太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

名前は自分で決めてくる

2020-08-17 14:22:40 | 日記
自分の名前は、自分で決めて生まれてくる、と私は信じている。

私の名前は、神社でいくつかの候補の中から親が選んだという。
妹のダンナさんの名前は、父親の卒業名簿の中から選んだというし、
昔のクラスメイトは、父親がファンだった女優の名前だという。(たしか畠山みどり)
それでも私は、生まれてくる自分が、そう選ばせたと思っている。

そう信じるきっかけになったのは、ゲームセンターの姓名判断だった。


十代の頃、私は仲間とボーリング場に行った。
ボーリング場には、ゲーム機もいろいろと置かれており、
その中に「姓名判断」できるという機械があった。
待ち合わせに遅れてくる仲間を待っていたときに、時間つぶしにそれをやってみたのがいけなかった。
私の下の名前をインプットしてみると、瞬時に答えが画面に現れた。

後家になる名前

なにィ!!!!!
私はかなりの衝撃を受けた。
結婚どころかボーイフレンドもいないのに、後家になることが決められた運命だというのか。
姓名判断といったって、ただのゲーム機じゃないか。
と表面では思って、忘れてしまおうとしたのだが、この時からずーっと後家の不安は私につきまとった。

なんとか、同じ字を持つ人で、後家じゃない人をさがして自分を安心させようと思うのだが、
ヒロコという名前はありふれているけど、同じ字の人はそれほどはいない。
高校の美術の教師が、私と同じ字の同じ名前だったが彼女は若くて独身。
先生が結婚して、後家じゃないのを確かめるのは時間がかかりすぎる。


その後何十年も、私はその呪縛にとらわれていた。
あるとき、スピリチュアル本に、
自分の名前は生まれる前に自分で決めてくる
と書いてあるのを読み、「これだ!」と思った。
自分で決めてくる名前なら、後家になる名前なんかにするはずないじゃないか。
最高にいい名前にするにきまってる。
そうだそうだ、あんなのただのゲーム機さ。

そんなとき、池部良さんの随筆を読んだ。
若い人たちは池部良さんを知らないかもしれないが、私は後にも先にも1番の二枚目俳優だと思う。
池部良さん

池部氏は文才もあって、軽妙な随筆をたくさん残している。
顔は二枚目でも性格はざっくばらん、文章から人柄がにじみでている。
92歳で他界される直前まで書き続けていた。

池部良という名前は本名だそうだ。
池部さんが生まれたとき、池部さんの父親にお祖父さんが
「自分の名前の鍬吉(くわきちを継がせろ」と言うので、
改めて考えるのもめんどうだし、じゃ、それにしようということになり、
名前を届けに町役場に向かった。
寒い日だったのでポケットに手を突っ込んで歩いていたら、
何かにつまづいて、転んで嫌というほど顔を地べたにひっぱたいてしまった。
あまりの痛さに身動きできず、その姿勢のままでいたら、ふと目の前にあった看板が目に飛び込んできた。

『良質菜種油』

とそこには書かれていた。
転んだ痛さで、鍬吉、という名前などすっ飛んでしまい出てこない。
また改めて考えるのも面倒だし、看板の1番上の『良』の字を借りた。

これを読んだとき、「ああ、やっぱり!」と思った。
池部良さんは、せっかく二枚目の、のちは俳優にもなるつもりで生まれてきたというのに、

鍬吉

なんて名前にされちゃたまらん、と思ったに違いない。
その看板の前に倒れるように父親に足を引っかけて転ばせたのは、きっと生まれたばかりの池部さんのスピリットだったと思う。




アメリカ人は、ミドルネームとファーストネームの、どちらでも好きなほうを通称として選べる。
ハワイアンの血を受け継ぐ同僚たちは、「寿限無」かと思うほど長い名前を持っている。
出生証明書には全部書かれているけど、普段はそんなに長い名前を書けないから、好きな名前をひとつ選べるのだ。
そういう人たちは、欲しい名前が多すぎて、生まれる前にひとつに絞りきれなかったのかも。


それにしても、ゲームの姓名判断はけしからん。
私のように、何十年も引きずってしまうタイプの人もいるのだから
適当に良さそうなことだけを書いておくべきだと思う。










カニじゃないクリームコロッケの出来

2020-08-17 10:09:23 | 食べ物とか
シュートメの誕生日。
誰かの誕生日は、その人の好きなレストランに行くのが通常だけれど、非常時でもあり、
夫の叔父と叔母だけを招いて家で祝うことになった。

義父が、シュリンプカクテルと、お寿司のパーティサイズをオーダーし、
クラッカーと数種類のチーズ、オリーブのピクルス、
叔母が手作りのクルミ入りのバナナブレッドと、ジンジャーシャーベットを持ってきた。
私は、シュートメが好きな、ゴートチーズワンタンを作り、
クリームコロッケと、カボチャと紫芋のデザートも作った。
私としては、異例の張り切りようである。

ゴートチーズワンタン

ワンタンの皮で、ゴートチーズをで包んで素揚げするだけ。
スイートチリソースをつけて食べる。
パリパリで、チーズがしっとりして、スイートチリの甘さが良く合う。
人が集まるときにこれを作ると、あっというまになくなってしまう。

カボチャと紫芋のデザート

これは夫のアイデア。
ダイス状にカットしたカボチャと紫芋を蒸して(レンジでもいい)、冷たくしておき、
薄切りのココナッツと、ココナツミルクであえる。
オーガニックのココナツミルクは、冷蔵庫にいれるとヨーグルト状に固まる。
それをそのままのっけてみた。
野菜の甘味とココナッツの甘味が、すごくよく合う。

丸いはずだったクリームコロッケ

これは、私が持っている日本の料理本を見た夫のリクエスト。
あまり気乗りがしなかった。
だって、クリームコロッケってベタベタして成形がめんどくさいじゃないか・・・・

ホワイトソースだけだとベタベタすぎるので、ジャガイモを足して成形しやすくする、と書いてあって、
それなら私にもできるかも、と思った。
カニの身を入れるところを、シュートメがカニアレルギーなので、
エビを刻んで入れた。
が、
料理本の写真の、真ん丸のコロッケとは別物ができた。
私だって、できるだけ丸くしようと試みたさ。
スプーンを使ったり、手を濡らしながらまるめてもみた。
成形したのが、小麦粉と卵液に入れた段階で平たくなり、
パン粉の時点でなんとか丸く戻し、揚げているときにつぶれてフィニッシュ。
深い鍋で、たっぷりの油で揚げればいいのかもしれないけど。

味は、よかった。
でも、苦労したわりには、普通の味。
教訓。
クリームコロッケは、外で、あるいは冷凍食品を食べるものである。