太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

プラバー(PLOVER)

2012-08-21 08:37:05 | ハワイの自然
プラバーという名前の鳥がいる。

渡り鳥である。



普段は、けして群れず、いつも1羽で行動する。

他の鳥たちが、数羽で仲良さそうに何かをついばんだり、枝から枝に飛び移ったりしている横で、

プラバーはいつも一羽きりでポツンとしている。

「寂しくないの?」

時たま声をかけてみる。

「人間関係(鳥関係?)がウザイんだよねぇー」「ひとりのほうが気楽さ」「寂しいってどういうこと?」

その時の私の心境によって、さまざまな答えが返ってくる。

それぞれのテリトリーがあり、そこから滅多に遠くに行かないようだ。



毎年、6月の或る日、彼らは集まって、一斉にアラスカに飛び立つ。

その時期が近づいてくるのは、彼らの衣装(?)を見ればわかる。



旅立ちの衣装(私たちはタキシードと呼んでいる)



だいたい6月の半ば頃なのだが、

普段は1羽づつで行動している彼らが、どうやって旅立ちの日を知るのだろうか。




彼らは、8月18日に戻ってくる。

しかも、旅立ったときと全く同じ場所に戻ってくるのだ。どうやって??

そのとき、彼らの衣装は元に戻っている。

脳の中のどこかに、正確なGPSがあるとか、離れた仲間とテレパシーできる能力があるとか。

私みたいな方向音痴のプラバーがいたら、生き残れないだろうなあ、ほんと・・・




動物の生態は、とてもじゃないが人間の理解を超えている。

ある種類の蝶は、数世代をかけて「渡り」をし、また数世代かけて戻ってくるのだという。

いったい自分の受け持ちのパートがどこからどこまでなのか、どうやって知るのだろう。




おととい、8月に入って初めてプラバーを見かけた。

長旅を終えた達成感もなさそうで、かといって疲れも見せず、ただ、1羽でポツンとそこにいた。


「お疲れさん、長旅だったね」

聞いているのかいないのか、

どこか遠くを眺めていた。






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