■女の意地 / 平浩二 (テイチク)
掲載したのは、これこそが昭和45(1970)年10月、西田佐知子の十八番「女の意地」のカバーバージョンをA面に収録して出された平浩二のシングル盤なんですが、どの程度、その経緯に関連しているかは不明なれど、同時期には松原智恵子主演による日活映画「女の意地(斉藤光正監督)」が制作されており、翌年5月にダイニチ配映から封切られた、その主題歌に用いられておりましたから、当然ながら、平浩二も歌手役で出演しておりましたですねぇ~♪
で、平浩二が歌った「女の意地」は昭和45(1970)年末からジワジワとヒットしていたんですが、個人的な記憶としては、発売翌年春から更なる人気を集めていたのは、前述した映画「女の意地」との相関関係も無視出来ないのかもしれません。
なにしろ件の作品には主演・松原智恵子に対し、夏純子、沢知美、戸部夕子、さらには梶芽衣子、浜木綿子、森みどり等々が登場して花を競い、夜の銀座を舞台に華やかな女の世界の愛憎&哀愁の人間模様が描かれている傑作でして、サイケおやじとしては、美しすぎる松原智恵子よりも、ギラギラした夏純子に惹かれてしまったほどですが、こ~ゆ~素敵な映画が斜陽期の日活でも、当たり前に制作されていた事は感慨深いところです。
ちなみに前述した「ダイニチ配映」とは、既に興行システムに行き詰っていた日活と大映が設立した会社であり、確か昭和45(1970)年から日活・大映の新作1本づつを抱き合わせて封切公開していたんですが、それも結局は不振を打開するまでには至らず、皆様ご存じのとおり、大映は倒産……。
そして日活はロマンポルノに活路を見出し、昭和50年代の我が国映画会社の中では、ほとんど「一人勝ち」状態へと突き進んだ事は、今や歴史でしょうか。
閑話休題。
さて、そこで気になるのは鈴木道明が作詞作曲した、楽曲としての「女の意地」のオリジナルとカバーバージョンの比較について、まずは川上義彦のアレンジによる西田佐知子のバージョンは、ミディアムテンポでアンニュイな情念が滲む如何にもムード歌謡がド真ん中という仕上がりで、全くノー文句の傑作だと思うばかりなんですが、一方の平浩二のカバーバージョンは有明春樹の編曲より、イントロからトランペットが幾分ドギツイ雰囲気を設定しているあたりは、オリジナルのジャジーな雰囲気よりは、ド演歌に傾いた味わいが、これはこれでイイ感じ♪♪~♪
なによりも平浩二の持ち味である「歌心」が存分に発揮されていたからこそのヒット作になったんじゃ~ないでしょうか、サイケおやじは好きです (^^♪
また、ついでに言わせていただければ、前述した映画「女の意地」を鑑賞すれは、尚更に感情移入が出来るかもしませんよ。
現在ではDVD化されておりますし、アマゾンプライムでも放映されていましたので、気になる皆様には、ぜひっ!
ということで、来週からは新年度、加えて桜が満開の今週末であればこそ、人の心にも花が咲くはずなんですが、現実は諸々ですから…… (^^;
前を向くのも、現在の幸せを見つけ出すのも、日々の暮らしの豊かさに繋がる意気込みと思っているのでした。