■Baby, Come Back / The Equals (RCA / 日本ビクター)
シンプルでキャッチーな曲メロをウキウキしてくる強いピート&リズムに乗せて歌う手口が、イギリスの白黒混成バンドだったイコールズの十八番でした。
本日ご紹介の「Baby, Come Back」は、まさにそれが大正解だった1968年のヒット曲で、我国でも翌年春頃にかけて、断続的にラジオから流れていた記憶があるんですが、まあ、それほどウケていたわけではないと思います。
しかし時折、無性に聞きたくなる事も本音であって、あの「ベイィビィ、カムバックッ!」というキメのリフが個人的には相当に刷り込まれています。
ちなみにメンバーはダァーヴ・ゴードン(vo)、リンカーン・ゴードン(g,b.vo)、エディ・グラント(g,key)、パトリック・ロイド(b,g,vo)、ジョン・ホール(ds) という顔ぶれで、普通は白黒混成といえば黒人がドラムスやベースを担当するのが常套手段(?)と思われがちでしょうが、イコールズの場合はふたりの白人がそれをやっていることに、何か違和感があるかもしれませんねぇ。
実はイコールズの場合、最初にバンドを始めたのはパトリック・ロイドとジョン・ホールであって、そこにエディ・グラントが加わってスタートしたのがイコールズだったと言われています。
ただし、もちろんこの段階では正式なレコード契約は出来ず、デモ録音を残すのが精一杯だったわけですが、驚いた事にイギリスよりは何故かドイツでジワジワと人気が出始めたらしく、なんとっ! LP2枚分の曲がレコーディングされ、その段階でゴードン兄弟が参加してきたというのですから、思い立ったら、やるだけやってみる事が人生には大切ということでしょうか。
そしてドイツでのブレイクをきっかけに本国イギリスでも正式契約を得たイコールズが、その2枚目のシングルとして出したのが、本日ご紹介の「Baby, Come Back」だったんですが、これにしても最初はB面扱いの曲だったそうですから、世の中は本当にわかりません。
こうして一躍人気バンドになったイコールズは、イギリスとドイツを中心に評価も高かった反面、我国やアメリカでは一発屋としての存在に甘んじていたところ、エディ・グラントが1970年代後半になってレゲエとディスコを折衷させたスタイルでソロデビュー!
メガヒットを連発し、忽ち大スタアに返り咲いたのですから、イコールズでも中心となって曲作りをやっていたアイディアは枯渇していなかったわけですねぇ~♪
つまりシンプルでキャッチーなウキウキ路線は所謂「三つ子の魂」として、簡単に消せるものではないのでしょう。
告白すれば、サイケおやじはレゲエには大した興味も無いんですが、エディ・グラントがやってくれるものは、それでも楽しく聴けるんですから、この人がイコールズに在籍していたと知った時には、思わず納得したものです。
ということで、イコールズは妙にヘンテコな記憶の中のバンドではありますが、やってくれた事は間違っていなかったと思います。なによりも白人がリズム隊の要だったことで、演奏が上手い具合に軽くなり、逆にリードボーカルが力んでいる部分もイヤミになっていないと思います。
現在、イコールズの音源はCDに纏められ、ベスト盤的に楽しめる事から、その本当に楽しい歌と演奏はこれからの季節にジャストミート♪♪~♪
機会があれば、お楽しみ下さいませ。