NHK総合、Bsハイビジョン
6回連続の1時間ドラマ。狂騒の発展を続ける上海が舞台のビジネスと友情と恋を描いた女たちの物語。
これほどシンボリックに現在の上海を描いた作品を他には知らない。見事に成功している。90年代後半から、日本のビジネス世界をはじかれたキャリア・ウーマンたちの中には、上海での成功を目指した人も多くいた。3000以上の高層ビルの建つ上海には今4万人を超える日本人が生活している。その一つのドラマである。勿論フィクションだが。
ハイパー・シャンハイとノスタルジック・シャンハイ。鮮やかな映像の落差に目が釘付けになる。信頼と裏切り、家族の愛憎、開発と疎外、異文化の交錯。脚本の福田靖は、制作にあたって6日間しか上海を取材していない。これだけメリハリの効いた内容に仕上げた手腕は大したものである。
キャスティングもなかなかいい。妊娠のため撮影を中断したというヒロインの木村多江の体当たりの演技が心地よい。上海先住邦人の松下由樹、MEGUMIが出色。少女役の林丹丹は、やがてチャン・ツィーのようにおおばけする気配あり。青年投資家のピーター・ホーの芯の温かさを隠したミステリアスな青年投資家も味がある。
最終回、ヒロイン美鈴の父・古谷一行がいう。「諦めさえしなければ、きっと何かが起きる。そういう街だ上海は。自分を信じるんだ」
いい台詞だ。気障だが・・・。
「上海タイフーン」撮影地 その1、 その2、その3、その4、その5
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます