太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ハオレラット

2020-08-06 10:26:20 | 日記
先日、鎖骨の下から胸までの間に、なにか模様が出てきたのに気づいた。
パッと目には普通の皮膚なのだが、よく見ると白っぽい部分がある。
ハタケに似ている。
ハタケは私はかかったことがないが、小学生の頃、クラスメイトの顔や首にできていた。
痛くもかゆくもないので、放っておいたら、夫が気づいた。

「ああ、ハオレラットだね」

ハオレ、なに???

「ハオレラットだよ、ウィルスで感染するんだ」
「感染???」
「だーいじょうぶ、よくあるんだよ」

何度聞き返しても、ハオレラット。
ハオレとは、ハワイ語で白人という意味だけど、ラットはネズミなのか?
白人のネズミ?
わけがわからないが、まあ、そういう名前らしい。

義両親と夕食を囲んでいたときに、夫が
「シロにハオレラットができたんだよね、明日セルサン買って来るよ」
と言うと、シュートメが
「セルサンなら、ゲストルームの棚にあるかも」
そういって、ゲストルームから持って来てくれたのが、これ。

セルサンブルー

塗り薬ではなく、ボディシャンプー。
その日から、シャワーのときに、これをその部分に塗って、ほかはいつものソープを使っていた。
甘い咳止めみたいな匂いがする。
成分を見てみたら、アスピリンが含まれていた。
夫はアスピリンアレルギーがあり、アスピリンが体に入ると呼吸困難になって死んでしまう。
なんか怖いので、バスルームではなく、クロゼットに保管。


しばらくたって、ドラッグストアに行ったときに、夫がファーマシストに聞いた。
「ハオレラットができて、セルサンブルーを使ってるんだけど、他になにかいいものはある?」
「ああ、ハオレラットね。セルサンブルーでだいたいよくなるよ。
それ塗って15分ぐらいおくのがコツ。塗り薬になると、処方箋がいるんだけど
ひどくないならそのうち治るよ」

私はそれをつけてすぐに洗い流していたから治らなかったのかも。
それで、しっかり時間をおいてからシャワーを浴びるようにした。



異文化圏には、そこに住む人にしかわからない隠語めいたものや慣習がある。
ハオレラットも正式名称ではないと思うけど、みんな知ってるし、
ハオレラットになったらセルサンブルー、というのも知ってる。
昭和の日本だったら、軽い切り傷や吹き出物にはオロナイン軟膏塗っとく、とか。
蚊にさされたらキンカンとか。
疥癬にはムトーハップのお風呂とか。(友人によるとムトーハップはもうないのだそうだ)
昔、祖母がデイサービスからもらってきた疥癬が家族にうつって、掻くのを我慢して毎日ムトーハップのお風呂に入っていた。
匂いからして、効きそうだった。(実際、効いた)
堪え性のない父だけが、掻きまくって背中を血だらけにしていたものだ。


ハオレラットはまだあるが、そのうち消えてなくなるだろう。