OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

コーラを飲んでバーズを聴くのもアメリカ気分

2012-06-11 14:55:51 | Byrds

コーラとアメリカ人 / The Byrds (Colubia / CBSソニー)

アメリカの文化に毒されて育ったサイケおやじにしても、コーラを初めて飲んだ時の違和感、あのミョウチキリンな味には、ど~しても馴染めませんでした。

まあ、これは現在でもあまり好きではないんで、本質的にはサイケおやじの体質と相容れないものがあるのかもしれませんが、それにしても子供時代は、こんなん飲んでるアメリカ人って!?!?

そういう気分が大勢を占めていましたですねぇ。

しかし確かにコーラはアメリカを代表する文化のひとつであるらしく、それはアメリカを揶揄する対象になっている事からも明確です。

例えば本日ご紹介のシングル曲「コーラとアメリカ人 / America's Great National Pastime」は、アメリカを代表するロックバンドであったバーズが、その末期の1971年に発表した名盤アルバム「ファーザー・アロング」に収録されていた、中ではちょいと浮いた感じのトラックだったんですが、逆に言えば風変わりなキャッチーさがある所為でしょうか、メンバーの意向よりはレコード会社の思惑優先でカットされたと言われている問題作!?

もちろん原題と異なり、露骨にコーラを用いた邦題は歌詞の内容に由来するものです。

 アメリカの偉大なる国民的な文化は
 コーラを飲んで 煙草を吸って
 野球をやって 
 
 とにかくコーラの偉大な味は
 プレイヤーも 嫌なやつも
 みんなをリフレッシュさせる

等々云々と、かなり皮肉っぽく歌っているのは、明らかに社会風刺という事でしょう。

しかも原詞の中には、はっきりと「Coke」なぁ~んて商標が出ているんですから、いやはやなんとも……。

ちなみに当時のバーズのメンバーはロジャー・マッギン(g,vo)、クラレンス・ホワイト(g,vo)、スキップ・バッテン(b,vo,key)、ジーン・パーソンズ(ds.g,b,key,vo,etc) という、なかなか手強い面々が揃っていましたし、この曲を含むレコーディングセッションはバーズ自らのプロデュースよって完成されたというのですから、ひとつの充実期だったと思います。

それは同時期に残されているライプ音源の勢いが今日でも高い評価を維持している事に加え、率先してカントリーロックという新しい流行を作り出さんとする意気込みは侮れません。

実際、この「コーラとアメリカ人 / America's Great National Pastime」にしても、白人ブルーグラス風の演奏を巧みなロックフィーリングに仕上げ、また前述した皮肉っぽい歌詞をスカッとやってしまうあたりは、なかなか気が利いているんじゃ~ないでしょうか。

ただし、残念ながらヒットはしていませんし、結果的にバーズが解散への道を選んだ、そのきっかけのひとつになったと言われるほど……???

う~ん、なかなか音楽業界も儘なりませんねぇ。

ということで、何時しか馴染んでしまったコーラの味も、それがアメリカでは「文化」になっている事を知ったのは相当後年でしたから、この歌の内容もなかなか理解していたとは言えません。

しかし結果的にバーズが逸早く指向していたカントリーロックが、1970年代のウエストコーストロック、あるいはアメリカンロックそのものの雛型であった事実と同じく、アメリカにおいても最初っから決して馴染んでいたとはど~しても思えないコーラが、アメリカの食文化を代表してしまう事になろうとは!?

ちなみにコーラばかりではなく、似たような炭酸飲料は糖分過多ということで、ダイエット系の同種同類が出たり、地域によってはラージサイズの販売が禁止されたりするんですから、それでも売れるのは何かしらの中毒性があるんでしょう。

もちろん原料は秘密になっているらしいですが、アブナイ薬物と共通する「あれ」が入っているのは、商標からも都市伝説を超越した一般常識!?

ただし、そこまで言うなら、バーズに中毒した方が健全だと思うばかりです。

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ひっくり返してもバーズはバーズ

2011-03-05 16:18:42 | Byrds

■Turn! Turn! Turn! c/w She Don't Care About Time
                                                / The Byrds
(Columbia / 日本コロムビア)

昭和40年代、日本の洋楽はビートルズが何でも一番という認識は普通でした。しかしファンやリスナーには、それぞれの好みがあったことは言うまでもありません。

実はサイケおやじにしても、昭和40(1960)年秋頃には一端のビートルズファンになっていましたが、それでもエキサイティングでソリッドなギターサウンドのベンチャーズを筆頭にしたエレキインスト物の呪縛からは逃れられませんでした。

そしてもうひとつ、そこへ割り込んできたのが、本日ご紹介のバーズで、なんとも強烈なエレキの主張と気だるくて厚みのあるコーラス&ボーカルの魅力は、忽ちにしてサイケおやじを虜にしたのです。

もちろん、その最初は歴史に残る大ヒットの「Mr. Tambourine Man」でしたが、実は次に出た「All I Really Want To De」をすっ飛ばし、こっちのシングル盤を先に買ったほど「Turn! Turn! Turn!」が好きでしたねぇ~♪

それが昭和41(1966)年のお正月で、もちろん少年にとっては、お年玉の有用な使い道だったわけですが、それにしても当時から物欲煩悩に苦しんでいた自分を決意させるだけの力が、このシングル曲にあったということです。

まずヘヴィなビートを伴ったイントロのエレキギターサウンドは、絶妙の間合いが実に新鮮で、しかも呪術的に持続するリズムギターのリフと淀んだようなボーカル&コーラスが、なかなか魅惑のメロディを歌ってくれるんですから、たまりません。

そして強いロックのビートが全篇を貫く中で、かなり独立したようなベースの蠢きも強い印象となっています。

ご存じのとおり、この「Turn! Turn! Turn!」は所謂フォークの創始者のひとりだったピート・シガーが宗教歌を改作したものと言われていますが、一般的にはフォークソングのスタンダードであり、またジュディ・コリンズの十八番でもあって、なんとそこでバックをやっていたのが、バーズのメンバーであるロジャー・マッギンという因縁も、後に知ってみると味わい深いものがあります。

つまり、このバーズのバージョンは正式レコーディングまでに相当に練り込まれてたんじゃないでしょうか。結果的に全米ヒットチャートではトップに輝く見事なロックヒット!

ただし我国では、どうだったんでしょうかねぇ……。

既に述べたように、当時はビートルズがラジオから流れまくっていた間隙に、これが聴けたサイケおやじは、今もって幸せを感じるほどです。

またB面に収められた「She Don't Care About Time」は、ジーン・クラークの強烈なオリジナルで、現在ではボブ・ディランとビートルズの見事な融合ばかりが語られますが、もちろんリアルタイムのサイケおやじはそうした事に気がつく余裕もありません。しかしイントロから凄い存在感を示すエレキギターは間奏でも素敵なフレーズをキメまくり♪♪~♪ 加えてドライヴするベース&ドラムスは、まさに早すぎたハードロック感覚!

ちなみに当時のバーズはロジャー・マッギン(vo,g)、ディヴィッド・クロスビー(vo,g)、ジーク・クラーク(vo.g,hca)、クリス・ヒルマン(b,vo)、マイク・クラーク(ds,vo) という5人組でしたが、この演奏が彼等だけで仕上げられていたかは諸説あるようです。

しかしバーズにだけ特徴的なコーラスというか、そのユニゾンボーカルの味わいは、例えばビートルズあたりのスッキリしたフィーリングとは決定的に異なる、何かしら心地良い淀みがあって、それは未だ少年時代のサイケおやじさえも心底、シビれさせたというわけです。

そして告白すると、既に述べたようにB面曲でありながら、「She Don't Care About Time」を聴いた回数の方が確かに多いんですよねぇ~~♪

参考までに書いておくと、その頃のシングル盤は片面ばっかり聴いていると「擦り減り」が早い!? なぁ~んていう教訓もあったんですが、そんなの関係ねぇ~!

好きな歌や演奏を納得するまで聴くために、乏しい小遣いからレコードを買う意義はそこにあるんですからっ!

ということで、これは典型的なフォークロックのシングル盤なんですが、そうは言っても、例えばビートルズの「And I Love Her」やピーター&ゴードンの「愛なき世界」あたりのポップス風味優先主義では決してなく、あくまでもロックがメインになっていると思います。

そこには12弦のエレキと言われる強靭なギターサウンドやシンプルでありながら強いビートのドラムス、そして間を取り持つドライヴしまくったベース! そういう骨組を基本に展開される曇り気味のコーラスワーク!

これが三位一体というか、非常にバランス良く出来ていたのが、バーズにして唯一無二の個性でした。

そしてサイケおやじは、ビートルズよりもバーズが好きになったほどです。

しかしご存じのとおり、そこで重要な部分を支えていたジーク・クラークとディヴィッド・クロスビーが相次いでグループを去った時、素晴らしい時代は終焉に向かったのです。

その意味でリアルな全盛期は短かったバーズではありますが、残された初期~中期の楽曲は何時までも輝きを失うことは無いでしょう。

今日ではカントリーロック期の評価ばかりが先行している感も強いバーズではありますが、皆様にはフォークロックの人気バンドだった頃の歌をぜひともご堪能いただきたく、お願い申し上げる次第です。

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バーズの甘口サイケデリック

2010-07-06 16:45:28 | Byrds

The Notoriors Byrd Brothers / The Byrds (Columbia)

ジャケットから一目瞭然、ついに3人になってしまったバーズが1968年に出したサイケデリックポップスの名盤です。

もちろんサイケおやじは1970年代になっての後追い鑑賞だったんですが、実はリアルタイムで大好きだったバーズにしても、1968年当時の我国では全く一般的な人気を失っていましたし、本国アメリカでも深刻な売り上げ不振やグループ内部のゴタゴタから、所謂ロックバンドとしては崩壊していたのが現実だったようです。

つまり前作「昨日よりも若く」を出した頃からデイヴィッド・クロスビーとロジャー・マッギンの対立が深刻化、またクリス・ヒルマンの台頭からグループとしての方向性が定まらなくなり、売れセンを求めるレコード会社と独自の最先端路線をやりたいバンド側の意向もズレが甚だしく……。

結局、1967年夏から開始された新作レコーディングの途中にデイヴィッド・クロスビーはバンドを離れ、実質的に演奏に参加していなかったマイケル・クラークも秋頃には辞めてしまったことから、このアルバムが出た時のバーズは名前だけの存在になっていたと言われています。

しかし実際に出来上がったアルバムは全盛期サイケデリックロックをバーズ流儀に徹底解釈したポップフィーリング溢れる1枚として、バーズの歴史を鑑みれば異色の作品かもしれませんが、なかなか素敵な味わいが顕著です。

 A-1 Artificial Energy
 A-2 Goin' Back
 A-3 Natural Harmony
 A-4 Draft Morning
 A-5 Wasn't Born To Follow
 A-6 Get To You
 B-1 Change Is Now
 B-2 Old John Robertson
 B-3 Tribal Gathering
 B-4 Dolphin's Smil
 B-5 Space Odyssey

既に述べたように上記収録演目は、もはや以前のバーズに拘っていたら違和感満点の演奏ばかりでしょう。

まずはいきなりノーザンピートとブラスが導入された「Artificial Energy」は、バーズを特徴づける、あの気だるいコーラスワークに彩られてはいるんですが、サイケおやじは蠢いて躍動的なエレキベースだけに耳を奪われます。

またサイケデリックロックな「Natural Harmony」や場面転換的な「Dolphin's Smil」は、SEや凝り過ぎのサウンド作りが鬱陶しくさえ思えるほどです。

しかし職業作家時代のキャロル・キングが提供した「Goin' Back」と「Wasn't Born To Follow」は、バーズ本来の持ち味であるソフトなハーモニーワークと後のカントリーロック路線を想わせる絶妙のフィーリングが見事に一体化した、実に気持の良い仕上がりで嬉しくなりますねぇ~♪ 特に「Goin' Back」は思わせぶりなストリングの使用もジャストミートで、キメのコーラスパートは一緒にハミングしたくなりますよ♪♪~♪

しかし、こうした外部の職業作家を起用すること大反対だったのがデイヴィッド・クロスビーで、なんとその所為で完成していた自作の名曲名唱を外されたことから、バンドを辞めることになったのは、今や伝説!?

う~ん、確かに後年になって発掘された同時期のデイヴィッド・クロスビーの作品を聴いてみると、例えば「Triad」という素晴らしい歌があったのですから、さもありなん……。

ちなみにセッションを通しての演奏にはジム・ゴードン(ds)、レッド・ローズ(stl-g)、後にバーズに加入するクラレンス・ホワイト(g) 等々、当時のハリウッドでは超一流の助っ人が裏方を務めていることは定説ですから、サウンド作りも必然的に緻密で計算されたものになっているのですが、それゆえに同じサイケデリックな色合いをやっても、以前の「霧の五次元」や「昨日よりも若く」のようなイケイケの姿勢が感じられません。

つまりロックのひとつの本質である荒々しさが失われ、どこかシューガーコーティングされたポップス系の耳ざわりが面白くないのです。

しかし冒頭に書いたように、サイケデリックポップスのアルバムとしては一級品だと思います。

それはアルバム全体、またLP片面毎の流れの素晴らしさで立派に証明されるところですし、こうした構成を練り上げたのは前作「昨日よりも若く」から参画したプロデューサーのゲイリー・アッシャーの手腕なのでしょう。

ちなみにゲイリー・アッシャーは、それ以前にバーズを担当していたテリー・メルチャーと同じく、ハリウッド芸能界では自らのプロジェクトも含めて、サーフィンサウンド系のヒット曲を幾つも制作していた実績があり、公式デビュー前のバーズのデモテープ作りに関わった因縁もあるんですが、後に知ったところでは、現在のソフトロックブームでは決定的な存在感を示しているサジタリアスなんていう架空のコーラスグループにも携わっていたことからして、バーズのような特徴的なハーモニーワークをウリにしたロックバンドは絶好のネタだったのかもしれません。

もちろんそれは商業主義をベースにしていることが当然とはいえ、前述のサジタリアスにしてもリアルタイムでは全く売れず、またこのアルバムにしても、シングルカットした「Goin' Back」も含めて、決してセールス的に成功したものではありません。

むしろ今となってのバーズはフォークロックの先駆者であり、またこのアルバムを出してかは、後のカントリーロック路線の開拓者という位置付けばかりが定着していますから、非常に完成度の高いアルバムであることはバーズのファンならば誰しも認めていながら、実は宙ぶらりんな存在に……。

しかしメンバーのヤル気は決して薄れていたわけではなく、ロジャー・マッギンとクリス・ヒルマンの共作による「Get To You」は、ワルツタイムを使ったカントリータッチのソフトロックとして永遠のスタンダードになると思いますし、サイモン&ガーファンクルみたいな「Old John Robertson」もご愛嬌♪♪~♪

そしてそんな甘々のムードにピリッとスパイスを効かせているのが、数少ないデイヴィッド・クロスビーの参加曲「Draft Morning」と「Tribal Gathering」でしょう。その幅広い音楽性の結晶としか言えない仕上がりは、後のCSN&Yをも超越しそうな勢いが確かにあります。

さらに「Change Is Now」では正統派フォークロックが、カントリーロックを経てプログレかロックジャズへと進化していくような展開が怖く、またオーラスの「Space Odyssey」に至っては、明らかに映画「2001年宇宙の旅」というよりも、その原作となったアーサー・クラークの短編小説からインスピレーションをパクッたというか、おそらくはトリビュートなんでしょうが、とにかく月面に存在するという、あの物体を歌うことから作られた至福のサイケデリックサウンドが、なかなか好ましいのです♪♪~♪

もちろん、ここに聴かれる音楽は最も「らしく」ないバーズであって、特徴的なコーラス&ハーモニーが無かったら、どこかの企画覆面グループによる作り物アルバムの傑作という扱いになっても、不思議は無いと思います。

それほど、この「The Notoriors Byrd Brothers」は高品質なんですねぇ~♪

後は、これを好きになれるか、否か!?

ズバリ、サイケおやじにとっては難問ですが、答えはその日の気分によるってことです。

例えば昨今の煮え切らない空模様、世情や仕事が縺れてくると、何故か朝から、このアルバムが聴きたくなるんですよねぇ~、私は。

つまり非常に理路整然とした作りが心地良いんですよっ!

ロックとしてのストレートにブッ飛んだところはイマイチかもしれませんが、じっくりと構成されたサイケデリックの様式美のひとつとして楽しむことは、例えそれが人工甘味料の使いすぎだったとしても、決して罪悪ではありません。

もっと大勢の皆様に聴いていただきたい、これぞっ、バーズ的裏名盤だと思います。

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昨日よりも若くという個性のぶつかり

2010-04-07 15:11:18 | Byrds

Younger Than Yesterday / The Byrds (Columbia)

1967年に発表された、ザ・バーズにとっては公式に4枚目となるアルバムです。

当時のメンバーはジーン・クラークが正式に抜けた後のロジャー・マッギン(vo,g)、デヴィッド・クロスビー(vo,g)、クリス・ヒルマン(vo,b)、マイケル・クラーク(vo,ds) の4人組でしたから、必然的にレコーディングセッションには数名の助っ人が参加しています。

 A-1 So You Want To Be A Rock‘N’Roll Star / ロックン・ロール・スター
 A-2 Have You Seen Her Face
 A-3 C.T.A.-102
 A-4 Renaissance Fair
 A-5 Time Between
 A-6 Everybody's Been Burned / 燃えつくせ
 B-1 Thoughts And Words
 B-2 Mind Gardens
 B-3 My Back Pages
 B-4 The Girl With No Name / 名もない少女
 B-5 Why
(album version)

もちろん個人的には安い輸入盤を買い、後追いで聴いたわけですが、各方面から名盤扱いされているとはいえ、サイケおやじにはどうもイマイチ……。収録各曲はそれぞれに魅力的なんですが、アルバム全体としての纏まりの無さが気になります。

その原因は、どうやらグループ内外にあった当時の人間関係や活動方針の不統一にあったのかもしれません。

一般的な観点としてのザ・バーズといえばロジャー・マッギンがメインと思われがちですし、私も最初はそのように思っていたのですが、それはロジャー・マッギンがザ・バーズ特有のサウンドを象徴したエレキの12弦ギターを弾いていたという部分に大きいんじゃないでしょうか。

しかし実際にはバンドで一番にキャッチーな曲を書けたのはジーン・クラークでしたし、ザ・バーズのもうひとつのウリだったコーラスワークを支えていたのはデヴィッド・クロスビーでした。そしてジーン・クラークが脱退して以降になると、それまでは地味なペース奏者だったクリス・ヒルマンが持ち前の素養だったブルーグラスや白人伝承歌の世界を主張して、台頭するのです。

そしてそんな時期の1966年晩秋に制作されたのが、このアルバムというわけですが、中でも変則コードを用いたギターと最高のハーモニー感覚が唯一無二というデヴィッド・クロスビーの曲作りが冴えまくり!

例えば「燃えつくせ」は完全に後のCS&N時代を先取りしたアブナイ感覚の名曲名演で、ジャズっほいコードワークとギターのコンビーネーション、さらにクリス・ヒルマンの浮遊感溢れるベースプレイを得て、デヴィッド・クロスビーの優しくて、さらにドラッグ感覚に満ちた歌いまわしが最高の極みですよ♪♪~♪

そして「Mind Gardens」が、これまた当時の流行を先取りしたようなインド系モードを入れた無調のメロディ!?! 何時聴いても、あまりにブッ飛んでいます。おそらくはテープの逆回転等々で作り出したであろう演奏パートの不思議な感覚、さらに起承転結が見えない作者本人の歌いっぷりには、本当にトリップさせられますよ。

他にもロジャー・マッギンと共作したことになっている「Renaissance Fair」も、実はデヴィッド・クロスビーがほとんどを書き、好き放題に変態コードで彩ったサイケデリックフォークロックの決定版! クリス・ヒルマンのペースもドライヴしまくった名演でしょうねぇ~♪ もちろんコーラスワークはデヴィッド・クロスビー十八番の節がモロ出しです。

また本当の共作らしい「Why」は既にシングル盤「霧の8マイル」のB面に収録されたものとは別テイク!?! 明快に激しくなった演奏パートではギターとベースがスッキリと暴れていますが、これも所謂ラガ・ロックと呼ばれたインド風味のモードが導入されています。

一方、クリス・ヒルマンは、それまでのザ・バーズの正統を受け継ぐフォークロックの傑作「Have You Seen Her Face」、あるいは元祖カントリーロックな「Time Between」という、本当にシングルカットされても不思議ではない名曲を書き、アルバム全体では随所に素晴らしいベースプレイを聞かせてくれる大躍進!

その極みつきとしての「名もない少女」はカントリーロック、そしてフォークロックの両分野から高く評価されているようですが、個人的には「夢のカリフォルニア / ママス&パパス」の親戚みたいな「Thoughts And Words」がビートルズ系フォークロックの最高峰として大好き♪♪~♪ クリス・ヒルマンの作風って、意外にもビートルズっぽいんですよねぇ。

そういうわけですから、ロジャー・マッギンはシングルヒットした「ロックン・ロール・スター」やボブ・ディランの美メロ曲「My Back Pages」で存在感を示すのがやっとなんですが、しかしそれが実に魅力的なのがザ・バーズの秘密だと思います。

実際、1960年代ロックのポップサイケな一面を象徴したのが、「ロックン・ロール・スター」のヒット性感度の高さだと思いますし、「My Back Pages」こそは、せつない曲メロを存分に活かしきったアレンジと歌いっぷり、さらにハーモニーワークの神秘性が完全融合した大名演! 私は本家ボブ・ディランのバージョンよりも百倍は好きですよ。

ちなみにアルバムタイトル「Younger Than Yesterday」は、その「My Back Pages」の歌詞の一節から流用されたほどですから、もう全てはOKですよね♪♪~♪

しかし残念ながら、このアルバムはザ・バーズもレコード会社側も期待するほどの大ヒットにはなりませんでした。まあ、それでもチャートの20位にはランクされたらしいのですが、リリースされた1967年といえば、ドアーズのデビューアルバムやビートルズの「サージェント・ペパーズ」を筆頭にジミヘンやジェファーソン・エアプレインの諸作等々、リアルなロック黄金期のレコードがごっそり登場した時代でしたからっ!!

それゆえにザ・バーズにも焦りがあったことは確かなようで、「C.T.A.-102」なんていう中途半端にサイケデリックな歌と演奏が収められていることが、尚更にアルバム全体の纏まりを損ねている気がしています。

しかし既に述べたように、ひとつひとつの曲の完成度は高く、決して他に負けるものではありません。ただ、それらをひとつのアルバムに纏める過程がイマイチ、上手くいかなかったように思われます。

それはブロデューサーのゲイリー・アッシャーの手際云々よりも、むしろバンド内部の主導権争いというか、際立ち過ぎたメンバーの個性を重視すれば、既に結果は見えていたのかもしれません。

今日の歴史では、このアルバム制作時からデヴィッド・クロスビーが浮いてしまい、ついには脱退するのですが、そうしたグループ内での個性の発揮のありようは、後のCS&Nにおける成功に繋がったとも言えるんじゃないでしょうか。

サイケおやじとしては、この時期を中心に、デヴィッド・クロスビー関連のザ・バーズの楽曲を集めたカセットを作って楽しむという、なかなかアブナイ趣味に走ったこともありました。

つまり、そういう楽しみ方がどっさり潜在しているのですから、これはやっぱり名盤なんでしょうねぇ~♪ とにかく私は好きですから。

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五次元へ飛翔したバーズ

2010-01-24 14:02:06 | Byrds

Fifth Dimension / The Byrds (Columbia)

私が少年時代の日本ではレコードがとても高価でしたから、好きな曲があっても、そう簡単には買えませんでした。もちろんそれは収入というか、自分的には小遣いが乏しかった所為で、ことさらLPはグッと我慢の対象だったのです。

ところが昭和40年代末になると、輸入盤を扱う店も増え、またデパートの催しとしてバーゲンセールが行われたりして、当時は日本盤が二千円以上していたアルバムが、それ以下で入手出来るようになりました。

それは夢のように、嬉しかったですねぇ~~~♪

当然ながら、その頃になると、私もバイトをやって、それなりに小遣いも確保出来るようになっていましたから、まずは積年の夢を実現するべく買い集めたのが、大好きなバーズのアルバム群でした。

で、本日ご紹介のアルバムも、そうしてゲットした中の1枚なんですが、実は日本ではリアルタイムでも、このオリジナル仕様の発売が無かったと思われます。確か次作の「Younger Than Yesterday」と抱き合わせというか、ミックス選曲された1枚物の独自編集盤だったような……。

ですから、輸入盤独得の透明シールドを切る快感とレコードに針を落とす瞬間のワクワクした気分は、今でも明確に覚えているほどです。

 A-1 5D
 A-2 Wild Mountain Thyme
 A-3 Mr. Spaceman
 A-4 I See You
 A-5 What's Happening?!?!
 A-6 I Come And Stand At Every Door
 B-1 Eight Miles High / 霧の8マイル
 B-2 Hey Joe
 B-3 Captain Soul
 B-4 John Riley
 B-5 2-4-2 Fox Trot

バーズにとっては1966年に発売した、公式デビューから3枚目のアルバムで、ジャケットを見れば、それまでの5人組からジーン・クラークの抜けた4人が写っているとおり、制作中に脱退騒動がありました。

しかし、それでもジーン・クラークが参加している曲もありますし、一番驚くというか、実は当たり前かもしれませんが、それまでのフォークロックの代表的グループというイメージを決定的にしていたボブ・ディランの楽曲が、ひとつも入っていないのはバーズの新しい飛躍の現れでしょう。

演奏そのものについても、スタジオ系の助っ人が参加しているのは言わずもがなですが、基本的な部分はロジャー・マッギン(vo,g)、ディヴィッド・クロスビー(vo,g)、クリス・ヒルマン(b,vo)、マイク・クラーク(ds,vo) 、そしてジーク・クラーク(vo.hca)というオリジナルメンバーによるところが多いと思われますし、その幾分の荒っぽさが如何にもロック的な自然体の質感に直結する魅力です。

中でも「I See You」は非常にテンションの高いサイケデリックロックの典型で、ワイルドなギターのアンサンブルと刹那的なコーラスで歌われる抑揚の少ない曲メロが、もう最高! また元祖カントリーロックの「Mr. Spaceman」は、軽快なメロディとアホみたいな歌詞が見事にジャストミートした名曲名演で、世界中でシングルカットされ、小ヒットしたのも当然でした。

そしてメンバー各々の個性も、これまでの作品中では一番明確になり、ディヴィッド・クロスビーは変則コードワークのギタープレイとエキセントリックなボーカル&曲作りに大貢献していますし、対するロジャー・マッギンはアルバムタイトル曲「5D」で、気持良いほどボブ・ディランへの敬意を表したパクリを披露して、実に潔いかぎり♪♪~♪

もちろんバーズのオリジナル曲を作る過程では、クリス・ヒルマンとマイク・クラークも深く関わっていることが明白ですし、カパー曲にしても演奏の土台の部分で、しっかりと自己主張を忘れていません。

ただし、例えばジミヘンでお馴染みの「Hey Joe」は、ディヴィッド・クロスビーが主役ながら、既に聴いていたジミヘンのバージョンが強烈ですから、物足りないのは確かですし、まさかバーズの面々にしても、後年にそんなトンデモバージョンが出ようとは、想像も出来なかったでしょうねぇ……。

まあ、それはそれとして、当然ながら、このアルバムは全曲がステレオミックスの収録ですから、それまでモノラルミックスのシングル盤で聴いていた「霧の8マイル」にしても、やっぱりシビレ具合が違います!

しかし例えば「Captain Soul」のように、明らかに未消化なインスト曲があったり、様々な効果音をコラージュした「2-4-2 Fox Trot」はサイケデリックど真ん中というよりも、1枚のアルバムを完成させるための埋め草と受け取られても言い訳出来ないものが、確かにあります。

そのあたりだけを指して、このアルバムを貶す向きもありますねぇ……。

ただ、それでも私はこのアルバムが大好きで、「Wild Mountain Thyme」や「John Riley」は随所に使われるストリングスも味わい深い、バーズの隠れ名演だと思うほどですし、クロスビー節が全開の「What's Happening?!?!」やヒロシマの悲劇を痛烈に歌った「I Come And Stand At Every Door」は、ぜひ、今こそ聴いていただきたい歌として、大推薦!

ということで、既に述べたように、評論家の先生方からは散漫な出来と云々されますが、私は絶対にそんなことは無い、傑作盤だと思います。実際、これが世に出た1966年を鑑みてもも、「霧の8マイル」のようなサイケデリックロックの極みつき大ヒットは、ビートルズさえも作り出していませんし、ディヴィッド・クロスビーを要にした強烈な変態コードを用いた曲作りとアレンジ、失礼ながらヘタレ気味のテクニックを逆手に活かしたラフな質感のバンド演奏、そしてジャケットのイメージも含めて、まさに1966年にしか誕生しえなかった金字塔だと思います。

なによりもLP片面の曲の流れが良いんですねぇ~♪

今日ではリマスターも秀逸なCD化によって、さらに親密に楽しめるわけですが、実はサイケおやじは最初の印象が忘れられず、アナログ盤も手放せない状況です。それは正直、歯切れの悪い音質で、当時のコロムビアのステレオミックスでは「お約束」の微妙なエコーが不必要の賛否両論ではありますが、それも当時の「音」だとすれば、素直に楽しまなければ勿体ない♪♪~♪

本当に、そう思っています。

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8マイルの衝撃

2009-10-02 11:39:01 | Byrds

霧の8マイルc/w禁じられた願い / The Birds (Columbia / 日本コロムビア)

少年時代のサイケおやじがビートルズよりも好きだったのが、ザ・バーズという告白は「Mr. Tambourine Man」の項でも書きましたが、本日ご紹介の「霧の3マイル / Eight Miles High」にも、まさに8マイル先の霧の彼方へブッ飛ばされたような衝撃を受けました。

いきなりドンドロドロドロド~ン、という、恐らくはエレキベースとエレキギターの低音弦奏法をメインに作られたオドロの雰囲気からビョ~~ン、ギンギラギ~ンという摩訶不思議な音色のエレキギターが鳴り響く、実に強烈なサイケデリックイントロからして強い印象!

さらに倦怠して幻想的な「エ~ィ、マイ~ル、ハ~イ」という曲メロのキメコーラスが、いきなりのクライマックスという凄まじい歌と演奏でしたから、これをラジオで最初に聴いた瞬間、私は金縛り寸前でしたねぇ~~♪

それは昭和41(1966)年の事で、当時はベンチャーズやビートルズが我国でも圧倒的な人気を集めていたわけですが、少なくとも「霧の3マイル」に関しては、バーズのやっていたことが、そのどちらとも異なる、本当に異様なムードに感じられました。

このあたりは今日、スペースロックとかラーガロックとか称され、きちんと評価されていると思います。しかしリアルタイムの私には、理解の範疇を超えていたのは確かですし、それでいて非常に魅惑的な「何か」がありました。

う~ん、なんというか、分からないけど、凄~い!

で、当時のバーズはフォークロックで人気絶頂ながら、次なる展開を模索していた過渡期でしたから、バンド内部の人間関係や権力のバランスが微妙な状況だったのは、今日の歴史に記されているとおりです。

一応は中心人物とされるロジャー・マッギンにしても、エレキの12弦ギターを使った独得のサウンド作りの要だったかもしれませんが、グループの中では一番キャッチーな曲を書いていたジーン・クラークとの確執は深刻でしたし、加えて歌も演奏も自己主張が強いディヴィッド・クロスビーがバンドのフロントマンとあっては、ゴタゴタが避けられないのは……。

しかし、それゆえにと言っては語弊がありますが、この「霧の8マイル」で聞かれるサウンドの怖いほどの充実ぶりは圧巻!

またB面に収録された「禁じられた願い / Why」は、そのディヴィッド・クロスビーがメインで書いただけあって、十八番のモヤモヤした曲メロとサイケデリックなラーガ系エレキギターが冴えまくった、アップテンポの激烈ロック!

個人的にはA面よりも気に入ったほどです♪♪~♪

そのキモはジャズっぽさ! というのは後に知ったことですが、例えば「霧の8マイル」におけるモード風な曲展開は、ライプの現場では長時間のアドリブ演奏も含んだニューロックの醍醐味へと繋がり、実際、1970年に発売された2枚組の意欲作「タイトルのないアルバム」ではLP片面を使ったギター合戦の演奏が聞かれるほどです。

ただし、この蜜月的な充実期のバーズは長続きせず、「霧の8マイル」を出した直後にはジーン・クラークが脱退! そしてディヴィッド・クロスビーとクリス・ヒルマンがグッと存在感を強め、ロジャー・マッギンの個性が薄れていったのは、以降のシングル&アルバムで聞かれるとおりです。

その意味で、ザ・バーズの最高の瞬間のひとつが、この「霧の8マイル」であることは疑う余地もないでしょう。またロック史においても、最強シングル曲のひとつとして屹立していると、私は強く思います。

ただし、そんなことを独善的に自己満足しているのは、今となっての感慨です。リアルタイムでの「霧の8マイル」、そして「禁じられた願い」は、様々な雑念が入り込む余裕を与えないほどの衝撃度がありました。

それだから、若い頃に聴いた音楽って、尚更に素晴らしい♪♪~♪

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お~い、タンバリン屋さん

2009-06-28 09:37:12 | Byrds

Mr.Tambourine Man / The Byrds ( Columbia / 日本コロムビア)

告白すると、サイケおやじがビートルズよりも、そしてストーンズよりも先に好きなったのが、本日の主役たるザ・バーズでした。

良く知られているように、彼等の作りだすサウンドは「フォークロック」と呼ばれ、それはボブ・ディランが実践し始めた試みのバンド的な発展形でしたが、もちろん、その基本はビートルズを筆頭にしたイギリスのグループにありました。

つまりエレキギターとドラムスを主体とした強いビートが必須だったんですねぇ。

さらにザ・バーズが特徴的だったのは、そこに絶妙のコーラスワークを施したことでしょう。

さて、本日のご紹介は、そんなサイケおやじが初めて買ったザ・バーズのシングル盤で、もちろんこれは彼等のデビュー曲として、アメリカでは1965年初夏に大ヒット! そのまま日本でも8月頃には発売されていたという、当時としては最高にリアルタイムの扱いが、業界でのインパクトの強さを物語っていると思います。

そして私は夏休みも終わりの頃、ラジオで聴いた瞬間、ザ・バーズにシビレました!

まずイントロの強烈なギターの響きが鮮烈極まりなく、これは後で知ったことですが、エレキの12弦ギターを使用するキメは、ザ・バーズの音楽的なウリとなっていくのです。

また、キャッチーなメロディを歌う、全く気だるいコーラスワークと微妙にスパイスの効いたボーカルの味わいは、他のバンドや歌手には無かったものです。というか、サイケおやじは、そのメリハリが効いているのに、どこかモヤモヤしたミステリアスなところに惹きつけられたようです。

ちなみに当時のメンバーはロジャー・マッギン(vo,g)、ディヴィッド・クロスビー(vo,g)、ジーク・クラーク(vo.g,hca)、クリス・ヒルマン(b,vo)、マイク・クラーク(ds,vo) という5人組ですが、このシングル盤両面では演奏パートがスタジオミュージシャンによるものというのが定説になっています。なにしろマイク・クラークはザ・バーズに加入してから、初めてドラムスの練習をしたらしく……。

しかしメンバーは各々がザ・バーズ以前からフォークやカントリーの分野ではキャリアを積んでいたことから、コーラスワークやボーカリストとしての力量、さらに曲作りの才能には長けていました。

ただ、この大ヒットしたデビュー曲が、ご存じのとおり、ボブ・ディランのオリジナルとあって、ザ・バーズは以降もボブ・ディランとの繋がりや関連が切り離せないものとなるのです。

とは言え、このシングル盤のジャケット裏解説には「ボブ・ダイランの作品を歌っている」なんて書かれているのは、ご愛敬とばかりは言えません。昭和40(1965)年の我が国洋楽事情は、それが精々ですし、実際、このレコードにはメンバーの名前すら載っていないのですから!? しかも扱いは「コーラスグループ」なんですよっ!

つまり裏を返せば、それほど速攻に発売されたという証だと思うのです。

それともうひとつ、魚眼レンズを使ったジャケット写真が、少年時代のサイケおやじには強い印象を与えています。

ご存じのように、ザ・バーズは以降、フォークロックの旗手として活躍し、また相当に早くからサイケデリックの扉を開けた存在ですが、それはこのデビュー盤のジャケットから既に始まっていたというわけです。

おまけに訳詞を読んで妙に納得したのが、「もうろうとしている私のために、歌を聞かせてよ、私の死に行くところはないんだもの」なんていう、刹那的なところが、歌とコーラス、そして演奏でしっかりと表現されているんですねぇ~。これは齢を重ねるほどに、鮮明なメッセージとして心に響きます。まあ、本当の意味は別のところにもあるわけですが……。

ということで、自らのルーツを解き明かすうえでも、忘れられないシングル盤のひとつなんですが、それにしても小学生の頃から、こんな曲やグループが好きになるというサイケおやじの変態性には、自嘲するばかりです。

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