OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

今こそ復活の日へ向かって

2020-04-05 17:36:15 | Movie

復活の日のテーマ / ジャニス・イアン (日本コロムビア)

もはや世界中に蔓延したコロナウイルスの脅威により、小松左京の傑作SF小説「復活の日」、またはそれを原作とした同名映画を思い出した皆様も大勢いらしゃると思います。

なにしろストーリーの根幹はスパイによってイギリスの軍事研究所から盗まれた猛毒のウイルスが、飛行機事故によって雪山に墜落拡散した事により、人類が滅亡の瀬戸際に追い込まれ、辛うじて生き延びた南極観測基地の隊員が国家間の枠組みを取っ払い、復活の日を目指すという発端から、大地震による核ミサイルの脅威を防ぐために、主人公がホワイトハウスに赴き、そして……!?

という展開で、もちろんクライマックスには大きな悲劇とドンデン返しが用意されいるのですが、この物語を小松左京が発表したのは昭和39(1964)年だったのですから、おそらくは日本でも全く初期のハードSFでしょう。

そして、これを映画化したのが角川春樹事務所とTBSの共同制作による昭和55(1980)の東宝配給作品「復活の日」で、草苅正雄や渡瀬恒彦、そして千葉真一や森田健作、多岐川裕美、中原早苗、丘みつ子といった日本側のスタアに加えて、ボー・スベンソンやジョージ・ケネディ、チャック・コナーズ等々の海外の有名俳優陣も多数出演し、監督が深作欣二という事でしたから、既に公開前から大きな話題になっていました。

しかも、今や伝説とも云える角川春樹事務所主導によるテレビCMをメインにした大宣伝や当時我が国でも人気が高かったジャニス・イアンが主題歌を担当するという強力なウリは効果絶大!

同年初夏に封切られるや、賛否両論はあったにせよ、日本では大きなヒットになったんですが、これが海外ではコケまくり……。

その大きな要因はアメリカ人スタッフにより編集された海外版の不出来とか、様々に理由はあろうかとも思いますが、個人的には日本人的な感性とのズレもあったのかもしれません。

しかし、それはそれとして、きっちり海外ロケも敢行されていますし、特に実際に南極で撮影してしまった本物追求の姿勢は流石、深作欣二監督の拘りが全開したものでしょう。

ですから、製作費用も莫大ならば、宣伝費も多額となり、結果的に赤字を計上したと云われてはいるんですが、こ~した映画に対する愛情が滲み出た商業主義を、サイケおやじは否定する気にはなりません。

そして現在のウイルス禍による外出自粛であればこそ、個人宅で映画「復活の日」を鑑賞するのも、決して悪くはないと思います。

さて、そこで本日ご紹介は、そのジャニス・イアンが歌った主題歌「復活の日のテーマ / You Are Love」で、作詞はジャニス・イアン、そして作編曲とプロデュースを担当したのが、アメリカの大プロデューサーであるテオ・マセロなんですから、これぞ正しく超大作の存在証明!?

と書いたのも、サイケおやじとしては、この幾分大袈裟なドラマチック感にイマイチ馴染めず、悪い予感に満たされたAメロから暗い中にも希望が垣間見えるサビの展開で、ようやく音楽を聴く楽しみに遭遇出来るという、苦し紛れのレコード鑑賞になっていたのが、リアルタイムでの率直な気持ちでした。

しかし、本日あらためて聴いてみると、これが不思議と心に染み入る名曲名唱と思えたんですから、時の流れは偉大(?)です。

ということで、映画「復活の日」は当然ながらソフト化されておりますので、どうかこの機会にお楽しみくださいませ。

こんな物語は、絶対に回避出来ますように祈っている事は、言うまでもありませんが。

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スターウォーズ最新作の感想

2017-12-16 17:59:11 | Movie

恥かしながら期待していた「スターウォーズ・最後のジェダイ」を鑑賞して来たんですが……。

正直、こんなにスカされた作品も最近では珍しいほどでしたよっ!

それはもちろんシリーズを全作、リアルタイムで観て来た事が根底にあっての感想かもしれませんが、なにかここに至る物語の流れや伏線等々をひっくりかえそうとしている目論見さえ感じられたんですねぇ~~~!?

う~ん、制作側の真意が分からないというか、この先にパッケージソフトが出ても、それを買ってまで再鑑賞しようという気にもなりません。

何が、どのようにダメだったのかはネタバレがあるんで、あえて書きませんが、虚心坦懐に接したとしても、最終的な感想は一緒なんじゃ~なかろうか?

そんなこんなのショックを引きずりながら、これから宴会に出てきます。

では……

 

 

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幾年月、これが観たかったのだが…

2017-08-01 19:48:57 | Movie
続日本暴行暗黒史・暴虐魔 (ディメンション = DVD)

連日ご紹介しております、若松孝二監督の「日本暴行暗黒史」シリーズ復刻DVD4作の中で、サイケおやじが特に楽しみにしていたのが、実はこの「暴虐魔」です。

何故ならば、昭和42(1967)年末の公開以来、一度も観た事がなく、なにしろビデオ版すら公式発売されていなかったというのは、やはり作品内容が太平洋戦争末期から終戦翌年にかけて実際にあった猟奇連続殺人事件とその犯人の小平義雄をモデルにしているからでしょうか。

なにしろ件の小平義雄は7人以上の女性を強姦殺人の餌食とし、時には死姦までやっていたと云われているんですが、この事件の前にも傷害殺人で懲役刑を務めていたとか、あれやこれやの破天荒な人生を積み重ねていたわけで、これを若松孝二監督が映画化したというのでは、期待が高まるのは自然の成り行き???

しかし、結論から述べさせていただとく、個人的にはあまりにも期待し過ぎた所為でしょう、ようやく鑑賞出来た「暴虐魔」は、それほど面白い映画ではありませんでした。

というか、物語が淡々とした展開で、加えて舞台に設定された某地方の漁村の風景やそこでの暮らし等々が相当にリアルな質感で撮影されているもんですから、小平義雄をモデルとした主人公の丸木戸義雄がそこで地味な生活をしている内気な青年というキャラクター設定共々、とにかくそんな目立たない奴が大それた事件を!?!

という如何にも日常に潜む闇を云々という受け取り方は安易かもしれませんが、主人公が凌辱して殺害した女性の遺体を洞窟の中に隠し、それらに語りかけるという展開が続くのは、完全に精神を病んでいるわけで、ここはネタバレがあるので、あまり詳らかには出来ないものの、それにしても丸木戸義雄役の山下治の演技力は素晴し過ぎですっ!

極言すれば、それを観るだけでも、この映画の価値はあると思うばかりで、告白すればエロい場面は期待していたほどでも無かった、その肩すかしも帳消しとなるような気がするほどです。

実は既にご存じの皆様も大勢いらっしゃるはずですが、サイケおやじは山下治の本業が成人映画の監督であったという正体を今になって知ったわけでして、なるほど、分かっているちゃ~それまでだとは思いますが、同じ射精産業的な映像を作っていながらも、近年のAVや無修正映像とは取り組み方が別次元と痛感させられた次第です。

それは何も芸術的云々で語られる事ではなく、巷間云われるところの若松孝二監督作品における政治色や文学的メッセージ性の強さについて理屈っぽく鑑賞する姿勢とも異なる、これもひとつの娯楽映画の形じゃ~ないでしょうか?

ですから、素直に猟奇事件の顛末に係る女性の犯される場面、あるいは裸の演技を素直に眺め、それでエキサイト性感度の高さを味わえれば、それは観ている側にとっては傑作となるはずです。

サイケおやじが、この「暴虐魔」を鑑賞したかった目的のひとつは、実はそこにあり、前述した洞窟の中の死体のひとつを演じているのが坂本道子と名乗っていた頃の夏純子という真相があったわけでして、もちろん彼女は若松孝二監督が撮って、この「暴虐魔」に先立つ同年春に公開した「犯された白衣」で主演デビューしたという履歴を鑑みれば、さもありなん♪♪~♪

さて、そこで気になるこの復刻DVDの画質、リマスター状況なんですが、確かにフィルムには傷も残っていますし、画面のゆれ、コントラストが曖昧になっている箇所も散見されますが、先日ご紹介した「異常者の血」よりは数段良好で、もしかしたら、それもこれも、あまり再上映が行われなかった証だとしたら、なんだかなぁ……。

ということで、あまり一般的な成人映画ファンにはオススメという事は申せませんが、若松孝二監督信者で、これを未見の皆様であれば、この機会にぜひともご鑑賞下さいませ。

まあ、これもコスパを考慮すれば、どうやらレンタルも出来るらしいので、よろしくです。
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それでも観たかった、あの頃を思い出す

2017-07-30 20:36:27 | Movie
日本暴行暗黒史・異常者の血 (ディメンション = DVD)

昨日に続き、ちょっと鬱陶しいかもしれませんが、本日もついに初DVD化された、故・若松孝二監督の傑作シリーズ「日本暴行暗黒史」、その最初の作品である「異常者の血」をご紹介させていただきます。

ご存じのとおり、こ~ゆ~成人指定の所謂ピンク映画は独立プロダクションの製作ですから低予算、例えばこの作品が撮られた昭和42(1967)年当時では、およそ三百万円以下というのが普通でしたから、必然的に出演者の人数や撮影日数も限られていたわけですが、だからこその濃縮されたエネルギーが画面から伝わって来るのだとしたら、この「異常者の血」は流石の仕上がりだと思います。

なにしろ、物語展開が江戸時代から明治・大正・昭和と続く四代の血脈に起因すると比定した殺人や近親相関や輪姦事件等々を描きながら、その主役を演じているのが野上正義と山尾啓子の二人だけの四役なんですから、これは熱くなって当然の凄い演技演出なんですねぇ~~。

しかも千葉県野田市でのロケも含めて、撮影日数がわずか5日だったと云われているのですから、当時の若松孝二監督以下、スタッフや出演者の集中力が尋常じゃ~なかった事は、実際にこの「異常者の血」を鑑賞すれば、震えて納得する他はございません。

何よりも、ひとつひとつの場面のカメラワークや演出には練られた計算がしっかり感じられながら、イヤミになっていませんし、エロシーンのねちっこさ、クールな質感は流石!

しかし、残念ながら、この復刻DVDには大きな減点があって、それは原版フィルムに残るキズや音飛びが、あまり修復されていないという事です。

このあたり、既に述べたとおり、当時の弱小プロダクションでは原版管理が緩く、国内で夥しく製作公開された同種の成人映画の中には、既にオリジナルフィルムが廃棄されてしまった作品も多数あるのが現実ですし、この「異常者の血」にしても、傑作という評価は定まっていながら、ニュープリントを可能にするオリジナル原版が失われていたのでしょうか……。

ところが、実はそ~した状況は、ビデオパッケージが一般化する以前から既にありまして、それは若き日のサイケおやじが所謂名画座で過去の成人映画を鑑賞していた昭和50年代では、傷んだフィルムなんてのは普通であり、通称「雨降り」という傷だらけの映像やせっかくのパートカラーの美味しい場面が色褪せていたり、酷い時には途中で別のフィルムが繋がっていて、物語が意味不明になっている事さえあったんですから、そんなこんなも、つまりは女の裸や男女の濡れ場さえそこにあれば、全ては許されるという需要と供給があったわけで……。

ですから、この再発DVDに残された傷み具合には、そんなこんなの懐かしみを覚えてしまうサイケおやじではありますが、でも、せっかくの再発企画だったんですから、もう少しの善処を望みたかったのが本音です。

ということで、作品そのものは面白く、エロ映画という枠で括るには勿体無い仕上がりなので、以上述べた辛辣な感想をご承知下さった皆様であれば、若松孝二監督の熱意を感じ取っていただきとうございます。

そんなわけですから、決してコスパが良いとは申せませんが、何時の日かニュープリント版が出る事を熱望してしまうエネルギーは、確かに焼き付けられた作品だと思うばかりです。
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真夏に絶対の復讐鬼、あるいは若松孝二の永劫

2017-07-29 17:57:45 | Movie
新日本暴行暗黒史・復讐鬼 (ディメンション = DVD)

一昨日の夜、ゲットしてきたブツの中で最高に嬉しかったのが、本日ご紹介のDVD「復讐鬼」でした。

それは昭和43(1968)年に公開された故・若松孝二監督の大傑作!

もちろん、サイケおやじは当然ながら成人映画という壁に阻まれ、リアルタイムでの鑑賞は出来ませんでしたが、ようやく昭和50(1975)年に願いが叶っての拝観から瞬時、強烈な凄みに震えた記憶は今も忘れていません。

その物語は単純で、舞台は某地方の山村、そこに暮らす吉沢健と津島明子の兄妹が常に村人から理不尽に迫害され、ついには吉沢健が手足を縛られてのリンチ、さらに目の前で津島明子が村の男達から輪姦された後に発狂自害……。

そして吉沢健が村人を皆殺しの復讐をっ! 

という展開は、もちろん有名な実際の事件「津山三十人殺し」をモデルにしている事は言わずもがな、同事件を題材にした「八つ墓村」や「丑三つの村」等々の映画が製作された中でも、この「復讐鬼」の濃密な緊張感はダントツ!

これは断言して、後悔致しません。

なにしろ、兄妹に対する村人達の虐めは陰湿過酷だし、犯される津島明子の泣き叫びと被虐の演技は大袈裟を通り越した、そのリアル過ぎる凄惨は、一度観たら、消し去る事が難しくなるほどで、それが様々な視覚効果を狙ったカメラワークと演出で活写されたモノクロ画面から痛いほど伝わって来るんですねぇ~~。

しかも、この後、死んでしまった妹と兄の二人っきりの時間では、ここだけが所謂パートカラーになっているという、如何にもの成人映画の常套手段が、心情描写共々に鮮烈過ぎる名場面!

特に妹の死体と一緒に入浴し、近親相関的なキスシーンを見せた後、いよいよ復讐へ向かう吉沢健の潔さは痛烈で、それから白昼堂々、褌姿で日本刀を手に村人を次々と惨殺する場面では、セックス真っ最中の男女を串刺し、男の目の前で女の乳を切り裂き、秘所を突き刺し、さらに男を惨殺するという処刑(?)の連続!!

う~ん、これは成人映画だからこそ可能なエログロ描写を極限まで使っての映像表現による人間の本性!?

それを見せつける意図があったのでしょうか……?

そこにある怒りと緊張感が、何の救いも無く提示された映像は激しく、ありきたりのホラー&スプラッター物よりも格段に怖いばかりか、それでいて決して目を背ける事が出来ない、我知らず引き込まれるブラックホール的なパワーを感じてしまいます。

また、効果音的な配慮も感じられる音楽が実に陰鬱で、せつなく、これまた秀逸!

物語はこの後、村人を皆殺しにした吉沢健が、そこから去っていく時、自然に振り返ってしまう演出がニクイばかりで、その悄然としながらも、達観したような表情と佇まいが、何時までも忘れられない余韻として残ります。

ということで、実はこれが嬉しかったのは、なんとっ!

これほどの傑作が、初DVD化であったという現実も含んでいるのですっ!

もちろん、かなり以前にはセル版ビデオも出ていたのですが、それも廃絶されて久しく、だからこそのご紹介となりました。

ちなみに、これは若松孝二監督が撮った「日本暴行暗黒史シリーズ」中の3作目で、今回の再発では同時にその他の「異常者の血」「暴虐魔」「怨獣」も出ていたもんですから、纏めてゲットしてきた次第なんですが、何れも名作・人気作という中で、どれか1本という皆様には、やはりこの「復讐鬼」を強くオススメしたく思います。

最後になりましたが、先日の健康診断から心臓に問題ありとされたサイケおやじが医師から頂戴したアドバイスは、とにかくストレスと疲労を溜めないような、だったんですが、現状じゃ~~、その解消はなかなか難しいので、だったら自分の欲望を満たすことがストレスの解消!?

そんな大義名分を得た気分で、こんなDVDを鑑賞しているのでした。

うむ、やっぱり若松孝二監督、恐るべしっ!
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ジョージ・ロメロの不死不滅

2017-07-18 20:03:57 | Movie
■"ゾンビ"メインテーマ / Goblin (Cinevox / キングレコード)

我が国では殊更1979年春に公開されたホラー映画「ゾンビ / Zombie / Dawn Of The Dead」で知られる映画監督のジョージ・ロメロが天国へ召されました。

故人はアメリカ人ながら、ハリウッドよりは最初にヨーロッパで認められ、特にイタリアの映画プロデューサーにしてホラー映画の鬼才でもあったダリオ・アルジェント監督との邂逅が大きく、前述「ゾンビ / Zombie / Dawn Of The Dead」の制作にも絶大な支援を受けていると言っても、実は製作費は百万ドルちょいという低予算でスタートしながら、結果的に世界中でヒットしたのは、やはりジョージ・ロメロの天才性を証明したものと思います。

と同時に、死者が蘇り、怪物となって人間を襲い、襲われた者が蘇った死者と同様の怪物に変化するという設定が、ゾンビと呼ばれる怪物の基本的特質となって、以降同系の映画演劇の世界で多種多様に用いられた一事を鑑みても、故人の影響力は計り知れないものと思います。

もちろん、所謂ゾンビという概念はジョージ・ロメロの発明ではなく、一説によればアフリカ起源の呪術的存在と云われているらしく、映画の世界でも既に1930年代から登場しているキャラクターなんですが、それを拡大解釈したSF的発想を盛り込んで故人が1968年に自主製作(?)した最初の劇場公開映画「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド / Night of the Living Dead 」では、堂々と後のゾンビの本質を提示し、それは人食いや共食い、あまりにも救いの無いラスト等々、完全にモラルを欠いた展開や描写があるもんですから、リアルタイムでは興行的に大失敗しつつも、それゆえにカルトな評価は高く、今ではホラー映画の古典にして聖典のひとつになっているのですから、時の流れは偉大です。

そしてダリオ・アルジェントがジョージ・ロメロを認めたのも、おそらくはこの作品があったからと思いますが、いかがなものでしょう。

実際、サイケおやじは大ヒット映画「ゾンビ / Zombie / Dawn Of The Dead」を観て後、件の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド / Night of the Living Dead 」を鑑賞したんですが、その密度や意志の強さ(?)は、勝るとも劣らないどころか、個人的には後者の方が好きなほどです。

しかし、それでも「ゾンビ / Zombie / Dawn Of The Dead」が傑作と思うのは、映像に付随した音楽やSE、つまりサウンドトラック音源の素晴らしい効果に魅せられているのも大きなポイントで、それを担当していたのがゴブリンと名乗るイタリアのプレグレバンド(?)であり、掲載したのは、そのテーマ曲と挿入曲をカップリングした日本盤シングルであります。

ただし、サイケおやじはゴブリンというバンドの実態や履歴はほとんど知りません。

それでもゴブリンはダリオ・アルジェントがお気に入りの御用達バンドらしく、この鬼才が監督した「サスペリア」「サスペリア2」「シャドー」等々で起用され、主要メンバーはマッシモ・モランテ(g)、クラウディオ・シモネッティ(key)、ファビオ・ピニャテッリ(b)、ウォルター・マルティーノ(ds,per) 等々らしいという事から、実は決して実態の無いバンドじゃ~なくて、バンド名義のアルバムも出しており、ライブ活動もやっている存在感の強さは、特にドイツでは人気が高いという真相らしきものを、サイケおやじは1990年代になって、ドイツで確認しておりますが、今はど~しているんでしょうかねぇ~~。

告白すれば、ゴブリンのレコードは、本日掲載のシングル盤だけしか持っていませんし、実はジャケ写のキワモノ的魅力に惹かれ、中古屋の捨値コーナーから狩った1枚なんですが……。

まあ、それはそれとして、今に続くゾンビ映画の系譜を辿る時、絶対に無視出来ないのがジョージ・ロメロ監督の存在であり、この偉人こそは、ゾンビになって人類文化に今後も貢献するにちがいない!?!

そんなふうな妄想を膨らませつつ、故人の冥福を祈るばかりです。

合掌。
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アンヌもゆり子も美しい

2017-06-29 19:39:44 | Movie

 

今年は「ウルトラセブン50周年」ということで、特定のファンならずとも、殊更ヒロインのアンヌを演じた菱見百合子=現・ひし美ゆり子の周辺があれやこれやと盛り上がっているのは、やはり嬉しいものがあります。

もちろん、サイケおやじが「やはり」と書いたのは、ひし美ゆり子が必ずしもアンヌの化身では無いと強く思っているからで、もっともっと女優としての幅広い魅力をひし美ゆり子から感じて欲しいと願っているからに他なりません。

しかし、それでも近々発売される所謂アンヌ本「アンヌ今昔物語 ウルトラセブンよ永遠に..」が気にならないはずもなく、しっかり予約しているサイケおやじは自己矛盾に身も縮む思い……。

残念ながら、今回もそれに伴う各種イベントには参加が叶わぬ身という言い訳を弄しつつ、虚心坦懐に新刊を耽読する所存であります。

あぁ……、今日は言葉も無いほどです。
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胸の振子と男の世界

2017-06-27 20:16:30 | Movie
胸の振子 / 石原裕次郎 (テイチク)

全く早いもので、今年は石原裕次郎没後30年……。

ですから、既に各方面で様々な追想企画が現在進行中ですので、拙ブログもそれに追従し、本日のご紹介は、サイケおやじが故人の数多い主演作品の中でも大好きな、昭和46(1971)年正月明けに公開された「男の世界(日活&石原プロ製作 / 長谷部安春監督)」の主題歌「胸の振子」を取り出しましたが、これは皆様ご存じのとおり、石原裕次郎のオリジナルヒットではなく、作詞:サトウハチロー&服部良一が昭和22(1947)年に提供した霧島昇の大ヒットであり、今では昭和歌謡曲というよりも、我が国の歌謡スタンダードとしても有名な傑作ですから、カバーバージョンも数多吹き込まれてきた中にあって、サイケおやじが石原裕次郎の歌唱が一番に好きなのは、この映画「男の世界」があっての事ですので、まずはその物語を簡単にご紹介させていただきます。

で、石原裕次郎が演じるのは、恋人を突然の出来事から殺害され、失意のうちに国外へ旅立った元クラブ経営者であり、またヨット連盟の会長でもあった粋な男とは、まさに石原裕次郎のイメージそのまんまであり、その主人公が5年ぶりに帰国するという発端も含めて、それは映画デビュー以来の日活で演じてきた劇中の人物とも重なる設定が、実はこの「男の世界」の主題に大きく関わっています。

なにしろ、良く知られているとおり、当時の石原裕次郎は既に昭和38(1963)年に自ら設立した石原プロモーションからの制作をメインにし、日活とは幾分距離を置いての活動になっており、それゆえに主演作品にしても、配給だけは日活という形態はもちろんの事、昭和44(1969)年からは、ついに他社の作品へも出演するという実質フリーな二足の草鞋とでも申しましょうか、そんなこんなも日本映画全体の不況と凋落、日活という会社そのものの低迷があった事は説明不要かと思います。

ですから、当時の石原裕次郎は日活の撮影所に入っても、周囲の冷たい目線を感じる事が常態化していたと云われていますし、また所属俳優の石原プロへの移籍、さらには同プロの資金繰りの悪化等々も相互作用していた時期の制作でしたから、結果的に故人が最後に主演した日活作品という歴史(?)を知ってみれば、劇中の演出や台詞にも、意味深な味わいが様々に散見されるんだなぁ~、とサイケおやじは、ますます愛着が強くなっているというわけです。

物語は、そうした石原裕次郎が空港で出迎える仲間から逃れるようにして、以前自分が経営していたナイトクラブにやってくれば、待っているのは、前述した事件を担当した刑事の宍戸錠という展開が、いきなりのハードボイルドです。

それは問題の事件の首謀者として服役しているヤクザの内田良平が折しも釈放されるという事から、石原裕次郎が帰国したのは、恋人の復讐なのか? という懸念による、なんとも友情と仕事の間にあっての自意識過剰とも思える行動なんですが、そこのところを決して石原裕次郎は曖昧にしたまま、旧友が世話してくれた仕事に就くのですが、当然ながら今は解散している内田良平の組の子分達は穏やかではありません。

そして、様々な登場人物が、各々ハードボイルドな事情を抱えつつ、重なり合うドラマの流れが長谷部安春監督ならではの憎らしいほどカッコイイ演出と映像美学で撮られているのですから、たまりません♪♪~♪

特に主人公が、自分がここに帰ってきたのは間違いだったのか? 自分が帰ってきた事により、それまで穏やかだった仲間の生活や人間関係が縺れてしまったのではないか? 等々と苦悩するあたりは、まさに日活を離れながらも、そこから断ち切れない「縁」と「絆」を感じざるを得なかった石原裕次郎の立場が否が応でも劇中から伝わってくると、サイケおやじは痛切に思いますし、登場人物の各場面における台詞の様々な箇所に、それと思わせる気持ちが滲み出ているところが相当にあるのですから!?

それは共演者が玉川伊佐男、川地民夫、武藤章生、鳥居恵子等々の、所謂石原組のメンバーに顕著ですし、中でも件のナイトクラブでマネージャーを務めている玉川伊佐男が「また、紺野(石原裕次郎)さんの下で働きたいと思っています」云々と語る場面は、過言ではなく劇中劇でしょう。

また、映像構成においても、石原裕次郎の過去の名作のワンシーンを思わせるカットや演出が頻発しているのもニクイばかりですし、往年の傑作テーマ曲「赤いハンカチ」や「夜霧よ今夜も有難う」が再び歌われるのも、また然り♪♪~♪

さて、そこでこの主題歌「胸の振子」は、現在と過去のしがらみに迷いを感じる石原裕次郎が、自分が経営していた時代から今もナイトクラブに入っている黒人ピアニストのジョニーに、そんな独白をするところで歌われるんですが、ここは作品のハイライトともいうべき名場面!

些かネタバレになりますが、この「胸の振子」は亡くなる前にこの店専属の歌手だった恋人の十八番であり、その頃から変わらぬ雰囲気でピアノを弾き続けているジョニーには、落ち込んでいる石原裕次郎が、あまりに悄然と……。

そこでピアノ伴奏だけで、所縁の「胸の振子」を石原裕次郎に歌うように勧めるという展開から、その甘くせつない歌唱は本当に胸に迫ってきますよ♪♪~♪

しかも、この場面、終盤で何時の間にか店に来ていた因縁の内田良平と石原裕次郎のクールで熱い言葉の対決があり、これまた唐突に、同時に自然に二人の間に割って入る宍戸錠が、グラスを渡し、無言で一緒に酒を飲むという演出のバックには、粋なピアノのメロディが流れているという、本当に泣いてしまうハードボイルドが、ここでご覧になれます。

いゃ~、サイケおやじは、本当にここがあるから、この「男の世界」という映画が大好きなのですっ!

そして肝心の掲載盤に収録された「胸の振子」は所謂バンドバージョンなんですが、こっちの映画サントラバージョンは、ピアノだけを伴奏にした、個人的にはその悄然としてハートウォームな歌と演奏に心底、シビレが抑えられないというのが本音ですので、これは皆様にも、ぜひとも鑑賞していただきたいところであります。

幸いなことに、先日はCS放送もあったんですが、いよいよ7月13日に発売がスタートする「石原裕次郎シアターDVDコレクション」で、しっかりと復刻されますので、存分にお楽しみ下さいませ。

ということで、物語はこの後、事件の真相から予定調和とは上手い具合にズレた結末があって、登場人物の個性も活かされた結末になっています。

まあ、今となっては甘いと思われる皆様もいらっしゃるでしょうが、それもまた往年の日本映画の面白さであるとすれば、流石は石原裕次郎の主演作は良く仕上がっていると再認識しているのでした。
 
石原裕次郎、永遠なれっ!
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追悼:野際陽子

2017-06-16 14:21:38 | Movie

 

野際陽子の訃報に接しました……。

病魔に侵されていたとはいえ、何か突然の悲報が受け入れられない気持ちです。

とにかく、サイケおやじはテレビアクションドラマの傑作「キイハンター(TBS)」にレギュラー出演した野際陽子に一発で魅せられ、自分の母親ほども年齢の離れた彼女に憧れ、露骨に告白させていただければ、ずいぶんと精子を無駄遣いさせられた相手でもありますから、せつないです。

もちろん、前述の「キイハンター」は、彼女が気になる皆様であれば絶対の視聴番組であり、幸いなことに現在、CS「東映チャンネル」において毎週火曜日に放送中ですから、ぜひともご覧いただきとうございます。

中でも今月に流された第80話「暗闇でドッキリ大作戦 」は、特殊な薬品で一時的に盲目にされた野際陽子か潜入捜査で大活躍!

という素晴らしいエピソードで、しかも衣装の超ミニスカ姿が、たまりません♪

しかも慣れない盲目の状態ですから、四つん這いとか、無防備に腰かける時のヒップや美脚のチラリズム、アクション時の見えそうで、ギリギリ見せないという着エロ演技の妙は絶品ですよ♪♪~♪

恥かしながら、これを最初にテレビで見せられた中学生のサイケおやじは、激しく下半身に衝撃を覚えた事は言わずもがな、後々までその残像が蘇ったのは、当時は家庭用ビデオデッキが無かった事による反動的エネルギーの発露とご理解下さいませ。

ちなみに前回、この件を告白した時、野際陽子が転倒して大開脚のパンチラ云々と書いてしまいましたが、今回の「東映チャンネル」での放送を再確認したところ、それはサイケおやじの完全なる記憶違いの妄想でしたので、ここにお詫び申し上げます。

しかし、ここにもうひとつ、チラリズムの極地とも思える演技演出として、見つけ出した書類をガーターベルトに挟んで隠すという秘儀が、さりげなく見せつけられるのも、高得点!

そして、そんなこんなの美味しい場面ばかりじゃ~なく、このエピソードにおける野際陽子の演技と存在感は抜群であり、皆様には激烈にオススメしたいですっ!

幸いにも、今月はまだ再放送が「東映チャンネル」で予定されていますので、ぜひっ!

それともうひとつ、サイケおやじが忘れられないのは、昭和48(1973)年の松竹映画「仕掛人梅安」で田宮二郎と共演した野際陽子の悪女っぷりで、今となっては、こんなに生臭い演技と佇まいは、知的なクールビューティーというイメージの野際陽子とは相容れないものという、その倒錯性が実に最高ですよ♪♪~♪

この作品はDVD化されていますので、気になる皆様はご覧くださいませ。

身代わりバディかもしれませんが、入浴シーンとか、最後の思わせぶりなオチも含めて、映画本篇が傑作になったのも、野際陽子が出ていればこそと思います。

ということで、追悼文でありながら、またまたサイケおやじの本性剥き出しのエロ記事になったのは不謹慎と反省しなければなりません……。

それでも本心を覆い隠しての追悼なんてのも、嘘の上塗りというか、自分の性に合わないもんですから、失礼は百も承知で、ここに哀悼の意を表したいと思います。

野際陽子、ありがとう、サイケおやじは本当に感謝しております。

合掌。

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鉄人28号って!?

2017-05-08 20:08:11 | Movie
鉄人28号の歌 / デューク・エイセス (朝日ソノラマ)
 
どうにもキナ臭い状況が収まらない極東地域において、本当に有事ともなれば、戦闘や破壊による直接的な被害はもちろん、所謂戦費だって莫大なものになるであろう推察は易く、おそらくは内閣や国会でも様々に検討審議されているはずなのに、どこのマスコミもそれについて話題にしないのは、これ如何に!?

思い起こせば湾岸戦争の時、アメリカから1兆円の拠出を求められた海部総理が腰を抜かしたという逸話は有名ですが、今回の危機に際しては、そんなもんじゃ~、収まらない事も、これまた明白でしょう。

そして当然ながら、そんな時に国家予算がど~なるのかは、とりあえず無謀な国債を出したり、国防献金みたいな話になるのは避け難く、だとすれば日中戦争・太平洋戦争当時の予算規模を引き合いに出したところで、先行きは全く見えないのが本当のところじゃ~ないでしょうか?

さて、そこで思い出したのが往年の人気漫画にして横山光輝の代表作でもある「鉄人28号」でして、人気少年雑誌「少年」に連載されていたのが昭和30年代でしたから、それと並行するようにラジオドラマやアクション実写版、さらにアニメ版も製作放送されるという盛り上がりは、サイケおやじと同世代の皆様ならば、我知らず夢中にさせられたはずと推察する次第です。

で、本日のお題に関連したところでは、その「鉄人28号」と称される巨大ロボットは大日本帝国の軍事兵器として開発されながら、戦争中には完成されず、しかし終戦から約10年後、鋼鉄のロボットを使った強盗団が出現するという発端から、ついには秘密裏に製造が進行していた「28号」の存在が明かされ、そのリモコンを操る者が善悪何れかに属する立場から波乱万丈の物語が展開するという、いや~、本当に血沸き肉躍る冒険漫画の決定版でしたねぇ~~!

しかも当然ながら、鉄人28号のライバルともいえる魅力的なロボットも続々登場し、例えばブラックオックス、ロビー、バッカス、VL2号等々に加え、超人ケリーとか人造人間モンスター等々のサイボーグ、そしてそれらを世に送り出した不乱拳博士や牧村博士、悪役のシャネル・ファイブ、村雨健二、ニコポンスキー、そして名探偵クロロホルム等々の個性的な登場人物が、主役である少年探偵・金田正太郎や敷島博士、大塚署長といった正義の味方以上に強い印象の活躍をするのですから、たまりません。

鉄人28号を操るリモコンが、物語展開の妙になっているのもムベなるかなってもんですよ♪♪~♪

そして現実問題に入れば、まずは「鉄人」なんてものを製作するのに費用は如何程必要なのか?

秘密裡に「鉄人」の制作を続行していた怪覆面の人物は、その捻出の為でしょうか、冒頭で述べたようなロボット強盗を仕組んだりしたわけですし、そもそも鉄人28号のエネルギー源は何なのか?

そのあたりの真相も明かされないまま、雑誌連載もテレビアニメ放送も終了してしまったのは、昭和史の謎のひとつかもしれません、大袈裟じゃ~なくてですよ。

でも、それもまた「昭和」でありましょう。

さて、そこで本日掲載したのは、件のテレビアニメ版放送でオープニングの主題歌になっていた「鉄人28号の歌」を入れたシングル盤で、作詞&作編曲は、これまた昭和の文化を作ったひとりでもある才人・三木鶏郎ですから、今に至るも刷り込まれているのが、我々当時の少年でしょう。

そして勇ましくも軽快な歌を聴かせてくれるのはデューク・エイセスであり、今となっては良く知られているように、レコーディングされた音源にはテレビアニメで使われた放送用バージョン、つまりスポンサーだった「グリコ」のリフ入りという耳に馴染んだものが一番知られているかもしれませんが、レコード化されたものでも、掲載した私有の朝日ソノラマ盤、またもうひとつ、ビクター盤が存在しており、繰り返しますが、何れもバージョン違いなので要注意です。

ということで、殊更SF物語や映画には超兵器が様々に出てきますが、そんなものが存在したら、例えば東宝特撮のメーサー砲やメカゴジラ、海底軍艦、そして鉄人28号等々があれば、戦争なんて愚行はさらに大きな惨劇になる事は必至であり、核兵器と同等以上の無用の長物!?

そんなものに血税を浪費するのは、勘弁して欲しいと思うばかりです。

う~ん、でも、エイリアンが襲来したら?

答えは出せませんけどねぇ……。
コメント (3)
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