ウクライナに侵攻中のロシア軍は、今現在尚首都キエフなど複数都市への攻撃を強めているようだ。
2日にはウクライナ北東部ハリコフで、警察庁舎がロシア軍の攻撃を受けた。
ウクライナの緊急事態当局によれば、民間人の死者は2千人を超えているという。
そんな折、朝日新聞2022.03.01付「天声人語」に、プーチンの基本的思想に関する記事があった。
早速以下に、当該記事を要約引用しよう。
もとはソ連のレーニンの言葉だとして、経済学者ケインズが紹介し有名になった警句がある。 「資本主義を破壊する最善の方法は、通貨を堕落させることだ」 通貨の堕落、すなわち価値の大幅下落の恐ろしさを説いた。
インフレが続くことで多くの国民が貧しくなる。 社会の秩序が破壊される。 ケインズの念頭にあったのは第一次大戦後の欧州だが、1990年代、ソ連崩壊前後のロシアでも通貨は堕落した。
経済混乱の中でルーブルは価値を失った。 インフレと失業にあえぐ環境から脱することができたのはプーチン大統領のおかげ。 そう考えるロシア人は少なくないらしい。
しかしウクライナ侵攻は時計の針を逆に回すかもしれない。 すでにルーブルが下落しているところへ、欧米から新た金融政策が科されることになった。 ロシア中央銀行は手足を縛られ、ルーブルの買い支えができなくなる。 やむなく国内金利を上げたが、それは間違いなく景気を冷やす。
ロシア経済が混乱すれば各国も「返り血」を浴びる。 原油やガスの輸入も滞るかもしれない。 それでも強い制裁が必要なのは、ウクライナでは今も本物の血が流れているからだ。
プーチン氏はソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的惨事」と呼んだ。 失われた冷戦期の地位を、今回の侵攻でいくぶんか取り戻すつもりかもしれないが、思い違いがある。 ロシアに暮らす一人ひとりにとっては経済危機こそが惨事なのだ。
(以上、朝日新聞「天声人語」より要約引用したもの。)
原左都子の私事及び私見に入ろう。
私が2度目の大学へ入学した1985年頃に、当時のソ連大統領・ゴルバチョフ氏が「ペレストロイカ」を叫んだのをよく覚えている。
以下に、「ペレストロイカ」に関してウィキペディア情報の一部を引用しよう。
ペレストロイカ(露: перестройка ピリストローイカ、ロシア語ラテン翻字: perestroika)は、1980年代後半からソビエト連邦でゴルバチョフによってグラスノスチと共に1991年の守旧派によるクーデター発生までに進められた政治体制の改革。 ペレストロイカで進んだ市民意識によってクーデター自体は失敗したが、ペレストロイカが中止されソ連解体に繋がった。 ロシア語で「再構築(再革命)」を意味する。 外交では冷戦終結、初の核軍縮条約、ドイツ統一がなされ、ソ連国内では表現の自由、集会の自由、信教の自由、出国の自由、選択肢のある選挙、複数政党制など、市民の権利と自由が獲得された。
(以上、ウィキペディア情報より「ペレストロイカ」の一部を引用したもの。)
当時の私は恥ずかしながら、ソ連はじめ世界情勢等に関する何らの知識も無かったのだが、このゴルバチョフ氏による「ペレストロイカ」にいたく衝撃を受けた。
ソ連が解体され、外交では冷戦終結、初の核軍縮条約、ドイツ統一がなされ、ソ連国内では表現の自由、集会の自由、信教の自由、出国の自由、選択肢のある選挙、複数政党制など、市民の権利と自由が獲得される…
まさに世界に新時代が来る!との感覚を抱いたものだ。
そんな頃、プーチン氏はそのソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的惨事」と呼んでいたとのこと。
そして失われた冷戦期の地位を、今回の侵攻で取り戻すつもりらしいが…
朝日新聞「天声人語」がまとめている通り、それは随分と思い違いであろう。
「ペレストロイカ」から既に40年近い年月が流れている現在の、私の感覚としても。
プーチン氏の根底にある「ソ連崩壊を『20世紀最大の地政学的惨事』」と捉えるその旧態依然とした思想を、そろそろ終結に持ち込み。
今後は、ロシア及びその周辺国(旧ソビエト連邦)に生を宿らせている人民の生きる権利や真の自由を保障する観点に。
大国国家首長たる地位にあるご自身の思想を、移行してはどうなのか??