OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

怖い話の先にあるもの

2017-07-31 19:42:23 | Weblog

急用で出張し、先ほど帰京致しましたので、本日の1枚は休載、ご理解願います。

とても、とても怖い話を吹き込まれ、安穏としていられない気分です。

覚悟を決めれば、何も怖くはないんですけどねぇ~~。

失礼致しました(__)

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それでも観たかった、あの頃を思い出す

2017-07-30 20:36:27 | Movie
日本暴行暗黒史・異常者の血 (ディメンション = DVD)

昨日に続き、ちょっと鬱陶しいかもしれませんが、本日もついに初DVD化された、故・若松孝二監督の傑作シリーズ「日本暴行暗黒史」、その最初の作品である「異常者の血」をご紹介させていただきます。

ご存じのとおり、こ~ゆ~成人指定の所謂ピンク映画は独立プロダクションの製作ですから低予算、例えばこの作品が撮られた昭和42(1967)年当時では、およそ三百万円以下というのが普通でしたから、必然的に出演者の人数や撮影日数も限られていたわけですが、だからこその濃縮されたエネルギーが画面から伝わって来るのだとしたら、この「異常者の血」は流石の仕上がりだと思います。

なにしろ、物語展開が江戸時代から明治・大正・昭和と続く四代の血脈に起因すると比定した殺人や近親相関や輪姦事件等々を描きながら、その主役を演じているのが野上正義と山尾啓子の二人だけの四役なんですから、これは熱くなって当然の凄い演技演出なんですねぇ~~。

しかも千葉県野田市でのロケも含めて、撮影日数がわずか5日だったと云われているのですから、当時の若松孝二監督以下、スタッフや出演者の集中力が尋常じゃ~なかった事は、実際にこの「異常者の血」を鑑賞すれば、震えて納得する他はございません。

何よりも、ひとつひとつの場面のカメラワークや演出には練られた計算がしっかり感じられながら、イヤミになっていませんし、エロシーンのねちっこさ、クールな質感は流石!

しかし、残念ながら、この復刻DVDには大きな減点があって、それは原版フィルムに残るキズや音飛びが、あまり修復されていないという事です。

このあたり、既に述べたとおり、当時の弱小プロダクションでは原版管理が緩く、国内で夥しく製作公開された同種の成人映画の中には、既にオリジナルフィルムが廃棄されてしまった作品も多数あるのが現実ですし、この「異常者の血」にしても、傑作という評価は定まっていながら、ニュープリントを可能にするオリジナル原版が失われていたのでしょうか……。

ところが、実はそ~した状況は、ビデオパッケージが一般化する以前から既にありまして、それは若き日のサイケおやじが所謂名画座で過去の成人映画を鑑賞していた昭和50年代では、傷んだフィルムなんてのは普通であり、通称「雨降り」という傷だらけの映像やせっかくのパートカラーの美味しい場面が色褪せていたり、酷い時には途中で別のフィルムが繋がっていて、物語が意味不明になっている事さえあったんですから、そんなこんなも、つまりは女の裸や男女の濡れ場さえそこにあれば、全ては許されるという需要と供給があったわけで……。

ですから、この再発DVDに残された傷み具合には、そんなこんなの懐かしみを覚えてしまうサイケおやじではありますが、でも、せっかくの再発企画だったんですから、もう少しの善処を望みたかったのが本音です。

ということで、作品そのものは面白く、エロ映画という枠で括るには勿体無い仕上がりなので、以上述べた辛辣な感想をご承知下さった皆様であれば、若松孝二監督の熱意を感じ取っていただきとうございます。

そんなわけですから、決してコスパが良いとは申せませんが、何時の日かニュープリント版が出る事を熱望してしまうエネルギーは、確かに焼き付けられた作品だと思うばかりです。
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真夏に絶対の復讐鬼、あるいは若松孝二の永劫

2017-07-29 17:57:45 | Movie
新日本暴行暗黒史・復讐鬼 (ディメンション = DVD)

一昨日の夜、ゲットしてきたブツの中で最高に嬉しかったのが、本日ご紹介のDVD「復讐鬼」でした。

それは昭和43(1968)年に公開された故・若松孝二監督の大傑作!

もちろん、サイケおやじは当然ながら成人映画という壁に阻まれ、リアルタイムでの鑑賞は出来ませんでしたが、ようやく昭和50(1975)年に願いが叶っての拝観から瞬時、強烈な凄みに震えた記憶は今も忘れていません。

その物語は単純で、舞台は某地方の山村、そこに暮らす吉沢健と津島明子の兄妹が常に村人から理不尽に迫害され、ついには吉沢健が手足を縛られてのリンチ、さらに目の前で津島明子が村の男達から輪姦された後に発狂自害……。

そして吉沢健が村人を皆殺しの復讐をっ! 

という展開は、もちろん有名な実際の事件「津山三十人殺し」をモデルにしている事は言わずもがな、同事件を題材にした「八つ墓村」や「丑三つの村」等々の映画が製作された中でも、この「復讐鬼」の濃密な緊張感はダントツ!

これは断言して、後悔致しません。

なにしろ、兄妹に対する村人達の虐めは陰湿過酷だし、犯される津島明子の泣き叫びと被虐の演技は大袈裟を通り越した、そのリアル過ぎる凄惨は、一度観たら、消し去る事が難しくなるほどで、それが様々な視覚効果を狙ったカメラワークと演出で活写されたモノクロ画面から痛いほど伝わって来るんですねぇ~~。

しかも、この後、死んでしまった妹と兄の二人っきりの時間では、ここだけが所謂パートカラーになっているという、如何にもの成人映画の常套手段が、心情描写共々に鮮烈過ぎる名場面!

特に妹の死体と一緒に入浴し、近親相関的なキスシーンを見せた後、いよいよ復讐へ向かう吉沢健の潔さは痛烈で、それから白昼堂々、褌姿で日本刀を手に村人を次々と惨殺する場面では、セックス真っ最中の男女を串刺し、男の目の前で女の乳を切り裂き、秘所を突き刺し、さらに男を惨殺するという処刑(?)の連続!!

う~ん、これは成人映画だからこそ可能なエログロ描写を極限まで使っての映像表現による人間の本性!?

それを見せつける意図があったのでしょうか……?

そこにある怒りと緊張感が、何の救いも無く提示された映像は激しく、ありきたりのホラー&スプラッター物よりも格段に怖いばかりか、それでいて決して目を背ける事が出来ない、我知らず引き込まれるブラックホール的なパワーを感じてしまいます。

また、効果音的な配慮も感じられる音楽が実に陰鬱で、せつなく、これまた秀逸!

物語はこの後、村人を皆殺しにした吉沢健が、そこから去っていく時、自然に振り返ってしまう演出がニクイばかりで、その悄然としながらも、達観したような表情と佇まいが、何時までも忘れられない余韻として残ります。

ということで、実はこれが嬉しかったのは、なんとっ!

これほどの傑作が、初DVD化であったという現実も含んでいるのですっ!

もちろん、かなり以前にはセル版ビデオも出ていたのですが、それも廃絶されて久しく、だからこそのご紹介となりました。

ちなみに、これは若松孝二監督が撮った「日本暴行暗黒史シリーズ」中の3作目で、今回の再発では同時にその他の「異常者の血」「暴虐魔」「怨獣」も出ていたもんですから、纏めてゲットしてきた次第なんですが、何れも名作・人気作という中で、どれか1本という皆様には、やはりこの「復讐鬼」を強くオススメしたく思います。

最後になりましたが、先日の健康診断から心臓に問題ありとされたサイケおやじが医師から頂戴したアドバイスは、とにかくストレスと疲労を溜めないような、だったんですが、現状じゃ~~、その解消はなかなか難しいので、だったら自分の欲望を満たすことがストレスの解消!?

そんな大義名分を得た気分で、こんなDVDを鑑賞しているのでした。

うむ、やっぱり若松孝二監督、恐るべしっ!
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ノーキーとジェリーはベンチャーズで輝く

2017-07-28 19:54:55 | Ventures
The Ventures Legacy Leads Live!
     featuring the guitars of Gerry McGee and Nokie Edwards (ポニーキャニオン = CD)

★Disc-1 : featuring Gerry McGee
 01 Walk Don't Run '64
 02 My Bonnie Lies
 03 Out Of Limits
 04 Penetration
 05 Apache
 06 Goldfinger
 07 秘密諜報員 / Secret Agent Man
 08 Driving Guitars
 09 Classical Gas
 10 太陽はひとりぼっち / Twist Degli Amanti `l`eclisse`
 11 Black Sand Beach
 12 二人の銀座 / Ginza Lights
 13 京都の恋 ~ 黒くぬれ! / Kyoto Doll ~ Paint It Black
 14 雨の御堂筋 ~ 京都慕情 / Stranger In Midosuji ~ Reflections In A Palace Lake
 15 さすらいのギター / Manchurian Beat
 16 朝日のあたる家 / House Of The Rising Sun
 17 Wipe Out
 18 10番街の殺人 / Slaughter On 10th Avenue
 19 Hawaii Five-O
 20 Diamond Head~Pipeline
 21 Caravan
★Disc-2 : featuring Nokie Edwards
 01 Walk Don't Run '64
 02 My Bonnie Lies
 03 Out Of Limits
 04 Penetration
 05 Apache
 06 Goldfinger
 07 秘密諜報員 / Secret Agent Man
 08 Driving Guitars
 09 Sleepwalk
 10 El Cumbanchero
 11 I Got Woman
 12 Black Sand Beach
 13 二人の銀座 / Ginza Lights
 14 京都の恋 ~ 黒くぬれ! / Kyoto Doll ~ Paint It Black
 15 雨の御堂筋 ~ 京都慕情 / Stranger In Midosuji ~ Reflections In A Palace Lake
 16 さすらいのギター / Manchurian Beat
 17 朝日のあたる家 / House Of The Rising Sun
 18 Wipe Out
 19 10番街の殺人 / Slaughter On 10th Avenue
 20 Hawaii Five-O
 21 Diamond Head~Pipeline
 22 Caravan

昨夜はちょっぴり時間があったので、久々にCD屋を急襲して、あれやこれやネタを物色してきた中の面白盤が、本日ご紹介の2枚組CDです。

それは、なんとっ!

ベンチャーズの歴代リードギタリストとして特に有名なノーキー・エドワーズとジェリー・マギー各々が入ったライブ演奏を同じ曲目で聴けるという企画盤なんですが、当然ながら、新しい録音は入っていないと思いますし、発売元がポニーキャニオンなので、近年の音源からチョイスしたのでしょうが、付属解説書にも、そんなこんなのデータが記載されていないのは、個人的には減点……。

しかし、聴いているうちに、そんなこたぁ~~霧散させられてしまうのが、ベンチャーズサウンドの痛快さであり、極言すれば、誰がリードを弾いていようと、ドン・ウィルソン(g) とボブ・ボーグル(b) のリズムコンビがそこにある限り、それはベンチャーズに他ならないという真理が間違い無く確認出来るのですから、たまりません♪♪~♪

収録演目は上記のとおり、ひとつのコンサートライブを再現した流れになっているのも嬉しい限りであり、しかも両ギタリストの異なる魅力を堪能出来るような配慮からでしょう、プログラムの中にはダブッていない曲がちゃ~んと仕込まれており、それがジェリー・マギーの「Classical Gas」と「太陽はひとりぼっち / Twist Degli Amanti `l`eclisse`」、そしてノーキー・エドワーズの「Sleepwalk」「El Cumbanchero」「I Got Woman」の合計5トラックなんですが、何れも味わい深い名演になっていますよ。
 
以前にも書きましたが、両ギタリストの比較は安易には出来ないながらも、サイケおやじとしてはジェリー・マギーにはスワンプロックやカントリーロックの色合いを強く感じ、ノーキー・エドワーズには正統派カントリー&ヒルビリーというか、正統的なロケンロールのルーツを包括した懐の深いプレイから弾き出されるスリルとスピードに満ちた神業に畏敬の念を覚えていますので、前述した5曲は殊更に楽しめると思います。

もちろん、各々のCDを通して聴くベンチャーズのエバーグリーンな輝きは、絶対!

しかし、それゆえの個人的な希望を述べさせてもらえれば、現代のデジタル技術を使えば、同じリズムトラックを用い、右にノーキー・エドワーズ、左にジエリー・マギーのギターが匠の技を競うというような仕掛けも可能かと想像すれば、楽しさも倍増以上と思うばかりなんですが、いかがなものでしょう。

もしかしたら、好事家の皆様の中には、既にそ~したアメイジングなトラックが出回っているような気もしておりますが、いゃ~~、本気で聴いてみたいですよっ!

ということで、最後にはちょっぴり我儘も言ってしまいましたが、やっぱりベンチャーズのライブ盤を聴くという儀式(?)は神聖にして、これ以上の快楽はありません。

全く、それこそがエレキのバカ大将になりたかったサイケおやじの偽りの無い心根なのでした。
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ジャコとギルの真夏の正夢

2017-07-27 17:08:10 | Jazz
Gil Evans & Jaco Pastorius Live Under The Sky Tokyo '84 (Hi Hat = CD)

★Disc-1
 01 Stone Free
 02 Up From The Skies
 03 Orange Was The Color Of Her Dress
 04 Jaco Solo
 05 Soul Intro / The Chicken
 06 Here Comes de Honey Man / Eleven
 07 Announce
★Disc-2
 01 Jaco Solo / Goodbye Pork Pie Hat
 02 Variations on the Misery / Jaco Solo
 03 Dania
 04 Announce
 
毎年、夏の風物詩とも言えるようになった野外フェスも、殊更1980年代のバブルが弾ける前あたりまではジャズの分野でも大盛況だった中にあって、1977年から始まった「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」と称されたイベントは、大物ジャズ&フュージョンプレイヤーを豪華絢爛に招聘した事により、今や伝説となったライブギグも多く、例えば1977年と1979年の VSOP クインテットは知られ過ぎている感もありますが、本日掲載のCDで聴かれる、1984年のギル・エバンス・オーケストラとジャコ・パストリアスの共演ステージも、まさに様々な憶測や悪評も否定出来ない超・伝説、あるいは真・伝説!?

サイケおやじは幸運(?)にも、その現場に参集しておりましたので、当夜の印象を交えながら、この音源をご紹介させていただきます。

まず、何と言っても、ギル・エバンスとジャコの共演という企画からして、発表された瞬間からの衝撃は大きく、特にジャコに関してはウェザー・リポートに加入してからの大ブレイク以降、その革新的とも言える斬新なエレクトリックベースのサウンドと演奏スタイルはジャズ者ばかりか、ロック&ソウルファンからも人気と注目を集めた存在でしたから、自身がリーダーとなったバンドでの来日公演も大成功していながら、この1984年当時は、ほとんど音信不通というか、あまり活動状況が伝えられていなかったわけで、今となっては、その頃のジャコは悪いクスリや大酒鯨飲等々から、心身共に不安定さを増し、その周囲からはミュージシャン仲間が去っていたという孤立状態だったそうですから、さもありなんと言えば、それまで……。

しかし、リアルタイムじゃ~、そんな内幕なんかは一般の音楽好きには知らされていなかったのですから、ビックバンドでの音楽構築に拘りつつ、大きな成果を残していたジャコがギル・エバンス率いるオーケストラに特参する企画は、まさに夢の中の正夢!?

サイケおやじにしても、ウェザー・リポートの来日公演以降、ジャコのライブには接する事が出来なかった事から、このステージは絶対に逃せないと覚悟を決め、万難を排してチケットをゲットしたわけですが……。

さて、当日の1984年7月28日、場所は東京よみうりランドの野外シアター・イーストに出向いてみると、リハーサルが長引いていたらしく、客入れが大幅に遅れている様子で、しかもやっと入場した時でさえ、ステージには囲いが設けられ、その中でリハーサルが続いていたという段取りの悪さは、そこから時折聞こえて来た奇声(?)や怒号(?)等々と共に、なんだか不穏な空気が感じられた記憶が残っているものの、それでもそんなリハーサルに音だけでも接する事が出来たラッキーな気分も確かにありましたですねぇ~~♪

ちなみにオーケストラの来日メンバーはギル・エヴァンス(key) 以下、ルー・ソロフ(tp)、マービン・ピーターソン(tp)、マイルス・エバンス(tp)、ジョージ・ルイス(tb)、クリス・ハンター(as)、ジョージ・アダムス(ts)、ハワード・ジョンソン(bs,tuba)、ピート・レヴィン(synthesizer)、ハイラム・ブロック(g)、マーク・イーガン(b)、アダム・ナスバウム(ds) という実力派揃いでしたから、ここにジャコが加わったらという、それは正しく未知との遭遇でしょう!?

そして待ってましたの開演は、ギル・エバンスがジミヘンをやらかす「Stone Free」と「Up from the Skies」の二連発!

ご存じのとおり、ギル・エバンスはジミヘンとの共演レコーディングを目論んでいながら、肝心のジミヘンが急逝した事により、その計画は頓挫したものの、体勢を立て直しての1974年に出したアルバム「ブレイズ・ジミ・ヘンドリックス(RCA)」の大成功によって世界中を驚嘆させて以降、ライブの現場でも度々ジミヘンの楽曲を演奏していた事は今日まで残された幾多の音源でも明らかですが、やっぱりリアルタイムの実演に接してみれば、そのゾクゾク感は格別!

とにかく何気ない始まりから、ググゥゥ~っと盛り上がって爆発する「Stone Free」ではクリス・ハンターが熱血のアルトサックスで泣き節アドリブを披露するんですが正直、デイヴィッド・サンボーンの代役みたいな存在という先入観があろうとも、これはこれでジャズの醍醐味でありましょう。

そしてハワード・ジョンソンのチューバのソロから、ハードフュージョンにどっぷり染まったハイラム・ブロックのギターソロが飛び出す頃には、本当にカッコイィ~~ジャズを聴いているという気分にさせられましたですねぇ~~~♪

またそこから自然に繋がっている「Up from the Skies」は、4ビートも入れたロックジャズになっていて、ここでもハイラム・ブロックが良い味出しまくりなんですが、お目当てのジャコは時折ステージに顔を出すというか、居並ぶメンバーのところへ行っては追っ払われるみたいな奇行が???

当然ながら、演奏ではマイク・イーガンがメインでベースを担当していたんですが、ちょっとでもジャコの姿が見えれば、それだけで観客は大騒ぎというハイボルテージな状況で、そんなこんなは、この音源にもしっかり記録されていますので、ご想像とご確認をお願いする次第です。

したがってチャーリー・ミンガスの古典「Orange Was The Color Of Her Dress」にもジャコの存在感は無いに等しく、それゆえに優雅な演奏が成立したのでしょうか、ジョージ・アダムスのシビレるテナーサックスが過激と和みのコントラストを見事に描いていたのは高得点でした。

あぁ~~、このサウンドこそ、ギル・エバンスの魔法ですよねぇ~~~♪

ですから、いよいよジャコが本格的に入ってのジコチュウにならなければ納得出来ない「Soul Intro / The Chicken」、またその前段としての「Jaco Solo」の煮え切らなさは、ますます観客をフラストレーションに誘ったが如き狂熱であり、告白すれば、その場のサイケおやじも燃えるジャズライブのルツボに落とされていたんですが……、それこそが生演奏に接する喜びであったに違いありません。

あぁぁ~、ルー・ソロフのトランペットとジョージ・ルイスのトロンボーンがモダンジャズの真髄に迫っていますっ!

ですから、続くジョージ・ガーシュイン作の有名ミュージカル曲「Here Comes de Honey Man」とギル・エバンスの十八番「Eleven」のメドレーが長~~い演奏になってはいても、ハイラム・ブロックのプログレ風味も交えたギター、ソニー・ロリンズ風の展開も披露するジョージ・アダムスのテナーサックス、ピート・レヴィンのシンセ、さらには荒っぽくてもビシっとキメるアダム・ナスバウムの力強いドラムスに爆裂するマービン・ピーターソンのトランペット等々、グッと惹きつけられるプレイは強烈至極ですよっ!

まさに、この音源のハイライトとも言うべき演奏だと思いますし、ここまでやられると、ジャコの存在、その好不調なんて、それほど問題にならないような気がするばかりなんですが、実際にジャコの出番なんて無くて、そのライブステージでも本人のベースの音はミックスで下げられていたような感じもありましたが、いかがなものでしょう。

しかしそれでもファンの熱狂は殊更ジャコ信者に物凄く、「Announce」で聴けるように、如何にもの手拍子で「サンサンナナビョ~~シ」が出てしまうあたりは、いやはやなんとも、それもニッポンの夏!?

ちなみに、この音源のソースは当時のNHK-BSで放送されたというクレジットがあって、サイケおやじも後に友人から頂戴したカセットコピーを聴いていたんですが、映像とかの完全版は、ど~なっているんでしょうかねぇ~~、とにかくここで解説放送されているのは、ジャズ評論家の児山紀芳先生であります。

で、そんなこんなの流れは、いよいよ Disc-2 で煮詰まり、「Jaco Solo / Goodbye Pork Pie Ha」ではツカミにあたるジャコのベースソロのマンネリ感というか、これまでの常套手段を聴けるだけで満足させられる事は確かですから、それでも「Goodbye Pork Pie Hat」でのクリス・ハンターの真摯な熱演には、ジャズを聴いているという喜びに震えてしまいますよ♪♪~♪

オーケストラサウンドの彩も素晴らしく、なかなかの名演じゃ~ないでしょうか。

これはジャコが後半、ほとんど音を出していなかった(?)結果かもしれません。

その意味でロックビートとモロジャズの4ビートが交錯する「Variations On The Misery / Jaco Solo」は混濁した痛快さが満点で、ジョージ・アダムスのテナーサックスやルー・ソロフのトランペットがアドリブの醍醐味を伝えてくれますし、リズム隊の伴奏というか、上手いバックアップは流石の証明なんですが、そ~なってみるとジャコの短いソロパフォーマンスが、なんだかなぁ……。

ついにはジャコ自作の「Dania」に入っても、グルーヴィなリズム的興奮にジャコ本人がノリ切れないというか、この不完全燃焼があっては、この日の伝説が悪評として残されたのも無理からん話と思います。

ただし、オーラスの「Announce」に記録されているとおり、サイケおやじを含むその夜の観客の熱狂は物凄く、実はそれこそが、このCD化された音源の最大意義だとしたら、伝説は伝説として、素直に後世へ残しておくのも悪い事ではないのでしょう。

ということで、あの夜から既に33年が過ぎ、ジャコもこの3年後には鬼籍に入ってしまったのですから、伝説の重みと深味は強くなるばかりとはいえ、やっぱり今となっては、ジャコの奇行というか、例のドロだらけでの演奏とか、ベースを掌の上で直立させてのバランス遊び等々、写真や映像で接するだけの事でも、その精神の危うさは押して知るべし……。

そんな紙一重の天才に会えただけでも、サイケおやじは納得して、この音源を聴いているのでした。
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追悼:山川啓介、不覚にも胸キュンした…ふれあい

2017-07-26 20:08:23 | 歌謡曲
ふれあい / 中村雅俊 (日本コロムビア)

作詞家の山川啓介が天国へ召されました。

先日の平尾昌晃に続き、昭和の偉大なソングライターが、また……、ひとり……。

その幅広い作風は歌謡曲に留まらず、特撮やアニメ等々のテレビ番組の主題歌にもヒット曲が多く、また学園青春ドラマのテーマ&挿入歌でも、例えば青い三角定規の「太陽がくれた季節」と並んで、最も売れまくったのが昭和49(1974)年春~秋に放送され、大人気を集めた「われら青春!(日本テレビ)」の劇中で使われた本日掲載のシングル盤A面曲、中村雅俊が歌う「ふれあい」でしょう。

曲調としては、いずみたくが書いたメロディがシンミリシミジミ調の歌謡フォークですから正直、地味なネクラソングという印象がサイケおやじには最初に聴いた時からあったんですが、山川啓介の綴った歌詞が、絶妙に青春の孤独感を刺激したというか、恥かしながら日頃享楽的なサイケおやじにしても、胸キュンがど真ん中でありました。

特に……、最後の一節――

 人はぁ~みなぁ~ 一人ではぁぁぁ~
 生きてゆけないものだからぁぁぁ~~

このキメには、不覚にもウルっとさせられましたですよ。

それは今も変わらぬ気持ちです。

ちなみに、この「ふれあい」は俳優・中村雅俊の歌手デビュー曲らしく、また熱血教師を演じた件のテレビドラマ「われら青春!」にしても、これが初主演作だったというのですから、そのなかなかラッキーな人生は、五十嵐淳子との結婚も含めて、羨ましいですよ。

そ~いえば、その主役の座を掴んだのも、松田優作の代役だったという説もあるそうですから、今となっては松田優作の熱血教師も見たかったというか、それもこの世の運否天賦かもしれません。

ということで、山川啓介が発表してきた夥しい「歌詞」は、「詩」というべき世界があるように思います。

告白すれば、サイケおやじは隠れて、この「ふれあい」をアコギで弾き語りする練習もしていたという前科まであるのですから、いやはやなんとも、胸中を察していただければ幸いでございます。

山川啓介、そのピュアハートな詩の世界は、決して忘れられることはないはずです。

合掌。
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今日も自分に言い聞かせ

2017-07-25 14:01:15 | Weblog

健康診断で引っ掛って、病院に来ています。

ちょっと心臓が……!?

以前から不整脈はあったんですが、どんな引導を渡されるのか、やっぱり不安です。

でも、自覚症状は無いので、大騒ぎにはならないでしょう。

 

さて、話は変わりますが……。

なんだか水掛け論の国会審議、文部省と政治家の関わりについて、マスコミは必死に盛り上げようとしていますが、なかなか国民は冷静でしょう。

ありゃ~、質問している方からも、答える方からも、ほとんど真剣味が伝わって来ないわけで、笑ってしまいますねぇ~~。

そ~ゆ~、和みの場の提供だとしたら、合格点なんですけど???

 

あっ、いよいよ自分の番が来たです。

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追悼:平尾昌晃、その和洋折衷の天才は不滅

2017-07-24 17:48:43 | 歌謡曲
恋にゆれて c/w 夏に萌えて / 小柳ルミ子 (ワーナーパイオニア)

我が国歌謡界の大作曲家のひとり、平尾昌晃の訃報に接し、何かレコードをご紹介するべく、あれやこれやと私有盤を引っ張り出していたら、個人的には意識的に集めていたソングライターではなかったはずが、しかし相当な枚数になってしまい、あらためて故人の偉業に畏敬の念を覚えるばかりです。

もちろん、全てがメガヒット盤ではありませんが、しかし一聴して、これはっ!

と確信を抱かせられる、所謂「平尾メロディー」とも云うべきツボがあり、殊更洋楽と和風旋律の融合の上手さは、ヒット作連発の大切なポイントだったように思います。

それは例えば小柳ルミ子が昭和48(1973)年初夏に出した掲載のシングル盤両面にも顕著で、作詞:安井かずみの綴った歌詞に附された平尾昌晃のメロディは、ハワイアンポップスと和風の演歌節が、まさに正統派歌謡ポップスに昇華されたという感じで、しかも森岡賢一郎のアレンジが微妙にジャズっぽく、さらにソフトロックな響きも滲むという上手さですから、これが小柳ルミ子の声質にジャストミートの仕上がりなんですねぇ~~♪

現実的にはメガヒットには届かず、彼女の代表作には入らないシングル曲だとは思いますが、平尾昌晃が残した夥しい楽曲群の中では、隠れ名曲かもしれません。

そして、そ~ゆ~裏傑作という事であれば、文字どおりB面に収録された「夏に萌えて」は本当に秀逸で、まずは酒井チエの作詞中にある「萌えて」という表現が、この当時からあったという真相には今更ながらに愕きますが、平尾昌晃が附したメロディがラテン風味のムード歌謡調でして、しかも森岡賢一郎のアレンジにはレキントギター風のエレキギターやタンゴのリズムをブーガールーで敲いたようなドラムスまでもが入っているのですから、これって、ほとんど東京ロマンチカの世界でありながら、結果的に小柳ルミ子だけの純正和風ポップス歌謡が成立しているのですから、たまりませんよ♪♪~♪

個人的には今後、こっちの「夏に萌えて」を愛聴していきそうですっ!

ということで、平尾昌晃はロカビリー歌手としてスタートしつつも、やはり作曲家としての功績が絶大ですから、近い将来には所謂「ワークス物」や「アンソロジー」が編まれることは必至なれど、果たしてその中に本日ご紹介の2曲が入る可能性は、それほど高くはないでしょう。

しかし、小柳ルミ子という歌手にポイントを絞れば、堂々と「平尾昌晃を歌う」というコンピレーション盤は出せるはずですし、これは他の多くの歌謡スタアにとっても同様だと思います。

また、現在活躍中の女性歌手による新録企画としての「平尾昌晃作品集」だって、絶対にウケるんじゃ~ないでしょうか?

サイケおやじとしては、川中美幸の「夏に萌えて」を聴いてみたいと願っておりますが、故人には名曲名作が山の様に残されていますからねぇ~~、他にも希望はどっさりです。
 
あぁ……、平尾昌晃はなんでも知ってる星になったのかなぁ……。

合掌。
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ミッチー対テリー! スカッとするぜっ!

2017-07-23 17:27:03 | 日本のロック
津軽じょんがら節 c/w 黒い瞳 / 三橋美智也&寺内タケシとバニーズ (キングレコード)

大物スタアの夢の競演は、どのようなジャンルでもファンにとっては絶対嬉しいはずで、例え周囲に何と言われようとも、素直に受け入れなければバチアタリだと思うのがサイケおやじの立場ですから、昭和42(1967)年末に発売された本日掲載のシングル盤は、まさにそれっ!

なにしろ、今も人気の津軽三味線を一般に広めた大功労者にして、もちろん津軽三味線の名手たる歌謡界の大スタア! その三橋美智也とエレキギターの世界的名手として知らぬ者もない寺内タケシが、なんとっ!

津軽三味線の所謂曲弾きとして最も有名な「津軽じょんがら節」で競演するというのですから、たまりませんっ!

ご存じのとおり、寺内タケシはエレキギターばかりか三味線やマンドリンをも自在に弾きこなすテクニックと世界を俯瞰した幅広い音楽性を有する天才ミュージシャンであり、また三橋美智也は日本民謡を基調した歌謡曲を十八番にしながらも、実は洋楽センスに満ちた楽曲を多数吹き込み、大ヒットさせた事は、例えば昭和歌謡曲のスタンダード「星屑の町」だけでも、凄過ぎる説得力だと思いますから、「津軽三味線 VS エレクトリックギター」という新旧和洋折衷の大企画にも、なんらの問題はありません。

むしろ、寺内タケシのレコーディングキャリアでは昭和40(1965)年秋に出したブルー・ジーンズ名義のLP「レッツ・ゴー・エレキ節」において、既に「津軽じょんがら節」をエレキギターで弾きまくり、これは翌年春にはシングルヒットもした大名演になっていますし、掲載シングル盤を出す直前にはクラシックの名曲をエレキ化した傑作「レッツ・ゴー・運命」で世界中を驚嘆させていたのですから、いよいよ三橋美智也との夢の対決には、血沸き肉躍るのが当然でありましょう。

ちなみにバックの演奏メンバーは荻野達也(key)、黒沢博(g)、鈴木義之(g)、小野肇(b)、井上正(ds,per) という顔ぶれのバニーズなんですが、アレンジはしっかり寺内タケシ!

そして演奏は、あらためて三橋美智也の三味線のド迫力に圧倒されるのがサイケおやじの最初っからの印象で、それは今も変わりありません。

全然、エレキに負けていないんでよねぇ~~~!?!

しかし、寺内タケシも、やっぱり凄いですっ!

基本的には前述ブルー・ジーンズのバージョンに準じたスタイルではありますが、例の「Terry-sh」なリックの圧巻な響きが野太い録音によって、最高の迫力が感じられる「ロックの音」になっていますよ♪♪~♪

このあたりは互に相手を打ち負かそうという意識よりも、競演を楽しみ、それをリスナーに最良の雰囲気で伝えんとする本物のプロの証かと思うばかりです。

その意味でB面に収録された、これまた有名なロシア民謡を演じた「黒い瞳」は、些かアイディアが空回りしたような、失礼ながら、ちょいと違和感のある仕上がりと思います。

う~ん、津軽三味線でロシア民謡ってのも、なかなかオツなもんですから、もうちょっと正調でもイケたような……。

ということで、最後の最後で不遜の極みも吐露してしまい、反省しきりのサイケおやじではありますが、真夏はエレキ!

なぁ~んて、覚悟(?)を決めてしまえば、グッタリしちゃ~、なんにもならないっ!

ビシッと心身ともにエレキを注入して、明日っからもシビレていこうと思います。
コメント
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衰えを感じるなぁ~~

2017-07-22 19:58:43 | Weblog

菩提寺の営繕工事に立ち会ったら、熱中症寸前でバテバテです……。

今日は早く寝たいです。

失礼致しました。

コメント (1)
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