食事の用意をするとき、私は「段取り命!」になっている。
たとえば、朝。
メニューは味噌汁、果物、冷ややっこ、納豆。
・まず小鍋に水を入れるが、点火しないでおいておく。
・おろし器と、味噌濾しを出しておく。使う予定のカトラリーを出す。
・豆腐、だし、わかめ、味噌、生姜、納豆を冷蔵庫から出す。
ここで鍋を点火。
・味噌汁用のそばちょこ(朝の味噌汁はそばちょこなのだ)と、フルーツ用のプレート、冷ややっこ用のボウルを出す。
豆腐の半分を保存するタッパーも出す。
・豆腐をボウルに入れ、同時に残りの半分の豆腐をタッパーに移す。
・生姜をおろしていると、お湯が沸く。
・生姜をそばちょこに入れ、冷ややっこにものせる。
・出汁と生姜いりのそばちょこにお湯を注ぎ、味噌をとく。
・夫が納豆担当なので、納豆とともに、付属のタレを切るハサミを置いておく。
・空になった小鍋に再び水を張り、点火しつつ、紅茶の葉を出しておく。
沸騰したら、明日のためのアイスティを作る。
作業をしながら、使ったものはどんどん冷蔵庫に戻し、洗えるものは洗ってしまう。
汚れた食器やボウルや鍋が散乱しているのは好きじゃないのだ。
味噌汁用の小鍋も、ちょうどいいタイミングで沸騰するように計算(?)している。
おおざっぱなことでは誰にも負けない私が、どうしてこんなに段取り命なのか
わけがわからない。
しかも、料理に関してだけ。
しかしそこは詰めも読みも甘い私のことで、
レシピを見ながら作業するとき、予習せずに読みながらやるものだから
最初に使ったミキサーやヘラなどをどんどん片づけてしまい、
あとになってそれを使うことが判明して、再度取り出す、ということが起こる。
父は無類のせっかちだったが、段取り魔ではなかった。
母は、段取りの欄外にいる人で、
揚げたものを出すバットを用意していないのに、揚げ物を始めてしまう。
それで間に合わせに、鍋の蓋を逆さまにして(もちろんグラグラ)広告の紙を敷いた上に揚げたものを乗せる、ということをする。
(時にはちゃんとバットを用意するが、揚げながら、である)
使ったものは、洗い桶の中に溜まってゆく。
私のこの段取り命(料理限定)は、どこから来たものだろう?
姉は、どちらかというと段取り派かもしれないが、妹は母そのもの。
いつだったか妹の家に遊びに行ったとき、揚げ物をしていたのだが
鍋の蓋を逆さまにした上に揚げ物を乗せていたので
「お母さんと同じことしてる!」
と指摘したら、本人は無意識だったというのでDNAの恐ろしさを知った。
料理が終わったとき、シンクや作業台がすっきりとしているのが理想なのに、
あとでしまおうと思って、テーブルに置いたものが1週間もそのままで
明日着るからと思って、椅子の背にひっかけた服が、何日もそこにあり、
乾燥機に入れたくない服を吊るして、とっくに乾いているのにずっとあり、
結局吊るしたところから外して着ている。
段取りとズボラさは比例しないようなのである。