OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ハロウィンに事寄せて

2016-10-31 17:53:46 | Singer Song Writer
心の扉を開けよう / Melanie (Neighborhood / 日本コロムビア)
 
何時の間にか日本も、今の時期はすっかりハロウィンで騒ぐようになっちまいましたので、クリスマスも含めて些かそれには懐疑的なサイケおやじではありますが、やはりそれらしいレコードを出してみようとあれこれ棚を物色して選んだのが、本日掲載のシングル盤です。
 
だって、それはジャケ写に登場しているメラニーの佇まいが、なんとなくハロウィンの基本的扮装という気がするもんですから、皆様はいかがでございましょうか。
 
そして肝心のA面曲「心の扉を開けよう / Brand New Key」が、なんとも童謡調のフォーク&ポップスでありまして、シンプルな構成と不思議な味わいが浮かんでは消えるようなリフレインは、呆気ないようで、実は終わって直ぐに聴き直したくなるような、いゃ~、本当にミョウチキリンな歌と思うばかり!?
 
同時にメラニーの自作自演の歌いっぷりが、これまた上滑りしたような節回しに疑似アニメ声みたいな、これまた不思議系の存在感なんですねぇ~~~!?
 
さらに驚くのは、そんなこんなの「心の扉を開けよう / Brand New Key」が、なんとっ!
 
1971年のアメリカではクリスマスシーズンにチャートトップの大ヒットになっているんですから、リアルタイムの我が国ではほとんどウケていなかった実情に鑑みても、基本的な文化の違いさえ感じてしまうのがサイケおやじの本音です。
 
えっ、それじゃ~、サイケおやじはど~して、このレコードを持っているのっ?
 
という皆様からの当たり前の問い質しには、告白すれば一時期のサイケおやじは英米のチャートに入った楽曲のシングル盤を完璧に蒐集しようという大それた野望を抱いていたもんですから、このシングル盤にしても、その流れの中で中古屋から釣り上げてきたブツのひとつなんですよ、恥ずかしながら。
 
もちろん、そんな無謀な目標は達成されるはずもなく現在に至っているんですが、レコード棚を探索していると、そ~やって集めたあれやこれやの無秩序さに心が痛くなったりしますねぇ……。
 
つまり、それで使ってしまったお金を別な方面に回していたら、なぁ~んていう「レバタラ」症候群を確かに感じてしまうんですよ。
 
年寄りの潔くない繰り言かもしれませんが、それを何とかして正当化したいという思惑も、拙ブログには言うまでもなく滲みまくりというわけです。
 
失礼致しました。
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これはスペクター歌謡だよねぇ~♪

2016-10-30 19:38:30 | 歌謡曲
ちょっと Fallin' Love / 渡辺美奈代 (CBSソニー)
 
全盛期だった1960年代前半はど~だったか、それは知る由もありませんが、我が国におけるフィル・スペクター信仰が特に強大化していたのは、1980年代だったと思います。
 
おそらく、そのきっかけは大滝詠一が1981年に出したアルバム「A LONG VACATION」、通称ロンバケのメガヒットによるところが大きいと思うのは、サイケおやじだけではないでしょう。
 
言うまでもなく、そこに聴かれるサウンドの要は分厚い「音の壁」=「スペクターサウンド」の応用進化系であるという現実は否定されるものではなく、むしろ洋楽が最高に素晴らしかったとされる時代への尊崇が、アメリカンポップス全般に精通していた大滝詠一によって実践されたと思うのを不遜と決めつけられれば、サイケおやじはお叱りを覚悟しております。
 
もちろん、大滝詠一が突発的にそれをやったはずがないのは、皆様もご存じのとおりで、はっぴいえんど~ソロ時代に作っていた諸作には、プロデュースの仕事も含めて、既にたっぷりと同じサウンドが提供されてきたのですが、ロンバケでは様々な要素が良い方向のベクトルへ収斂していたのでしょうか、その思いっきりの良さが大成功に繋がったような気がします。
 
そしてロンバケの大きな功績のひとつが、冒頭に述べたフィル・スペクター信仰の存在正当化と拡散であり、平たく言えば、そこに特徴的な「音の壁」=「スペクターサウンド」を堂々と取り入れた歌謡曲やニューミュージック、さらには日本のロックまでもが続々と制作発売されていった事でしょう。
 
それが1980年代の日本大衆芸能界のひとつ流行と実相であり、同時にその信仰に馴染まないミュージシャンやリスナーは、所謂「通」では無いっ!
 
とばかりに軽んじられた事は偽りではありません。
 
ところが、だからといって、「音の壁」=「スペクターサウンド」が誰でも容易く作れるはずもなく、大編成のバンドやオーケストラを用いても、あるいは矢鱈にエコーばかりを強調しても、そこに基本的信念というか、なかなか深いところまでは大滝詠一のような手際は成し得ず、逆に言えばそれに少しでも近づくことが、プロ意識としての「通」になる道筋だったような気さえするほどです。
 
音楽業界でメシを食っていないサイケおやじですから、以上に述べた事は至極生意気で、失礼千万と大顰蹙の嵐でありましょう。
 
しかし、そう書いてしまったのは、当時幾つも出た和製「スペクターサウンド」には確かに成功作が存在し、例えば渡辺美奈代が昭和63(1988)年に出した本日掲載のシングル盤A面曲「ちょっと Fallin' Love」は、なかなかに素敵なんですよねぇ~~♪
 
説明不要とは思いますが、彼女は当時のトップアイドルでありながら、歌唱力は決して優れているとは言い難く、それゆえにルックスを裏切らないキュートな魅力が増幅されていたのは間違いないんでしょうが、その特質を存分に活かしきったのは作編曲を担当した渚十吾と鈴木慶一の晴眼だと思うばかり!
 
それは全盛期のフィル・スペクターが作り出していたシングルヒットレコードに刻まれていた分厚いバック演奏に華奢なリードボーカルという雰囲気の再現であり、それでも本家フィル・スペクターが提供していたのは、しっかり「芯」が感じられるボーカルやコーラスパートだったところを、渡辺美奈代には華奢というよりも、さらにお茶目でロリ趣味の滲みさえ否定しないという、彼女ならではのナチュラルな節回しの個性を表出させたところが実に素敵なんですねぇ~~♪
 
当然ながら、曲調はオールディズの雰囲気がモロ出しのポップス歌謡であり、文園千津子の綴った歌詞には、曲タイトルが執拗なほどに繰り返されるという展開も狙いがジャストミートしていると思います。
 
ちなみに作曲に参画している渚十吾とは、その頃のソニーに在籍していた某プロデューサー氏の変名だと云われていますが、その真相は???
 
ということで、この「ちょっと Fallin' Love」が成功したことにより、以降の渡辺美奈代は過剰(?)とも思える「スペクターサウンド」に包まれた楽曲を出していくのですが、それは我が国におけるスペクター歌謡の確立と成功のひとつの証拠物件かもしれません。
 
その意味でも、やっぱりアナログ盤で聴いていたいのが渡辺美奈代の「ちょっと Fallin' Love」ではありますが、しかし時代はリアルタイムでCDが主流になっていたことを踏まえていたのでしょう。
 
ちゃ~んとデジタルメディアでも、それなりにスペクター歌謡が楽しめるのは幸せな結末!?!
 
あぁ、願わくばモノラルミックスを、それをアナログ盤で聴いてみたいなぁ~~~。
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これから聴いたジェシ・コリン・ヤング

2016-10-29 18:12:27 | Singer Song Writer
朝日のリズム / Jesse Colin Young (Warner Bros. / ワーナーパイオニア)
 
今となっては些か忘れられた存在というよりも、その全盛期だった1970年代においてさえ、我が国ではそれほど目立つ人気も得られなかったジェシ・コリン・ヤングは、しかし現在でも一部からは根強く支持されているシンガーソングライターだと思うんですが、いかがなものでしょう。
 
もちろん、サイケおやじも、その「一部」の中のひとりでありまして、端緒となったのは本日掲載のシングル盤A面曲「朝日のリズム / Morning sun」だったんですが、当然ながら、ジェシ・コリン・ヤングは全くの新人ではなく、この「朝日のリズム / Morning sun」を含む秀逸なLP「ソング・フォー・ジュリー / Song For Juli」を出した1973年までに侮れないキャリアを積み重ねてきた才人であり、一応のスタートラインはアメリカ東海岸地区を拠点とするフォーク&ブルース系のシンガーソングライターだったらしく、既に1964年には最初のアルバムを出しているんですが、実際にアメリカ芸能史に名前が刻まれたのは、おそらくは1967年に公式レコードデビューを果したヤングブラッズと名乗るグループの結成に参加してからのようです。
 
ただし、サイケおやじはリアルタイムじゃ~、当然ながらヤングブラッズの歌や演奏は聴いたことがなく、それでも評論家の先生方やラジオDJの諸先輩方からの薫陶(?)により、ようやく後追いで接したのは、本日のお題「朝日のリズム / Morning sun」とジェシ・コリン・ヤングの存在を知ってからのことです。
 
なにしろミディアムテンポでイントロからホンワカムードの泣きメロが全開の曲調もサイケおやじの好みならば、ツボを押さえたキメのギターソロ、弾んだベースに軽快なドラムス、そして程好く力が抜けたボーカル&コーラスの心地良さは、何度聴いても飽きません♪♪~♪
 
まさに自作自演の強みと言えばそれまでなんでしょうが、バックを固めるメンバーの演奏も素晴らしく、ハーモニカやピアノも良い感じ♪♪~♪
 
とにかくネット等々でも聴く事が出来るはずなので、ひとりでも多くの皆様にお楽しみいただきたい和みの名曲です。
 
そしてジェシ・コリン・ヤングは地道と書いては失礼千万、殊更1970年代に勃興したシンガーソングライターのブームを担った桂冠詩人かもしれず、あるいはAORのジャンルでも堂々と存在感を示せるオシャレなミュージシャンという認識も不思議ではありません。

それは前述のヤングブラッズ時代からグループの特質としてブルースやR&B、ジャズやフォークロックを巧みに融合させた音作りを実践していた道行の成果だと思いますから、結局はヤングブラッズのレコード諸作を探求せねばならなかったのも、自然の成り行き!?
 
そうです、サイケおやじは1970年代のある時期、執拗にヤングブラッズやジェシ・コリン・ヤングのレコードを探しては、聴き狂っていたのですが正直、ヤングブラッズよりはジェシ・コリン・ヤングだけのリーダー盤が好きなのが本音です。
 
ところが、何故か1980年代に入るとジェシ・コリン・ヤングは活動を縮小してしまったらしく、近年はハワイに在住して農業に勤しんでいるという噂も耳にしているんですが、それについては本人の決断を尊重するのがファンの取るべき態度なのでしょう。
 
というこで、ジェシ・コリン・ヤングやヤングブラッズのレコードはそれなりに手元に集まっているので、追々にご紹介させていただく所存です。
 
そりゃ~、ボブ・ディランやニール・ヤング等々に比べれば、アクも主張も薄味かもしませんが、こんなに穏やかに、そして気持ち良く歌を聴かせてくれるジェシ・コリン・ヤングだって、サイケおやじには充分に伝わるものを感じているのでした。
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目の前、真っ白!?

2016-10-28 19:24:01 | Weblog

健康診断で眼底検査を受けたら……。

目薬で瞳孔が開いたもんで、ほとんど眩しくて、これを入力しているのにも四苦八苦です。

本日の1枚は休載させていただきます。

失礼致しました。

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衷心…

2016-10-27 17:50:22 | 歌謡曲
涙のドライブ / 弘田三枝子 (日本コロムビア)


本日は三笠宮崇仁親王殿下が薨去されましたので、歌舞音曲は自粛しなければならないのでしょうが、サイケおやじの気分としては、掲載のシングル盤A面「涙のドライブ」がひったりする感じです。
 
皆様ご存じのとおり、この「涙のドライブ」は弘田三枝子が昭和43(1968)年春に出した、哀切の別れ歌であり、作詞:橋本淳&作編曲:筒美京平が企図したところは、剥き出しの悲しみよりも、悪い予感に満たされた恋情のように思います。
 
そして弘田三枝子の節回し、ボーカルコントロールの上手さは、ミディアムスローな曲展開を充分に把握したプロの力量があってこそっ!
 
また、ソウルっぽさもほどほどに滲む洋楽歌謡の趣にチェンバロ(?)やシロフォン(?)等々で深味のある彩を加えたアレンジも秀逸で、そこはかとない上品な風情が良い感じですし、流麗なストリングスもニクイばかりでしょう。
 
本当に歌の情景がジンワリと伝わって来るのは、作編曲の素晴らしさと弘田三枝子のボーカリストとしての天才性が成せるものと思います。
 
ということで、告白すれば本日は冒頭に述べた悲報に接して、最初に楽曲だけが心に浮かんだんですが、PCに保存してある画像ファイルを引っ張り出してみたら、ちゃ~んと弘田三枝子は黒い衣装を着ていたので、迷わずにこれを書いてしまいました。
 
慎んで、ご冥福を心からお祈り申し上げます。
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ラジオでシビレたファンキーソウル

2016-10-26 19:45:03 | Soul
Tighten Up / Archie Bell & The Drells (Atlantic / 日本グラモフォン)
 
少年時代からラジオで音楽に親しんでいたサイケおやじだからでしょうか、その時分に馴染んでいたヒット曲をステレオで聴くよりも、ラジオから流れて来た時に浮かれてしまうのは、所謂パブロフの犬ってやつでしょうか。
 
アーチー・ベルとザ・ドレルズが演じる本日掲載のシングル盤A面曲「Tighten Up」も、その中のお好みヒットであり、シンプルでキャッチーなギターのコードストロークによるリズミックなイントロが流れ出てくれば、気持ちは瞬時にラジオが必須アイテムであった「あの頃」にどっぷり♪♪~♪
 
曲名や演奏者は知らずとも、おそらくは皆様も一度は聞いた事があるにちがいないと思うばかりの「Tighten Up」は、ファンキーなダンス曲であり、歌というよりもラップの元祖みたいなボーカルの掛け合い(?)やベース、ドラムス、ギター、ホーンセクションや手拍子までもが順次一緒になって盛り上がっていく楽しさこそが、ヒットの要件でありましょう。
 
このあたりは実際に聴いていただくのが一番でしょうし、後にはYMOがカバーしていたり、数多のハコバンがテーマ代わりに演奏していたのも昭和の音楽シーンだったと思います。
 
告白すれば、サイケおやじもここまでスマートにはやれませんでしたが、インストのパートだけは学生時代に入れてもらっていたバンドで楽しんでいたほどです。
 
さて、そこで肝心の主役たるアーチー・ベルとザ・ドレルズは本来ボーカルグループだったようで、実はサイケおやじはこの「Tighten Up」の印象があまりにも強かったので、てっきりアーチー・ベルとザ・ドレルズは、ブッカーT&MGs みたいなソウルインストのバンドだと思い込んでいたんですが……。
 
後に知ったところによると、アーチー・ベル&ザ・ドレルズはアーチ・ベル、ジェームス・ワイズ、ウィリー・パーネル、ビリー・バトラー等々が出入りしていたテキサス州出身の黒人コーラスグループで、他にもアーチー・ベルの兄弟というユージン・ベルやジョー・クロス等々も参加していた時期もあったらしく、サイケおやじはイマイチ、そのグループのメンバー構成やキャリアは把握出来ていません。
 
しかし、その始まりは1964年頃だという説もあり、1967年に地元のマイナーレーベルに吹き込んだ本格的なデビュー曲「Tighten Up」にしても、実はそれ以前のデモ音源を再利用したものだとか!?
 
ちなみにほとんど主役の演奏パートはトルネードスという地元の白人バンドだったらしいのですが、それも不勉強なサイケおやじには知る由もありません。
 
それでも出来上がった「Tighten Up」の調子の良さ、ノリの素晴らしさは忽ち全米規模でウケまくり、ついにはアトランティックが配給することで、1968年春~夏に大ヒット! 百万枚を超える売り上げを記録したのも当然が必然と思うばかりです。
 
ところが好事魔多しというか、なんとっ! その時点でアーチー・ベルは徴兵されてのベトナム送りになっていて、実際の巡業には全く別のグループがアーチー・ベル&ザ・ドレルズを名乗って活動していたというあたりは、如何にもアメリカの芸能界らしさでしょうか。
 
また、それでもなんとか兵役中の休暇を使い、新作のレコーディングに臨んだアーチー・ベルの心意気が空振りしたのも現実の厳しさ……。
 
結局は一発屋という称号が与えられるのも、この「Tighten Up」があまりにも大ヒットしてしまった功罪なのかもしれません。
 
ただし、後にフィラデルフィア・ソウルのソングライターコンビとして名を上げるケニー・ギャンブル&レオン・ハフと組んだシングル曲「Do The Choo Choo」は、イケてますよ♪♪~♪
 
ということで、現代はPCやスマホで音楽を聴く事が、大昔のラジオと同じ役割と楽しみなんでしょうから、サイケおやじと同じ感覚を味わっている皆様も大勢いらっしゃると思います。
 
うむ、ヒットの法則も輪廻転生とまでは申しませんが、繰り返す楽しみの連鎖は不滅かもしれません。
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エルって? 誰だろぉ~

2016-10-25 16:53:21 | 歌謡曲
エルは恋人 / 金井克子 (日本コロムビア)
 
先日書いたとおり、GS歌謡へ思い入れをまたまた最近感じているサイケおやじが本日ご紹介させていただくのは、昭和42(1967)年末に金井克子が出した「エルは恋人」で、実は以前に取り上げた「いつもほがらかに」のシングル盤B面曲というのが真相ではありますが、当時の慣例であった二つ折りスリーブの魔力も素敵な裏人気作?
 
と書いたのも、これが作詞:吉岡治&作曲:市川昭介という、如何にも正統派歌謡曲の巨匠がエレキ&GS歌謡ジャンルで提供したという時流の勢い、そして金井克子の芝居っ気の強い節回しがニクイばかりですからねぇ~~♪
 
歌の内容は「エル」という恋人へのせつない想いを狂おしく吐露する心情なんですが、「エル」というのが「男」なのか、あるいは「女」なのか、ちょっぴり微妙に感じるのはサイケおやじだけでしょうか。
 
しかも前述したように、金井克子のボーカルには切迫感が強く表現され、それとは逆に薄っぺらな演奏パートのミックスが不釣り合いな面白さです。
 
そのあたりをさらに述べさせていただければ、曲調そのものはミディアムテンポで重心の低いエレキ歌謡であり、メロディ展開の要所にはスパイダースの「夕陽が泣いている」とか、そんなこんなに酷似したフレーズも出てきますし、妖しいムードを盛り上げるサックスの響きとか、「エル」という言葉にエコーを被せるという力技(?)が金井克子の節回しには好結果とはいえ……。
 
やはりバックのサウンド作りが薄いのが、実に勿体ないですよっ!
 
ちなみにクレジットを確認すると、アレンジは木村好夫となっていますが、この木村好夫とは演歌インスト集で有名なギタリストと同一人物なんでしょうかねぇ~? だとしたら、ここでのエレキギターはご本人が弾いているという謎(?)も、なかなか興味津々であります。
 
ということで、ロック的な味わいはそれほど感じませんが、金井克子の歌いっぷりの妖しさは素晴らしく、加えてジャケ写イメージのキュートな感じは、まさにミニスカ天国♪♪~♪
 
情けないとは思いますが、良い時代だったと感慨も深まるのでした。
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1971年のシェール復活

2016-10-24 17:46:32 | Pops
悲しきジプシー / Cher (Kapp / 日本ビクター)
 
現在の我が国では洋楽マニアぐらいにしか人気がないソニーとシェールですが、本国アメリカでは絶大な人気があって、それはソニーとシェールをメインレギュラーに、1971年夏から放送がスタートしたテレビのコメディバラエティが爆発的にウケまくったからと云われています。
 
実際、サイケおやじもある幸運から初めてアメリカに行けた1974年に件の番組に接したんですが、その中の台詞の意味は完全に理解出来なくとも、ド派手で悪趣味、そしてトホホでエロっぽい衣装でトンデモ系のアクションや下卑た仕草、さらには多分に風刺を含んだギャグやオチを放っていたと思われるソニーとシェールの存在感は強い印象でしたし、如何にも現実的な夫婦の相克を表現していたとしたら、額に汗も滲みますが、それも当然と思うばかりです。
 
しかし、この夫婦デュオは決して順風満帆であったわけじゃ~なく、最初は大ヒットも出せてはいたものの、1960年代半過ぎ頃からは落ち目の三度笠……。昔の名前でどうにか出ていられたような感じだったのかもしれませんし、ソニー・ボノもシェールも、夫婦になる以前からハリウッドの芸能界ではそれなりに仕事が出来ていたコネがあったことから、ドサ回りのナイトショウ等々ではキワドイ芸を披露していても、それをテレビ向けに改作転用出来るという業界の方針には直ぐに馴染めたのかもしれません。
 
で、そんなこんなの時期にソロシンガーとしても幾つかのレコードを出していたシェールが1971年の秋、ついにカッ飛ばした大ヒットが、掲載のシングル盤A面曲「悲しきジプシー / Gypsys, Tramps and Thieves」で、これは日本でも秋から冬にかけてラジオでもバンバン流されていた、なかなか西部劇調(?)の哀愁メロディーが印象的なエキゾチックポップス&ロック♪♪~♪
 
どうやら歌詞本来の中味は、放浪の旅芸人一座に生まれた女系の宿命らしく思えますが、シェール本人もインディアンの血を引く、ちょっぴりアクの強い美女だけに、レコードよりはテレビやライブステージでこの「悲しきジプシー / Gypsys, Tramps and Thieves」を歌う姿は、素晴らしく「絵」になったんじゃ~ないでしょうかねぇ~~♪
 
おそらくは前述したテレビショウでも頻繁に歌っていたという推察は易いですから、大ヒットになった事も説得力があります。
 
また、我が国でもこの曲がウケたのは、どうにも不思議な魅力の哀愁が感じられるメロディとサウンド作りの妙でしょう。
 
シェールの力強いボーカル、シンプルな8ビートにマイナースケールを多用した曲展開、薄口ながらコクのあるストリングスの存在感も巧みなアレンジで、実はこのシングルに収録されているのはモノラルミックスなんですが、全体として些かチープな雰囲気と濃密な空気感が個人的には好きなところなんですよ♪♪~♪
 
そしてこれが当時の歌謡曲に転用されていった事は言うまでもなく、しかも絶対にモロパクリじゃ~なくて、様々な要素が隠し味的に使われている事は、昭和歌謡曲に親しみ、またシェールの「悲しきジプシー / Gypsys, Tramps and Thieves」を聴かれた皆様であれば、あぁ~、あれねぇ~~♪
 
等々、思い当たるフシが浮かんでしまうはずと僭越ながら推察する次第です。
 
ということで、これ一発で完全にトップスタアに返り咲いたシェールは、以降もシングルヒットを放ち、また女優や芸人タレント(?)として絶大な人気を集めていくのですが、その中でロックファンが忘れていないのがグレッグ・オールマンとの熱愛~結婚の騒動(?)じゃ~ないでしょうか。
 
なにしろ彼女に夢中になったグレッグ・オールマンが自らが率いていたオールマンズでの活動に身が入らくなってのあれやこれやは、オールマンズ解散の要因のひとつだと指摘される事が度々ですから……。
 
う~ん、シェールの美しき怖さは天下一品!?
 
篭絡されていも、悔いは無いと言い切れるのが男の本懐だとしたら、以て瞑すべし……。
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ジュディ・オングはこのジャケ写♪♪~♪

2016-10-23 17:36:42 | 歌謡曲
忘却の瞬間 c/w 悲しみのブラック / ジュディ・オング (日本コロムビア)
 
掲載したジュディ・オングのシングル盤も、サイケおやじにとってはジャケ買い趣味の1枚で、そりゃ~もう、中古屋の片隅にあったセール箱で邂逅した瞬間、写っている彼女の美しさにグッと惹きつけられたわけでして、もちろんそれはサイケおやじの好みのタイプ♪♪~♪
 
っていうやつでしたが、皆様はいかがでございましょうか。
 
ただし、発売されたのは昭和45(1970)年10月らしいんですが、ウリのA面曲「忘却の瞬間」にしても、サイケおやじとしてはヒットしていたという記憶が全然無くて、前述の出会いにしても、それは昭和50年代に入ってからの事でしたから、見逃していたのも、それゆえの成り行きでした。
 
で、気になる収録曲は、両面2曲が共に作詞:橋本淳&作編曲:筒美京平という、まさに当時最高のヒットメーカーコンビからの提供という衝撃(?)の事実を既に件の中古屋の店頭で確認していたので、帰宅するや勇んでレコードに針を落とせば……。
 
まずはA面「忘却の瞬間」はスローテンポのちょっぴりメソメソした歌謡曲であり、イントロからのピアノやギターの使い方がなんとなく演歌ちっくというのも気になりますが、同時にこれをブーム終焉期にムードコーラスグループ化していたどっかのGSがやっていたら、それなりにヒットしていたような気がしないではありません。
 
一方、B面「悲しみのブラック」は、なかなかクールなサウンド作りが面白いGS歌謡調の仕上がりになっていて、クセのあるストリングスの使い方や意想外とも思えるビート感がイケているんで、サイケおやじは好きなんですよ♪♪~♪
 
曲終わりのジャズ系ギターフレーズも良い感じ♪♪~♪
 
ですから、当時のシングル盤では通例であった二つ折りスリーブのもう一方が下に掲載したように、なかなか素敵なのも大満足であります。
 
 
ということで、またまた最近はGS歌謡に微熱な気分なので、そんなこんなのレコードを引っ張り出してしまったですよ、今日は。
 
あぁ、ついでに自室の壁に飾っているレコジャケも入れ替えようかなぁ~~、と思いつつ、それをやりだしたら徹夜しそうなので、怖くなっているのでした。
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心に滲みる秋のメロディ:洋楽ヒット篇その壱

2016-10-22 17:58:02 | Pops
愛は心に深く / Mac Davis (Columbia / CBSソニー)
 
秋になると自然に心優しい洋楽のラブソングが聴きたくなるのはサイケおやじだけでしょうか?
 
もしかすると、サイケおやじが若かった頃は音楽もラジオで聴くのが普通でしたし、またそういう放送メディアも耳に訴える必要性から季節感を優先する番組作りの中で、時期的な雰囲気を感じさせる楽曲を選んで流していたと推察出来ますから、刷り込まれた条件反射なのかもしれませんが、レコード業界にしても、所謂季節物を毎年プッシュしていたのですから、そんな気分も通常の生活態度(?)なんでしょうねぇ。
 
さて、そこで本日掲載のシングル盤A面曲「愛は心に深く / Baby, Don't Get Hooked On Me」は、1973年の秋にヒットした、これがハートウォームなカントリーソウルバラードとでも申しましょうか、ミディアムテンポでオーケストラやゴスペル風味のコーラスも入った大人っぽいムードが、なかなかおセンチな秋のイメージにジャストミートしていましたですねぇ~~♪
 
ただし、これは日本国内ではウケがイマイチだった印象で、どちらかと言えばラジオでもFENで流れまくっていたというのがサイケおやじの記憶です。
 
そして実はサイケおやじはその頃から、英語の勉強になるからという先輩のアドバイスを素直に聞き入れ、と言えば体裁は良いんですが、本当は少しでも本場アメリカのリアルタイムのヒット曲に接したかったのが主目的でFENを聞いていたんですけど、それはそれとして、とにかくこの「愛は心に深く / Baby, Don't Get Hooked On Me」は個人的に秋の洋楽ヒットのひとつとして大好きなんですよ♪♪~♪
 
しかし、追々に歌詞の中味が分かってみると、これは邦題とは些か主旨がちがっているようで、極端に解釈させていただければ、流れ者のモテ男が、自分に惚れている女の子に、「俺みたいな者に夢中になっちゃ~いけねぇよ」なぁ~んていう、如何にもカッコイィ~、ハードボイルドな我儘を吐露しているという、いゃ~、愛という辛い現実に縛られるよりは、自由でいたいんだよぉ~ん!?!
 
そんな本音も男の憧れの生き様と歌っているんでしょうかねぇ~~~。
 
サイケおやじの上滑りした思考では、そんなふうに思うのが精いっぱいではありますが、マック・デイビスの大らかな節回しと広がりのあるメロディラインは、やっぱり心に滲みるものがあります。
 
ちなみに後で知ったところによると、マック・デイビスはテキサス出身のソングライターで、例えばエルヴィス・プレスリーの「In The Ghetto」等々、様々な歌手に曲を提供していた裏方だったそうですが、当然ながら少年時代からバンド活動をやったり、また音楽業界では宣伝担当の仕事の傍ら、機会があれば自らボーカリストとしてデモテープ作りや所謂ハコバンでの活動もあったと云われています。
 
そして今では有名な逸話として、この「愛は心に深く / Baby, Don't Get Hooked On Me」も最初は未完成のデモ音源を聞いたプロデューサーが瞬時に気に入り、速攻で作者本人、つまりマック・デイビスにレコーディングさせたというのですから、ある種の「閃き」もヒット曲の要件と思うばかり!?!
 
ということで、最近の歌には、こ~した優しいメロディが少なく感じられるサイケおやじですから、結局は往年のヒット曲に安らぎを求めてしまうのでした。
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