「普遍的価値」を大切にしようとする姿勢に対し、「現実主義」を主張する政治的態度は、与えられた現実(現状)を、その根本的理由を追及する事なく、あるがままを容認し、その容認の上に思考(政策)を打ち立てていこうとする態度である。又、その「現実主義」者の目に入る現実(現状)は実際に目に映る現実(現状)でしかない事が多い。そして、そのような現実(現状)はほとんど、「政府の価値観」とそれに基づく政策によって築かれてきた現実(現状)なのである。「現実主義」者は現実(現状)に根本的疑問を持っていない。その容認の上に、思考(政策)を組み立てる。したがって価値観において、「現実主義」者の最大の特徴は、「普遍的価値観」といえるものではなく、「政府の価値観」であるといえる。「現実主義」者は、「政府の価値観」をはなれ、「個人の価値観」に基づいて思考する事はほとんど不可能である。「現実主義」者は、「普遍的価値観」を言葉にしても、それは「個人の価値観」で裏打ちされたものではないため、「口先だけ」や具体性のない「言葉だけ」のものに過ぎないのである。このような国民が多いほど、岸田自公政府にとって都合のよい政策を実現する上で、都合のよい政治状況である事はいうまでもない事である。
(2023年1月9日投稿)