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丘のむこうに / Led Zeppelin (Atlantic / ワーナーパイオニア)
昨日発表されたイギリスのEU離脱という国民投票結果は即刻、世界の各方面が敏感に反応せざるをえない状況であり、それを冷静に判断しようにも、その時間が逆に不安というが本末転倒の次第じゃ~ないでしょうか。
もちろん、寸刻を争う取引とか政治経済における駆け引きは絶対に必要ではありますが、悪戯に騒ぎ立てるようなマスコミの先導的報道に踊らされるのも、これまた愚の骨頂のような気がします。
基本的には他人の家庭事情に左右されるようなものでもあり、あれやこれやの詮索と先入観によって、浮き足立ってしまう事は避けるのが賢明というのが、現在のサイケおやじの心境です。
第一、我が国の経済力は、そんなに脆弱ではありませんし、当然ながら様々な予測に基づいた備えは常日頃からやっているのが日本という国家の力の源でありましょう。
また、それがあるからこそ、様々な国難苦境を乗り越えられてきたんだと思います。
しかし、それにしてもイギリスがここまで世界に影響を及ぼしたというのは、本当に久々って感じですよねぇ~~。
思い返してみれば、二十世紀のイギリスでは最大の産業がロック、つまりビートルズが登場して世界を席巻した1960年代中頃からの20年間ほどは、所謂ブリティッシュロックが業界のトップランナーであったわけで、莫大な外貨を稼ぎだしていた現実は今や歴史!
特に1970年代のロック界は、英国勢の活躍があってこその活況だった事は今更言うまでもないでしょう。
さて、そこで本日掲載したのはブリティッシュロックを代表するトップバンドだった
レッド・ツェッペリンが1973年に出したLP「聖なる館 / House Of The Holy」から最初にシングルカットされた1枚なんですで、サイケおやじは殊更A面曲「丘のむこうに / Over The Hills And Far Way」に今回のイギリス独立帰還(?)騒動が妙に被っているイメージを喚起させれます。
まあ、曲調そのものはアコースティックギターの伴奏でカントリー&フォーク風にスタートするシミジミソングでありながら、途中からは十八番のハード路線に踏み込み、様々な音楽的要素をゴッタ煮にしたプログレ風展開も演奏パートには散見されるという、如何にもこの時期のゼップらしい仕上がりなんですが、歌詞の中身がラブソングでもあり、人生の探究でもあるらしい、なかなか個人主義の哲学的真理を追い求めているみたいな、そんな感じが飽きないで聴ける秘密かもしれません。
愛しい女よ
しばらく一緒に歩いて欲しい
おまえは たっぷりとした愛情に満ちた存在
何度も考えてみた
誰もが多くの悟りを必要としているんじゃ~ないかと
「かもしれない」という言葉は
後々に疑問を残すだけ
残された疑問は
本来知っておくべき事だった
等々、独りにせよ、友や恋人と一緒にせよ、この世は行くも地獄、残るも地獄という境涯から抜けられないのであれば、未知の領域を目指して歩むのもそれなりの人生なのか……?
なぁ~んてことを、この「丘のむこうに / Over The Hills And Far Way」を聴きながら、サイケおやじは漠然と考えさせれてしまうんですよ。
そして現在のイギリスだって、あれだけ僅差の投票結果であれば、当然ながら今後は順風ではないという推察も易く、しかしどちらに傾いても決して後戻り出来ないのも、この世の真理でありましょう。
ということで、慌てる乞食はなんとやら!
とりあえず日本人であれば、焦るのは禁物かと思います。
冷静な情報収集と状況判断もまた、この世の必須ですから。