2019年6月28日に、厚生労働省が5月の有効求人倍率を発表したが、それについてのメディアの報道の仕方には問題がある。それは新聞記事などの「見出し」に、非正規社員を含んだ数値を記載している事であり正社員の数値ではない事である。正社員の有効求人倍率の数値は記事文中の後段でやっと出てくるような書き方である。有効求人倍率数値についてのメディア報道は正社員を基本とするべきである。メディア報道の非正規社員を含めた数値によって求人状況についての誤った理解をしている国民がいるし、さらに誤った理解を広める(誤解を生む)可能性を持っているからである。正社員の有効求人倍率こそ国民は注目したいし、メディアもそうするべきではないのか。メディアは正社員と非正規社員それぞれの有効求人倍率を曖昧にしておく方が都合が良いのか。非正規社員の有効求人倍率がただ単に増加する事を問題と捉えていたのではなかったのか。もし問題と捉えているのであれば、有効求人倍率数値の「見出し」は正社員の数値とすべきだろう。
厚労省としては、非正規社員を含めて有効求人倍率の高さをアピールするのが狙いである事は明らかであるが、メディアがそれを知った上でそのまま報道しているならば、メディアは厚労省の狙いに加担しているという事になる。もし加担する意思が無いのであれば現状を直ちに改め、主体的なポリシーと問題意識に基づいて「見出し」には正社員の有効求人倍率の数値を記載して報道すべきである。
(2019年7月5日投稿)