OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

速効性たそがれマイ・ラブ

2013-02-28 15:37:03 | 歌謡曲

たそがれマイ・ラブ / 大橋純子 (フィリップス)

ネタは新鮮なうちに提供するのもソングライターの資質のひとつだとすれば、我国の筒美京平のお手並みは流石と痛感させられたのが、昭和53(1978)年秋に大ヒットした本日掲載のシングル盤A面曲「たそがれマイ・ラブ」でした。

結論から言えば、これは皆様ご存じのとおり、マイケル・マクドナルドがカーリー・サイモンと共作し、まずは自らの所属バンドだったドゥービー・ブラザースで1977年に出した人気アルバム「運命の轍 / Livin' On The Fault Line」に収録し、次いで翌年にはカーリー・サイモンが新たな一面を表出した傑作LP「男の子のように / Boys In The Trees」に入れて世に出した名曲「You Belong To Me」が元ネタでありましょう。

特にカーリー・サイモンのバージョンはシングルカットされ、同年初夏には世界的に大ヒットしていますし、我国でも若者が集う、ちょいとお洒落な店のBGMには定番でありましたから、自然と耳に馴染んだものですが、それを筒美京平は堂々のパクリと再構築で、件の元ネタよりも遥かに素晴らしく、日本人の琴線に触れる素敵なメロディにしているんですねぇ~♪

とにかくイントロの構成がモロですし、続く最初の曲メロが、これまたクリソツなんですから、たまりません。

ただし、そうは書きましたが、巧みに元ネタをフェイクしてある事は言うまでも無く、それが実に上手すぎるわけですよ♪♪~♪

おまけにカーリー・サイモンが大ヒットさせた初夏から、瞬時の秋にそれをやってのけた作編曲の手際の速さは、作詞の阿久悠も思わずニンマリだったにちがいないと思うばかりです。

尤も、そんな事はこの時に始まったわけでは決して無いのですから、日常茶飯事と書いてはミもフタもなく、ただただ筒美京平の天才性に感服するのみ!

例えばモダンジャズの世界でもソニー・ロリンズというテナーサックスの大名人が、良く知られたスタンダード曲をアドリブする時には、その原曲メロディをフェイクする上手さが抜群であるのと似ている気がします。

それはある種の計算でもあるのでしょうが、もっとナチュラルな音楽的なセンスの良さじゃ~ないでしょうか。

もしも筒美京平がモダンジャズの世界に入っていたら、凄いアドリブ名人になっていたと思ってしまうほどです。

ということで、マイケル・マクドナルドのホワイトソウルなフィーリングは、1970年代末頃には世界中でパクられるほど一世を風靡した汎用性の高いものでしたが、それを逸早く歌謡曲に使った筒美京平の嗅覚の鋭さも流石!

実は告白すると、サイケおやじは学生時代にドゥービー・ブラザースのコピーバンドみたいな事をやっていたので、そのお手本には敏感に反応するハブロフの犬になっていた当時、大橋純子の歌う「たそがれマイ・ラブ」には最初に聴いた瞬間、やられたなぁ~~!!

と、思わず平伏すのみでありました。

やっぱり筒美京平、偉大なり!!

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憧れのジェームズ・ボンド

2013-02-27 15:09:54 | Soundtrack

ロシアより愛をこめて / Matt Monro c/w
                                007のテーマ / John Barry (Odeon / 東芝)

最近のジェームス・ボンド映画、つまり「007シリーズ」は、何だか煮詰まった筋立てや妙な人間関係の描写が強く、サイケおやじはイマイチ楽しめません。

まあ、同シリーズはSFっぽい破天荒さが初回作からのひとつのウリでしたから、あまりシリアスになる事そのものに十人十色の賛否があるのでしょう。

それでもサイケおやじが最も好きなシリーズ作品は、1963年制作の第二弾「危機一発 / From Ruddia With Love」という、なかなかのシリアス路線作なんですから、ハチャメチャな展開を求めつつ、自己矛盾は隠せないわけですが……。

ご存じのとおり、これは当時冷戦下のソビエト情報機関が西側への心理的(?)な打撃を企図し、その生贄が英国情報部員の007、つまりジェームズ・ボンドの暗殺という「お約束」が物語のメインテーマであって、その囮役が美人スパイのタチアナ・ロマノーヴァ♪♪~♪

そして彼女が機密扱いの暗号解読機を携え、西側に亡命を望んでいるという罠に挑むのがジェームス・ボンドであり、襲いかかる様々な危機から、果たして二人は!?

という展開がシンプルにして、最高のスリルを提供してくれました。

もちろん劇中には偽装夫婦のラブシーン、それが何時しか本気モードになるという人情の機微が流石の原作&脚本の上手さです。

いゃ~、詳細は省きますが、この作品は何度見ても飽きないわけで、特にサイケおやじがタチアナ・ロマノーヴァを演じたダニエラ・ビアンキを大好きになった事は言うまでもありません。

また劇伴サントラ音源も素晴らしく、マット・モンローが歌ったメインテーマ「ロシアから愛をこめて / From Ruddia With Love」は特に我国で大ヒット! 確かリアルタイムの洋楽チャートでは年間一位と認定したラジオ局もあったと記憶しています。

そこで掲載したシングル盤は後に中古ゲットした再発物ですが、どうです、やっぱり個人的にはダニエラ・ビアンキのスチールを用いたジャケ写が高得点♪♪~♪

しかもB面には今も不滅のワクワクインスト「007のテーマ / James Bond Theme」が入っているんですから、たまりません。う~ん、この低音弦弾きのエレキギターはちょい聞きには簡単そうに思えますが、これがなかなか難物なんですよっ!

もしも出来得るならば、サイケおやじはフルバンをバックに、これを弾きたいっ!

そう、思い続けて幾年月、それは未だ捨てきれない夢であります。

ということで、連日の嘆き節を反省しつつ、それでも何とかやっていられるのは、それなりに憂さ晴らしが出来ている、幸せな環境があるからでしょう。

昨日も書いたとおり、現在のサイケおやじの隠れ家(?)は自分の車の中が最良で、そこには好きな音楽しか積載していない中にあって、自ら選んだ往年の映画サントラ音源を流しながら、すっかり「その気」になる事が、ハードボイルドなジコマンというわけです。

周囲にしてみれば、きっと失笑にちがいありませんが、まあ、いいか……。

助手席にダニエラ・ビアンキのような美女がいないのが、悔しいだけです。

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反逆を思い続けて

2013-02-26 16:28:41 | Soundtrack

■反逆のテーマ / Rhythm Heritage (abc / 日本コロムビア)

所謂はらたわが煮えくりかえる思いをしたとて、それが仕事の現場であれぱ、簡単にブチキレたり、ちゃぶ台返しをやらかすわけにもいきませんので、古くはウォークマンの時代から、サイケおやじはそうした暴発しそうなエネルギーを良い方向へ発散するような音楽を持ち歩いています。

例えば本日掲載のシングル盤A面曲「反逆のテーマ」は、その邦題に偽り無しと思えるほどの湧き立つリズムと胸騒ぎのメロディラインが痛快なインスト演奏の決定版!

実は原盤タイトルは「Theme From S.W.A.T.」であって、これは昭和51(1976)年当時の日本でも放送され、人気を集めていたアメリカのテレビアクションドラマ「特別狙撃隊SWAT(スワット)」のメインタイトル曲でしたから、何故に「反逆」なのか意図不明……。

ところが聴けば一発、まさに「反逆」としか形容のしようが無いほどのエネルギーが演奏全体、随所から溢れ出て来るんですねぇ~~~♪

実際、サイケおやじはリアルタイムで件の番組を鑑賞していましたが、良く出来た物語本篇と共に劇伴サントラ音源のカッコ良さにもシビれまくり、しかも同時期のラジオでも、そのテーマ曲が流行っていましたから、速攻でレコード屋を襲撃して吃驚仰天!

それは掲載のジャケ写にもきっちりクレジットされているとおり、編曲&指揮がマイケル・オマーティアン、さらにはプロデュースにスティーヴ・バリが関わっているのですから、予測はついていたものの、リズム・ヘリティジと名乗る演奏グループはハリウッド派のセッションミュージシャン集団がその正体であろう推察は易いわけですよ♪♪~♪

つまりスティーヴ・バリは往年のダンヒルレコード、特にヒットメーカーだったグラス・ルーツの影の立役者という履歴が有名な仕掛人であり、マイケル・オマーティアンはスタジオセッションで重宝されていた助っ人の第一人者として、1970年代前半からメキメキと売り出していた才人でしたから、サイケおやじが両者の大ファンであれば、この「反逆のテーマ / Theme From S.W.A.T.」を気に入るのは必然でした。

そこであらためてリズム・ヘリティジの主要メンバーを探ってみると、エド・グリーン(ds)、スコット・エドワーズ(b)、マイケル・オマーティアン(key,arr)、レイ・パーカーJr.(g)、ヴィクター・フェルドマン(per,key)、トム・スコット(sax) 等々、まさに当時のハリウッド芸能界を支えていた面々がガチンコで作っていたんですねぇ~♪ まさにウケて当然、ハズレたらバチアタリでしょう。

ですから、アメリカではヒットチャートのトップに輝き、我国でも後々までバラエティ番組のジングルに使われるほどだった事は、皆様もご存じのとおりです。

ということで、昨夜から本日も、サイケおやじの車の中は、こうした音楽で満たされているほど、仕事は面従腹背!?

お偉方の前で心にも無い事を言ってしまい、現場では弱い者イジメの如き、鬼の様な仕打ちをやっている自分に対し、居直る気分が情けない……。

まあ、それとて今に始まった事ではないんですから、せめて何時かは「反逆」出来ればなぁ~、と思うばかりなのでした。

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回転禁止のストレートなあこがれ

2013-02-25 15:15:35 | 歌謡曲

回転禁止の青春さ / 美樹克彦 (クラウン)

自分のこれまでの生活を思う時、それは紆余曲折、圧倒的に回り道ばっかりが多いのはサイケおやじだけではないでしょう。

出来るのであれば、素直にストレートにっ!

そんな願いにアピールしたのでしょう、昭和41(1966)年の今時期に大ヒットしたのが、掲載のシングル盤A面曲「回転禁止の青春さ」でした。

 俺のぉ~選んだぁ~ この道がぁ~~
 廻り道だと 云うのかいぃ~
 人の真似して ゆくよりかぁ~
 これでいいのさぁ~
 このままあ~ゆくぅ~さぁ~~~

あぁ~、まさに当時の青春スタアであった美樹克彦によって、ここまで潔く歌われてしまっては、誰もツッコミなんか入れられるはずもありませんよねぇ~♪

というよりも星野哲郎ならではの堂々とした作詞、そして北原じゅんの作編曲の豪快さが、美樹克彦の持ち味だったツッパリ野郎の心意気と見事にジャストミートした快作だと思います。

それは――

 ゴーゴーゴー レッツゴーゴー 

というキメから決定的な曲タイトル「回転禁止」を導いていくカタルシスが、最高!

実は少年時代のサイケおやじは、漠然としたあこがれから、この歌を口ずさむ事も多かったんですが、それを今や実感するも、完全に後の祭りのなんとやらですよ……。

それとこれまた今にして感銘するのは、バックの演奏パートにおけるフルバンの強烈さで、随所に炸裂するホーンセクションの咆哮的合奏は、生半可なエレキバンドなんかは、お呼びじゃ~ないはずです。

ちなみに美樹克彦は本名の目方誠で子役として活躍後、歌手に転じたわけですが、昭和40年代には今も忘れられていない「花はおそかった」や「赤いヘルメット」、「俺の涙は俺がふく」「恋の台風第一号」等々のオーバーアクション歌謡で一世を風靡した後、ソングライターに三度転身していますので、なかなか昭和の芸能界では決して「回転禁止」では無かったという説もありますが、しかしサイケおやじの狭い視点からすれば、「俺の選んだ、この道」を行けたように思います。

ということで、痛快無比な歌を選ぶ時には、必ずや思い出すのが美樹克彦の「回転禁止の青春さ」であります。

そして何ゆえに本日、これを書いたのかと言えば、またまたサイケおやじは自らの仕事に対する信条と言えば大袈裟ですが、方針変更を迫られているからでして、例によって節操の無さを見抜かれているというわけです。

 バカヤロ~~~!

ってのは、「花はおそかった」なんですけどねぇ……、そんなふうに叫びたい心境なのでした。

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ナンシー久美はストロングスタイルのアイドル

2013-02-24 15:08:47 | 歌謡曲

夢みるナンシー / ナンシー久美 (日本コロムビア)

ミミ萩原が女子プロレスで大ブレイクしていた頃、彼女に比べれば幾分地味ながら、根強い人気を集めていたのがナンシー久美でした。

それは本日掲載のシングル盤を出していた事でも証明されるとおり、ノーブルな面立ちのナチュラルなアイドル性に加えて、プロレスそのものの上手さが良かったんですねぇ~♪

なにしろリアルタイムでは「怪力ナンシー」と呼ばれたほどのパワフルな技の豪快さは、女子では珍しいほどの逆三角な上半身とグッと張った太股があればこそ!

ハイアングルなボディスラムや時には首のあたりを狙ったかのようなバックプリーカーの落し方は、野郎どものプロレスファンをも納得させる一撃だったと思います。

そして自らの上半身を持ち上げて反らせる足四の字固めは、必ずや相手から苦悶の表情を引き出すもので、前述したミミ萩原との対戦では、常にハイライトの拷問シーンでありましたですねぇ~♪

また、もうひとつ、ナンシー久美が本物のプロレスラーであった事は、その「受け」の上手さでしょう。つまり対戦相手は、ナンシー久美には遠慮せずに得意技を出せていたようですから、所謂スンイグした試合を見せる力量は流石!

さらに当然ながら場外乱闘も上手くて、ミミ萩原や未だ可愛らしかった時代のジャガー横田といった人気者を、如何にもスケベおやじが集まっていそうな客席へ投げ飛ばしたり、自らも率先(!?)して、そういう生贄(!?)になる展開の作り方は、本当に分かっているとしか思えませんでした。

しかし、そんな物分かりの良さが裏目というか、ビクトリア富士美とのゴールデン・ペアがビューティ・ペアの後継者的な扱いで売り出され、タッグタイトルも獲得しながら、ど~してもイマイチ、地味なムードから抜け出せず……。

ちなみにナンシー久美は基本的にベビーフェイス=善玉だったんですが、そんなこんなからジャガー横田の売り出しにおいては所謂「かませ犬」をやらされた感もありますし、ミミ萩原との人気対決ではヒールであり、露骨に相手に有利なジャッジをやらかすレフリーをボコボコにする男気(!?)を持ち併せたプロレスラー魂の味わいの深さが、今も強い印象を残しているというわけです。

さて、そこで掲載のシングル盤は昭和52(1977)年に発売された彼女のデビュー曲「夢みるナンシー」をA面に入れた、これが典型的な当時のアイドルポップスなんですねぇ~♪

作詞:千家和也、作曲:菊池俊輔、そして編曲:高田弘というヒットメーカートリオの手際の素晴らしさは、オールディズ風味と彼女の素人っぽさを逆手に活かした仕上がりに顕著であり、極言すればターヘなナンシー久美の歌いまわしが結果オーライでしょう。

逆に言えば、それが上手かったりしたら、ほとんどリードのバックコーラスや愛情(?)溢れる演奏パートのハートウォームな雰囲気が台無しになるんじゃ~ないでしょうか。

ご存じのとおり、当時の女子プロレス興業では、人気レスラーが出したレコードの持ち歌を本人が試合前にライプで披露する事が定番のリング演出があり、彼女もジャケ写どおりのアイドル風情モロ出しで登場しては、ファンを熱くさせていましたですねぇ~♪

確か前述したゴールデン・ペア名義で発売されたレコードもあったはずなんですが、一般的に有名な「アマゾネス女王」よりは、個人的にこちらが好きなんですよ♪♪~♪

ということで、ナンシー久美は当時の全日本女子プロレスの掟に従い、昭和58(1983)年に引退という年齢制限的退職まで、なかなか素敵な存在でありました。一応、3年ほど後にジャパン女子で現役復帰は果たすのですが、やはり……。

ですからミミ萩原で人気沸騰していた時代の全女のリングで思いっきり暴れ、同時にアイドルレスラーの仕事でもあったセクシーなアクションを両立させていた彼女が忘れられないというファンは、サイケおやじだけのはずがありません。

以下は全く個人の記憶、あるいは妄想ではありますが、テレビが入らない地方の試合では、幾分スケスケっぽい水着だったり、大袈裟とも言える開脚の関節技やポロリ寸前の意図的なコスチューム掴み等々、そういう「お約束」は誰よりもきっちり自然体で見せてくれた女子レスラーだったように思います。

あぁ~、もう一度、ナンシー久美が見たい!

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再会

2013-02-23 15:52:12 | Weblog

親戚の法事で、本日の1枚は休載ご了承下さい。

しかし、ちょっと驚いたのは、件のお寺の住職が小学校の時の同級生だった事です。

確かサラリーマンをやっていたはずが、何時の間にか実家の跡取りになっていたんですよ!?!

失礼ながら、ほとんど風采の上がらない奴だったんですが、地位が人を作るというか、立派な袈裟を着用し、堂々の押し出しは仏門に帰依する貫録充分でした。

う~ん、時の流れの偉大さを実感です。

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忘れじの可愛和美

2013-02-22 15:29:26 | 歌謡曲

このごろ二人 / 可愛和美 (日本コロムピア / DENON)

ルックスが良くて、歌も上手いのに、何故か売れなかった女性アイドルは少なくありませんが、本日ご紹介の可愛和美も、そのひとりでしょう。

ただしサイケおやじと同世代、あるいはもっとお若い皆様であれば、彼女の声やお姿は絶対に記憶にあるはずと思っています。

結論から言うと、掲載したデビューシングル盤を出した昭和44(1969)年以前はCMソングやアニメの主題歌等々、かなりの数の仕事をやっていたと言われていますし、歌謡界に正式デビューして以降は、キュートなルックスを買われたのでしょうか、渡辺プロのスクールメイツやテレビのバラエティ番組で頻繁に登場していた事は、それだけで可愛和美の存在感を忘れられないものにしているはずです。

そしてさらに強い印象を残しているのは、相当数のレコードを出しながらもアイドル歌手としてブレイク出来なかった後の昭和48(1973)年春から、フジテレビの看板子供番組「ひらけ!ポンキッキ」の「おねえさん」として人気を集めた事でしょう。

おそらくは、2年ほど続いたその活動が、彼女にとっては一番有名なキャリアと思われます。

さて、そこで「このごろ二人」なんですが、思わせぶりなイントロはアコースティックギターをメインにした歌謡フォーク調、そして悲嘆なムードが全開の主旋律は、橋本淳の作詞に筒美京平の作曲という、まさに当時の王道歌謡曲♪♪~♪

しかもそれが決してモタれないのは、可愛和美の抜群の歌唱力があればこそで、終盤に向けてジワジワと盛り上げていくボーカルの素晴らしさは最高ですよっ!

もちろん刹那の願いを込めた歌詞の理解度も圧巻だと思います。

いゃ~、本当に彼女の歌いっぷりは説得力がありますねぇ~♪

ということで、結果的に歌謡曲の世界では大きな成功は得られなかったとはいえ、彼女が残した音源に不滅の価値がある事は過言ではありません。

既に述べたとおり、今や幻となっている多数のそれらが、きっちり纏められないかなぁ~~、と思い続けて幾年月……。

そういう願いを表明するために、サイケおやじは本日のプログを綴っているのでした。

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良い気持ちの高田恭子

2013-02-21 15:18:53 | 歌謡曲

ゴンドラまかせ / 高田恭子 (キングレコード)

昭和歌謡曲と一概に括った中には、所謂演歌やポップス、ロックやソウル等々、それぞれの系統に属性を持った楽曲が夥しく、それゆえ後追い鑑賞になればなるほど、その楽しみは奥の細道に踏み込んでいくわけですが、リアルタイムで包括的な表現が出来たソングライターとしては、浜口庫之助が第一人者だと思っています。

もちろん、そのお洒落なセンスの良さは誰もが認めるところでしょうし、発表された歌のエバーグリーンな輝きは、今更サイケおやじが稚拙な筆を弄するまでもありません。

おそらくベストテンを選ぶ作業があるとすれば、困難を極める事、必至でしょう。

しかし個人的な好みを表明するのであれば、本日掲載のシングル盤A面曲「ゴンドラまかせ」は、とても気に入っています。

なにしろ曲タイトルの「ゴンドラ」がベニスの運河で使われる小舟である事から、メロディーのイメージ展開がイタリアンポップス調である事に加え、歌っているのがフォーク畑出身の高田恭子ですからねぇ~♪

そのナチュラルな洋楽フィーリングを、あえて意図的な昭和歌謡の色合いに染めたプロデュースは、流石作詞作曲:浜口庫之助&編曲:小谷充の確信犯(?)じゃ~ないでしょうか。

聴いているうちに、思わず一緒にゴンドラの中で夢見心地という雰囲気の良さは、発売された昭和44(1969)年ならではの享楽的なムードが滲んでいるように思います。

ちなみに高田恭子と言えば、「みんな夢の中」が代表的なヒットですが、この「ゴンドラまかせ」は、それに続く第二弾だったように記憶していますし、とすれば、当時は「ドリーム路線」みたいな狙いがあったのかもしれませんねぇ~♪

まあ、それは例によって、サイケおやじの大袈裟な思い込みなんでしょうが、しかし彼女が歌ってくれる「ゴンドラまかせ」のホンワカムードは何度聴いても最高♪♪~♪

しかも彼女自らが歌の中で、あぁ~、良い気持ぃ~~♪ とまで独白してくれるんですよっ!

ということで、高田恭子は持ち前の歌の上手さに加えて、浜口庫之助という稀代のソングライターが後ろ盾(?)になっていた事もあり、発表されたレコードは全てが名盤&幻の名盤と思うほどです。

そして結婚による引退から、近年は再びマイペースな活動に復帰されているようですから、がっちり纏められたキャリアのアンソロジーが出ないかなぁ~~~♪

最後になりましたが、サイケおやじは現在、彼女のレコードでは正統派歌謡演歌の「雨の夜、京都に帰る」を探しているのでした。

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おやじバンドの歌謡曲:其の参

2013-02-20 15:16:39 | 歌謡曲

サザンクロスのディスコソーラン節 / 森雄二とサザンクロス (クラウン)

仕事に責められ、おやじバンドの練習にもあまり参加出来ないサイケおやじは、しかし未だメンバーから見捨てられていないのは、本当にありがたい事です。

そこでなんとか時間を作っては、個人のパート練習だけでもやっている現状の中で、近年はメールで音源や楽譜等々を送ってもらえるのは便利ですねぇ~♪

しかし本日掲載のシングル盤A面曲「ディスコソーラン節」には、呆気とられましたですよ!?!

うひぇ~、こんなのやるの???

だって、16ビートのディスコ物なんて、リズム感の悪いサイケおやじには無理でござんすよ……。

思わず堪りかねてメンバーに直接電話で尋ねたところ、いやいや、だいじょ~~ぶぃ、なぁ~んて、少年忍者の青影みたいな返事なんですが、現代ではビシバシのディスコリズムもPCソフトで作れるらしく、既にメンバーのキーボード氏が主要カラオケの大半を仕上げてしまったとか!?

そこでサイケおやじは、前述のメールに添付してあったファイルから歌と演奏を聴きつつ、間奏や合の手のギターソロを練習しているというわけです。

ちなみにレコードで演じている森雄二とサザンクロスは皆様ご存じのとおり、所謂ムード歌謡コーラスグループとして、昭和50年代から第一線で活動し続けていますが、特筆すべきはリーダーの森雄二がレキントギターの名手であり、メンバーも各々がエレキベースやパーカッションを担当する自前の演奏バンドである事でしょう。

それゆえに鶴岡雅義と東京ロマンチカの路線上にある印象ではありますが、もちろんレキントギター特有の魅力を活かしきったラテン調が入る歌と演奏は、ある意味で典型的な歌謡コーラスグループの魅力と思います。

もちろん普通のギターよりも幾分小さいレキントギターは、チューニングも4~5度高く設定されるところに、その源があるのでしょうか、如何にも日本人好みの哀愁(?)は永遠に不滅というところです。

ところが、この「ディスコソーラン節」では、そのレキントギターよりは通常のエレキギターが堂々と使われ、おまけにあまりにも一般的概念に根ざしたディスコなカラオケパートにストレートな原曲メロディを乗せているという仕上がりは、なにもサザンクロス名義で出す意味が???なんですねぇ~~~~。

当然ながら、サイケおやじは今回初めて聴いたわけで、掲載したレコードジャケットも前述したファイルと一緒にメールで送られてきた画像なんですが、そもそもおやじバンドでこれをやろうという発案そのものが、老人施設の慰問だとか!?

う~ん、だったら寺内タケシの「レッツゴー民謡」みたいなエレキインストの方が良いんじゃ~なかろうか?

とさえ、思っている次第です。

しかし、まあ、それはそれとして、こういうレコードが堂々と作られていた時代の勢いは尊重するべきでしょうねぇ~♪

極言すれば無駄遣いっぽい企画であったとしても、あえてやってしまうエネルギーの発露は素晴らしいと思うばかりなんですよ、今となっては!

ということで、このシングル盤が何時頃世に出たのはかは知る由もありませんが、おそらくは昭和のディスコブームに便乗したものという推察は易いでしょう。

とすれば、リアルタイムで上り調子だった我国の勢いを懐かしむよりは、今日ようやく上を見られる兆しの世相に、こういう単純明快な享楽の音楽は必要と思っているのでした。

うむ、ギターパートの難しさも、それらしくヤル気になっています。

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ミニスカにはリアルタイムのセンスが必要

2013-02-19 14:30:49 | 歌謡曲

ミニ・ミニ・ロック / 木の実ナナ (キングレコード)

サイケおやじが殊更好きなもののひとつが、ミニスカートでありまして、それが未だ形成されつつあった少年時代のスケベ心の原点である事は、言うまでもないでしょう。

特に昭和42(1967)年頃からは、テレビや映画で素敵なお姉さまがミニスカファッションの大サービス♪♪~♪ 西野バレエ団の「レ・ガールズ」や後年の「プレイガール」ほどではないにしろ、それなりにパンチラやヒップラインが普通(?)に楽しめたんですから、良い時代でした。

そして当然ながら、関連商品の歌のレコードでは、本日掲載の「ミニ・ミニ・ロック / Mini-Mini-Rock」が代表的な1曲かと思います。

もちろん歌っている木の実ナナはデビュー当時からのボーイッシュな魅力をミニスカファッションに活かしつつ、躍動的なお色気をウリにしたアクションで「ミニ・ミニ・ロック」を披露していた事は、当該シングル盤のジャケ写からも納得されると思います。

ただしレコードに収録のスタジオレコーディングバージョンは、テープの早回しやエフェクター処理によって彼女のボーカルそのものをコミカルに変成してあり、それがバックのロカビリー&エレキな演奏とジャストミートしているのは、プロデュースの勝利でしょう。

とにかく「ミニミニロック! ミニミニロック! ロック! ロック!」とド頭から爽快に歌われてしまっては、その場はまさに昭和元禄♪♪~♪

ちなみにこれは決して木の実ナナがオリジナルではなく、グーシーズと名乗るドイツのグループが同じ年に流行らせた洋楽ヒットのカバーなんですが、前述したテープの早回し等々の要点が、逆に木の実ナナの幾分エグ味の効いた本来の声質には違和感も薄く、個人的には彼女の日本語バージョンを愛聴しているのです。

また「ロック」という単語は日英米ではR&Rが進化した「音楽形態のロック」と認識されますが、ドイツ語では「スカート」という意味ですから、完全にミニスカートの歌として嘘はありません♪♪~♪

あぁ~、それにしても昭和40年代のミニスカファッションって、なんて素敵なんでせう♪♪~♪

当然ながら、現代にだって、全く自然にそれは継承され、存在しているのですが、なにか基本的なセンスが違っているように思います。

そういうものが復活してこそ、明るい未来が開けると言っては大袈裟ですが、あの時代を勢いは、良くも悪くも、そのあたりに大元があるのかもしれませんねぇ~♪

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