OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

冥府への道は…

2024-03-04 19:05:29 | Soundtrack

ててご橋 / バーブ佐竹&コロムビアゆりかご会 (日本コロムビア)

最近、体調がすぐれない所為もあるんでしょうが、果たして自分の生き様というか、仕事や趣味に自らの命を賭ける価値があるのか、否か……?

―― と、まあ……、そんな事を考えしまうのは、それだけ気持ちが弱くなっているからでしょう。

そこで思い出したのが小池一夫原作による「子連れ狼」という、一世を風靡した劇画 ~ テレビドラマ ~ 映画作品でして、これは説明不要、権力闘争の闇に引き込まれた挙句、愛妻を殺害され、その罪さえも被せられつつ、仕事の役職も取り上げられて浪人した剣の達人・拝一刀が幼子の大五郎と連れ立って復讐の旅を続けるという物語は、正に命懸けの日常の中、深い親子愛や宿業・宿命に翻弄される人物が毎回登場するという展開でしたから、社会現象ともなったヒットは当然が必然!

殊更、萬屋錦之介が主演したテレビ版(日本テレビ)は高視聴率で、昭和48(1973)年4月から昭和51(1976)年6月まで、断続的に3シリーズ・計79話が放映され、主題歌もヒットして、今日まで忘れられない傑作でありましょう。

中でも、橋幸夫と若草児童合唱団がレコーディングした第3シリーズの主題歌は、あの「シトシトピッチャン」というキャッチーなコーラスリフと橋幸夫の落ち着いた歌唱が相まって、忽ちの大ヒットになったわけですが、サイケおやじとしては第1&2シリーズで使われていた本日掲載のシングル盤A面曲「ててご橋」が気に入っておりまして、こちらは作詞:小池一夫&作曲:渡辺岳夫、そして歌唱したのはバーブ佐竹&コロムビアゆりかご会でありました (^^)

いゃ~~、この「ててご橋」は全く劇中イメージに相応しく、個性的な低音ボイスと深い節回しで聴かせるバーブ佐竹ならではの歌唱とイノセントな子供合唱団のコーラスが絶妙のコラボレーションを成立させ、ここで大五郎を演じた子役・西川和孝と父親役・萬屋錦之介の低重心のニヒルな芝居をグッと印象的なものにしていると思うんですが、いかがなものでしょう。

う~ん、せつなさも、苦しさも、不条理な仕打ちに耐えて流離う親子の姿……。

劇中では、公儀介錯人から金で雇われる刺客に身を落としつつも武士道を貫く拝一刀と毎回の敵役が何やら禅問答に近い会話を交わす場面が用意されているのも深遠な物語展開の要であり、特に――

 「我ら親子、冥府魔道に生きる」

 「六道四生順逆の境に生き、刺客道を歩む」

―― 等々の仏教思想に基づいているのであろうキメ台詞が刷り込まれているのはサイケおやじだけではありますまいっ!?!

冒頭に述べたとおり、サイケおやじは本当に……、そんな言葉か胸中に去来してしまうんですよ……。

仕事を名目に自分のやってきた非道を振り返る時、地獄に落ちるのも覚悟の……云々というのは、とてもとても、勿体ないわけですが……。

失礼いたしました <(_ _)>

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このシングル盤、驚異の完成度!

2024-02-18 19:04:27 | Soundtrack

探偵物語 c/w すこしだけやさしく / 薬師丸ひろ子 (東芝)

最初っから無様な言い訳になりますが、サイケおやじは女優としても、また歌手としても、決して薬師丸ひろ子が好きではありません。

それはデビュー作となった「野生の証明」における鮮烈な登場が殊更強い印象であった所為でしょう、以降の映画主演作や発売されるレコードが軒並み大きなヒットになった結果から、如何にも天邪鬼なサイケおやじの本性の表れと解釈されても、申し開きは叶わないところとして、以下の拙文を御一読いただければ幸いでございます <(_ _)>

で、そんな諸作の中で、それでもサイケおやじをドキッとさせたのが昭和58(1983)年に発売された本日掲載のシングル盤でして、まずはA面に収録された「探偵物語」のアンニュイなポップス性の高さは、如何にも薬師丸ひろ子という、当時は恣意的にミステリアスな部分を秘めていた女優の個性に相応しい、所謂アニメ声とも似て非なる声質と無機質でありながら、妙に人懐っこい節回しがクールなメロディラインと深い味わいの歌詞にはジャストミート!?

ラジオか何かで初めて聴いた瞬間、サイケおやじは奥底の知れない魅力に「ゾクり」とさせられた記憶は今も鮮明です。

もちろん、これは皆様ご存じのとおり、作詞:松本隆&作曲:大瀧詠一という職人気質のソングライターコンビが井上鑑のアレンジ共々、周到に作り上げた「ロンバケ」歌謡の傑作という評価は世評の一致するところでありましょう。

その魅力の根底にあるのは、おそらくはマイナー&メジャーコードの混在とも云える、ちょいと普通のポップス歌謡にはオシャレ性感度の高い音選びで構成された曲メロの展開かと思えば、これまた各方面から広く指摘されているとおり、ゾンビーズのクリス・ホワイトが書いた初期の楽曲に聴かれるサウンドイメージを強く想起させれる事は疑い様もありません。

そ~ですよ、ゾンビーズ中毒患者であるサイケおやじが、この薬師丸ひろ子が歌った「探偵物語」に我知らず魅了されたのも、無理からん話かもしれません (^^)

ちなみに当時の薬師丸ひろ子は人気絶頂であり、冒頭に述べたデビュー作「野生の証明」から、「翔んだカップル(昭和55年・相米慎二監督)」「狙われた学園(昭和56年・大林宣彦監督)」「セーラー服と機関銃(昭和56年・相米慎二監督)」と続く主演作が軒並み大ヒットとなり、確か人気投票でも松田聖子や河合奈保子と肩を並べる存在感を示していながら、それほどテレビや芸能雑誌等々への登場が極端に少ないという、往年の映画スタアに近い神秘性を印象づけていたところへ制作公開されたのが待ち望まれていた主演映画「探偵物語(昭和58年・根岸吉太郎監督)」でしたからねぇ~~、主題歌共々にメガヒットしたのは当然が必然という事でありましょう。

というか、このあたりの戦略(?)は彼女を囲い込んでいた角川グループの意図的な仕掛けでありましょうか、とにかくも、ここで薬師丸ひろ子は大スタアとしての地位をがっちりの固めた事になりましたが……、さりとて、サイケおやじは冒頭に述べたとおり、彼女の出演する映画やテレビドラマ等々、そして自ら歌った楽曲をを積極的に鑑賞する事は、掲載のシングル盤を除いて、無いに等しく…… (^^;

ですから、繰り返しますが、殊更薬師丸ひろ子が歌った「探偵物語」は特別であります。

そして両A面扱いとして収録されている「すこしだけやさしく」も、これまた「探偵物語」と同じ制作スタッフから提供された秀逸なポップス歌謡であり、こちらは少しばかり明るい曲調と薬師丸ひろ子ならではのロリ&クールな歌声が相対的に楽しめるという、なかなか確信犯的な仕上がりは、洋楽ポップスに馴染んだ青少年をも魅了するという、正に大瀧詠一&ナイヤガラワールドからの素敵なプレゼントかもしれません (^^)

ただし、こちらの「すこしだけやさしく」は全く映画「探偵物語」本篇には用いられてないというあたりが、これまたニクイところでありましょう (^^)

ということで、ほとんど触れなかった映画としての「探偵物語」は松田優作との共演ということで、松田優作が主演したソフトボイルドな同名テレビドラマの映画版かと思われがちですが、赤川次郎の原作を意訳した物語と軽いタッチの映像が個人的には好きではないものの、世間一般では爆発的な大ヒットになっているあたりは、薬師丸ひろ子&松田優作という、ミスマッチ?

なぁ~んていう先入観年をブッ飛ばす、如何にも映画的映像のアンバランスな予定調和の魅力なんでしょうか?

不遜ながら、サイケおやじには、そ~ゆ~印象ですから、尚更に彼女が聴かせてくれる「探偵物語」という歌謡世界が好きになってしまうのでした。

あぁ~~、カラオケパート共々に歌の完成度の高さは圧巻と思うばかりです。

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町田義人 meets 大野雄二 ~ 野生を証明せよ

2024-02-16 17:17:30 | Soundtrack

■戦士の休息 c/w 銀河を泳げ / 町田義人 (日本コロムビア)

ここんとこ書いている大野雄二関連の楽曲としては、昭和53(1978)年に町田義人が出した本日掲載のシングル盤に収録の2曲も大好きです (^^♪

もちろん、これはジャケ写云々を申し述べるまでもなく、同年10月に封切公開された角川映画の大ヒット作「野生の証明(佐藤純彌)」の主題歌&挿入歌でありまして、山川啓介の綴ったハードボイルドな歌詞に大野雄二の作編曲となれば、これはジャジーなフュージョンサウンドをベースにした和製AORなソウル歌謡に仕上がっているのも、やはりソウルフルにしてハートウオームな歌唱は十八番という町田義人のボーカルがあればこその傑作でありました (^^♪

それは主題歌としてA面に収録された「戦士の休息」からして、どっしりと重いリズムセクションのグルーヴをバックにしたミディアムテンポの泣きメロ歌謡ソウルであり、男の生き様をカッコイイ~ばかりに綴った歌詞を存分に節回す町田義人は本領発揮の大名唱だと思いますし、鋭くも歌心に満ちたギターや絶妙の下支えというキーボードの存在と彩りにしても、これぞっ!

大野雄二サウンドの極みつきにして、畢生の名曲ですよねぇ~~ (^^♪

ですから、挿入曲としてB面に収録の「銀河を泳げ」が、これまた哀愁モードのミステリアス歌謡として成立しているのも当然が必然と申しましょうか、やはりミディアムテンポでメリハリの効いたカラオケパートに馴染みきった町田義人のボーカルが、それでいて決してムードに流されていないハードボイルドな節回しを聴かせてくれるあたりは、これまたソウル歌謡の神髄でありましょう (^^♪

いゃ~~、角川映画と大野雄二のコラボとしては、昭和51(1976)年の「犬神家の一族」、そして翌年の「人間の証明」という、何れも傑作&大ヒット作が残されてきましたが、この「野生の証明」にしても、ご紹介した町田義人のシングル盤に収録の「戦士の休息」と「銀河を泳げ」がありますから、映画本篇のサントラ音源の素敵なグルーヴ&泣きメロフレイバーは保証付き!

あぁ~~、またまた大野雄二中毒が再発しそうな予感が (^^)

最後になりましたが、件の映画「野生の証明」は高倉健の主演作にして、薬師丸ひろ子のデビュー作としても日本映画&芸能史に残る作品ではありますが、リアルタイムでの鑑賞時、個人的には聊か冗漫な物語展開も感じられ、何よりも豪華絢爛な出演者の個性が存分に発揮されていなかった様な気もしていたんですが、今となっては、それは不遜極まりないところ <(_ _)>

なによりも、自衛隊を悪役に設定し、それゆえに海外ロケまで敢行せねばならなかった制作側の心意気とプロ意識の高さは流石と思うばかりですし、当時13歳だったと云われている薬師丸ひろ子の鮮烈な演技を活かしきった佐藤純彌監督の手腕も素晴らしいですよねぇ~♪

繰り返しますが、現在では企画そのものが通らないと思われる「野生の証明」という映画は、決して忘れられないんじゃ~ないでしょうか。

う~ん、「戦士の休息」の歌詞が、尚更に心に染み入るばかりでございます。

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あの頃の風景、そして和みの音楽

2023-08-19 16:23:12 | Soundtrack

さみしいナ… / 石立鉄男 c/w 水もれ甲介 / シンガーズ・スリー (CBSソニー)

今では……、ほとんど見る機会も無くなった街の風景のひとつに映画やテレビドラマの街頭ロケがあり、当然ながら実在の街角で撮影しているわけですから、リアルタイムの風景、さらには雑踏であれば、普通に歩いている市井の人々が自然に映り込んでいるなんてことは日常茶飯事でありました。

もちろん、現在では、そ~した映像は簡単に録画出来てしまう事から、そんなこんなの映画やテレビドラマでのロケシーンでは、なるべく人通りの少ない場所が選ばれ、一般人が映ってしまうなんてことは極力ありませんので、逆に言えば、殊更昭和の時代に制作されていた映画やテレビドラマは、貴重な映像の宝庫として、楽しめるわけですよねぇ~~ (^^)

さて、そこで本日掲載したのは、そ~ゆ~テレビドラマのひとつとして、昭和49(1974)年秋から放映されていた「水もれ甲介(日本テレビ)」の挿入歌とテーマ曲を収録したシングル盤なんですが、それはそれとして、まず件のテレビドラマの舞台となっていたのが豊島区雑司ヶ谷という、当時は下町とオフィス街が絶妙にリンクしていた、そのワームホール的な地域として、その頃から妙に人懐っこい雰囲気が有りましたですねぇ~ (^^)

そして、実はサイケおやじの友人が、その雑司ヶ谷に住んでいたもんですから、なにやら近くでテレビドラマの撮影をやっているから……、みたいな話を聞き込んで、ならばと現地へ赴いてみれば、そこには当時人気が高かった清純派女優の村地弘美、岸ユキ等々の女優陣、また主演の石立鉄男が参加していたわけで、それこそが件の「水もれ甲介」として放映されたテレビドラマだったわけです。

ちなみに学生時代のサイケおやじは、バンド活動と並行して、一応は所謂「映研」にも入れてもらっていたので、そんなこんなの撮影風景は勉強になるというよりも、興味の対象だったんですよ。

しかしながら、それでもサイケおやじは、件のテレビドラマ本篇には、それほど毎回接しておらず、ところがっ!

―― そこで使われていたテーマ曲のオシャレな雰囲気の良さには惹きつけられるものがありましたんで、レコード屋を探索してみたら、そこで発見したのが本日の掲載盤であり、サイケおやじが好きになっていたテーマ曲「水もれ甲介」はB面扱いながら、しっかりと収録されていたんですから、即ゲェェェッ~~トッ!

それはミディアムテンポのオシャレ系ソフトロック歌謡であり、歌っているのがシンガーズ・スリーですから、ハートウォームにしてクールなハーモニーコーラスが歌心に満ちているという仕上がりは絶品 (^^♪

そこで制作クレジットを確認してみれば、作編曲は大野雄二♪♪~♪

う~ん、このメロディラインのソフトな胸キュンフィーリングとホーンやストリングスの用い方、加えてアコースティックギターやエレピの隠し味もニクイばかりですから、白井章生が綴ったフワフワしつつもホロ苦さが滲む歌詞の世界のジンワリ感が実に素敵ですよねぇ~~♪

いゃ~~、何度聴いても、決して飽きるなんてこたぁ~~、ありませんよ、今でも (^^♪

しかし、一方のA面に収録された石立鉄男が歌う劇中挿入歌「さみしいナ」は同じ制作スタッフが手掛けていながら、これは……、ネクラ気味な歌謡フォークであり、しかも石立鉄男の生硬な節回しには尚更に気が重くなってしまうというか……、まあ、そんなところも当時の雰囲気にはジャストミートしていたと思えば、サイケおやじの感性には合ってはいませんが、これはこれで成功作なんでしょう。

既に述べたとおり、サイケおやじはテレビドラマ本篇は全て鑑賞したわけではないので、楽曲としての一方通行的な感想ではありますが、ちょいと前にCSで放送されていた「水もれ甲介」を眺めていたら、冒頭に述べた豊島区雑司ヶ谷の懐かしい風景がたっぷりと拝めましたので、安らいでしまいました (^^)

またドラマそのものも、最近のテレビドラマなんかとは比較にならないほどの充実度と申しましょうか、劇中の映像や登場人物の演技、物語展開の妙、感傷と余韻の程好い調和等々、あらためて最初から鑑賞したくなるほどで、なるほど、これは名作という世評に偽り無しというところでしょうか。

ということで、最近は昭和40 ~ 50年代に制作放映されていたテレビドラマが前述したとおり、CS等々で接する事も可能になり、そこでは若かりし日の出演者、中には既に鬼籍に入られた名優の姿と共に、すっかり現在では様変わりしてしまった風景に胸が熱くなったりするのは、例によって、サイケおやじの大袈裟かもしれませんが、共感していただければ、幸いでございます <(_ _)>

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心に染みる緑魔子のフォークぶる~す

2022-10-07 18:49:47 | Soundtrack

やさしいにっぽん人 / 緑魔子 (Cine Disc  / キャニオン)

昭和40年代の若者文化の流行のひとつだったのが、所謂アングラ映画鑑賞だった事は、サイケおやじにとっても懐かしい思い出になっています。

それはプロが制作したものから、学生映研が撮ったもの、あるいはブルーフィルム擬きの作品等々が混在していながら、独り善がりと言われながらの熱情が表現されていたんですから、なかなかエネルギッシュな世界に浸れるという鑑賞姿勢は、若さの特権であったかもしれません。

実際、当時は、そんなこんなの映画が各所のイベントで自主上映されていたり、小さな映画館でも、商売を度返しの封切公開(?)があったりして、今となっては「怖いもの見たさ」に近い衝動が、サイケおやじにはありましたですねぇ~(^^;

で、本日掲載のシングル盤は、そんなこんなの作品中、それなりの評価が現在でも高いと云われている「やさしいにっぽん人(昭和47年・東陽一監督・東プロ)」の主題歌として、緑魔子が歌った、せつないフォークブルース歌謡をA面に入れ、B面には同映画からの台詞等々が収められたマニア向けの1枚なんでしょうが、とにかくサイケおやじは、その作詞:東陽一&作曲:海老沼裕・田山雅光が提供のA面曲「やさしいにっぽん人」が気に入っておりまして、もちろん緑魔子が持ち前の倦怠した歌謡フィーリングを全開させれば、伴奏はシンプルなアコースティックギターがメインという、これぞっ!

刹那の歌謡フォークなんですねぇ~~~!?

当然ながら、これだけ聴いても、シビレる事は請け合いなんですが、やるせない情熱と行方知れずの絶望が描かれているであろう映画本篇を鑑賞すれば、何更に心に染み入るのは必定と書けば、これまたサイケおやじの完全なる独断と偏見でしょうか…… (^^;

なにしろ、件の映画には主役の河原崎長一郎に加えて、恋人役に緑魔子、他にも石橋蓮司、蟹江敬三、伊丹十三、横山リエ等々の強い個性派が出演しており、物語は幼少期に戦火の沖縄での集団自決から生き延びた河原崎長一郎が、バイクに情熱を注ぎながらの旅で挫折と希望の混濁した現生に向き合うという展開で、聊かネタばれになりますが、最後には転倒したバイクが発火して……!?

―― というあたりも含め、東陽一監督が十八番のドキュメンタリー的な表現と劇映画の面白さを巧みにミックスしたところは、ニクイばかりの仕上りと思います。

ただし、個人的には育児ノイローゼとか、反戦運動とか、如何にも高度成長期の日本を抉り出した様なパートは好きになれませんでしたし、極言すればアメリカのバイカームービーに影響されたシーンが散見されるのは、賛否両論が当時からありました……。

ちなみに東陽一監督は岩波映画から独立したというキャリアからして、ドキュメンタリー作品を撮る事が多かったみたいですが、この「やさしいにっぽん人」は、確か最初の劇映画であり、きっちりモノクロ作品の特色と優位性を活かした作風は、侮れないものがあると思います。

そして以降、「サード」や「もう頬づえはつかない」等々の大ヒット作を出すのですから、気になる皆様はネットでの探索、そして本篇を鑑賞されんことをオススメしたく思います。

もちろん、この「やさしいにっぽん人」もDVD化されていますよ (^^)

ということで、それにしても緑魔子が歌う主題歌「やさしいにっぽん人」は、やっぱり響きますねぇ~、今のサイケおやじには (^^;

それは、すっかり高齢者となった現在でも、青春の情熱を失っていない証じゃ~なくて、未練なんでしょうねぇ…… (^^;

まあ……、それも自分の生き様として、現在を楽しんでいけばOKかもしれません <(_ _)>

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ゴジラ! 60年目の咆哮!

2022-03-27 19:29:20 | Soundtrack

「ゴジラ」オリジナル・サウンドトラック / 伊福部昭 (キングレコード)

   A-1   メインタイトル
   A-2   栄光丸の沈没
   A-3   備後丸の沈没
   A-4   大戸島の不安
   A-5   大戸島の神楽
   A-6   嵐の大戸島
   A-7   大戸島のテーマ
   A-8   フリゲートマーチ I
   A-9   水槽の恐怖
   A-10 ゴジラ迎撃せよ
   A-11 ゴジラ再上陸
   A-12 ゴジラの猛威
   A-13 決死の放送
   A-14 ゴジラ東京湾へ
   B-1   メインタイトル (Reprise)
   B-2   帝都の惨状
   B-3   オキシジェン・デストロイヤー
   B-4   平和への祈り(台詞入り)
   B-5   フリゲートマーチ II
   B-6   海底下のゴジラ
   B-7   エンディング
   B-8   メインタイトル (足音と鳴き声入り)

昨夜は宝田明への追悼ということで、故人の初主演作にして永遠の傑作「ゴジラ(東宝・本多猪四郎監督)」を鑑賞したんですが、その勢いで聴きたくなったのが同映画のサントラ音源でして、急遽(?)引っ張り出したのが本日掲載のLPでした。

いゃ~~、まずは何と言っても、このジャケ写デザインが秀逸ですよねぇ~~(^^♪

しかし、これは決して封切公開当時の昭和29(1954)年に発売されたものではなく、その真相は「ゴジラ生誕60年」だった平成26(2014)年に復刻されたアナログ盤でして、つまりはデジタル時代に敢えて制作発売したという心意気はマニアばかりではなく、広く成果中のゴジラ~特撮ファンに訴えかける熱量は半端ではありませんでしたねぇ~~ (^^)

もちろん、昭和29(1954)年当時は、LP盤レコードそのものが普及していなかった現実がありますから、前述した素晴らしいジャケ写デザインにしても、映画公開前に宣材として使用されていた図版を流用した架空の復刻ビジュアルという事らしく、だからこそ「美女を片手に抱いたゴジラの姿」は作品内映像のスケール感を無視した、そのキッチュなフィーリングは色彩共々に最高じゃ~ありませんかっ!

不肖サイケおやじは店頭で、このジャケットを見た瞬間の快感が忘れようもありません (^^♪

そして肝心の内容は当然ながら、オリジナルのフィルム音源を集成したものなんですが、これ以前に発売されていた音源集、殊更CDに収められていたトラックは、そのデジタル化の段階で様々な補正が行われていたそうで、何とっ!

オリジナルのアナログ音声テープからダイレクトに音源をカッティングしたのは、このLPが最初だったという解説がありましたですよ。

う~ん、そ~ゆ~内部事情(?)と復刻意義を知ってから聴くと、なんとなく「奥行き」が感じられる音に仕上がっている様にも思えるんですが、それはそれとして、確かに以前に出回っていたイギリスでプレスされた復刻LPよりは、ずうぅ~~っと音質が良いのは確かでしょう。

レコードそのものも所謂「重量盤」という分厚さがウリになっていたのも好結果だった様です。

ということで、やっぱり往年の映画は好きですねぇ~~ (^^)

特にフィルム撮りされた映像の存在感、また、それゆえに本番一発勝負の緊張感までも焼き付けられている現実は、ナチュラルなエネルギー不変の法則ってやつでしょうか、我知らず鑑賞態度にも「のめり込み」を自覚して、ハッとさせられてしまう事は度々です (^^ゞ

なんというか、ビデオ撮りに比べて、密度が違う気がするんですよ。

さあ、これから今夜は「ゴジラの逆襲」でも…… (^^ゞ

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何処へ行ったの? ドラドラ子猫

2022-02-21 19:19:36 | Soundtrack

ドラドラ子猫とチャカチャカ娘 / 小原乃梨子 (日本コロムビア)

掲載したのは昭和46(1971)年に放映されていたテレビアニメ「ドラドラ子猫とチャカチャカ娘(NET=現・テレビ朝日)」の主題歌をA面に入れたシングル盤なんですが、これを覚えていらっしゃる皆様が、どれだけ…… (^^;

なぁ~んて、サイケおやじが冒頭から述べてしまったのは、皆様ご推察のとおり、このアニメはアメリカでハンナ・バーベラ・プロの制作により、既に前年に放映されていた作品の日本語吹替版であり、確か……、僅か16話程度しか公にならなかったという記憶も曖昧な…… (^^;

しかし、内容は女の子バンドの「子猫チャカチャカーズ」が各地を巡業する途中で遭遇する様々な事件やドタバタ劇を描いたもので、もちろんハンナ・バーベラ・プロが十八番のSF風味や怪奇サスペンスムードが毎回仕込まれていたもんですから、サイケおやじは、それなりに楽しみにしておりました。

で、ここに取り上げた主題歌「ドラドラ子猫とチャカチャカ娘」は、物語中のバンドがロック&ポップス系であるのとは逆に、なんとも子供向けの童謡風歌謡曲になっていて、これは言うまでもなく、日本独自に制作され、用いられたオリジナル曲に他なりません。

それは作詞:水野礼子&作曲:橋場清、そして歌ったのは有名声優の小原乃梨子というデータが残されていましたので、ちょっぴり気になって中古盤を漁っていたら発見したのが、この掲載盤!

いゃ~~、これを初めて見た時には、驚いてしまいましたですねぇ~~ (^^;

だって、ジャケットスリーブのイラストが実際のアニメとは全くの別物で、それは版権の問題があったにせよ、あまりにも……、ねぇ…… (^^;

そこで本家本元のアニメについて調べてみたら、原題は「Josie and the Pussycats」であり、例によって、これに便乗した現実世界のバンドも当時はアメリカで活動していたそうですよ (^^;

ということで、ここまでの話を纏めるために、ネットからオリジナルの動画を引用しておきましたので、お楽しみくださいませ (^^)

Josie and the Pussycats Opening and Closing Credits and Theme Song

ど~です、観たくなったでしょう~♪

そして最後になりましたが、このアニメは20年ほど前に実写版劇場用作品も作られ、それは「Pussycats」のタイトルでしたので、気になる皆様は、ぜひっ!

もちろん、サイケおやじは好きでした (^^♪

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今こそGOGO! チアガール!

2020-12-06 19:15:56 | Soundtrack

■Let’s go! 青春 / JUNKO & CHEER LEADERS (キングレコード)

サイケおやじの大好物のひとつに「ホットパンツ」がありますから、中古とはいえ、本日の掲載盤なんかはノー文句でゲットしてしまうんですが、ここでド真ん中の主役を演じているのが今や永田町のみならず、あらゆる場面でボンクラな野党議員をケチョンケチョンに成敗する参議院議員の三原じゅん子センセー、その人なんでねぇ~~♪

説明不要かとは思いますが、三原じゅん子センセーは三原順子としての活動履歴があり、最初に名前を売ったのは昭和54(1979)年、サイケおやじには全く関心の無かったテレビドラマ「三年B組金八先生」におけるツッパリ女生徒役だったみたいですが、それが何時の間にか「ポスト山口百恵」の一番手に持ち上げられ、翌年にはアイドルシンガーとして、歌謡ロックのデビューシングル「セクシーナイト」の大ヒットを放ったのですから、心穏やかにはしていられませんでした。

そして以降、女優として、また歌手として、さらにはカーレーサーもやっていた記憶があるんですが、そんな中でも今や伝説となっているのが、掲載盤A面収録「Let’s go! 青春」を主題歌にして、昭和55(1980)年秋から放映された学園青春ドラマ「GOGO! チアガール(TBS)」でありましょう。

それはもちろん、タイトルどおり、チアガール=チアリーダー達のあれやこれやをスポ根的学園物として描いたドラマであり、当然ながらチアガール役の出演者は特訓を受け、代役無しでチアリーディングを見せていたのですから、制作&撮影そのものが既にしてスポ根だったんですねぇ~~!?

しかも主演の三原順子の共演者には同時代のアイドルだった甲斐智枝美日高のり子、その他にもアイドル候補生が大勢出演していたというのですから、その彼女達が掲載盤のジャケ写にあるとおりのホットパンツ姿で躍動するとあっては、全くマニア泣かせの名作というわけです。

で、肝心の主題歌「Let’s go! 青春」は作詞:亜蘭知&作曲:青山八郎、そして編曲:河野土洋が提供した、これが典型的なチアリーダーソングの青春歌謡的展開と申しましょうか、イントロからマーチ調のリズムにチアリーディングのカウント、さらには前向きな青春応援歌をリードするのが三原順子のドスの効いた低音ボイスなんですから、たまりません♪♪~♪

また、共演者達によるユニゾンボーカル&コーラスも、これぞっ! 青春賛歌の定番であり、そんなこんなから「JUNKO & CHEER LEADERS」とクレジットされたのも当然が必然だったのかもしれませんねぇ~~~♪

ところが、このドラマに出演した頃から三原順子には妙なスキャンダルが頻発し始めた様で、アイドルよりは個性派芸能人みたいな存在となり、確か一時はロックバンドにも参加していたと記憶しているんですが、既に述べたとおり、カーレースに打ち込んだり、結婚・離婚・再婚というプライベートの諸々や癌という病魔との闘いから介護関係の活動を経て、ついには政治の世界へ足を踏み入れたのですから、その生き様は凄みが流石に違っています。

だからこそ、国会や街頭演説での圧倒的な発言力は大勢の支持を集めるのでしょうし、サイケおやじの妹は三原じゅん子センセーの演説を聞くと、スカッとするっ!

とまで言いきっているんですよ (^^)

しかし、だからといって、この往年の人気ドラマ「GOGO! チアガール」がDVD化されていないという現実は、これ如何にっ!?

うむ、ヘソ出しブラウスにクイコミも眩しい白いホットパンツが愛おしい ♪♪~♪

もちろん、毎回ではありませんでしたが、サイケおやじは恣意的覚悟(?)で、テレビ画面を凝視しておりました (^^;

ということで、コロナ禍による逼塞が余儀なくされる現在、だからこそ、ぜひともの復刻を!

センセー、ご決断をお願い致しますっ!

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開いていたシビルの部屋

2019-10-06 17:43:24 | Soundtrack
シビルの部屋 / 斉藤麻美 (ワーナーパイオニア)

日本映画には「成人」とか「ピンク」と称されるジャンルがあり、それは説明不要、セックスや女の裸、エロスと背徳、さらには過激な暴力的描写を含んだ強制性交、つまりは強姦、あるいは野外セックスやSM等々、とにかくギラギラした男の欲望を満たす事を標榜した作品が、特に昭和の時代には堂々と街中の映画館で上映されていました。

もちろん、そのものズバリの映像なんかは無く、なるべくそこが見えないながらもギリギリを描くのが監督以下製作スタッフの力量の証明でもあったんですが、それが素晴らしすぎるほどに過激な内容は当局の取り締まりの対象になっていた事は言わずもがな、上映中止や関係者の逮捕~裁判沙汰が常に芸能ニュースばかりか、社会的事件として扱われていたのはサイケおやじと同世代の皆様であれば、あぁ~、あれかっ!?!

しかも、それは日本映画ばかりじゃ~なくて、海外製作作品ともなれば実情は尚更に様々で、現実的には既にポルノ解禁となっていた国の作品であっても、そこには所謂ボカシを入れなければ、我が国での上映は不可能でしたから、所謂「洋ピン」と称されたフイルムは、何の繋がりも無い複数の作品を強引に編集したものにテキトーなエロいタイトルをつけて公開されていた、もはや「映画」とは呼びたくないものまであっんですよっ!

でもねぇ~~、それでも当時の野郎どもは見たかったんですよ、ジンガイ女のヌードやマグワイの動画をねっ!

しかし、そんな状況に風穴を開けたというか、同じ人間であれば、「女」だって「男」同様に性的衝動がある以上、そ~した映画に興味は無いとは決して言えないはずという信念的常識から宣伝公開され、見事に大ヒットしたのが「エマニエル夫人」というのは穿った定説かもしれませんが、確かに映し出された映像には美しさがあり、所謂ソフトポルノとして、一般の洋画と同じ感覚とまでは行かなくとも、女性だって堂々と鑑賞出来る免罪符が交付された事は確かです。

で、以降フランス製作の同系の映画が期待どおりに輸入され、それなりにヒットした中にあって、昭和52(1977)年秋に公開された「シビルの部屋」は原作が前述「エマニエル夫人」を書いたエマニエル・アルサンであり、しかも彼女の自伝的作品とまで宣伝されたのですから、忽ち話題沸騰!

しかも、その内容は確かに我が国におけるJK世代の美少女がヌードやセックス等々を綺麗な映像美の中で魅せる(?)という物語で、現代で云うところの「ロリータポルノ」でしたからねぇ~~~。

ストーリー展開のきっちりした分かり易さもあって、思春期の曖昧な希望とか、ユーモアや人間関係の不条理を巧みに混ぜながら、白人美女のセクシー場面が、そこにあるってもんですよ♪♪~♪

そ~いえば当時、「ヤング・エマニアル」とか云々、そんなキャッチコピーもあったと記憶しているんですが、そんなこんなで見事に映画は大ヒット!

関連作品とか、便乗映画も公開される騒ぎ(?)になったんですが、本日ご紹介のシングル盤もそのひとつというか、一応は日本公開に合わせた主題歌扱いとはいえ、実際にはイメージソングでしょうか? 映画本篇をリアルタイムで鑑賞したサイケおやじにしても、実は全く記憶にないんですよ……。

しかし、それから数年後、例によって中古屋で猟盤活動をしていたサイケおやじの触手に引っかかったのが掲載のシングル盤でして、正直発作的にゲットしたわけですが、針を落としてみると、これがなんとっ!

ロリータボイスのボサノバ歌謡!?!

歌っている斉藤麻美につていも知っている事は何も無く、しかしジャケ写のアンニュイなポートレートが、ちょいと思わせぶりな和風の面立ちというのも、実は歌声には必ずしも合致しないと思うんですが、それはそれとして作詞&作曲:森雪之丞、編曲:青木望が作り出したのは、件の映画そのものの様でもあり、特段の思惑も無いニューミュージック歌謡としても、なかなかイケていると思いますねぇ~~♪

ただし、サイケおやじにはロリ趣味が無いので、映画本篇も冷静(?)に観られたような気がしますし、このシングル曲「シビルの部屋」にしても、本日聴いてみたら、ど~にもアニメ声に思えたんですから、いやはやはなんとも……。

でも……、愛好者には最高のプレゼントかもしれませんよ。

そ~いえば思い出したんですが、映画「シビルの部屋」は昭和50年代末頃にテレビでも放送されたんですよっ!

その時もかなり話題になって、 主演女優のアン・ザカリアスのインタビューも放送されたような朧げな記憶がありますが、ど~だったかなぁ……。

ということで、本日は特段のオチもありませんが、本篇「シビルの部屋」はDVD化されていますし、輸入版ならば「ボカシ無し」のバージョンも入手出来ますが、過大な期待は禁物です。

最後になりましたが、劇中に登場する従兄弟は早い話が完全にシビルに遊ばれたというか、一応は最初のセックス相手ではありますが、精液を搾り取られたり、彼女の本命のダシに使われる役柄には、なんとも同情してしまいましたよ。

まあ、そんなこんなも映画の楽しさのひとつ……、なんでしょうねぇ~~♪
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SFはセクシーヒロインを見るべし!

2019-09-23 19:17:25 | Soundtrack
Barbarella / The Gliterhouse (Stateside / 東芝)

1950年代から人気を集めた雑誌連載のSF物語の挿絵、あるいはコミック作品に登場するヒロインはセクシームードがお約束だった事は隠しようもない事実として認知されているはずです。

それは映画の世界でも直ぐに継承され、数多のセクシー場面が撮られたわけで、我が国でも子供の集客を当て込んだ特撮&怪獣映画でも、例えば東宝の水野久美がキワドイ衣装で登場し、時には入浴シーンまでも演じたり、大映のガメラシリーズでは八並英子が極小ビキニ姿を見せつけたりした事は忘れられない記憶という皆様も大勢いらっしゃるでしょう。

ある意味では子供の付き添いで映画館にやって来た父兄へのサービスであったかもしれませんが、子供達にとっては所謂「性の目覚め」でもありましたですね ♪

そこで本日ご紹介は、そのジャンルでは決定的な人気作となっているジェーン・フォンダの主演作「バーバレラ」の主題歌でして、その映画冒頭、無重力状態の空間で無骨な宇宙服を少しずつ脱ぎ、キュートな裸体を拝ませてくれる彼女の大名演のバックに流れるソフトロックの名曲 ♪♪~♪

いゃ~~、これはもう、実際に映画をご覧いただくのが最良の鑑賞法という結論は既に出ているんですが、如何にも1967年に製作されたというキッチュな感覚とモダンサイケな字幕処理はニクイばかりですから、グリッターハウスと名乗るグループが演じる歌とメロディーの心地良さは相乗効果的に強い印象を残しているんですねぇ~~♪

このシーンは、ネットでもご覧いただけますので、まずはお楽しみ下さいませ。

ちなみにこれを製作したのはボブ・クルーとチャーリー・フォックスという業界の大物裏方コンビで、またグリッターハウスは実在のグループらしいんですが、サイケおやじは勉強不足で知るところもありません。

しかし、ボブ・クルーについては洋楽の世界では決して忘れてはならない重要人物でして、既に1950年代からフリーランスのプロデューサーとして幾つものシングル曲を製作し、小さなヒットを飛ばしていた結果として、ついに1962年にはフォーシーズンズを「Sherry」の大ヒットでトップスタアに導き、以降1968年頃まで多くの秀逸な楽曲の制作に関わっていたのですから、チャーリー・フォックスと共作した「Barbarella」が王道のソフトロックに仕上がったのは当たり前田のクラッカー!

さて、肝心の映画「バーバレラ」については幾つもの伝説や逸話が残されておりますが、監督のロジェ・ヴァディムと主演のジェーン・フォンダは当時、確か夫婦関係にあったはずで、だとすれば自分の女房にセクシー演技をさせたのも、所謂イキ顔とか嫌がりの表情と仕草を知り抜いていたとしか思えません。

何故ならば本篇の中にはセックス系の拷問とか、セックスそのものを想起させる演出がテンコ盛り ♪♪~♪ もちろんコスプレな衣装も凝視せずにはいられないものばっかりですから正直、ど~でもいいストーリー展開よりも、そんなこんなを見せるのが主題だったのでしょうねぇ~~。
 
参考までに記しておきますが、原作はフランスかベルギーで発行されていた漫画雑誌に掲載されていたそうなので、まさに欧州的な退廃さえも感じさせてくれるような気がするほどです。

ということで、実は本日の結論は、最近の我が国の特撮物は映画にしろテレビ作品にしろ、セクシー場面が少なすぎるという嘆き節……。

ひと昔前まではテレビ作品でも、ヒロインはパンチラやレオタード風の衣装が当たり前でしたし、水着姿だって大サービス的に演出されていましたからねぇ~~~。

もしも、何からの発案から、そ~した作品を作ろうと決意される業界諸氏がいらっしゃるならば、ぜひとも「バーバレラ」をリメイクして欲しいと願っているのでした。
コメント (1)
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