昨日午前中のことだ。
高齢者施設に暮らす義母から電話が掛かってきた。
難聴と認知症を抱える義母との電話での会話は、もう既に3年程前より成立していない。
それでもどうしても親族と話がしたい意向の義母から、頻繁に電話が掛かって来る。
以前より特に私(女の)声が聞き取れないと義母が言うため、義母からのすべての電話には亭主が出て対応する取り決めがなされている。
ところが、昨日は「どうしても〇子さん(私の事)と話したい!」との義母のたっての願いで、私が電話口に出た。
義母の話中心にその聞き役に徹していると。
とりあえずの話の内容は、3週間後に控えている耳鼻科受診の件だった。
どういう訳か、義母はこの耳鼻科受診に関してのみはきちんと把握できている。 私が思うに、この日のみは私が始終付き添って懇親的に世話をするため、義母にとっては嬉しい一時なのであろう。 どうやら、今現在の義母はこの耳鼻科受診日こそが最高の楽しみの位置付けになっているようだ。
この件に関しては短時間で話が終って、ホッとしていると。
次なる課題が、厄介だ。
義母曰く、「あのねえ、駒込の家(現在改築してすべての部屋を「メゾン原」として賃貸運用中)の1階を入ったところにタンスがあるのだけど、その中に(義母自身の)葬儀の時に着る浴衣をしまってあるのよ。 それから、帯締めもそこにあるから、あれを私の葬儀までに取り出して用意しておいてくれる?」
私としては、想定内の電話内容だ。
既に過去の記憶が頭の中でごちゃごちゃになっているであろう義母の脳内が手に取るように分かる私が手短に応えて、「分かりました!そのようにしておきますので安心して下さい。」
義母の話はまだ続く。
「それからね。 私は携帯電話を新しくしたいのだけど、息子(私の亭主のこと)がどうしても携帯電話は私には聞こえないから、と言って持たせてくれないのよ。(この件は私も百も承知で、亭主の判断は大正解!と同意している。) きっと携帯電話のお店に行けば、私でも聞こえる電話があると思うのよ。」
この義母の希望に関しては、私からは答えにくい。 きっぱりと「今のお義母さんでも聞こえる電話など何処にも売っていないですよ!」と言ってしまえば簡単だが、さすがに嫁の立場でそれは控えた。
今回は、とにかく義母が私の声が聞こえないのをラッキーとして、この件には回答せずにうやむやなままで電話を切った。
その後、亭主に「何で私にお義母さんからの電話を回すのよ! 義母に関しては息子のあなたが最終責任を持って欲しい! 私だって郷里の実母の面倒をみている(実母に関しては未だ認知症が無く大した面倒でもないが😛 )のだから、お義母さんからの電話を無責任に私に回されても迷惑だよ!」
と言いつつも、まあたまには私が義母の電話の相手をしてやらねば、亭主も身が持たないことは分かっちゃいるが…
それにしても認知症と難聴以外は、実に元気な義母だ。
これ、この調子で一体いつまで生きるつもりなのか???
義母からの迷惑電話の都度、正直なところそればかりを思ってしまう憂鬱な私である…