OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

サイケデリックな夢こそ幸せ

2023-09-10 18:02:29 | Rock

サイケデリック・ドリーム / The Ventures (Liverty / 東芝)

現在では「懐かしロック」なぁ~んて揶揄されるベンチャーズではありますが、昭和40年代には常に我が国へ本物のロックサウンドを届けてくれた、その功績は絶大の極み!

ですから、エレキインストをやっていても、決してロックンロールやサーフィン、カントリーロック等々には留まらず、既に日本での大きな人気と並行して制作していたスタジオセッションから世に出したレコードに最新流行のサイケデリックロックが刻まれていた事実は、例え賛否両論があろうとも、それは言うまでもなく、侮れるものではありません。

本日掲載のシングル盤は、そ~した先進的なベンチャーズが、1967年に出したLP「これがサイケデリック・サウンド / SUPPER PSYCHEDELICS」から、おそらくは我が国独自にシングルカットされた1枚なんですが、ど~です、このジャケ写デザインだけで、いきなりシビレさせられますよねぇ~~ (^^♪

そして肝心の収録A面曲「サイケデリック・ドリーム / Endless Dream」はノーキー・エドワーズ(g)、ドン・ウィルソン(g)、ボブ・ボーグル(b,g)、メル・テイラー(ds) というベンチャーズ黄金時代の面々が共作した如何にものベンチャーズメロディをベースにしつつも、イントロでのエレクトリックなシタールみたいな雰囲気フレーズ、そして幾層にも重ねられたリード&リズムギターの味わいは現代の耳で聴いても、なかなかにサイケデリックじゃ~あぁ~りませんかっ!?

―― と、書いてしまったのは、実は本日の高齢者バンドの練習において、何時ものエレキインストでやっている幾つかの持ちネタにサイケデリック風味を入れてみようという、まあ……、これはサイケおやじの我儘な提唱をメンバーが受け入れてくれた、ありがたい成り行きでありまして、そこで言い出しっぺのサイケおやじが周到に準備して持参したのが、このベンチャーズが演じた「サイケデリック・ドリーム / Endless Dream」の音源ファイルでありました (^^;

もちろん、やってみれば、あらためて述べるまでもなく、半端なく難しいのが雰囲気の出し方であり、テキトーに場当たり的なフレーズや音を出すだけじゃ~~、クダクダな演奏でしかありませんからねぇ…… (^^;

いゃ~~、流石はプロのスタジオセッションと驚嘆させられるとはいえ、この音楽センスやアイディアの纏め方には平身低頭のサイケおやじであります。

ちなみに前述のLP「これがサイケデリック・サウンド / SUPPER PSYCHEDELICS」は何故か日米で収録曲が多少異なり、曲順も変えられているという罪作りな仕様ではありますが、内容の深~い味わいは聴くほどに感銘が大きくなるばかり ♪♪~♪

そこには多重録音、テープの逆回転、多種多様なエフェクターやエコー等々が用いられているのは言わずもがな、レコーディングの技術や方法論までも含めて、1960年代中・後期の音作りの様々な秘密(?)が、ぎっしり詰まっていると思っておりますので、拙サイトでは追々ご紹介の所存ではありますが、気になる皆様には、ぜひとも、お楽しみいただきたい名盤ですよ、これはっ!

ということで、好きな事をやれる時間が持てる事ほど、幸せはありません。

もちろん、人は環境では幸せにはなれないわけですが、個人の気持は夫々多様でしょう。

成り行きまかせも、そのひとつかもしれませんねぇ。

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エレキを弾けばチェッチェッチェッ

2023-04-22 19:29:16 | Rock

チェッチェッチェッ c/w 恋をするなら / Thr Astronatus (日本ビクター)

我が国が本格的なロックの夜明けを迎えたのは、昭和40(1965)年に大爆発の社会現象となった所謂エレキブームだった事は、あらためて述べるまでもない歴史的事実であり、殊更象徴的なバンドはベンチャーズとされておりますが、しかし、その端緒は昭和39(1964)年に日本独自のシングルヒット「太陽の彼方に / Movin'」を放ったアストロノウツという真実も揺るがせに出来ないものでしょう。

ですから、昭和40(1965)年1月2日からのベンチャーズとジョイントの来日巡業も超満員の大盛況だった事は言わずもがな、そんなこんなの盛り上がりに影響された我が国の歌謡曲が前年から続々と制作発売されていた中にあって、殊更大ヒットしたのが昭和39(1964)年秋に出た橋幸夫の「チェッチェッチェッ」でしたから、有名外タレに日本の人気曲をレコーディングさせるという当時の慣例に則り、ついに件の来日時にアストロノウツが吉田正の書いた「チェッチェッチェッ」をスタジオセッションで作り上げたとしても、何らの不思議も無かったのが、これまた昭和歌謡曲と洋楽の素敵な関係でありましたですねぇ~~ (^^♪

で、掲載したのは、そ~ゆ~経緯というよりも、半ば自然の成り行きみたいな感じで発売されたアストロノウツのシングル盤で、A面には前述「チェッチェッチェッ」、そしてB面には、これまた橋幸夫の代表曲にして元祖ビート歌謡の「恋をするなら」のエレキインストが収められているんですから、たまりません (^^♪

サイケおやじは乏しい小遣いを工面して、速攻でゲットしてしまった鮮烈な思い出の1枚というわけです。

そこで肝心のA面曲「チェッチェッチェッ」は橋幸夫のオリジナルバージョンからして、アストロノウツの「太陽の彼方に / Movin'」で日本人に刷り込まれていた例の「ノッテケノッテケ」のリフとビートを巧みに練り込んだ傑作でしたから、それを本家アストロノウツが演じる事に齟齬等あろうはずもなく、イントロからリバーブ全開の元祖「ノッテケノッテケ」を演じるのは美しい「お約束」であり、まんまアップテンポで痛快に弾きまくる、これぞっ!

エレキインストの楽しみが存分に味わえる仕上がりであり、気になる「チェッチェッチェッ」のキメはドラムブレイクでやっちまっているところは、まあ……、今となってはベンチャーズのサーフ物では十八番となっいる弦擦りの「キュッキュッキュッ」というサウンドエフェクトで聴かせて欲しかった気はするんですが、やっぱりサイケおやじは少年時代から今に至るもシビレは収まる気配が全くありません (^^♪

ちなみにジャケットスリーブ裏に記載の解説によれば、録音セッションは前述来日時の1月14日午後4時から東京のビクタースタジオで始まったそうで、しかも作曲者の吉田正が現場に顔を出し、プロデュースに近い仕事もやっていたそうですから、この仕上がりも当然が必然でありましょう (^^♪

これまで度々、世間一般の常識として、アストロノウツは演奏力においてベンチャーズには遥か及ばない存在とされておりますが、それはそれとして、ここでのエレキインスト版「チェッチェッチェッ」は充分に彼らの個性を発揮した名演だと思います (^^♪

ですから、やはり橋幸夫に吉田正が提供し、特段のヒットになった「恋をするなら」にしても、程好い遊び心を交えながら、しっかりとミディアムテンポのロックグルーヴを発散させているんですから、侮れませんねぇ~~♪

しかし、このテイクは前述した日本でのレコーディングではなく、後日ハワイで制作した音源だったという逸話が、やはりジャケットスリーブ裏解説に記載されており、だとすれば、ボブ・デーモン(g)、リッチ・フィフィールド(g)、デニス・リンゼイ(g)、ストーミー・パターソン(b)、ジム・ギャラガー(ds) という当時のアストロノウツに加えて、助っ人のセッションプレイヤーが参加している様に思うんですが、いかがなものでしょう。

それでも、リッチ・フィフィールドのリードギターをメインにしたアストロノウツならではのサウンドは不変ですよねっ!?!

ということで、本日は高齢者バンドの練習に参加出来まして、ついついエレキインストに我を忘れてしまいました (^^♪

もちろん、掲載盤からデジタルファイルを作成し、メンバーに配布~練習という流れを目論み、喜ばれたのが嬉しくて、最近の仕事の疲れも癒されました。

感謝するばかりです。

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レイラの呪縛

2022-08-08 17:08:37 | Rock

いとしのレイラ / Eric Clapton (Polydor)

   A-1 Looked Away
   A-2 Bell Bottom Blues
   A-3 Keep On Growing
   A-4 Nobody Knows You When You're Down And Out / だれも知らない
   B-1 I Am Yours
   B-2 Anyday
   B-3 Key To The Highway / ハイウェイへの関門
   C-1 Tell The Truth
   C-2 Why Does Love Got To Be So Sad ? / 恋は悲しきもの
   C-3 Have You Ever Loved A Woman / 愛の経験
   D-1 Little Wing
   D-2 It's Too Late
   D-3 Layla / いとしのレイラ
   D-4 Thorn Tree In The Garden / 庭の木

所謂ロック名盤選において、必ずや推挙されるのが、エリック・クラプトンがデレク&ドミノス名義で1970年末に出した、この「いとしのレイラ」の邦題も面映ゆい2枚組LP「Layla And Other Assorted Love Songs」でありましょう。

もちろん、サイケおやじも吝かではありません。

実際、エリック・クラプトン(vo,g) がボビー・ホイットロック(vo,key) 、カール・レイドル(b)、ジム・ゴードン(ds)、そしてデュアン・オールマン(g) と刻み込んだ上記演目は全く捨て曲が無い、本当に充実したロックの聖典集だと思うばかりなんですが、今や歴史的認識として、この名盤アルバムは当初、全く売れず、評論家の先生方ばかりか、一般のロックファンにさえ軽視されていた現実は、サイケおやじの周辺でも、そのとおりでありました。

というのも、これは以前にも書きましたが、エリック・クラプトン本人がクリーム解散後に我々ファンが望んでいた爆発的なギターを聞かせてくれるレコードを出していなかった悪因悪果であり、例えばブラインド・フェィスでのヘタレから、ジョン・レノンのプラスティック・オノ・バンドへの参加、そしてリアルタイムの日本じゃ~、ほとんど知る人も僅かだったデラニー&ボニーのバックバンドに加入しての巡業等々が洋楽マスコミによって報じられたところで、やっと発売されたエリック・クラプトンの初リーダーアルバムが、これまた裏切り連鎖……。

しかし、その頃、高校生になったばかりのサイケおやじには、件のアルバム「エリック・クラプトン」が自分の感性に合っていたというか、経済的な問題から、聴きたくても聴けなかった現実が、入れてもらっていた校内同好会バンド組の先輩の尽力によって 好転し、貸していただいたLPは滋養強壮!?

ところが同時期の、つまり昭和46(1971)年春の我が国では、ひっそりと世紀の名盤「いとしのレイラ / Layla And Other Assorted Love Songs」が欧米とは約5カ月遅れで発売されていたんですねぇ~~!

いゃ~、これは本当に「ひっそり」って感じだったと思いますねぇ~~。

とにかく、エリック・クラプトン云々って話題性が薄かったいう印象があり、また当時は他に人気が爆発していたロックバンドやミュージシャンが目白押しだった洋楽状況がありましたからっ!

もちろん、時代的には既にロックもアルバムをメインに聴かれる状況になっていたはいたものの、現実的にはLP単位で勝負するバンドやボーカリストであったとしても、そこからカットされる先行シングルのヒットの大小によって、アルバムそのものの売れ行きが左右されていた真相に鑑みれば、デレク&ドミノスの歌と演奏には明らかにシングル向きの楽曲が無く、当然ながら、今や超名曲の「いとしのレイラ / Layla」にしても、当初は饒舌で長尺な演奏時間がマイナスの要因となり、ラジオの洋楽番組でさえも敬遠されていたんですねぇ~!?!

そこで欧米では、例の官能的なピアノとギターの絡みが美しい後半のインストパートをカットして編集した短縮バージョン収録のシングル盤が制作発売されていたほどで、我が国でも、それに追従したリリースはあったものの、世界的に不発……。

ですから、一応は、これまた先輩に連れて行かれたロック喫茶みたいな場所で、問題の「いとしのレイラ / Layla And Other Assorted Love Songs」を聴いていた事はあったんですが、それも「なんとなく」だったんですよ、正直……。

実は、これまた後で分かったんですが、そこでサイケおやじが聞かされていたのは、比較的地味なトラックが並んでいるA面だったという真相もあるにはあったんですが……。

それが変転(?)したのは同年晩秋、サイケおやじがラジオの洋楽番組で聴いてしまったオールマンズの「Statesboro Blues」でして、もちろんこれは同バンドが畢生の大傑作ライブ盤「アット・フィルモア・イースト」に収録の名演なんですが、そこで驚異のスライドギターを鳴り響かせていたのがデュアン・オールマンであり、さらに既に鬼籍に入られていたという非情な現実を知らされてみれば、この早世した天才の過去の偉業を探索する過程において、直ぐに遭遇したのが、デレク&ドミノスのアルバム「いとしのレイラ / Layla And Other Assorted Love Songs」であり、掲載したのは、その2枚組日本盤LP♪♪~♪

いゃ~~ぁ、これには覚醒していた(?)とはいえ、サイケおやじは心底ぞっこん!

特にC面はヘヴィで粘っこいロックサウンドを堪能させられる「Tell The Truth」、アップテンポでカッコイィ~~ギターが炸裂するロッキンソウルな「恋は悲しきもの / Why Does Love Got To Be So Sad ?」、そして狂おしくも叶わない恋情を歌とギターで描き切ったブルースロックの大名演「愛の経験 / Have You Ever Loved A Woman」と続く三連発をサイケおやじは、それこそ朝な夕なに聴きまくっていたものです (^^)

特に「愛の経験 / Have You Ever Loved A Woman」におけるエリック・クラプトンの刹那のギターソロにデュアン・オールマンのエグ味を効かせた泣きのスライドギターが対峙する、その展開の恐ろしさと素晴らしさには震えが止まらないほどっ!

殊更、デュアン・オールマンがアドリブソロを弾き始める、その最初のフレーズにはグッと惹きつけられ、ゾクゾクさせられますねぇ~~♪

これは、何時聴いても、揺るぐ事の無いサイケおやじのブルース衝動であります (^^♪

ですから、いよいよクライマックスを形成するD面ド頭にジミ・ヘンドリックス=ジミヘンのオリジナル「Little Wing」が置かれているのには最初面食らったんですが、ジミヘンの穏やかで霊感的な演奏とは異なり、ここではクラプトン流儀のポップな感覚が滲み出た様な、比較的ライトタッチに仕上げてあるのは以降に収録されている楽曲の流れからしても結果オーライだったと、まあ……、これは後付けの感想ではありますが、それにしても、ジミヘンが夭逝した1969年9月18日の直前、確か9月9日にデレク&ドミノスのカバーバージョンがレコーディングされたという伝説は、このアルバムに尚更の神秘的な存在感を付与している気がしてなりませんねぇ……。

閑話休題。

そして続く「It's Too Late」はイントロからしてビートルズの「Oh! Darling」だったのには正直、浮かれてしまったんですが、楽曲そのものもチャック・ウィリスと名乗る黒人シンガーが、1950年代に自作自演でヒットさせた素敵なR&Bのカバーということで、デュアン・オールマンのスライドギターがドツボのスワンプロック風味を引き立てているという、これまたサイケおやじの大好きなトラックであり、エリック・クラプトンのボーカルからも失恋ソングならではの「泣き」が滲み出ていて、実にイイ感じ♪♪~♪

ですから、いよいよ始まる「いとしのレイラ / Layla」の永久不滅のイントロの高揚感は筆舌に尽くし難いものがありますよねぇ~~~ (^^♪

巷間膾炙しているとおり、この名曲はエリック・クラプトンが当時、親友・ジョージ・ハリスンの妻だったパティを好きになり、その抑えがたい恋情を懇願した、せつない男の演歌節(?)という裏話を知らずとも、なんともネクラな必死さが伝わって来る様なエリック・クラプトンのボーカルと劣情を煽る様な激しいデュアン・オールマンのスライドギターがあればこそ、後半で流れ出す物悲しくも美しいピアノのメロディ、そしてそこへ絡みつくエレック・クラプトンとデュアン・オールマンのギターが文字どおり「すすり泣き」とか思えない痛烈な印象を残すのですから、たまりません♪♪~♪

もちろん、前述したエリック・クラプトンの横恋慕なんて逸話を当時のサイケおやじは知る由も無くて、只管にカッコイイばかりのイントロから全篇がギターロックの神髄と確信させられる熱い歌と演奏にシビレまくっていたわけなんですが、皆様ご存じのとおり、この「いとしのレイラ / Layla」はエリック・クラプトンの代名詞となり、これまでに夥しいライブギグで演奏され、同時に公式・非公式を問わず、そのライブ音源がどっさりのと残されてはいるものの、やはりオリジナルのスタジオバージョンが最高の仕上がりじゃ~ないでしょうねぇ~~♪

異論は重々承知しておりますが、サイケおやじは、そ~思うばかりです <(_ _)>

というのも、このアルバムのクロージングテーマと申しましょうか、オーラスに置かれている「庭の木 / Thorn Tree In The Garden」が、ボビー・ホイットロックによって歌われるアコースティック系のシンプルな楽曲という、全く絶妙としか思えないアルバムの構成があるからでして、「いとしのレイラ / Layla」によってヒートさせられ過ぎたリスナーの気分を心地良くクールダウンさせてくれる役割が課せられたとしたら、逆に「いとしのレイラ / Layla」が愛おしくなっちまうんですよ、サイケおやじは (^^♪

そして、ここまで聴き通した後になると、印象の薄かったA面が妙に人懐っこい感じで聴ける様になり、それは何ともジョージ・ハリスンっぽい曲調の「Looked Away」がエリック・クラプトンのネクラ節とボビー・ホイットロックの熱血ボイスで歌い分けられているという芸の細かさとコンパクトながらも流石のギターソロ、そして同系の趣向が煮詰められた「Bell Bottom Blues」の悶々とした味わいの濃さ!?

う~ん、このあたりの雰囲気は明らかに従来のロックとは一線を画した感じかもしれず、告白すれば当時高校生だったサイケおやじには共感しえないものがあったのは確かです。

しかし、これまた後年知ったところでは、この2曲にしても、結局は人妻パティに対する恋情の歪みを表現していたとか、特に「Bell Bottom Blues」は、その頃の彼女が好んでいたファッションに仮託した肉欲?

そんなこんなの虚実入り乱れた逸話にサイケおやじが感化されてしまった中年期以降は、グッと気持ちを溜めて聴ける様になったのも事実であります (^^;

そして、一転して後にスワンプロックと称されるサウンドスタイルを披露するアップテンポの「Keep On Growing」では、エリック・クラプトンの多重録音と云われるギターソロの怖いばかりの気迫! それが続くブルースの古典曲「だれも知らない / Nobody Knows You When You're Down And Out」では、エリック・クラプトンの 泣き節ボーカルに絡みつくデュアン・オールマンのしぶといスライドギター、さらには後半で歌いまくる御大のギターソロこそは、全く新しいタイプのブルースロック!

そんな思い上がった確信さえ抱かされてしまったですよ、若き日のサイケおやじは。

もちろん、そんな勢い込んだ気持ちで聴くB面がド頭に、またまたジョージ・ハリスンに影響されたかの如きインド風味の英国ポップス(?)という「I Am Yours」というのは肩透かし……。ところが、この楽曲の共作としてクレジットされている Ganjavi Mizami なる人物の「レイラとマジュヌンの物語」という詩集こそは、この大傑作アルバムのタイトルに大きな影響を与えたとか!?

まあ、そんな逸話でも知らなきゃ~、ちょいと聴いていられない違和感満点のトラックというのが、正直な感想でありました…… (^^;

でも、その我慢を通り過ぎた後の痛快ギターロック「Anyday」では、そのギター以上に熱いボビー・ホイットロックとエリック・クラプトンのツインボーカルが最高で、さらに明らかに途中からのフェードインで流れて来るブルースジャムの「ハイウェイへの関門 / Key To The Highway」の心地良さこそは、バンドとしての デレク&ドミノスの真骨頂でありましょう (^^♪

いゃ~~、エリック vs デュアン!!

こんな素晴らしい瞬間が記録されたのは奇蹟に他ならず、ブルースロック永劫の未来が聴かれるものと強く信じるばかりであります (^^♪

ということで、こ~やってアルバムを聴いていくと、つまりはループして鑑賞出来てしまう永久運動の可能性にさえ気が付かされてしまうほどです。

そして、こ~やってレイラの呪縛に捕らわれたサイケおやじは、ズブズブと泥沼に引き摺り込まれていったという、それが本日のオチではありますが、これは決して自分だけでは無いと思っておりますし、そんな人間模様(?)のあれやこれやが、極言すれば人類の歴史の極一部にでも関わっているのだとしたら、「レイラの呪縛」は永遠に解けないもの!?

まあ、あえて解脱する必要もありませんよねぇ~~ (^^♪

失礼いたしました <(_ _)>

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クリフターズはニクイ奴ら

2022-04-17 14:33:51 | Rock

魅力のエレキ・ギター / The Cliffters and The Guitares (フィリップス / 日本ビクター)

 ★The Cliffters
    A-1 Djago / 哀愁のジャンゴ
    A-2 Amapola / アマポーラ
 ★The Guitares
    B-1 Galaxie / 涙の星くず
    B-2 Chris-Craft / 渚の彼方

欧州エレキインストのグループでは、デンマークのクリフターズも好きです。

しかしながら、このバンドは必ずしもインスト専門では無かった様で、既に皆様ご推察のとおり、クリフターズはクリフ・リチャード&ザ・シャドウズを目標にしていたそうですから、出回っているレコードにしてもボーカルをメインにした曲が多いんですが、それでもサイケおやじを虜にしたエレキインストこそが、「哀愁のジャンゴ」と「アマポーラ」の名演でして、掲載したのは、その2曲をA面に入れた33回転の7吋EPです ――

―― クリフターズは既に述べたとおり、ボーカル&インストゥルメンタルのグルーブで、残念ながら、掲載盤のジャケ裏解説には詳細なプロフィールは掲載されていないんですが、サイケおやじが自分なりに調べたところでは、ジョニー・レイマー(vo) とモルゲン・ピーターセン(g) を中心に結成され、1961年頃に公式レコードデビューしての最初の大ヒットが、1962年に出した、モルゲン・ピーターセンの作曲による「哀愁のジャンゴ」だったことから、当時5人組だったクリフターズは方向性を見失ったのでしょうか、1965年頃には分裂していたと云われています。

で、肝心の「Djago / 哀愁のジャンゴ」はアップテンポながらも所謂「泣きメロ」メインの主旋律にリズム&リフのキメを仕込んだニクイ構成で、思わずコピーしたくなる衝動が沸き上がって来るほど (^^♪

そして「Amapola / アマポーラ」は説明不要、今日では誰もが一度は耳にしたことがあるに違いない、そのお馴染みのメロディをクリフターズはアップテンポで調子良く演じており、ベースは4ビートながら、ドラムスはニューオリンズスタイルのR&B風味を如何にも欧州インストにアレンジした感じでしょうか、これまた快演だと思います。

ちなみに上記2曲は地元のフィリップスからシングル盤発売された時にはカップリングされていたらしく、また同仕様の日本盤も存在しているはずですが、サイケおやじは入手出来ず……、結果的に掲載のEPを中古ゲットしたというわけでして、そ~ですよ、つまりは……、このEPはクリフターズとギターズと名乗る異なるバンドの演奏を両面に振り分けて収録してある徳用盤なんですよ (^^;

で、そのB面の2曲を演奏しているギターズはフランスのグループらしく、実はサイケおやじも、このコンパクト盤で初めて聴き、プロフィール等々にしても、件のジャケ裏解説からの簡単な情報しか得ていません。

そして気になる演奏は、まず「Galaxie / 涙の星くず」からして、エレキギターよりもオルガンをメインした、ちょいとムード~ラウンジ系の仕上がりですので、エレキインストを期待すると肩透かし気味ではありますが、楽曲そのものは哀愁たっぷりで捨て難い魅力を感じます。

また「Chris-Craft / 渚の彼方」にしても、邦題どおりと申しましょうか、波の音やモーターボートの排気音らしきSEを用いつつも、軽やかさを表出させたインスト曲というあたりは、如何にもフランスのグループという印象なんですが、勉強不足でメンバー構成や他の音源等々は現在でも知るところがありません。

ということで、サイケおやじにとって、結局はクリフターズを聴くだけのレコードではありますが、あらためて欧州インストグループの底知れぬ魅力にはシビレるばかりでございます。

そして、実は昨日のバンド練習では、サイケおやじの希望に賛同を得て、「アマポーラ」をやってみたんですが、流石にクリフターズのバージョンはツボが押さえられていることを実感させられた次第です。

あぁ~~、やっぱりっ、エレキ万歳っ!

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さすらへばエレキで北欧へ

2022-04-13 19:28:24 | Rock

さすらいのギター c/w エマの面影 / The Sounds (Philips / 日本ビクター)

ちょい前に書きましたが先日、新たに入れてもらったバンド練習ではコロナ禍ということでボーカル&コーラスはやらず、インストばっかりに集中という次第は嬉しいばかりでした。

で、本日掲載したのは、その中で何度も演奏出来たザ・サウンズの人気名曲をカップリングしたシングル盤なんですが、皆様ご存じのとおり、ここに収録の「さすらいのギター」は我が国においてはベンチャーズのインストバージョンと小山ルミのボーカルバージョンがヒットしているもんですから、実は本家本元であるザ・サウンズの演奏が今では幾分影が薄いというか……。

なぁ~んて書いているサイケおやじ自身からして、件の練習時には小山ルミのバージョンに準えたロックギター系の音で弾いてしまい、何やら浮いてしまった事は否めません…… (^^;

ただし、言い訳を弄すれば、その日のサイケおやじが持参したギターは長年の愛器であるトーカイのレスボールモデルだった所為もあるんですが、流石にオーバードライヴを使ってしまったのは反省するしかありません (^^;

あぁ……、出来もしませんが、ジェリー・マギーでやるべきだったか……。

ですから帰宅後、あらためてザ・サウンズのシングル盤を取り出し、端座謹聴したというわけです ――

―― ザ・サウンズはフィンランドのエレキインストをメインに演奏するグループとして結成され、このシングル盤に収録の2曲を録音したとされる1962年当時のメンバーはヘンリック・グラノ(g)、ボビー・ゼーダーブロム(g)、ピーター・エクマン(b)、ジョニー・リーブキンド(ds) という4人組だったんですが、なんとっ!

リードを弾いているヘンリック・グラノは、15歳だったんですねぇ~~!

もちろん、サウンド作りは北欧系のバンドでは当然が必然というエコーを強めにして哀愁のメロディを奏でるという好ましいスタイルであり、しかも同系の人気バンドとして世界的に有名なスウェーデンのスプートニクスよりも、ナチュラルな感性を表出していたあたりが日本でもウケた理由かもしれません。

実は、この「さすらいのギター」の原題は「Mandshurian Beat」であり、この邦題は多分、昭和40(1965)年頃、ザ・サウンズのレコードを日本で発売する時に命名されたものと思いますが、いかがなものでしょう。

ちなみに、その頃のザ・サウンズは主要メンバーも入れ替わり、ジョニー&ザ・サウンズと名乗るボーカル曲主体のロックバンドに変身していたと云われていますので、まさか極東の島国・日本において、自分達の過去のレコーディングが人気を集めていたとは、嬉しい誤算だったかもしれませんねぇ~ (^^)

また、カップリング曲の「エマの思い出 」は原題「Emma」として、フィンランドでは知らぬ人もないという有名な民謡曲らしいんですが、ここに堂々とロックアレンジされたエレキインストのバージョンこそが、彼らの本国における最初の大ヒットになったのも納得の仕上がりでしょう。

ちなみにザ・サウンズが残した真正エレキインストは、それほどの曲数ではなかったらしく、後に出されたインスト主体のLPにしても、前記したオリジナルメンバーとは別のプレイヤーが、それらしく似た様な楽曲を演奏していたという噂もありますし、当時の我が国の洋楽雑誌に掲載されていたザ・サウンズは5人組のグループショットが用いられている時もありましたので、このあたりの情報は錯綜しており、自らの勉強不足を反省するばかりでございます <(_ _)>

しかし、それでも、やっぱりザ・サウンズのエレキインストは魅力満点!

ということで、次回の練習時、サイケおやじはエレキインスト用として、高校入学前の春休みに初めて持ったエレキギターである「グヤトーンのLG350T」を持参する覚悟(?)です。

あぁ~、エレキインスト、万歳っ!

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サンタに逢える街へ行きたい

2021-12-24 17:45:39 | Rock

サンタが街にやって来る / Bluce Springsteen (Columbia / CBSソニー)

サイケおやじはキリスト教徒ではないので、クリスマスなんて、カンケーネェ~~!

と言きたいところなんですが、そんなストレートな天邪鬼が安易に通用するほど世間は甘くなく、むしろ……、それに甘えきっての享楽を求めてきたのがサイケおやじの本性であります (^^;

つまり、体裁の良い事ばかりを言いながら、いざっ、クリスマスパーティ等々になると、そんな浮かれた態度を見透かされ、薄かった人望を尚更に失うという悪循環が、毎年末の好例行儀となり、今日に至っているんですねぇ……(^^;

そんなわけですから、本日は堂々のクリスマスソングのご紹介ということで、ブレイクしたばかりのブルース・スプリングスティーンが、1975年12月にボストンでのステージで披露したという、楽しいクリスマスの定番曲「サンタが街にやって来る / Santa Claus Is Coming To Town」のライブバージョンをご紹介させていただきます。

ご存じのとおり、今となっては、この音源の初出は、翌年に米国内で配布されたラジオ放送用のプロモーション盤であり、それが様々なブートに収録され、ファンの間では普通に知られていたわけですが、それでもレコード会社側は、あえて企画物のオムニバスLP「イン・ハーモニー2」に公式収録し、1981年に発売した事から、ついには1985年末に出した「My Hometown」をA面に入れたシングル盤のカップリング曲として、更なる人気音源(?)になったという流れがあります。

それが我が国の場合は、おそらくは件のLP「イン・ハーモニー2」に歩調を合わせたのでしょうか、掲載したシングル盤はプロモオンリーの見本品でして、関係者に配布されたのは、1981年晩秋らしいんですが、サイケおやじが、これを入手したのは、時代も平成に入ってからの中古猟盤活動においての獲物でしたから、詳しい経緯は知る由もありませんし、音源としての個性(?)も、以前から接していたテイクと同じと思われます。

で、肝心の歌と演奏は、明らかにフィル・スペクターが1963年に制作したクリスタルズのバージョンを下敷きに、マイケル・ジャクソンが1970年頃に歌ったジャクソン5のスタジオテイクを塗した様な仕上がりで、これが実にロックの本質に根差した楽しさに満ちているあたりが、如何にも本場のクリスマス♪♪~♪

と書いてしまえば、如何にも没個性なカバー演奏?

かと思われてしまうかもしれませんが、個人的には僭越ながら、これほどブルース・スプリングスティーンの「らしさ」が全開したレコードは無いと感じるほどで、まさに上り調子だったバンドの勢い共々に、永遠のロックアンセムと認定したくなりますねぇ~~♪

ちなみに、このプロモ盤のB面には、バーブラ・ストライザンドが歌うクリスマスソングの定番「White Christmas」が収められているんですが、それは今回、そっとしておきたいとおもいます (^^;

ということで、しかし、今年も昨年同様、自粛モードの年末年始となりそうな気配、というよりも、それを当たり前とする風潮が自然になりつつある様に思いますが、皆様は如何でございましょう。

ど~せ、我々ほとんどの日本人にとってのクリスマスは、バカ騒ぎする口実であるとしたら、派手なレコードは必須の物件であり、それゆえにワンマンショウで楽しむもの、悪くはないと思っているのでした。

サンタクロォ~~スカミンインタァ~~ン♪♪~♪

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25時の幻想と喜び

2021-09-11 19:42:30 | Rock

25 O'Clock / The Dukes of Stratosphear (Virgin)

   A-1 25 O'Clock
   A-2 Bike Ride To The Moon
   A-3 My Love Explodes
   B-1 What In The World?? . . .
   B-2 Your Gold Dress
   B-3 The Mole From The Ministry

「趣味」というのは「拘り」とは切り離せない個人的嗜好ですから、そこに殊更自分の求めている何かを見つけてしまった時の喜びは至福であり、それがあるからこそ、抜け出せない麻薬的な魅力が?

なぁ~んて、またしても大仰に構えた書き出しをやらかしてしまったのも、全てはサイケおやじの無様な言い訳と許しを請うたところで本日ご紹介するのは、1985年にデュークス・オブ・ストラトスフィアと名乗るバンドが出した6曲入りのミニアルバムなんですが、とにかくっ!?!

このジャケットデザインだけで、ゾクゾクさせられてしまったのがサイケおやじの偽りのない本音であり、そして中身がっ!

これまたサイケおやじの大好物というサイケデリックなロックのゴッタ煮だったんですから、たまりません (^^♪

なにしろ、A面ド頭のアルバムタイトル曲「25 O'Clock」からして、その昔(?)、サイケおやじを眠れないほどに興奮させたエレクトリック・プルーンズの「今夜は眠れない / I Had Too Much To Dream」を強烈に想起させる恣意的な音楽衝動にゾクゾクさせられましたですねぇ~~♪

そして続く「Bike Ride To The Moon」が初期のピンクフロイドに後期のヤードバーズが憑依した様な仕上がりならば、Aラスの「My Love Explodes」は中期ビートルズのサイケデリック路線を後追いしていたホリーズが、ついにはムーブやドアーズ等々を巻き込みながら、ドグラ・マグラな音世界!?

ですから、レコードをひっくり返すという儀式を経てのB面には、ドシャメシャなサイケデリックロックの桃源郷が繰り広げられ、「What In The World?? . . .」がビートルズの「Tomorrow Never Knows」から「Strawberry Fields Forever」&「I Am the Walrus」の流れであったり、「Your Gold Dress」はアイアン・バタフライがラガロックした挙句にスマイル期のビーチボーイズに変遷したり、オーラスの「The Mole From The Ministry」に至っては、プロコル・ハルムブルー・チアーと合体しながら、支離滅裂にビートルズをやってしまったというか…… (^^;

もはやサイケおやじの稚拙な筆では説明表現は不可能なマジカル&ミステリーなロック世界が提供されているんですねぇ~~♪

しかも、ご丁寧な事には、最後の最後になって、あの「サージェント・ペパーズ」の大団円に敬意を表したのでしょう、逆回転の短い音声トラックまでが仕込まれているんですから、このあたりは皆様が聴いてのお愉しみ (^^ゞ

もちろん、冒頭に述べたとおり、これはミニアルバムですから、1曲あたりの演奏時間は長くても5分台で、ほとんどは2~4分程度という、これまた完全に往年のロック仕様というあたりは、物足りなくも、実は濃密という結果オーライなんてすねぇ~~♪

書き遅れてしまいましたが、録音やミックスにしても、ギターやドラムスが左右にきっちり分離定位していたり、全体的に潰れた様な音質にしてある印象までもが、1960年代のサイケデリックロックに拘った感じで、嬉しくなりますよ (^^♪

ですから、サイケおやじとしては、もっともっとデュークス・オブ・ストラトスフィアのレコードが聴きたくなり、掲載盤をゲットした某輸入盤店を急襲したところ、あぁ~~、あれですかぁ~~、と言いながら店のバイト君が出してきたのが、なんとっ!

「XTC」という、イギリスのニューウェーブ系バンドの諸作だったんですから、クリビツテンギョウォ~~!?!

だって、そんなバンドはサイケおやじ的な先入観年からすれば、守備範疇外でしたからねぇ~~ (^^;

そこで虚心坦懐にバイト君の解説に耳を傾ければ、このデュークス・オブ・ストラトスフィアは、XTCの覆面プロジェクトだという事で、そ~言われてみれば、レコードジャケットに記載のメンバー名が Sir John Johns(vo,g,b)、The Red Curtain(b,vo,g)、Lord Cornelius Plum(key,g)、E.I.E.I. Owen(ds) なぁ~んていう、如何にも「らしい」芸名(?)になっているところからして、さもありなん!?

実は、件のXTCは当時、様々な事情から煮詰まっていたらしく、そんなこんなから自分達が影響を受けた往年の名作ロックを再現するルーツ探求、つまりは温故知新の楽しみに浸りながら、新しい道を模索していたという結果が、このデュークス・オブ・ストラトスフィアだったという事らしいですよ (^^;

そのあたりは、所謂ニューウェイブには全く疎いサイケおやじにとっての水先案内だったかもしれず、しかし……、積極的に聴いて良いのか、否か……。

そ~した偏屈な気持ちとの葛藤があったのも、また偽りのない本音でありました。

ということで、実際に演奏している「Sir John Johns」はアンディ・パートリッジ、「The Red Curtain」はコリン・モールディング、「Lord Cornelius Plum」はデイヴ・グレゴリーというのが、当時のXTCの正規メンバーらしく、「E.I.E.I. Owen」はイアン・グレゴリーというのが本名(?)とされていますが当時は、これ以上は知る由もありませんでした。

しかし、意を決して、XTCのレコードを聴き進めるうちに、本末転倒な快感と申しましょうか、漠然としてはいますが、聴かず嫌いは勿体ないバンドだったなぁ~~、と自嘲していたのがサイケおやじの本性というわけです。

ちなみに、デュークス・オブ・ストラトスフィアは、この2年後に「ソニック・サンスポット」というアルバムを出しているんですが、こちらは大衆路線というか、分かり易さを意識した、失礼ながら幾分安易(?)な仕上がりだったのが、残念というか……(^^;

また、この2枚のアルバムは当然ながらCD化もされたんですが、ミックスが変えられていたり、音質も整理整頓された感じが強く、これまた最初に接した時の衝撃度が薄れてしまった様な…… (^^;

そのあたりも含めまして、追々に掘り下げていきたく思いますので、よろしくです。

あぁ~~、サイケデリックロックは、不滅!

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50年目の既視感

2021-05-14 19:47:53 | Rock

Deja Vu 50th Anniversary Deluxe Edition (Rhino = CD + LP)


【CD 1: ORIGINAL ALBUM (2021 REMASTER)】
   01 Carry On
   02 Teach Your Children
   03 Almost Cut My Hair
   04 Helpless
   05 Woodstock
   06 deja vu
   07 Our House
   08 4 + 20
   09 Country Girl
   10 Everybody I Love You

【CD 2: DEMOS】
   01 Our House / Graham Nash ※
   02 4 + 20 / Stephen Stills ※
   03 Song With No Words (Tree With No Leaves) / David Crosby & Graham Nash
   04 Birds / Neil Young & Graham Nash ※
   05 So Begins The Task ~ Hold On Tight / Stephen Stills ※
   06 Right Between The Eyes / Graham Nash
   07 Almost Cut My Hair / David Crosby ※
   08 Teach Your Children / Graham Nash & David Crosby
   09 How Have You Been / Crosby, Stills & Nash
   10 Triad / David Crosby
   11 Horses Through A Rainstorm / Graham Nash
   12 Know You Got To Run / Stephen Stills ※
   13 Question Why / Graham Nash ※
   14 Laughing / David Crosby ※
   15 She Can’t Handle It / Stephen Stills ※
   16 Sleep Song / Graham Nash
   17 Deja Vu / David Crosby & Graham Nash ※
   18 Our House / Graham Nash & Joni Mitchell ※

【CD 3: OUTTAKES】
   01 Everyday We Live ※
   02 The Lee Shore (1969 Vocal Version) ※
   03 I’ll Be There ※
   04 Bluebird Revisited ※
   05 Horses Through A Rainstorm
   06 30 Dollar Fine ※
   07 Ivory Tower ※
   08 Same Old Song ※
   09 Hold On Tight ~ Change Partners ※
   10 Laughing ※
   11 Right On Rock ’n’ Roll ※

【CD 4: ALTERNATES】
   01 Carry On (Early Alternate Mix) ※
   02 Teach Your Children (Early Version) ※
   03 Almost Cut My Hair (Early Version) ※
   04 Helpless (Harmonica Version)
   05 Woodstock (Alternate Vocals) ※
   06 Deja Vu (Early Alternate Mix) ※
   07 Our House (Early Version) ※
   08 4 + 20 (Alternate Take 2) ※
   09 Know You Got To Run ※

【LP: ORIGINAL ALBUM (2021 REMASTER)】
   A-1 Carry On
   A-2 Teach Your Children
   A-3 Almost Cut My Hair
   A-4 Helpless
   A-5 Woodstock
   B-1 deja vu
   B-2 Our House
   B-3 4 + 20
   B-4 Country Girl
   B-5 Everybody I Love You

       ※ previously unreleased

1970年代ロックの名盤アルバムと云えば、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング=CSN&Yが1970年に出した「デジャ・ヴ」は決して外せない事に異論は無いはずで、だからこそ、いよいよ発売される件の「50周年記念箱」は当然が必然として我々の前に現れるはずです。

それはアルバム本篇の最新リマスターバージョンに加え、制作過程におけるデモ録音、未発表トラックや別テイクバージョンが4枚のCDに収録され、さらにオリジナルのアナログ盤を最新リマスターで復刻したLPが1枚付いているという豪華な仕様ですから、ファンならずとも、これをスルーしてしまえば必ずや後悔が……。

とにかく現在までに公表されている上記収録曲目の概要だけでも、期待が膨らんでしまいます (^^♪

それは皆様ご存知とおり、CSN&Yはメンバー4人の個性とエゴのぶつかり合いから緊張と緩和のバランスを希求するスタイルにリスナーが魅了されていたからだと思えば、必然的に個人作業主体の曲作りと実際のライブギグやレコーディングの現場における協調体制は、やっている本人達にしか分からない機微がある事は言うまでもありませんし、だからこそ、それを知りたくなるのが熱心なファンならずとも、リスナー皆の願いでありましょう。

もちろん、そこにはドロドロしたものが渦巻いていた事が今や歴史として語られているわけでして、そんなこんなが今回、どこまで明らかにされるのかは過言ではなく、この復刻盤の大きなウリのはずです。

さて、そこで気になる未発表テイクや別バージョンについては、現在までに公表されている限りの情報で推し量るしかありませんが、その中の幾つかは既にCS&Nのボックスセットやメンバー各々の再発復刻盤、そしてブート等々で出回っているトラックもありますし、何故かネットで流通している音源さえも含まれているのは、ファンの強い要望から、もっともっと良好な音質で彼等の「秘宝」を拝みたい一心でありましょう。

サイケおやじとしては、この「50周年記念箱」に実際に収録されているトラックは未だ聴けておりませんが、自分なりの想像と推理を働かせて、あらためて発売前にCSN&Yの離散集合の軌跡を掲載していきたく思っておりますので、よろしくお願い致します。

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スプリンターにもっと光を

2021-01-27 19:37:02 | Rock

いつか街で会ったなら c/w ガンダーラ / Splinter (日本コロムビア)

掲載したのはジョージ・ハリスンの秘蔵っ子として華々しく売り出されたスプリンターと名乗るデュオグループが、おそらくは来日時に吹き込んだと思われるシングル盤で、これがなんとっ!

A面は中村雅俊が昭和50(1975)年に放った大ヒット「いつか街で合ったなら」を曲タイトル「If Somewhere And Somehow」として、当然の如く英語詞で歌ってしまった(?)マニア泣かせのコレクターズアイテム!

か、どうかは知りませんが、とにかく作詞:喜多条忠&作曲:吉田拓郎が提供した原曲の歌詞に奈良橋陽子が英語の歌詞を振り、アレンジを担当したのがアラン・クラーク&大野雄二という事ですから、すっかり気分は英国流儀の爽やか系ソフトロックに仕上がっているんですねぇ~~♪

スプリンター持ち前のハーモニースタイルが軟弱路線に傾いているのも、演奏パートがグルーヴィですからイイ感じ♪♪~♪

それは多分、昭和54(1979)年頃の出来事だったと記憶しているんですが、折しも人気急上昇中だったゴダイゴとテレビで共演し、この「If Somewhere And Somehow / いつか街で会ったなら」を演じていたスプリンターに接した記憶が朧げにあるんですが、だとすると、ゴダイゴと関係性の強い奈良橋陽子が英語詞を担当した理由も推察可能ですし、もしかしたら、このシングル盤のバックをやっているのも、ゴダイゴの面々なのでしょうか?

なにしろ、その意味も含めて、B面に収録されているのがゴダイゴの大ヒット曲「ガンダーラ」の英語歌詞バージョンという、なかなか念の入った企画になっているのですから、頭が下がります (^^;

今となってはスプリンターよりも、ゴダイゴやジョージ・ハリスンのコレクターに御用達という側面もございますが、主役たるスプリンターのメロディ中心主義的な存在感が再評価される1枚かもしれません。

ということで、このシングル盤、実は先日述べたとおりの事情から我が家で探し物に没頭したサイケおやじが、その過程で掘り出したという、すっかり忘れていたブツでありました (^^;

あの日、大切な印鑑の紛失騒動が無かったら、まだまだ眠らされていたレコードであり、似た様な状況に置かれている趣味の収集物にも、光を当てなきゃ~バチアタリ!

そんなこんなの覚悟こそ、断捨離に繋がるのかもしれませんねぇ……。

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シンプルな潔さがCCRの神髄ライブ

2021-01-22 20:11:19 | Rock

Creedence Clearwater Revival Live At Woodstock (Craft / Fantasy = CD)

  01 Born On The Bayou
  02 Green River
  03 Ninety-Nine And A Half (Won't Do)
  04 Bootleg
  06 Commotion
  07 Bad Moon Rising
  08 Proud Mary
  09 I Put A Spell On You
  10 The Night Time Is The Right Time
  11 Keep On Chooglin'
  12 Suzie Q

本日も、これまたサイケおやじのバチアタリな所業である、「買ってしまえば安心」シリーズ(?)からのご紹介として、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル=CCRが今や伝説という、1969年に開催されたウッドストック野外コンサートに出演したライブ音源の復刻リマスター盤CDであります。

皆様ご存知のとおり、件のウッドストック音楽祭は当時としては桁外れの大規模な野外コンサートであり、通しで4日間に登場したミュージシャンやバンドのライブ音源と記録映像は、極一部の出演者を除いて、相当に膨大な分量で残され、これまでにも事ある毎に公式発売されては来ましたが、CCRに関しては本当に小出しにされていたというか、実は非公式のブート盤が昔っから堂々と出回るほどに需要が高かったんですから、公式盤としての今回の復刻は一昨年の夏という、ちょうどウッドストック50年記念に合わせたものでありました。

もちろん、以前に出回っていたブート盤とは一線を画するステレオミックスにリマスターされており、しかしっ! そんな事よりも、バンドとしての纏まったグルーヴは圧巻!

やっているのは上記したとおり、お馴染みの演目ばかりですから、殊更サイケおやじを含む当時からのファンであれば、耳に馴染んだ歌と演奏に酔い痴らされるのは必定であり、またCCR初体験に皆様にしても、必ずやロックの本質にシビレてしまうはずと思うばかりです。

なにしろトム・フォガティ(g,vo) にスチュ・クック(b,vo)、そしてダグ・クリフォード(ds,vo) が一丸となって刻み続けるロック&ソウルのリズム&ビートのストレートな潔さがあればこそ、フロントマンのジョン・フォガティ(vo,g) が心置きなく吠え、唸り、そして弾けまくるという魅力が全開!

分かり易さとノリの素晴らしさがキャッチーな自作曲、さらにシブイい趣味性も垣間見えるカバー曲というプログラムを一瞬の緩みも感じさせずに「やってのける」勢いは、まさに上昇期のバンドの証明でありましょう。

ちなみに、ここで聴かれるCCRのギグは現地時間、1969年8月17日の深夜0時半からスタートした約50分間の演奏なんですが、シングルヒット曲「Green River」「Proud Mary」は当然ながら、アルバム収録曲にしても長尺ではありますが、演奏のキメやギターソロ、そしてボーカルの節回しさえもレコードに忠実な部分が多く、だからこその楽しさや熱気がダイレクトに伝わって来るというあたりが、CCRの神髄でしょうか。

極言すればジョン・フォガティのワンマンバンドでありながら、解散後にソロ活動に転じて披露された幾多のライブや制作されたレコードにおいて、それが再現出来たとは言い難い現実は、オリジナルCCRのリズム隊の存在意義に深く関わっていると思わざるをえません。

実は学生時代に入れてもらっていたバンドの先輩から頻繁にアドバイスされていた至言として、シンプルな曲ほど難しい!?!

これって、CCRが聴かせてくれる歌と演奏が立派な見本なんですよねぇ~~。

あぁ~、本当に揺るぎない真実に震えてしまったですよ (^^♪

ですから尚更に、このウッドストックのライブ音源の素晴らしさにシビレが止まらないサイケおやじです。

最後になりましたが、入手した復刻CDは紙製のジャケット入れられ、しかもCDの盤そのものにプリントされた図柄が、往年のファンを狂喜させる事、請け合いなんですが、それは現物を見てのお楽しみとさせていただきます。

う~ん、やっぱりCCRが好きっ!

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