太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

金の斧、銀の斧

2020-12-29 10:22:32 | 日記
夫と買い物をしている途中で、ついでだから小切手を入金するという。
スーパーマーケットの中にある銀行のATMは、小切手をスキャンして入金することもできる。


私は絶対に、機械じゃなくて銀行の窓口に行く。
いくらハワイの銀行がいい加減だと言ったって、機械よりは融通がきくし、安心感がある。
だから夫にもそうして欲しいと思うのだけれど、夫は平気で1度に数枚の小切手を吸い込ませたりして、私の心拍数を上げるのだ。


夫はその日も2枚の小切手を同時に機械に入れた。
機械は小切手をスキャンしていたが、しばらくすると小切手を返してよこした。
皺を伸ばして、再び入れる。
またベロベロと出てくる。
「あー。土曜日に窓口に行こうよぅ」
私は気が気じゃない。
何度目かで、今度は画面に表示が出た。

スキャンした小切手の映像が出て、その隣に 

5000ドル(50万円)でよろしいですか?

という確認。その下に、YES と NO のボタン。
小切手には、500ドル(5万円)と書かれており、
その下にご丁寧に Five hundred dollars とも書いてあるのに、である。


まるで物語「金の斧、銀の斧」。


沼から女神が現れて、
「あなたが落としたのは50万円(金の斧)ですか?」
と尋ねているのだ。
ここでYESを押したら、5000ドルもらえちゃうということか。
卑しい私の頭の上に、悪魔と天使が出てきた。

👿「YES押しちまいな、あんたのせいじゃないぜ」

👼「いけないよ、そんなこと。それは泥棒で詐欺だよ」

そんな私をよそに、正しい夫はNOを押し、500ドルとテンキーを打ち直した。
「手書きの数字が読みにくいんだよね、きっと」
そんなことを言っている。
そのために、

Five hundred dollars 

というふうに書く欄があるんじゃないのか?
数字は読めても英語は読まない機械なら意味なし。




だーかーらー私は小切手は絶対に機械に入れないんだ。
言わんこっちゃない。
キャッシュカードすら、1度しか使ったことがない。
アメリカのこういう機械なんか、絶対信じられないのである。