昨日、姉からメールが来た。
「今日はお父さんの命日だね、お父さん、アッチの暮らしに慣れたかなァ」
父は昨年12月15日に他界したので、命日は明日だと思っていたけど、
ハワイは日本よりも1日遅れているから、今日だった。
病院で亡くなったのではなかったから、チューブにもつながれず、自然に呼吸がゆっくりになって、眠るように逝った。
私が行くのを、じゅうぶんに待ってくれて、私は父に会うことができた。
そんなことを思いながら、うとうととしかけたとき、
眉と眉の間のあたりが、指で軽く触ったようにムズムズとして、
ほんの一瞬、お線香の香りがしてすぐに消えた。
父が来た、と思った。
父を見たくて目を開けたけれど、誰もいなかった。
けれど確かに、父がいると思った。
「お父さん、大好き、ありがとう」
父が亡くなった時には泣かなかったのに、亡くなったあとで父を思うと泣けてくる。
父は、新しもの好きで、騒ぎも大きいが、ポジティブで切り替えも早い。
くよくよせず、どんどん道を切り開いてゆくタイプ。
そんな父だから、当然、アッチの暮らしをおもしろがって、楽しんでいるに違いない。
一周忌の法要には、コロナウィルスの影響で母は参加できず、
後期高齢者の叔父叔母たちも参加を控えて、私も行けず、こじんまりした法要だったらしい。
「なんだかアンタっちも大変だなぁー」
父は驚いたときにそうするように、目を丸くして眺めていることだろう。