで、その再放送は見逃すまい。
1944年、ワルシャワで指揮するマエストロ・コノエ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます