太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

天使に出会った実話 2

2023-05-02 07:42:29 | 天使に出会った実話
Carmel Reilly著『True Tales of Angel Encounters』より

レイラ(55) コペンハーゲン デンマーク

私は老人ホームに勤務していて、過去に2回、天使に出会ったことがある。
最初は、ある老婦人が亡くなったとき。彼女は眠っている間に穏やかに息を引き取り、連絡を受けた息子とその妻がこちらに向かっているところだった。
様子を見に彼女の部屋に行くと、女性がベッドの脇に立って、手のひらを老婦人の額に当てていた。部屋は神々しいような光に満ちていて、私は思わず「すみません」と言ってドアを閉めた。きっと息子の妻が、予定より早くに到着したのだと思った。
しばらくドアの外に立っていると、そこに息子とその妻が慌ててやって来た。
3人で部屋に入ると、さっきまでいた女性は消えていた。私はずっとドアの前におり、誰も出てはこなかったのに。

2回目は、ある男性が入居してきたとき。
彼はアルツハイマー病を患っており、暴言を吐いたりして手に負えなくなった家族が、彼を連れてきたのだった。
彼は攻撃的で、常に何かにいら立っていて、とてもケアが難しい相手だった。
ある時、私は定期的にやっている部屋の見回りをしていたら、部屋にいるはずの彼がいなかった。
他の入居者が、彼が外に出て行くのを見たと言うので、外に出てみた。
すると彼は、両側を若い男性と、彼と同じぐらいの年齢の女性にはさまれて、芝生の上をゆっくりと歩いていた。彼は女性の手を握っていた。
私は彼らのあとをついて行き、彼らが建物の角を曲がり、私も角を曲がったところ、そこには彼一人だけがいて、若い男性と女性は煙のように消えていた。
建物は壁だけが続いていて、どこにも隠れる場所はない。
彼は、私がそれまで見たこともないほどに穏やかで、機嫌がよく、私に話しかけてきた。
今、妻と会っていたんだ、と彼は言った。
若い男性が妻を連れてきてくれて、1時間ほど話をしたんだ、と。
そして、いくつか奥さんとの良い思い出を語ってくれ、どんなに幸せな結婚生活かを話してくれた。
その時の彼はまったく普通で、アルツハイマー病などではなかった。
私たちは15分ほど、そこで立ち話をし、彼は部屋に戻っていった。
その夜、彼は脳梗塞でこの世を去った。
そのあとで、彼の妻が10年前に他界していたことを知った。
私は、彼の死を知っている天使が、妻と会わせてくれたのだと思う。そして、彼の死のあとも、妻と会えるように手配してくれたと信じている。
彼が今どこにいるにしろ、愛する妻と一緒にいて幸せに違いない。