太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

若者よ。

2020-12-01 15:30:33 | 日記
本屋で働いていた時のことだ。
学生アルバイトのジェシカが、今日は仕事に行けないという電話をかけてきた。
理由を聞くと、宿題が多すぎて、と言う。
たまたま来ていたオーナーが代わり、そんなことは理由にならないとかなんとか言い、
電話を切ったあと、そこにいた私の同僚たちが「甘い」だの「常識がない」だのと言い合った。
そこまで言うほどのことかと私は思ったけれど、めんどくさいので黙っていた。

仮病を使うでもなく、正直に宿題が多いと言ったジェシカのあっけらかんさが
私はむしろ好感が持てた。
たかが学生のアルバイトなんだし、ジェシカはこれが初めてのアルバイトだ。
こういう私の意見は少数派なんだろう。
私にはジェシカを責められない理由がある。



社会で働き始めた頃の私は、それはもうひどかった。
私はごく普通の家庭で、まあ常識的に育てられたと思っていたが、私の自由度は常識を超えていた。

街を歩いていたら、社長を見かけた。
地方とはいえ、一応ちゃんとしたテレビ局の社長といえば社員には雲上人、
入社式やパンフレットの中の写真ぐらいでしかお目にはかかれない。
それを私は、
「社長ーーーーッ!!!」
ブンブンと手を振りながら駆け寄った。
社長は私を知るはずもないが、そんなことはお構いなしだ。
「先月入社した、美術の〇〇ですー、今日はどちらまで?」
社長は戸惑いながらも、そこのホテルで会合があって、というようなことを言った。
その話をすると、聞いた人は一瞬引いた。
まるでホステスと常連客のオヤジじゃないか、という人もいた。

自分勝手で、周囲の和を乱すようなこともしたし、上司と喧嘩もした。
美術部のチーフが、何度、私の親に訴えでようかと思ったという。

入社して1年ほどした頃、直属の先輩だった人が身体を壊して、
私が彼女の分もカバーせねばならなくなり、その辺から私は見違えたように(と自分で言うのもアレなんだが)普通の働き者になった。
「いったいどうなっちゃってんの?」
とチーフが目を丸くするほどの変貌ぶりだ。


めちゃくちゃだった私は二十歳だったが、ジェシカは18だ。
宿題が多いから仕事に行けないぐらい、なんだっていうのだ。
今の職場でも、18ぐらいの若者が入ってくることがあるけれど、
私のアホさに比べたら、みんなしっかりしていると感心する。
その後、ちょっとは社会に揉まれて、私はわかったような大人になった。
けれども、はみだして厄介者だった二十歳の自分を忘れたことはない。


若者よ、おおいにはみ出し、自由に生きよ。

なんのお手本にもならない大人の私から、なんの肥やしにもならない激励の言葉である。





寒い(ハワイ的に)

2020-12-01 09:40:27 | 日記
今朝は寒かった。
寒い地域の人には大きな声では言えないが、67F(16℃)だった。
これでもハワイ的には、かなり寒い。
暖房器具がなく、冬服があまりなく、窓を開放しているので余計に寒い。

どんなに寒くても、窓を閉め切るのは好きじゃない。
息が詰まるような気がするのだ。
雨が降っても、雨が降りこまない窓は半分ほど開けておく。
義両親の家では、暖炉に火が入っていた。


彼らは冬は大抵、窓を閉め切っていて、家に入ると空気が止まっている。
暖炉で足をあたためながら、そっと窓を少し開ける。
真冬の露天風呂の、身体は温かく、顔を撫でる空気はピンと冷たい、あの感じ。



今日のランチは、ベトナム料理のテイクアウト。
映画でもよく見る、この容器。映画だと、中華料理が入ってるけど。


ハワイには中国の人もたくさんいるし、チャイナタウンだってあるのに、
なぜか、私が美味しいと思う中華料理の店が少ない。
私の味覚は、日本的な中華料理で、ここで食べる料理の味が本家に近いんだろう。
唯一、美味しかったのは、ベレタニアン通りの老舗のDrop inn。
通り過ぎてしまいそうな小さな店だが、いつも人で一杯。


今日から12月。
いつもなら、今日はホノルルシティライトといって、
市庁舎の前に、クリスマスの飾りが大々的に飾られる日だ。
10年前に、甥2と。

今年はコロナウィルスの影響で中止になって、
その代わりに、アロハスタジアムで、ドライブスルーのイルミネーションが開催されている。
車に乗ったまま、30分ほどイルミネーションの中を進む。
1台50ドルだから、5人で乗れば、一人1000円ほど。


あと1か月で今年が終わるなんて。