OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の拾弐

2019-11-24 17:12:03 | Jimi Hendrix
■2 Nights At The Fillmore 4th Show (conclusion)
                                               / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)

  01 Voodoo Chile ◎
  02 We gotta Live Togeter ※◎
  03 Wild Thing ◎
  04 Hey Joe
  05 Purple Haze

      ※バンド・オブ・ジプシーズ
      ▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
      ◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト

う~ん、久々にバンド・オブ・ジプシーズのフィルモアイースト音源を聴き通し、あらためてジミヘンの凄さに震えているサイケおやじです。

それは本日ご紹介の箱物6枚目に至って、まさに頂点!

とにかく「Voodoo Chile」からして、これが出なけりゃ~収まらないという観衆の期待をしっかり受け止めての燃え上がる歌と演奏、殊更ギターの暴れっぷりはドラムスとベースがヘヴィなシンプルさを押し通している所為でしょうか、あらゆるリスナーを圧倒するものと思います。

しかもこの被虐の熱気がそのまんま激流となって「We gotta Live Togeter」へ溢れ出していくのですから、たまりません ♪♪~♪

するとここに収録の音源の音質が、ここから突如として臨場感満点となり、バディ・マイルスの煽りに呼応するかの様な客席からの手拍子や歓声が乾度良好!

その盛り上がりこそがリアルタイムのロックの炎ってやつなんでしょうねぇ~~♪

ジミヘンのギターもサイドプレイから掛け合い的フレーズの連射、さらには突っ込むようなファンキーなリズムの刻み等々、ちょい聞きには地味かもしれませんが、様々な表情を堪能させてくれますし、バンド全体としても黒人らしさと申しましょうか、白人主導のハードロックとは完全に一線を画したノリが痛快です。

そして演奏はまたまた奔流の如き勢いで「Wild Thing」へ繋がり、その場はすっかり、ど~にもとまらないっ! 狂うだけ狂った後の最後の挨拶の素っ気なさが、かえってエキサイティングというわけです。

するとアンコールなんでしょう、ちょいと間を置いて始まる十八番の「Hey Joe」が心地好いマンネリ感に包まれていようとも、次に「Purple Haze」が飛び出せば、そこには何時もの暴虐と心ニクイばかりのサービス精神旺盛なジミヘンが、確かに存在しているんですねぇ~~~~♪

うむ、もしもタイムマシンがあったなら、この日もまた訪れてみたい過去の栄光の日であります。

ということで、バンド・オブ・ジプシーズのフィルモアイーストにおける歴史的な4ステージを振り返ってみましたが、既に述べたとおり、それはハーフオフィシャルな音源によるものですから、音質のバラつきやミックスの不具合が散見されるものでした。

しかし、それでも凄いっ!

凄いと思わされて、何の疑問や疑念を抱く必要が無いのが、この当時のジミヘンです。

そしてこれまでは世評が決して高くなかったバンド・オブ・ジプシーズが、決して場当たり的なセッショングループではなかったという、ひとつの真相が垣間見える気さえします。

リマスターされた集成盤が世に出た現在、そのあたりの検証は益々の奥の細道でありましょう。

しかし、サイケおやじには、それは大いなる楽しみであり、今後もご紹介を継続させていただく所存です。

失礼致しました。
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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の拾壱

2019-11-23 17:23:31 | Jimi Hendrix

■2 Nights At The Fillmore 4th Show 9pm 1.1.1970
                                               / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)

  01 Bill Graham Introduction / Stone Free ◎
  02 Changes 
  03 Power Of Soul ※
  04 Message To Love
  05 Earth Blues ◎
  06 Machine Gun ◎

      ※バンド・オブ・ジプシーズ
      ▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
      ◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト

今や伝説のフィルモアイースト越年ライブも、ついに最終ステージを迎えたバンド・オブ・ジプシーズの凄さは益々苛烈!

この箱物5枚目CDは、それが存分に堪能出来る優れもので、音質もザクザクした生々しさがあって、しかもステレオ&モノラル、あるいはモノラルに近いステレオのミックスがトラック毎に混在していながら、物凄い勢いで迫ってきますから、リマスターがひとつのウリだった新装版の2枚組CDが大人しく思えるのがサイケおやじの偽りの無い気持ちです。

実際、この最終ギグの演奏はオリジナル編集のアナログ盤LPや前述のCDにも使われたほど充実していたわけですが、この箱物の音源で聴くと、自分自身への気合の入り方さえ違ってくるほどです。

それはド頭の「Stone Free」から大迫力にして激烈なライブ感に満ちていて、情念と不条理が入り混じったかのようなジミヘンのアーミング奏法が物凄いですねぇ~~!

いゃ~~、サイケおやじの稚拙な文章じゃ~~、とても説明不可能な世界ですよっ!

もちろんビリー・コックスもバディ・マイルスも自己主張と協調の二律背反をきっちり演じ分けていますから、ソウルミュージックとハードロックの幸せな結婚という「Changes」から「Machine Gun」まで、とにかく全ての演奏に圧倒されてしまうのは必至!

あくまでも個人の感想ですが、この箱物セットの中では一番に充実しているのが、この5枚目です。

あぁ、もはや何も言う事はありません。

そんな事は絶対に無いとは思いますが、もしもこれを聴いて何も感じないとしたら、失礼ながらロックを聴く感性や能力に……。

ど~か、皆様にも、お楽しみいただきたいと願うばかりでございます。

……続く。
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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の拾

2019-11-22 15:54:38 | Jimi Hendrix
■2 Nights At The Fillmore 3rd Show 7.30pm 1.1.1970
                                               / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)

  01 Bill Graham Introduction / Who Knows ※
  02 Machine Gun ※
  03 Changes
  04 Power Of Soul ◎
  05 Stepping Stone ◎
  06 Foxy Lady ▲
  07 Stop ▲◎
  08 Earth Blues
  09 Burning Desire ◎

      ※バンド・オブ・ジプシーズ
      ▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
      ◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト

さて、いよいよバンド・オブ・ジプシーズのお披露目ライブも2日目ともなれば、それなりに纏まり、リラックスしつつも相当に激した熱演が楽しめます。

それは初っ端の「Who Knows」から既に全開 ♪♪~♪

バンド紹介のMCに続いて始まる演奏からは何の気負い感じられず、それでいてジミヘンとバディ・マイスルのボーカルの掛け合いを追いかける様なギターソロが実に良い味出しまくり ♪♪~♪

しつこいようですが、本当にリラックスして弾きまくるジミヘンのギターソロから噴出するスリル、そして後半からはバディ・マイスルのスキャットボーカルがソウルジャズの領域に踏み込んだものならば、終始クールでシンプルなベースラインを提供し続けるビリー・コックスも潔く、最後の詰めへ突進するジミヘンのギターソロがちょい聴きには地味ですが、実は本当に「らしい」ジミヘン節で、このあたりがバンド・オブ・ジプシーズの狙いだったのかなぁ~~、と思いますが、いかがなものでしょう。

それは次の「Machine Gun」へも同じ雰囲気で継続され、いやぁ~~、それにしてもここでのギターソロは凄すぎますよっ!

バディ・マイルスのドラムスもリズムキープだけでなく、例のマシンガンの連射をイメージしたSEヒット(?)も冴えていますし、後半からの敲き語り(?)も熱く、さらにビリー・コックスの混濁した蠢きベースも土台作り以上の働きと思います。

あぁ~、この2曲が最初に出たアナログ盤LP「バンド・オブ・ジプシーズ」に採用されたのもムベなるかなっ!

ちなみに気になる音質はライン録りのモノラルミックスで、幾分厚みはありませんが、それゆえにエッジの効いた聴感はロックの基本姿勢として、なかなか聴き易いんじゃ~ないでしょうか。

ですから、ほとんどバディ・マイスルが独り舞台の「Changes」も快調で、当時の黒人ソウルショウの如きノリとハードロックの醍醐味が全開なんですが、ここで幾分引っ込んでいるジミヘンのギターは賛否両論? このあたりは近々発売予定のリマスター集成盤での扱いが楽しみでもあります。

そしてさらに盛り上がるのが新装版の2枚組CDにも入れられた「Power Of Soul」と「Stepping Stone」で、モノラルミックスではありますが、音に重量感と臨場感があり、素直にグッと惹きつけられますねぇ~~♪

バンドとしての纏まりもバッチリですよっ!

また問題のフェイク盤「バンド・オブ・ジプシーズ 2」に入れられた「Foxy Lady」と「Stop」にしても、こ~して自然の流れのステージライブ音源として聴けば、それなりの必然性と申しましょうか、やっぱりジミヘンのギターから放出される暴虐と熱気に圧倒されるのは言わずもがな、ここでもシンプルなバンドとしての勢いが結果オーライでしょう。

特に「Stop」は流石に新装版の2枚組CDに入れられたのも納得の名演で、これがジミヘンの目指していた新しき方向性と思えば、この興業以降、実質的に自然消滅してしまったバンド・オブ・ジプシーズという「幻」の質量の大きさが眩しいばかりです。

ところが続く「Earth Blues」が演奏途中のギターソロからのフェードインというテイクで、それがあまりにも凄いもんですから、勿体ないの残念無念!
 
実は以前に出ていたアナログ盤のブートから知れていた情報なんですが、この「Earth Blues」の前には「Hear My Train A-Comin'」が演奏されていて、それもここでは入っていない事から、おそらくはネタ元から既にダメになっていたのかもしれません。

ですから、このテイクの完全バージョンが出るのなら、サイケおやじは思わず手を合わせ、神様に感謝するに違いないと自覚しております。

いゃ~~、本当に凄いんですよぉ~~~!

演奏終わりのMCからして、これがステージ最後の演目だった様ですが、だとすれば「Burning Desire」はアンコールでしょうか、既に述べたとおり、ここでもリラックスムードが良い方向へと作用した快演で、しかもステレオミックスになっていますから、ジミヘンのボーカルの定位が動いたりもするんですが、それはそれとして、要所でリズムとビートが黒人ソウルミュージック丸出しになっていたり、ジャズ&フュージョンっぽくなっていたりして、なかなか面白く聴けると思います。

ということで、個人的には大好きなライブ音源であり、世評とは逆にバンド・オブ・ジプシーズの凄さを痛感させられたのは、全くこのおかげであります。

う~ん、リアルタイムの観客が羨ましくなるばかりですっ!
 
……続く。
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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の九

2019-11-20 15:23:56 | Jimi Hendrix
2 Nights At The Fillmore 2nd Show (conclusion)
                                               / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)

  01 Changes
  02 Message To Love
  03 Stop
  04 Foxy Lady
  05 Voodoo Chile
  06 Purple Haze

3枚目のCDは大晦日の2ndショウ後半部分を収録していますので、なかなか凄かった前半の勢いがそのまんまんまの演奏に接する事が出来ます。

まずはバディ・マイルスが主役を演じる「Changes」は、ソウルミュージックならではの思わせぶりとハードロックの激した熱情が混在しており、モノラルミックスながらも音がクッキリしているので、全体的に軽めの録音ではありますが、我知らず惹きつけられてしまいます ♪♪~♪

それは続く「Message To Love」でも同様で、ジミヘンのギターはリズムプレイ主体なんですが、当時としては相当に新しいロッキンソウルが展開されていますし、マイクテストを経ての「Stop」では、これまたソウルミュージックがモロ出しとなったボーカルの掛け合いから唸りまくるギターというあたりが、後のアイズリー・ブラザーズのスタイルに直結していると思えば、ここには新しいロックの萌芽が感じられるはずです。

ちなみにジミヘンは下積み時代にアイズリー・ブラザーズのバックバンドに雇われており、その頃に一緒にレコーディングした音源がジミヘン名義に近いタイトルで世に出ているのですから、さもありなん!?

ここに収録の上記3曲からは、それを強く想起させられるんですが、いかがなものでしょう。

そして迎える大団円は説明不要、エクスペリエンス時代の人気演目ですから、おそらくはアンコールのパートだったと推察しております。

だからでしょうか、音質がサウンドボード直結のラインからオーディエンス録音に切り替わっている様ですが、それなりに聴けてしまうのは、流石にジミヘンのギターが物凄く、バンド全体からも超ヘヴィなサウンドが噴出しているから!?
 
とにかく「Foxy Lady」は、演奏の進行やギターフレーズの妙が既に分かっているだけに安心感がありますし、「Voodoo Chile」を短く演じた後にメドレー形式で「Purple Haze」へと続けていくあたりのラフな質感も、ジミヘンのファンなればこその楽しみがあると思います。
 
ということで、ここでの前半は新しいロックを模索するジミヘンが後半ではお待ちかねの大サービスというプロ根性を表明しています。

気になる音質は既に述べたとおり、2枚目のCDを含めての大晦日越年ライブを楽しむには普通に聴けると思いますし、ラスト3曲がライン録りでは無いとしても、それについての文句悪態は時代性からしてもバチアタリと思います。

結局、このパートからはこれまで1曲もオフィシャルでのチョイスは無かったんですが、近々は世に出るリマスター集成盤は、それゆえに期待度が高くなっている理由のひとつかもしれません。
 
あぁ~~、凄く楽しみですっ!
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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の八

2019-11-18 19:09:47 | Jimi Hendrix
■2 Nights At The Fillmore 2nd Show Midnight 31.12.1969 ~ 1.1.1970
                                               / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)

  01 ツァラトゥストラはかく語りき / Also Sprach Zarathustra
  02 蛍の光 / Auld Lang Syne ◎
  03 Who Knows ◎
  04 Stepping Stone
  05 Burning Desire
  06 Fire
  07 Ezy Rider
  08 Machine Gun ◎
  09 Power Of Soul
  10 Stone Free

      ※バンド・オブ・ジプシーズ
      ▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
      ◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト
 
CD2枚目は、この興業の実質的なメインエベントであるリアルタイムの越年ライブから、その前半を収録してあります。

その始まりは如何にもという「ツァラトゥストラはかく語りき / Also Sprach Zarathustra」の効果音的BGMで盛り上げておいてのカウントダウンで、その場はすっかり出来上がったところから、いよいよジミヘンのギターによる「蛍の光 / Auld Lang Syne」が実にカッコイィ~~です。

告白すれば、その昔、サイケおやじは宴会で「独りジミヘン」というボンクラなギター芸をやらかしては顰蹙の嵐だったという前科前歴を重ねた過去があるんですが、性懲りも無く、この音源に接した後には、これを忘年会用にコピーしようと無謀な挑戦をやらかし、挫折しました……。

ですから、今でも「蛍の光」が流れてくると、発作的にジミヘンの熱いエモーションが蘇ってくるという、所謂パブロフの犬ってやつですよ、これは!

で、そんな事もあり、思い入れも強い音源なんですが、それはそれとして、やっぱり「蛍の光 / Auld Lang Syne」から「Who Knows」へと続く流れ、そしてそのナチュラルな熱気にはシビレが止まりません。

ジミヘン本人も即興で年越しの感慨(?)を歌っていますし、ギターが絶好調ならばドラムスもメリハリが効いていますよっ!

新装版の2枚組CDに選択収録されたのも納得するばかりなんですが、この箱物では時々音が遠くなるという不思議があります。

そして続く「Stepping Stone」はスピード感満点の演奏で、ギターも生々しく、狂おしいとは言いながら、実は音質そのものが幾分薄っぺらで、如何にもサウンドボード直結のライン録りの欠点というか、拍手歓声もほとんど引っ込んでいるので臨場感という点ではマイナスの印象です。

しかし、それでもテンションの高い演奏は続き、チューニングから始まるアップテンポの「Burning Desire」は、その短さからリハーサルみたいな完成度しかありませんが、バンドアンサンブルは至極カッコイイですよ ♪♪~♪

逆に言えば、だからこそ、エクスペリエンス時代からの十八番「Fire」が手慣れた雰囲気の中にも観客やリスナーを満足させるハードロック性感度は極めて高く、ギターが暴れまくれば、ドラムスもビシバシにパワーヒット! もちろんベースも土台を揺るがさんばかりの勢いです ♪♪~♪

う~ん、やっぱり新曲にも期待はしますが、こ~ゆ~人気演目はライブの現場の熱気には必要十分条件でしょうねぇ~~♪

ただし、音質的に、このトラックあたりからボーカルとコーラスのミックスが小さくなっているのは???

ですから思わせぶりにスタートする「Ezy Rider」ではバンドアンサンブル中心に聴いてしまうという、なんともバチアタリなサイケおやじではありますが、ジミヘンのギターに稚気を感じてしまうほどで、あぁ……、こんな不遜をお許し下さい。

特に終盤からのギターソロではスキャットの二重唱が絶品ですからっ!

そして始まる「Machine Gun」が、これまた凄いっ!

自らの激情を抑える様な慎み深いところから、抑えきれない気持ちの心情吐露、それが益々不条理を誘発させるんでしょうか、自暴自棄的な歌いっぷりとギターの合いの手、さらにはズルズルとジミヘンの術中に落とし込まれてしまうアドリブソロ!

これまた名演でしかありませんねぇ~~♪

しかし反面、続く「Power Of Soul 」のリラックスした雰囲気は、前半のボーカルパートがほとんど聞こえない事にも原因があろうかとは思いますが、終盤からの逆襲も聊か空しい感じが……。

だからでしょうか、17分超の長尺演奏を繰り広げる「Stone Free」では、その中に「Outside Woman Blues」や「Sunshine Of Your Love」等々の有名曲を押し込んで我々を楽しませてくれますし、バディ・マイルスの成り行き任せ的なドラムソロもありますが、そんな千変万化の展開の中で、ジミヘンのギターソロには全く飽きることがありません。

あぁ~~、本当に最高だぁ~~~!

と、例によってサイケおやじの独断と偏見が大爆発してしまうのも、全てはバンド・オブ・ジプシーズの魔力とご理解願えれば幸いでございます。

ということで、このパートは既に述べたとおり、ライン録音の欠点というか、観客の拍手や歓声が薄~くしか聞こえませんので、所謂臨場感に乏しく、音質的にも厚みが欲しくなる感じではありますが、それゆえにしっかりとバンドの音が堪能出来ますし、ほとんどモノラルミックスに近いので、音量の不安定さも、それほど気にならないと思います。

次回はCD3枚目で、このステージの後半部分を取り上げますので、最終的な事は、持ち越させていただします。

失礼致しました。
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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の七

2019-11-17 17:06:10 | Jimi Hendrix
■2 Nights At The Fillmore 1st Show 7.30pm 31.12.1969
                                               / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)
 
  01 Bill Graham Introduction
  02 Power Of Soul
  03 Lover Man
  04 Hear My Train A-Comin' ▲◎
  05 Changes ◎
  06 Izabella ◎
  07 Machine Gun
  08 Stop
  09 Ezy Rider
  10 Bleeding Heart
  11 Earth Blues
  12 Burning Desire

      ※バンド・オブ・ジプシーズ
      ▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
      ◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト

バンド・オブ・ジプシーズが1969年大晦日から敢行したフィルモアイースト年越しライブの計4ステージを収めた6CDボックスから本日は、その最初のステージの音源をご紹介致します。

まず、上記した演目から、バンド・オブ・ジプシーズと名乗るジミヘンの新バンドが「Lover Man」と「Hear My Train A-Comin'」、そして「Bleeding Heart」を除いて、エクスペリエンス時代の曲をやらず、つまりは新曲中心の演奏を披露している事は大きな注目点でしょう。

これには既に繰り返し述べて来たとおり、契約問題のゴタゴタを解決するために新曲だけのアルバムを作る必要があったからで、その義務を速攻で果たすにはライブレコーディングしか無いと追い詰められていたとしても、ジミヘンにはそれよりも前向きな気持ちがあったと、サイケおやじは思いたいのです。

なにしろジミ・ヘン(vo,g) 以下、ビリー・コックス(b,vo) にバディ・マイルス(vo.ds) というオール黒人のロックバンドですからっ!

という安易な思い込みは別にしても、マイケル・ブルームフィールド(g) と共にエレクトリック・フラッグというニューロックなバンドをやって白人層にも知られる様になったバディ・マイルスがジミヘンと組む以上、このライブに参集出来た観客の期待度は相当に高かったはずで、それだけでも幸せを感じたに違いありません。

そこでいよいよ始まった最初のステージをこのCDで聴いてみれば、開演を告げるMCに続いての「Power Of Soul」と「Lover Man」はボーカルが完全に近いほどにオフで、しかしそれだけバンド演奏のアンサンブルがきっちり確認出来るという、聊か苦しい結果オーライ……。

あぁ~~、カラオケみたいでも、やっぱり「Lover Man」はカッコイィ~~~!!

ちなみに収録音源のミックスは不安定なステレオとモノラルが混在しており、それでいて音質はエッジの効いたエグ味が痛切にロックを感じさせてくれますよ♪♪~♪

そしてジミヘンが十八番のスロウブル~ス「Hear My Train A-Comin'」はボーカルが正常に聞こえる様になった事もあり、思わせぶりと激情が交錯するギターも全開! 例の痙攣フレーズやフィードバック、さらにはリードとリズムプレイを一緒にやってしまうブルースギター本来の基本技もロック流儀で披露してくれますから、たまりません ♪♪~♪

当然ながらバディ・マイルスもビリー・コックスも、きっちり自己主張してツボを外していませんので、これは名演と言う他は無く、正規盤CDにも収録されるのは必然ではありますが、そこでのステレオミックスは左にギター、真ん中にドラムスとボーカル、そして右にベースが定位し、音質も厚みはあるものの、幾分優しい(?)感じになっているのは、ここでのモノラルでギスギスした音質に比べれば如何にも安全主義に思えますが、いかがなものでしょう。

ですから、短いジミヘンの短いMCからチューニングを経て始まるファンキーロックな「Changes」にしても、ここでは疑似ステレオ感の強いミックスでありながら、ベースの音がクリアに聞こえるので、本気でカッコイィ~~♪

そして益々熱いのがアップテンポの「Izabella」で、シンプルながら、これがロックだっ! っていうリフとウネるジミヘンのギターは最高ですよっ!
 
こ~して最初に訪れる大きな山場(?)が「Machine Gun」なんですが、何故か前曲が不思議な終わり方というか、全く拍手歓声が切られていて、その静けさの中でスタートする演奏はミディアムテンポながら、不条理に燃え上がった魂の叫び!? まさに情念のイタコ弾きの如きジミヘンのギターの凄みが堪能出来ますし、クールな地響きを感じさせるビリー・コックスのベース、反応が流石のバディ・マイルスのドラムスとの共謀関係も強烈な展開としか言えませんねぇ~~~!?!

また、続く「Stop」はR&B丸出しのハードロックとでも申しましょうか、バディ・マイルスのシャウトがソウルフィーリングに満ちているかと思えば、ジミヘンのギターはメロウな伴奏とオドロのアドリブソロが絶妙の対比を聴かせてくれますし、これこそバンド・オブ・ジプシーズの生身の姿なのかもしれません。

その意味では全く新しいタイプのロックになっている「Ezy Rider」は従来のブリティッシュロックとアメリカンハードロックが混在した不思議な世界でしょうか、ここからボーカルがまたまたオフ気味になり、録音全体も薄口になった印象なのは残念と思うほどに演奏そのものが凄いです!

アンサンブルの乱れも気にする事無くギターを弾きまくるジミヘンはテンパッているのかっ!?

という疑惑もございましょうが、次に披露される「Bleeding Heart」のブルース衝動は、唯一無二! ミディアムスローなテンポで繰り広げられるブルースロックがド真ん中の見事な演奏と思うばかりです。

う~ん、泣きじゃくるジミヘンのギターの狂おしさは最高!

そしてついに訪れる大団円は自己崩壊しそうな「Earth Blues」とジワジワっと迫って来る「Burning Desire」の新しき旅立ちで、明らかに未完成でリハーサル不足も露呈しながら、ここまで微熱に浮かされた演奏が出来てしまうあたりがクールで熱いと思うばかりです。

ということで、約70分ほどの演奏が楽しめるのですが、当然ながら拍手歓声やMCの部分は短くカットしてある事がモロ分かりとはいえ、全体の流れは納得して聴けますし、ボーカルが思いっきりオフになったり、あるいは引っ込んでいるトラックもありますが、如何にもロックっぽい音質は個人的に大好きです。

またレコーディングの状況は概ねライン録りと思われますが、時としてオーディアンス録音?

と感じさせられるほどに観客の声が大きく入っていたり、冒頭に述べたとおり、モノラルとステレオのミックが混在しているが故の疑似ステレオ的な音質も、近々世に出る予定の公式集大成盤では、その処理が大いに気なるところです。

もちろん、演奏そのものが素晴らしいので、ここでもノー文句で聴いてしまうんですが、とにかく期待が高まっているのでした。
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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の六

2019-11-15 14:23:17 | Jimi Hendrix
2 Night At The Fillmore East / Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)

 ☆Disc-1 / 1st Show 7.30pm 31.12.1969
  01 Bill Graham Introduction
  02 Power Of Soul
  03 Lover Man
  04 Hear My Train A-Comin' ▲◎
  05 Changes 
  06 Izabella 
  07 Machine Gun
  08 Stop
  09 Ezy Rider
  10 Bleeding Heart
  11 Earth Blues
  12 Burning Desire

 ☆Disc-2 / 2nd Show Midnight 31.12.1969 ~ 1.1.1970
  01 Also Sprach Zarathustra
  02 Auld Lang Syne 
  03 Who Knows 
  04 Stepping Stone
  05 Burning Desire
  06 Fire
  07 Ezy Rider
  08 Machine Gun 
  09 Power Of Soul
  10 Stone Free

 ☆Disc-3 / 2nd Show (conclusion)
  01 Changes
  02 Message To Love
  03 Stop
  04 Foxy Lady
  05 Voodoo Chile
  06 Purple Haze

 ☆Disc-4 / 3rd Show 7.30pm 1.1.1970
  01 Bill Graham Introduction / Who Knows  
  02 Machine Gun  
  03 Changes
  04 Power Of Soul ◎ 
  05 Stepping Stone 
  06 Foxy Lady ▲ 
  07 Stop ▲
  08 Earth Blues
  09 Burning Desire 

 ☆Disc-5 / 4th Show 9pm 1.1.1970
  01 Bill Graham Introduction / Stone Free  
  02 Changes ※ 
  03 Power Of Soul ※ 
  04 Message To Love
  05 Earth Blues 
  06 Machine Gun 

 ☆Disc-6 / 4th Show (conclusion)
  01 Voodoo Chile 
  02 We gotta Live Togeter ※
  03 Wild Thing 
  04 Hey Joe
  05 Purple Haze

      ※バンド・オブ・ジプシーズ
      ▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
      ◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト
 
掲載したのは、これまで述べたとおり、1969年大晦日~1970年元日に開催されたニューヨークはフィルモアイーストでの2日間、計4ステージを演じたバンド・オブ・ジプシーズの音源を6枚のCDに収めた箱物で、発売されたのは確か、2007年でありました。

しかし、これは決して純粋な(?)ブートではなく、それでいてジミヘンの財団「Experience Hendrix」から公認されてもいない、所謂ハーフオフィシャルな商品でありながら、ファンや信者を納得させるだけの質量が確かにあって、それは基本的にはサウンドボードと思しき音質の安定性と申しましょうか、普通に聴けるライブ盤であり、さらにチューニングやMC等々が実際のステージ進行を追体験させてくれますから、たまりません♪♪~♪

つまり、そのまんまに近いナチュラルな音源であるがゆえに、各楽器や各人のボーカルのバランスが悪い部分も確かにあるんですよ。

それでも、リスナーを満足させてしまうのは、やはりジミヘンの魔力であり、全てを乗り越えていくギターとボーカル、さらにはバンド・オブ・ジプシーズという短命に終わった真正ブラックロック(?)のバンドが最も激しく堪能出来る音源!

それに尽きると思うばかりです。

そして当然ながら、近々発売が予定されている公認リマスターによる集成音源集との比較も大いに楽しみである以上、サイケおやじとしては、この箱物CDを今後、少し詳しくご紹介させていただく所存でござます。

ちなみに、この元ネタになっている音源ソースは決してオフィシャルに録音されたテープからでは無いと思いますが、一説によれば、件の正規録音マスターテープは紛失したとか、盗まれたとか、様々な裏事情があるらしく、例えそれがこの6CD盤に用いられたとしたら、音のバランスの良くないトラックが混在しているのは、これ如何に!?

そんなこんなも含めて、バンド・オブ・ジプシーズに対する興味と期待は膨らむばかりあります。
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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の五

2019-11-13 17:17:08 | Jimi Hendrix
Hendrix Live At The Fillmore East / Band Of Gypsys (Experience Hendrix / Universal = CD)

 ☆Disc-1
  01 Stone Free (1970年1月1日:2nd show)
  02 Power Of Soul (1970年1月1日:1st show)
  03 Hear My Train A Comin' (1969年12月31日:1st show)
  04 Izabella (1969年12月31日:1st show)
  05 Machine Gun (1970年1月1日:2nd show)
  06 Voodoo Child (1970年1月1日:2nd show)
  07 We Gotta Live Together (1970年1月1日:2nd show)
 ☆Disc-2
  01 Auld Lang Syne (1969年12月31日:2nd show)
  02 Who Knows (1969年12月31日:2nd show) 
  03 Changes (1969年12月31日:1st show)
  04 Machine Gun (1969年12月31日:2nd show)
  05 Stepping Stone (1970年1月1日:1st show)
  06 Stop (1970年1月1日:1st show) 
  07 Earth Blues (1970年1月1日:2nd show)
  08 Burning Desire (1970年1月1日:1st show)
  09 Wild Thing (1970年1月1日:2nd show)

いよいよバンド・オブ・ジプシーズの全容解明に向け、これまで混乱と商魂が入り混じった状況の中で世界中を騒がせて来た経緯は、凡そ前回までに述べたつもりですが、ついに近々、フィルモアイーストにおける年越しライブ音源がリマスター集成される運びとなり、あらためて現在までの様々な音源を聴いております。

で、本日取り出したのは、1999年に公式発売された2枚組CDで、その内容はバンド・オブ・ジプシーズが前述のライブギグで残した4ステージ分の音源から選び抜かれたトラックを、あたかも一夜のショウの如く纏めたにライブ盤の体裁になっています。

そして特筆すべきは、まず公式&非公式に出回っていたアナログ盤やCDと比べて、抜群に音が良くなっている事で、これはジミヘンの復刻作業に関わっているエディ・クレイマーの手腕であろうと思えば、流石はジミヘンの遺族が運営している財団「Experience Hendrix」が公認しているだけの事はあります。

同時に収録トラックのほとんどが公式には初出という快挙で、これまでに聴けた「Hear My Train A Comin'」や「Stop」にしても、既に述べたとおり、トンデモ盤の「バンド・オブ・ジプシーズ 2」とは雲泥の差という大迫力! また「We Gotta Live Together」にしても、初出盤「バンド・オブ・ジプシーズ」よりも演奏時間が長くなっているので、それは編集バージョンであった事が確定されています。

ご存知のとおり、このライブがレコーディングがされたのは、ジミヘンの契約問題の拗れを解消する目的があった事は以前に書いたとおりですので、必然として新曲が求められていた前提に鑑みれば、場当たり的に作り出した演奏もあったかもしれませんが、ジミ・ヘン(vo,g) 以下、ビリー・コックス(b,vo) にバディ・マイルス(vo.ds) というトリオ編成のバンド・オブ・ジプシーズとして、それなりに積み重ねたリハーサルやスタジオレコーディングの成果は確かに出ている事が、この新装版2枚組CDを聴けば納得されるように思います。

中でも2枚目の冒頭、新年を迎えるアナウンスとカウントダウンに至る観客のざわめきから「Auld Lang Syne / 蛍の光」が演奏され、そのまんまナチュラルなグルーヴを湛えて「Who Knows」へ入って行く期待値の高い緊張感、さらにロッキンソウル全開の「Changes」から収拾不能気味の「Machine Gun」へ続く流れは感度良好 ♪♪~♪

また、1枚目ド頭の「Stone Free」の爆裂演奏にもシビレますっ!

しかし、上記した収録トラックの演奏データからもご推察のとおり、実は曲毎に終わりと始まりにフェードアウト&フェードインが確かにあり、それは観客の拍手歓声の部分だったとしても、もう少し臨場感を大切にした編集が望まれるところ……。

実はブートやハーフオフィシャルとして出回っている4回のステージ毎に「通し」で聴ける無編集音源(?)が、この公式2CD盤が登場した後にも熱烈に支持されているのは、当然ながらジミヘンの凄さを少しでも完璧に堪能したいという欲望が基本ではありますが、さらに自然なライブ感が求められているからでしょう。

そのあたりが冒頭に述べた発売予定のリマスター集成盤で、どのようになっているのかにも大きな意味合いを感じるところです。

また、書き遅れてしまいましたが、この2CD盤と同時期には、なんとっ!

一部ではありますが、このフィルモアイースト公演からの映像も発売されていて、サイケおやじは、またまたそこで新しい事実に気づかされたのですが、今回はここまでにさせていただきます。

最後になりましたが、やはりバンド・オブ・ジプシーズはリズムとビートがシンブルで重い分だけ自由度も高い印象で、どっしり打ち出される8ビートや反復リズムからは間違いなく黒人だけのファンクな感性が噴出している事を思い知られました。

この2CD盤には「Machine Gun」が2テイク収められていますが、そのあたりを感じつつ聴き比べというか、それぞれに異なる思惑で情念を爆発させるジミヘンに対し、クールで熱いリズムとビートで対抗するビリー・コックスとバディ・マイルスのシンブルなファンク魂!

個人的には1枚目の「Machine Gun」から「Voodoo Child」へと続く混濁と激情の嵐に中毒しているのでした。
 
……続く。
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ジミヘン永久のブルース衝動

2017-09-18 16:14:28 | Jimi Hendrix
Martin Scorsese Presents The Blues / Jimi Hendrix (Experience Hendrix / MCA = CD)

 01 Red House (USA stereo version) ★
 02 Voodoo Chile
 03 Come On
 04 Georgia Blues (with Lonnie Youngblood) ※
 05 Country Blues
 06 Hear My Train A Comin'
 07 It's Too Bad
 08 My Friend ▲ ▼
 09 Blue Window (with Buddy Miles Express) ※
 10 Midnight Lightning
   ★Smash Hits (US LP & CD)
   ■Electric Ladyland (LP & CD)
   ▲The Cry Of Love (LP)
   ●South Staurn Delta (CD)
   ▼First Rays Of The New Rising Sun (CD)
   ◎The Jimi Hendrix Experience (4CD Box)
   ※未発表

本日はジミ・ヘンドリックスの命日ですので、追善企画としてご紹介は、2003年に編まれた掲載のコンピレーションCDなんですが、それはタイトルどおり、ブルースに特化したアルバムとはいえ、既に1994年に出ている「ブルース」とは全くの別物であり、その真相はドキュメント映画「Martin Scorsese Presents The Blues」のタイアップ商品ながらも、なんとっ!?!

未発表曲が入っていたという、なかなか侮れないオムニバス盤です。

その収録内容については、簡単な分類も含めて上記したとおり、既出音源がメインではありますが、なかなか味わい深い選曲はニクイところですし、良く聴けばミックス違いやリマスターの妙も楽しめるという優れもの♪♪~♪

例えばド頭の「Red House」は、イギリスにおけるエクスペリエンスの1st アルバムに収録されたオリジナルテイクとは異なる、アメリカ盤ベストアルバム「スマッシュ・ヒッツ」に入っていたステレオミックスのバージョンであり、さらにCD時代になっての1993年にアラン・ダグラスによってエコーが強調されたリマスターバージョンをまたまた手直ししたような新バージョン!?!

ちなみにジミヘンの遺族が監修する現行CDでは、2010年に再発された1st アルバム「アー・ユー・エクスペリエンスト?」、また同じく前述した1994年のオムニバス盤「ブルース」にはモノラルミックスで収録されているのですから、その意図は不明ながらも、聴き込む楽しみは尽きる事がありませんし、何よりもジミヘンのエレクトリックなブルース魂には悶絶させられますよねぇ~~♪

う~ん、やっぱり白人が演じるブルースロックとは一線を画するもと思うばかりです。

ですから、その意味も含めて、1969年2月に開催された例のロイヤル・アルバート・ホールにおけるライブギグのリハーサルテイクと云われる「Hear My Train A Comin'」のテンションの高さは圧巻で、こ~ゆ~ソリッドなノリこそがジミヘンの真骨頂でしょう。

そして気になる未発表曲では、まず「Georgia Blues」がR&B畑のロニー・ヤングブラッド(vo,as) との共演で、その1969年3月19日に録られたソウルフルなセッションは黒人音楽の正統に基づいた熱気が大いに魅力♪♪~♪ おそらくバックを務めた面々はロニー・ヤングブラッド配下のバンドメンバーと思われますが、なかなかツボを押さえたミディアムテンポの演奏は素晴らしく、ジミヘンのギタープレイも過激さよりは味わいを深めた印象があるところは、完全にサイケおやじの好みです♪♪~♪

一方、「Blue Window」は1969年3月、バンド・オブ・ジプシーズの盟友となるバディ・マイルス(vo,ds) が率いるバディ・マイルス・エクスプレスのレコーディングに参加した時と思われる、12分超のジャムセッション風な演奏なんですが、ホーンセクションもリズムセクションも単調で些かケジメが無い感じですし、ジミヘンもそれほど冴えたフレーズは弾いていないという印象……。

う~ん、まあ、そんなこんなの日常が繰り返されていたのも、今となっては貴重な歴史というところだと思います。

ということで、既にジミヘンが夭折してから47年忌……。

未だにサイケおやじは故人の天才と魔法の呪縛から逃れる事は出来ませんし、また、逃れようとは微塵も思いません。

ですから、発掘や再発の音源集が出る度にそれを入手し、端座して鑑賞する儀式は自分の人生における神聖な時間と書けば、皆様からの失笑も覚悟しております。

そして本日は早朝から、掲載のCDを鳴らしているのでした。

あぁ……、ジミヘンは不滅!
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バンド・オブ・ジプシーズの切実:其の四

2016-11-19 15:24:22 | Jimi Hendrix
Band Of Gypsys 2 (Capitol)
 
 A-1 Hear My Train A Comin'  (1969年12月31日:1st show)
 A-2 Foxy Lady  (1970年1月1日:1st show)
 A-3 Stop  (1970年1月1日:1st show)
 B-1 Voodoo Child (1970年7月4日:アトランタ・ポップ・フェスでの録音)
 B-2 Stone Free (1970年5月30日 / 2nd show:バークレーでの録音)
 B-3 Ezy Rider (1970年5月30日 / 1st show:バークレーでの録音)
 
バンド・オブ・ジプシーズのデビューアルバムはニューヨークにあったフィルモア・イーストにおけるライブ盤だったので、当然ながら2日間で4ステージ分の音源が公式レコーディングされたという情報も伝えられたのですから、ジミ・ヘンドリクス=ジミヘンの死後、あれやこれやと出される遺作の中でも、1986年に突然発売された掲載の続篇盤には、大いに期待するものがありました。
 
なにしろ、既にその一部はブートで出回りながら、例によって劣悪な音質でしたから、それが正規盤で出されるのならば、絶対に凄いはずっ!
 
と思い込んで速攻ゲット!
 
そのレコードに針を落とす瞬間のワクワク感は今も忘れ難いんですが、実は案の定というか、肩すかしの結果は残念無念……。
 
それがサイケおやじの偽りのない気持ちです。
 
と書いたのも、上記した収録データをご覧になれば皆様にも納得されると思います。
 
肝心のリアルなバンド・オブ・ジプシーズの演奏はA面だけで、B面はバディ・マイルスが抜け、ミッチ・ミッチェルが帰参したニュー・エクスペリエンスの演奏だったんですねぇ~~!?!
 
しかも当時不思議に思ったのが、「Foxy Lady 」と「Stop」の2曲がなんとっ! ビデオから音声だけを抜き出して使ったというのですから、そんな映像が残っているのかっ!?
 
いゃ~、サイケおやじの気持ちは本当に穏やかではありませんでした。
 
で、気になる演奏内容は、まず十八番のスロ~ブル~ス「Hear My Train A Comin' 」はモノラルに近いミックスながら、やはりジミヘンのギターは凄いの一言!
 
しかし「Foxy Lady」は賛否両論かもしれません。
 
というのも、この曲はミッチ・ミッチェルが敲いているバージョンが幾つも耳に馴染んているので、サイケおやじとしても、シンプルなバディ・マイスルのドラミングには違和感が未だ打ち消せず、ど~してもバディ・マイルスだけが好き勝手にやっている感じで、なんともジミヘンとの相性の悪さが露呈しているんですねぇ……。
 
ところが反面、それゆえにジミヘンのギターが妙に孤立、あるいは浮遊しているような感じで、その点からすれば、なかなか面白いテイクかもしれません。
 
その意味で痛快なのが「Stop」で、とにかく低重心のビートを提供するビリー・コックスとバディ・マイルスの存在感が強いところから、ジミヘンも明らかにエクスペリエンスとは異なるアプローチ、そのアクセントの付け方が新鮮に聴こえるんですねぇ~♪ バディ・マイスルとジミヘンのソウルフルなボーカル&コーラスの掛け合いも良い感じ♪♪~♪
 
ただし、それゆえに所謂ロックっぽさが薄れているところも確かにあって、バンド・オブ・ジプシーズが一般ウケしなかった理由も、それかなぁ……。
 
そしてこの2曲は既に述べたとおり、ビデオからの音源という事で、音質も良くありません。
 
あぁ……、なんて中途半端な仕事をやるのかなぁ~、当時の制作スタッフはっ!?
 
しかも、1991年頃に出たバンド・オブ・ジプシーズの再発CDに、このA面3曲がボーナストラックで入れられた時でさえ、音質の改善は曖昧だったというテイタラクは何でだよぉ~~!?
 
と長い間、サイケおやじは嘆いていたわけですが、1999年になって、それが解消された事は皆様ご存じのとおりですから、とりあえず今はここまでと致します。
 
また、問題となったB面収録の3曲は、発売当時に正規未発表とされていたライブ音源なんですが、とにかくミッチ・ミッチェルの復帰ゆえに安心感があるのは確かで、特にバークレーでの演奏は凄まじい限り!
 
まさに、これぞっ! ジミヘンっ!
 
という快演が楽しめますが、逆に言えば、そこに留まっている事も確かで、結局は答えを出せずに逝ってしまった天才を偲ぶだけというのも、ファンにとっての悲喜こもごもでありましょう。
 
ところで、このアナログ盤LPにはジャケットの仕様もカタログ番号も同じでありながら、収録曲が異なるブツが実在し、如何に記すのは、そのデータです。
 
 A-1 Hear My Train A Comin' (1969年12月31日:1st show)
 A-2 Voodoo Child (1970年7月4日:アトランタ・ポップ・フェスでの録音)
 A-3 Stone Free (1970年5月30日 / 2nd show:バークレーでの録音)
 B-1 Easy Rider (1970年5月30日 / 1st show:バークレーでの録音)
 B-2 Hey Joe (1970年5月30日 / 2nd show:バークレーでの録音)
 B-3 Hey Baby (1970年5月30日 / 2nd show:バークレーでの録音)
 B-4 Lover Man (1970年5月30日 / 2nd show:バークレーでの録音)
 
どうです、これってリアルなバンド・オブ・ジプシーズの演奏はド頭の1曲だけという、詐欺まがいの売り方でしょう。
 
もちろん、今となっては収録トラックの全てが手軽に聴けますが、当時こんなものが堂々と流通していたのも、それだけジミヘンの天才性が認められ、ファンがそれを渇望する以上、商売優先のレコード会社ばかりを責められはしないわけで、そこには殊更バークレーでの凄いライブ音源に身も心も奪われてしまう現実があるのですからっ!
 
ということで、またまたの罪作りをやらかしたバンド・オブ・ジプシーズではありますが、そのあたりの事情にジミヘン本人の意思が入っていないのですから、分かってはいても何かを期待するリスナーやファンは、じっと我慢するのも次なる喜びに繋がるものなのです。
 
もちろん、そんなこんなの戯言を書いているのも、現在はバンド・オブ・ジプシーズを取り巻く状況が諸々良い方向へと進んだ歴史を知っているからでして、まさか世紀を跨いで聴き続けることが出来るなんてのは、正夢の結実だと思います。
 
……続く。
 
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