国連人種差別撤廃委員会は2018年8月30日、安倍自公政権下の人権状況と政府の取り組みへの見解をまとめた報告を公表し、朝鮮高校にも高校就学支援金制度を適用するよう勧告した。
審査では、在日朝鮮人の権利課題についての発言が相次いだが、朝鮮学校への安倍自公政権の対応や取り組みについてどのように評価しているのかを少し紹介したい。
ボス―ト委員(ベルギー)は、「平等権及び子どもの教育権を鑑み、朝鮮学校にも高校就学支援金制度が適用される事、また地方自治体が朝鮮学校に補助金を支給する事を求める」と述べた。さらに「朝鮮学校に通う子どもたちと拉致問題とは、何の関係もない。朝鮮学校は支援金を受け取っていないのに、他の学校が受け取っている事に留意し、そのような区別に妥当な理由はないと考える。朝鮮学校は支援金を当然受け取れるべきであり、私たちはこの問題を歴史的な文脈で見るべきだ。歴史的な文脈こそ、朝鮮学校に通いたいと願う子どもたちから、いかなる支援金も奪われてはならないという事の十分な根拠である」と述べた。彼の在日朝鮮人の状況説明のほとんどの時間は朝鮮学校差別問題に充てられた。
※安倍自公政権は、朝鮮学校を高校無償化の対象外とする方針を表明した理由を、「北朝鮮による拉致問題に進展がなく、国民の理解が得られない」とした。
鄭鎮星委員(韓国)は、「2016年3月29日馳浩文科大臣の名で朝鮮学校が所在する都道府県に対して出した『朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について』で文科大臣は、朝鮮学校が朝鮮総連及び北朝鮮と関係していると指摘し、朝鮮学校に関する補助金の公益性を見直すよう地方自治体に求めたが、日本政府(安倍自公政権)は政治的理由に基づき、朝鮮学校への補助金を中止する事を各知事に促したように見える。実際、朝鮮学校への補助金を中止した都道府県の数は、2017年時点で14自治体にまで増えた。中央政府が地方自治体に対して、そのような命令をしてはならないと考える」と述べた。
安倍自公政権は、在日朝鮮人に対してだけでなく、沖縄県民(琉球民族)に対しても同様に(正しくは安倍自公政権ワールド以外のすべての人間に)、差別政策(人権侵害政策)を続けてきており、差別主義(人権侵害)を基本にした政治を行う差別主義(人権侵害主義)政権といえる。そして、この朝鮮学校の適用除外政策は、主権者国民に対して、在日朝鮮人と朝鮮民族への偏見や憎悪をこれまで以上に植え付け煽り(洗脳)、ヘイトスピーチを含む人権侵害行為を正当化させ助長する結果を導いているのである。
つまり安倍自公政権は、主権者国民の意識精神の健全な発展を故意に妨害しているのである。
(2018年10月13日投稿)