太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

天使に出会った実話 10

2023-05-22 07:12:42 | 天使に出会った実話
Carmel Reilly著『True Tales of Angel Encounters』より


アリソン(47)  マンチェスター イングランド

数年前、私は睡眠薬と痛み止めの薬にほぼ中毒状態だった。その時期、私はとても辛い状況にあり、気持ちを安定させるために、どんどん薬に頼っていったが、それは状況を悪化させはしても、けして好転させはしなかった。
ある時、こうして自分を痛めつけることに飽き飽きして、薬を全部断つことにした。しかし、徐々に量を減らしていくべきところを、私は残りの薬を全部捨て、いきなりすべての薬を断ってしまった。
あとになって、これがどんなに愚かなことだったかを知る。
心臓の動悸が激しくなり、ホットフラッシュのように暑くなったりした。血圧は下がり、立ち上がるときには眩暈がした。

二日後、いくぶん気分がよくなったので、買い物に出かけたのだが、買い物の最中に調子が悪くなった。血の気が引き、汗が吹き出して、このまま倒れてしまいそうだった。私は低い壁に腰かけて、気絶しそうになるのを堪えていた。
そこに、宝石が入った箱や袋を抱えた男性が通りかかった。彼は今から商売の準備をするところのようにみえた。
彼は私を見て立ち止まり、袋の中から金色の天使の人形を取り出して、言った。

「あなたにはこれが必要だと思いますよ。気分が悪くなったら、これを握りなさい」

そして男性は去って行った。
私は言われたとおり、天使の人形を握りしめた。すると、動悸は少しおさまり、気分も安定してきた。
その後も、天使を握りしめるたびに、不思議とすっと気分が落ち着くのだった。

この症状がおさまるまで数週間かかった。それはとても辛い数週間だったけれど、天使の人形にどれだけ助けられたかしれない。具合が悪くなって握りしめると、いつも頭の中に大きな天使が現れて、調子が戻るまで私をしっかり抱きしめてくれるのだ。

のちに医者に行ったら、医者は、

「よくまあ乗り切れたもんだね!普通ならそうはいかないよ」

と大層呆れて言った。確かに私は素人考えでバカなことをしたけど、天使の助けがあったことに感謝している。