■ててご橋 / バーブ佐竹&コロムビアゆりかご会 (日本コロムビア)
最近、体調がすぐれない所為もあるんでしょうが、果たして自分の生き様というか、仕事や趣味に自らの命を賭ける価値があるのか、否か……?
―― と、まあ……、そんな事を考えしまうのは、それだけ気持ちが弱くなっているからでしょう。
そこで思い出したのが小池一夫原作による「子連れ狼」という、一世を風靡した劇画 ~ テレビドラマ ~ 映画作品でして、これは説明不要、権力闘争の闇に引き込まれた挙句、愛妻を殺害され、その罪さえも被せられつつ、仕事の役職も取り上げられて浪人した剣の達人・拝一刀が幼子の大五郎と連れ立って復讐の旅を続けるという物語は、正に命懸けの日常の中、深い親子愛や宿業・宿命に翻弄される人物が毎回登場するという展開でしたから、社会現象ともなったヒットは当然が必然!
殊更、萬屋錦之介が主演したテレビ版(日本テレビ)は高視聴率で、昭和48(1973)年4月から昭和51(1976)年6月まで、断続的に3シリーズ・計79話が放映され、主題歌もヒットして、今日まで忘れられない傑作でありましょう。
中でも、橋幸夫と若草児童合唱団がレコーディングした第3シリーズの主題歌は、あの「シトシトピッチャン」というキャッチーなコーラスリフと橋幸夫の落ち着いた歌唱が相まって、忽ちの大ヒットになったわけですが、サイケおやじとしては第1&2シリーズで使われていた本日掲載のシングル盤A面曲「ててご橋」が気に入っておりまして、こちらは作詞:小池一夫&作曲:渡辺岳夫、そして歌唱したのはバーブ佐竹&コロムビアゆりかご会でありました (^^)
いゃ~~、この「ててご橋」は全く劇中イメージに相応しく、個性的な低音ボイスと深い節回しで聴かせるバーブ佐竹ならではの歌唱とイノセントな子供合唱団のコーラスが絶妙のコラボレーションを成立させ、ここで大五郎を演じた子役・西川和孝と父親役・萬屋錦之介の低重心のニヒルな芝居をグッと印象的なものにしていると思うんですが、いかがなものでしょう。
う~ん、せつなさも、苦しさも、不条理な仕打ちに耐えて流離う親子の姿……。
劇中では、公儀介錯人から金で雇われる刺客に身を落としつつも武士道を貫く拝一刀と毎回の敵役が何やら禅問答に近い会話を交わす場面が用意されているのも深遠な物語展開の要であり、特に――
「我ら親子、冥府魔道に生きる」
「六道四生順逆の境に生き、刺客道を歩む」
―― 等々の仏教思想に基づいているのであろうキメ台詞が刷り込まれているのはサイケおやじだけではありますまいっ!?!
冒頭に述べたとおり、サイケおやじは本当に……、そんな言葉か胸中に去来してしまうんですよ……。
仕事を名目に自分のやってきた非道を振り返る時、地獄に落ちるのも覚悟の……云々というのは、とてもとても、勿体ないわけですが……。
失礼いたしました <(_ _)>