OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

やっと言えたよ、シモンズが好きだって♪

2013-10-31 15:47:49 | 歌謡曲

ひとつぶの涙 / シモンズ (RCA)

お偉方からの手厳しい批判にも馬耳東風を決め込み、ようやく仕事からの責めも和らいだサイケおやじは昨夜、久々におやじバンドの練習に顔を出してみれば、なんとっ!

そこでは掲載のシングル盤A面曲「ひとつぶの涙」が、なかなか良い感じで演じられていました。

もちろん未だ公の場で披露出来るレベルではないという認識では、メンバー全員一致していますが、まあ、それはやっている側が楽しいというアマチュアの特権ですよ♪♪~♪

そしてサイケおやじに課せられたのが、アコギの12弦という、なんとも嬉しい命題なんで、ついでにその場から件のレコードを拝借してきて、本日の掲載に至ったという次第です。

う~ん、それにしても聴くほどに和んでしまう名曲名唱ですねぇ~、これはっ!

発売されたのは昭和47(1972)年初夏、まさに我国で歌謡フォークが全盛のブームになっていた頃でしたから、当時は高校の学内同好会でロックバンドのツッパリに徹していたサイケおやじにしても、実は密かにこのシモンズが歌う「ひとつぶの涙」に心惹かれ、それでも素直になれない自分には……。

ちなみにシモンズはジャケ写からも一目瞭然、如何にも当時のカントリー系ファッションが似合う二人組で、メンバーの田中ユミのハイトーンと玉井タエのハスキーな低音パートが絶妙のコンビネーションを聞かせてくれましたから、前年秋にデビュー曲「恋人もいないのに」を大ヒットさせて以降、次々に素敵なレコードを出していました。

ただし、それらのシングル盤A面曲は決して彼女達のオリジナルではなく、この「ひとつぶの涙」にしても、作詞作曲:瀬尾一三&編曲:葵まさひこの仕事は、非常にプロ意識の高いものだと思います。

ところが、それで決してイヤミな仕上がりになっていないのは、シモンズが持っているアマチュアっぽさというか、そのナチュラルな爽やかさはプロならではという、如何にも矛盾したような個性がニクイところ♪♪~♪

実際、リアルタイムで歌謡フォークをやっていたアマチュアグループが、挙ってシモンズのコピーに取り組んでいたのは、今更言うまでもありません。

入れてもらっているおやじバンドでは、一座のスタアである熟女さんボーカリストの執心から、彼女の愛娘と素敵なハーモニーを聞かせるべく奮闘しているのであれば、ようやく現在に至って蟠りもなく「ひとつぶの涙」を一緒にやれる喜びは格別ですよ♪♪~♪

もちろん面映ゆい気持はありますが、それを言い訳にするつもりは、ちょいと改悛の情ってもんでしょうか、我ながら額に汗が滲みます。

ということで、ご存じのとおり、シモンズは昭和49(1974)年の人気絶頂時、玉井タエがその頃にグイグイ頭角を現していたベース奏者の後藤次利と結婚して、解散!

それはそれで彼女達の決断を尊重するべきであり、後々に何があったかは知られているとおりであっても、シモンズが残した輝きは失せるものではありません。

最後になりましたが、本当に瀬尾一三は良い曲が書きますねぇ~♪

現在では中島みゆきのプロデューサーとして知られる才人ですが、所謂ニューミュージックの創成にも大きく関わり、既存の歌謡曲との橋渡し的な働きをしていた事実は大きく認識されるべきっ! と強く思います。

そして、その一例がシモンズの「ひとつぶの涙」であるとすれば、尚更にエヴァーグリーンな名曲名唱と思うばかりです。

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手塚さとみはこれでイイのだっ!

2013-10-30 15:30:31 | 歌謡曲

ボビーに片想い / 手塚さとみ (FOR LIFE)

女性アイドルの条件として、まず第一なのが「愛くるしさ」だとすれば、手塚さとみは最高レベルのひとりでしょう。

所謂美少女系であり、それは彼女が人気絶頂時に出した本日掲載のシングル盤ジャケ写からも一目瞭然、決してロリマニアに偏ることのない可愛らしさは万人が認めるところと思います。

また、同条件としては邪道かもしれませんが、可愛さ優先の女の子アイドルは、歌が上手くないほうが、さらに「良」とするポイントが確かにあって、だとすれば、その点においても彼女は充分な資格を有しているんですねぇ~♪

それはここに収録のA面曲「ボビーに片想い」を聴いていただければ、恥ずかしくなるぐらいに納得されるはずで、しかし、だからこそ憎めない現実があるのも確かですよ♪♪~♪。

なにしろ作詞:松本隆&作曲:松任谷由美、そしてアレンジが瀬尾一三とくれば、これが堂々のオールディズ系ポップス歌謡の決定版に仕上がるのもムペなるかな、発売されたのが昭和54(1979)年春であっても、刻み込まれた胸キュン性感度の高さは、何時だってOK♪♪~♪

まさにカレッジソングの王道がど真ん中のユルユルな曲テンポで、時には消え入りそうな歌い回しを押しとおすあたりが、手塚さとみの真骨頂と思うばかりです。

ちなみに作曲したユーミン自身によるデモテープがあれば、聴いてみたいですねぇ~~♪

だって、それは言わずもがなのユーミン節の……、まあ、あれですからねぇ~♪ 手塚さとみの歌い回しにも随所でそれが顕著に浮き上がり……、ですよ♪♪~♪

ちなみに手塚さとみの芸歴しては、何んと言ってもユニチカのCMモデルとしてのブレイク、さらには続く元祖グラビアアイドルとしての人気沸騰が強い印象になっていますが、ご存じのとおり、幼少期からのモデル業で身につけたと思われるナチュラルに「見られる」事のプロ意識は、女優としての活動にもオ大きな財産になっていたように思います。

その意味で、掲載のジャケ写が中身の歌のイメージにジャストミートしているのは高得点であり、一方肝心であらねばならない歌唱が拙いのは、アイドル愛好者のファン心理を巧みに刺激する狙いと書けば、贔屓の引き倒しでしょう。

サイケおやじとしては、そこにイチコロ、本当に急所を掴まれた感じでありますが、だからこそ、ボーカルが前に出過ぎたというか、実際はそれが正統な作りなんでしょうが、個人的な希望としては、所謂スペクターサウンドの分厚いバックに埋もれる薄いボーカルというミックス処理があればなぁ~~~、と思っています。

ということで、そうまで書いていながら、しかしここまで来ると果たして彼女はテレビやライプステージで歌ったことがあるんでしょうかねぇ……?

サイケおやじは、これっきりしか彼女のレコードは持っていないんですが、確か他にもLPを含めて2~3枚は出していたはずですから、歌手としての手塚さとみに接した皆様のご感想は大いに気になったりしますよ。

もちろん既に述べたたとおり、だからといって手塚さとみの歌を否定する気持ちは微塵も無く、ある意味ではアイドル正統派の歌謡曲を極めんとしたに違いない!

なぁ~んて穿った考察を自分に言い聞かせているのでした。

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追悼・岩谷時子… 愛と希望をありがとう

2013-10-29 14:06:53 | 歌謡曲

荒野をもとめて / 加山雄三 (東芝)

歌謡曲を愛する皆様には偉大な存在とは言うまでもなく、本日は追悼・岩谷時子……。

まさしく大往生であり、どの道も行き着く先は蓮の花ではありますが、やはり悲しい気分は避けようもありません。

しかし故人が終生、提供してくれたのは、生きている、そして生かされている喜怒哀楽の素晴らしさだったように思います。

そこでサイケおやじは現在の置かれている立場からも、掲載のシングル盤A面曲「荒野をもとめて」に針を落しました。

ご存じ、岩谷時子とは絶対的な信頼関係があったにちがいない若大将=加山雄三が昭和46(1971)年に出した、例え賛否両論があろうとも、サイケおやじは大好きな名作です。

なにしろイントロから飛び出してくる熱いホーンセクションにイケイケのリズム隊には、ビシバシのドラムスやニューソウルなリズムギター、そして蠢いてドライヴするベースがきっちり付いていますからねぇ~~♪

う~ん、これが若大将かぁ~~~~!?!

と思った次の瞬間、まさに加山雄三=弾厚作ならではの「節」が出てくるんですから、後は自ずと耳を奪われてしまうわけです。

 荒野をもとめてぇ~ 男なら 行こうぜぇ~~
 遥かなぁ~ ゆくてにぃ~ 虹を見てぇ~~~

 苦しみぃ~からぁ~~
 悲しみから明日をぉ~~
 喜びをぉ~ 探すのさぁ~~~

 荒野はひとりでぇ~ 歩くものぉ~~~~

あぁ、この前向きな姿勢こそが、岩谷時子の世界なんでしょうねぇ~~♪

本当に勇気づけられ、酔ってしまいそうな悲壮感に心がジクジクとさせれてしまうですよ。

もちろん若大将の大らかな歌いっぷりも素晴らしく、また森岡賢一郎のアレンジも流石の流行最先端♪♪~♪

既に述べたとおり、それほど目立ったヒットになっていない記憶なんですが、こんな時代であればこそ、この歌が本気で心の友になるような気がしますよ、少なくとも、男には!

ということで、岩谷時子の訃報には、衷心より哀悼の……。

夢も希望も愛も情熱も、全てを貫く意志と運命を伝えてくれた岩谷時子、永遠なれ!

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ノーテンキ最高のアイドル月曜日ソング

2013-10-28 15:34:36 | 歌謡曲


月曜日はシックシック / 三井比佐子 (vap)

最近は特に仕事がシンドイというサイケおやじの月曜日は、如何に!?

と覚悟は決めていたものの、使い勝手の良い若手が2人も病欠し、朝っぱらからお偉いさんにはイヤミを言われ、おまけに凡ミスからトラブった奴等の後始末……。

本当にこっちが病気になりそうということで、発作的に思い出したのが、本日掲載のシングル盤A面曲、そのものズバリの「月曜日はシックシック」であります。

歌っている三井比佐子はモデル出身のアイドルで、確かパンジーなんていうグループにも入っていた記憶があるんですが、しかし一番印象的なのは矢鱈元気に跳ね回って、ターヘな歌を臆面も無く披露していた、おそらくはデビュー曲と思われる、この「月曜日はシックシック」が破天荒に最高~~♪

なにしろ楽曲の出来が素晴らしく、レコード化された演奏&コーラスパートの充実度も特級品なだけに、三井比佐子のどうにか許容される歌いっぷりが、所謂ヘタウマという括りで、注目されていたんじゃ~ないでしょうか?

不肖サイケおやじにしても、これが世に出た昭和57(1982)年初夏のリアルタイムが瞬間的に蘇ってくるほど、気に入って!

ジャケ写と音源をPCに取り込み、何時かは拙プログでご紹介しようと目論んでいたわけですが、まあ、それが本日になったのは、こんなトホホの月曜日には神様の思し召し?

と自分に言い聞かせています。

いゃ~、冒頭から勢いのある女性コーラスが、シックサンジュ~ロックなぁ~んて、いきなりミもフタもありゃ~しない本音を吐露すれば、ビシバシにR&Rしまくったドラムスやバネの効いたベースも良い感じのバックに全く煽られていない三井比佐子のリードボーカルが唯我独尊!?!

あぁ~、これじゃ~、ハンドクラッピングもポップンパッチンの弾けコーラスも、さらには泣きのロックギターも彼女に平伏すしかないでしょう。

そして当然ながら作詞:高平哲郎、作曲:筒美京平、編曲:船山基紀の職業作家トリオの意識も、そこにある事はプロの証明なんでしょうかねぇ~~♪

微熱のある夢遊病を患いそうな、最高のアイドル歌謡曲と断じますが、これを好きだという話が、マニアやコレクターの間では禁句になっていたことが一時期、確かにあったそうですよ。

分かりますねぇ~、その気持!

それほど凄い裏名曲にして大迷演というわけです。

ただし、ツライ月曜日だからといって、これを口ずさんでしまったら、それこそシックシックでしょうねぇ~~。

だから余計にツライわけですが……。

ということで、たまにはこんなのも好きという告白でした。

そして正直、このぐらいノーテンキじゃ~ないと、今の仕事の状況では煮詰まり必至なんで、本日はどうかご容赦願います。

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ヤングミセスのカーリー・サイモン

2013-10-27 13:46:14 | Singer Song Writer

夢のような愛 / Carly Simon (Elektra / ワーナーパイオニア)

目は口ほどに物を言う、とは説明不要の諺でありますが、実は逆もあるというのが、本日掲載のジャケ写からも、一目瞭然です。

だって、目線が隠れているのに、これが世に出た1974年当時の洋楽に親しんだ皆様であれば、そこに登場している女性が誰なのか!?

一発で分かるでしょう、その唇で!

まさにストーンズのミック・ジャガーやエアロスミスのスティーヴン・タイラーと兄妹みたいなイメージの彼女こそ、シンガーソングライターとして、また素敵なボーカリストとして、さらにその頃はジェームス・テイラーの妻でもあったカーリー・サイモン、その人であります。

もちろん彼女の場合、全盛期だった1970年代の諸作のジャケ写はスケスケファッション、ノーブラに乳首浮き出し、セミヌードやチラ見せイメージ等々、所謂着エロ系のショットが多かった事は、女としての自立云々よりは、セクシーな存在感を強調する狙いだったのかもしれませんが、ある程度は結果オーライだったと思います。

しかし同時に見過ごせないのが、結婚生活に入ったばかりの頃の佇まいで、もしかしたらヤングミセス系の路線だったのか、夫であるジェームス・テイラーとの夫婦としての努力であったのか、ちょっぴり気になるのですが……。

まあ、それはそれとして、肝心の収録A面曲「夢のような愛 / Haven't Got Time For The Pain」は人気アルバム「ホットケーキ」からのシングルカットでありながら、それが日本盤の場合の邦題が、件のアルバム初版では「悲しむ時はなく」になっているので要注意!

実はサイケおやじは、このシングル盤に接する以前に、問題(?)の「ホットケーキ」の日本盤LPを持っていたので、てっきりアルバム未収録曲か!?

と思い込んで、ハッとしてしまった過去が拭い去れません。

ただし次の瞬間、それは誤解だった事が納得されたものの、冷静になれなかたのは、偏にこの素敵なジャケ写のカーリー・サイモンに幻惑されたからです。

う~ん、なんて素晴らしいファッションセンス♪♪~♪

現代でも、立派に通用するにちがいありませんし、実際にこんな恰好の着こなしをしている若い日本女性も見かけますからねぇ~♪

閑話休題。

そしてここではピアノの弾き語りをメインに歌うカーリー・サイモンが、十八番の「節」を聞かせてくれるのは言うまでもありませんが、ポール・バックマスターのストリングス&オーケストラアレンジは、当時のエルトン・ジョンの諸作でもキモになっていた重厚さが良い感じ♪♪~♪

また、当然ながら、夫のジェームス・テイラー(g)、ジム・ケルトナー(ds)、ラルフ・マクドナルド(per) 等々の控えめなサポートも、ニクイところでしょうか。

ということで、最後になりましたが、カーリー・サイモンの楽曲共作者としてクレジットされる事も多いジェィコプ・ブラックマンは、おそらくアメリカの新聞を中心に映画評論をやっていた人物と同一なんでしょうか?

この「夢のような愛 / Haven't Got Time For The Pain」も共作になっていますが、個人的には今後の研究課題(?)にしている次第です。

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出張はつらいよ

2013-10-26 14:22:31 | Weblog

悪天候の中を移動しています。

それでも飛行機は飛ぶし、仕事は待ってくれませんから……。

とりあえず本日の1枚は休載させていただきますが、どうか皆様も慎重にお過ごし下さい。

あぁ、人知の限界を感じますねぇ。

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人妻ジュンの冒険

2013-10-25 15:49:14 | 歌謡曲

裸足の妖精 / 黛ジュン (フィリップス)

芸能人の中でも殊更女性アイドルは、自らの年齢との戦いが避けて通れない宿業でしょう。

所謂「歳相応」の活動が出来るか、否か……?

つまり何時までも「可愛い子ちゃん」や「ぶりっ子」は通用しないし、また周囲もファンも対象が好きなるほどに、もう一歩進んだものを求める事は当然ですから、例えば「脱ぐ」という手段、あるいはそこまで行かないまでも、大人っぽい表現は業界で生き残っていく為に必要なはずです。

そしてもうひとつ、避けられない転機が「結婚」でありましょう。

さて、そこで本日掲載のシングル盤は昭和47(1972)年春に出た黛ジュンのなかなかイケイケなジャケ写も眩しい1枚なんですが、ご存じのとおり、当時の彼女は歴とした人妻!?!

それがなんで、こんなピッチ全開なムードにイメチェンしたのかは、個人的に謎の範疇ではありますが、振り返ってみれば既に昭和44(1969)年に出した「自由の女神」のジャケ写からして、ジワジワと伝わって来る同じ雰囲気が次なる展開への予兆だったのかもしれません。

もちろん言うまでもなく、その頃から彼女とスタジオセッションでは売れっ子だったベース奏者の江藤勲が結婚!?! という芸能ニュースもあり、現実的にそれは本当になったわけですが、そうなってみると今度は芸能よりも私生活ばかりが報道される印象になったのですから、なんだかなぁ……。

後に知ったところによれば、実は当時の黛ジュンは所属事務所やレコード会社の移籍があり、結婚を機に引退という方向性が見失われたという諸説もあるんですが、業界の掟に従えば、契約レコード会社を移籍した場合、半年は新譜を出せないという事情があったそうですからねぇ~~。

ならばイメチェンが企図され、実行されたのもムペなるかな、個人的には洋楽最先端の流行だったニューソウルの路線を狙ったのか??!? と思えるほどに高揚はしたんですが、同時に納得出来ないものがあった事も確かです。

それは世間様も似たり寄ったり、新しいレコード会社に移籍を果たして以降の黛ジュンの歌はヒット街道から離れていったわけで、一番痛かったのは昭和46(1971)年夏に出した大傑作「とても不幸な朝が来た」が局地的に放送禁止になった事かもしれません。

そこで続くシングル曲となったのが、この「裸足の妖精」であり、作詞:伊藤秀一&千家和也、作編曲:すぎやまこういち! という力の入ったヒット狙いであったはずが、ジャケ写のイメージとは異なるとしかサイケおやじには思えない、どことなく中途半端な仕上がりは???

う~ん、普通に聴いていれば、なかなか素敵なソウル系歌謡ポップスなんですけどねぇ……。

歌っているのが黛ジュンであれば正直、ど~しても煮え切らないものが滲んでいるとしか言えません。

結局、この頃から彼女は低迷期に入ってしまったというのが真相なのかもしれませんが、それでもレコード化された楽曲には秀逸な歌が多く残れさていますので、ファンはそれなりに満足していたのが、もうひとつの結論でしょう。

ということで、失礼ながら低迷期とさせていただいた昭和40年代末頃の黛ジュンについては、以降も書いてみようと思いますが、流石にファッションイメージは大人しいものに変えていきましたし、時には演歌フィーリングの作品もあって、これが飽きない世界です。

また、彼女の私生活では離婚~結婚~離婚、良き理解者であった実兄で作曲家の三木たかしとの死別等々、紆余曲折が人並みにあったればこそ、今も歌い続ける黛ジュンというスタアが未だ冒険出来た頃の輝きは不滅と思うばかりです。

もしも皆様が何かの機会に黛ジュンのレコードを探されるのであれば、ぜひとも東芝からフィリップスに移籍した前後のブツをオススメ致します。

なにしろそこには、新しい挑戦をしようとしていた彼女の全てがあるのですから!

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これもアメリカンロック王道を行くNGDB

2013-10-24 15:38:33 | Rock

プー横町の家 / Nitty Gritty Dirt Band (United Artists / 東芝)

1970年代前半の洋楽にはシンガーソングライターのブームやカントリーロックの流行が確かにあって、それがスワンプロック~サザンロック、さらにはウエストコーストロックの盛り上がりと重なっていた事は歴史になっていますが、その土台にひとつになっていたのが、アメリカ大陸土着の大衆音楽で、平たくいえば白人のC&W、あるいは黒人のR&B、さらにはジャズやブルース、ラテンを含む所謂レイスミュージックがゴッタ煮の闇鍋の中から登場してきた、オールマイティの歌や演奏だったわけですが……。

さて、そういう代表格がザ・バンドであるとすれば、本日ご紹介のニッティー・グリッティー・ダート・バンド=NGDBもまた、その路線裏街道の人気グループとして忘れられません。

その結成は1960年代中頃だったそうですが、実は我国で紹介されたというか、急速に注目を集めたのは、やはり1970年頃からの事で、もちろん例の歌謡フォークブームがあってのルーツ探索(?)的なところから、日本のフォークでもジャグバンドと呼ばれるスタイルで聴かせるグループが幾つか出て来た事もあり、リアルタイムのアメリカでそれをやってヒットを出していたNGDBが音楽マスコミで取り上げられたのも自然の成り行きでした。

で、件のジャグバンドとは、手作りされた簡易代用の楽器も使った、極めて素人っぽい演奏で歌うスタイルというのが一般的な認識であり、つまりは正規の楽器が様々な理由で使えないながらも、音楽に対する情熱は止み難く、それゆえに本音を吐露した自作の楽曲がブルースやC&W等々、どちらかと言えば裕福ではない階層の人々に受け入れられるベクトルを示していたところに、ロックと似た様な反体制的な部分の共鳴があったと思われます。

極言すれば虐げられていても、好きな音楽はやれるんだよぉ~、という素朴な力強さこそが魅力なんでしょう。

しかし同時に、やはり音楽は文字どおりに「音の楽しみ」ですから、何もギスギスしたり、ネクラになったりする歌ばっかりじゃ~ありません。

ちゃ~んと和みの歌、ホノボノとする演奏をやったって、全然問題ないわけで、例えば掲載したシングル盤A面収録の「プー横町の家 / House At Pooh Corner」は、如何にも素人っぽい曲調がニクイばかりの名作♪♪~♪

しかも歌の中身が皆様ご推察のとおり、アラン・アレクサンダー・ミルンの児童文学として有名な「クマのプーさん」をモチーフにしながら、失われた自分の良き日を思い出し、現在の立場を……。

そんな幾分塩っ辛い感じかと思うんですが、しかし曲メロの和みは素敵ですよねぇ~♪

発売された1971年当時、もちろんサイケおやじは英詞をダイレクトに理解出来るはずもなくて、そのメロディの良さに惹かれ、さらにNGDBという話題のグループの演奏に魅了されたのが本当のところですから、あれぇ~~、なんてモダンなカントリーロック!?

音楽マスコミで報じられていたような素朴な味わい、前述したジャグバンド系フォークソングの雰囲気なんてものからは、なかなか程遠いサウンドが違和感でもあり、素晴らしさにも感じられたのです。。

特にファンキーフィーリングを隠そうともしないエレキギターは、最高ぉ~~♪

と思っていたら、なんとっ!

これも後付けで知った事ではありますが、今では有名なロック伝説のひとつとして語り継がれている真相として、この「プー横町の家 / House At Pooh Corner」の作者は後にロギンス&メッシーナで大ブレイクを果たすケニー・ロギンスが無名時代、それも十代半ばで完成させていたという驚きから、実はこのNGDBのバージョンを聴いてシビれたジム・メッシーナがケニー・ロギンスに連絡を入れた経緯で、前述したロギンス&メッシーナが結成されたというのですから、これまた何か自分の好みが証明されたわけでして!?!

もちろんロギンス&メッシーナも、きっちり「プー横町の家 / House At Pooh Corner」をレコーディングしている事は言うまでもなく、その雰囲気の違いも興味津々でしょう。

そして結論を簡略に述べれば、コンパクト&スマートに纏めたNGDBに対し、ロギンス&メッシーナはホノボノ感覚優先ということは、如何にNGDBがロックの本質に拘っていたか?

というような、些か穿った考察も可能かと思います。

ちなみに書き遅れていましたが結成以来、何度かのメンバーチェンジを経た当時のNGDBはジョン・マッキューエン(bnj,g,etc)、ジェフ・ハンナ(vo,g,per,ds)、レス・トンプソン(vo,g,b,etc)、ジミー・ファッデン(b,key,horn,etc)、ジム・イボットソン(vo,ds,b,g,per,etc) という顔ぶれだったそうですが、各々は基本的にマルチプレイヤーであり、しかも上手くて、味わい深い演奏は安定感も抜群! 中でもジョン・マッキューエンは5弦バンジョーの名手として、非常に評価が高いと言われています。

また、当然ながら制作されたレコードは1967年の公式デビュー以来、アルバムのトータル性やシングル曲のヒット性感度の高さが後々になるほど認められるという、なんとも皮肉な結果が嬉しくあり、残念なところでもあります。

ということで、NGDBはサイケおやじも好きなグループでありながら、なかなかご紹介していくのが難しいと思うのが本音です。

それは深くて、しかも多彩な彼等の音楽性が、普通のカントリーロックとかフォークロックとか、そんな括りで纏められるほど単純なものではなく、それでいて親しみ易さは抜群なんですから、理屈を述べるよりも、聴いていただくのがベストであろう、その真実ゆえの事です。

今回は、そんなこんなの端緒を書いてしまった、稚拙な筆の先走り……。

どうか皆様には、そのあたりをご容赦願うとして、NGDBをお楽しみいただきとうございます。

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田代麻紀の情景

2013-10-23 15:26:31 | 歌謡曲

昼さがり c/w 夕やけの空 / 田代麻紀 (東芝)

昨日は心ならずも筒美京平に不遜な事を書いてしまった反省から本日、ど~してもご紹介せねばならないのが、掲載したシングル盤A面曲「昼さがり」です。

つまり、結論から言えば、売れなかった中も素晴らしい作品を残しているのが、筒美京平が巨匠の証明であり、偉大なヒットメーカーとして尊敬を集めるところと思っているのですが、そんな美辞麗句は必要ありますまい!

とにかく聴けば納得、これが発売された昭和48(1973)年の流行を上手く取り入れた哀愁系ソウル歌謡がど真ん中で、もちろん作詞は橋本淳ですから、筒美京平のアレンジも美味しいミソがテンコ盛り♪♪~♪

ちなみに歌ってる田代麻紀は、これ以前に朋ひろこの芸名で演歌系のレコードを数枚出しているんですがブレイクせず、田代麻紀になってからはポップス歌謡に衣替えしての、これが2枚目のシングル盤であり、実は平山三紀でお馴染みの「潮風の季節」は、彼女が昭和47(1972)年夏、改名第一弾シングルA面曲として出したのがオリジナルバージョンなんですよっ!

尤もそんなことはサイケおやじにしても、完全に後付けで知ったことであり、競作と言われている平山三紀のバージョンにしても、実際は同年秋に出たシングル曲「月曜日は泣かない」のB面にひっそり(?)と収められていたんですから、あくまでもマニアックな話でしょう。

また、その意味で朋ひろこ=田代麻紀という存在が、ほとんどリアルタイムでは注目されず、どちらかと言えば、個人的には朋ひろこをちょっぴり知っていたというのは、当時のラジオ深夜番組で人気を集めていた「走れ歌謡曲(文化放送)」で彼女の歌がオンエアされることが一時期多かったからでしょうか。

それはなかなかディープなソウルフィーリングのある歌いっぷりで、しぶとく忘れ難いというわけですが、ただし、それにしても朋ひろこ=田代麻紀という真相には相当に驚きました。

で、肝心の「昼さがり」なんですが、既に述べたとおり、哀愁のマイナーモードがイントロからどっぷりと滲み出し、泣き節メロディを歌う田代麻紀のねちっこいボーカルの存在感は、まさに歌謡ソウルのコブシがニクイばかりなんですねぇ~♪

あぁ、この声質にして、この曲展開としか言えません。

もちろん奥村チヨが歌ったしても、きっと素晴らしい仕上がりが期待されるところではありますが、ならば同じソングライターコンビに高田弘の編曲を用いたB面「夕やけの空」の親しみ易さは曲者でありましょう。

特にフックの効いたサビから曲終りへの流れは、まさに筒美京平の真骨頂と思いますし、実はサイケおやじの場合、このB面曲「夕やけの空」に針を落すことが多かったりします。

ということで、田代麻紀はポップス歌謡に転向と書きましたが、それは確かにそのとおりとはいえ、ご紹介したシングル盤両面曲は極めて保守本流の歌謡曲であり、ソウル味の染みた演歌フィーリングが絶対の魅力という仕上がりになっています。

う~ん、実は彼女の前身である朋ひろこの残した音源と共通項は確かであり、密かに(?)集めてしまったレコードは、あまり他人には言えないブツだったんですが、なんとっ!

近年になっての再評価なんでしょうか、朋ひろこ&田代麻紀の音源がしっかりとCDに纏められての復刻には正直、驚きましたですねぇ~~~♪

ただし、告白すればサイケおやじは未だに買っていないので、音質云々等々については何も書けませんが、やっぱり売っているうちにゲットするのが正解と思っています。

どうか皆様にも、ぜひともお楽しみいただけますよう、これからも朋ひろこ&田代麻紀のレコードは紹介を続ける所存ですが、それは殊更後者の場合、筒美京平への賛歌でもあることは言うまでもありません。

よろしくですっ!


 

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ジャケ買い正統派の小川知子

2013-10-22 14:57:59 | 歌謡曲

ごめんなさい / 小川知子 (東芝)

好きな歌手のコンプリートコレクションは、思い込んだら試練の道を!

か、どうかは個人差の問題ですが、楽曲そのものにイマイチの魅力しか感じないブツに対しては、特に日本盤シングルにおけるピクチャースリーヴ、つまりジャケ写の存在が有効でしょう。

本日掲載した小川知子の1枚は、昭和46(1971)年秋に発売されながら、ほとんどヒットしなかった所為で、実はなかなか入手が困難だったんですが、それというのも、既に述べたとおり、ジャケ写がとても魅力的なんですから、たまりません♪♪~♪

どうです、この初秋の装いをしっかり着こなす小川知子の美しさは♪♪~♪

もちろんメイクやファッションセンスは、如何にも当時の流行最先端でありました。

さて、そこで気になる楽曲「こめんなさい」は作詞:安井かずみ&作編曲:筒美京平の黄金コンビでありながら、どうにも精彩がありません。

う~ん、不遜ではありますが、筒美京平にしては凡庸なメロディ展開というか、グッと惹きつけられるフックが無いままに流れてしまった感じが???

ただし安井かずみの綴った歌詞は、捨てたはずの過去を忘れられない女の情感を描いたと思しき、ちょっぴりホロ苦い感じがあるわけでして……。

結局は売れなかったとはいえ、この有名なソングライターコンビが書いた歌であれば、歌謡曲マニアにとっては至高のシングル曲なのでしょう。

しかしサイケおやじにとっては、繰り返しますが、完全にジャケ買いしたブツに他ならず、小川知子のナチュラルなフェロモンが滲む佇まいが大好きという自ら性癖を、あらためて確認させられるアイテムです。

ということで、実はこれも昨日掲載した八代亜紀のシングル盤と同じチャンスでゲット出来た事から、本日のご紹介となりました。

不穏な世相の中、皆様への御裾分けで少しでも和んでいただければ、幸いでございます。

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