OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

オルガンを弾いたガーランド

2008-03-31 19:22:29 | Weblog

本日は年度末であり、月曜日ということで、新たなる始まりが重なって、朝からメッチャクチャに忙しかったです。ケイタイは鳴りっぱなしだし、食事中も仕事の話ばっかりだし……。

ようやく今、こんなアルバム聴いて和んでいます――

Halleloo-y' All / Red Garland (Prestige)

レッド・ガーランドがオルガンを弾いていることで有名なアルバムです。と言っても、たった1曲なんですが、それでも聴いてみたいと思わせる魅力は、和み優先の演奏に撤していたレッド・ガーランドならでは!

しかし個人的な思い出としては、このアルバムタイトルが何と発音してよいか分からず、聴きたいのにジャズ喫茶でリクエストすることが長い間出来なかったという見栄っ張りを露呈していましたですね。

録音は1960年7月15日、メンバーはレッド・ガーランド(p,org)、サム・ジョーンズ(b)、アート・テイラー(ds) という力感溢れるトリオです――

A-1 Revelation Blues
 タイトルどおり、ゴスペル風味のブルースで、粘っこい中にも軽妙洒脱なレッド・ガーランドだけの「節」が存分に楽しめます。もちろん心が躍らされるブロックコードの響きも素敵♪
 アート・テイラーのドラミングが何時もより軽めなのは、重量級のベースを響かせるサム・ジョーンズの参加ゆえのことでしょうか。ほとんどマンネリ寸前にまでレギュラー化していたポール・チェンバースとのトリオよりも、明らかに違うグルーヴが新鮮です。
 このゆったりしてウキウキするような雰囲気、私は大好きです。

A-2 I'll Never Be Free
 これも元ネタはゴスペルなんでしょうか、とにかくゆったりとしたメロディ展開にはブルースフィーリングがテンコ盛り♪ まさにレッド・ガーランドの選曲眼はニクイばかりですが、演奏もシンミリとしたフレーズとジワジワ効いてくるブルースの魂、泣きのメロディフェイク、そして味わい深いピアノタッチにグッとシビレます。
 11分を超す長い演奏ながら、少しも飽きさせないのは流石ですね♪
 ビンビンビンのサム・ジョーンズ、アート・テイラーのしぶといブラシも見事だと思います。

B-1 Everytime I Feel The Spirit
 ゴスペルの有名曲がグイノリのアップテンポでハードバップに変換された見事な演奏です。アート・テイラーのハイハットが気持ち良く、サム・ジョーンズの4ビートウォーキングもツッコミが鋭いですから、レッド・ガーランドも快調にブッ飛ばす潔さ!
 あぁ、こういうストレートなスイング感こそが、モダンジャズのひとつの魅力でしょうねぇ~~♪ なんの屈託もない楽しさが満喫出来ます。

B-2 Halleloo-y' All
 さて、これがお目当て! レッド・ガーランドがオルガンを弾いた演奏です。まあ、正直言えば、不慣れな部分は否めませんが、低音パートはサム・ジョーンズに任せていますので、何時もどおりのブロックコード弾きがオルガンサウンドで出てくるとニンマリしてしまいます。
 う~ん、例えばジミー・スミスあたりのオルガン専門屋とは明らかに違う楽しさがありますねぇ~~♪ アドリブフレーズだってガーランド節が全開ですから、これ1曲なのが勿体無い!
 それとサム・ジョーンズの4ビートウォーキングが意想外の気持ちよさなのでした。

B-3 Back Slidin'
 オーラスは、これぞレッド・ガーランドというブルースの世界です。つまり快適なテンポでグルーヴィな雰囲気♪ 十八番のブロックコードを存分に響かせながら、ツボを外さないブルースリックとモダンジャズのお洒落感覚を厭味無く撒き散らします。
 絶妙なタイム感覚を完全に活かしきるレッド・ガーランドをピッタリとサポートするベースとドラムスは控えめな名人芸であり、本当に何時までも聴いていたい演奏になっています。

ということで、気になるアルバムタイトルは多分「ハレル~ヤ、オ~ル」と発音するように、ゴスペル感覚が強く滲み出た好盤だと思います。オルガン演奏はご愛嬌という雰囲気もありますが、個人的には好きですし、実は愛聴盤の1枚♪

なんか不思議に和んでしまうんですよ♪

地味ながら、聴かず嫌いは勿体無いアルバムじゃないでしょうか。

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朱色のアート・テイラー

2008-03-30 18:33:49 | Weblog

新しい靴を買ったら、ちょっと足に合わないのか、珍しくも靴擦れが出来てしまったです。でも今は、それ専用のバンドエイドみたいなものがあるんですねぇ。世の中、日々、進歩しています。

ということで、本日は――

A.T.'s Delight / Art Taylor (Blue Note)

モダンジャズ全盛期に夥しいセッションで敲きまくったドラマーのアート・テイラーは、しかし反面、自己のリーダー盤が極めて少ないのが不思議なほどです。

他人の縁の下の力持ちを演じているうちに、自己主張する暇が無かったと言えばそれまでですが、現実には Taylor's Wailers と名乗った自身のバンドを率いていたようです。

さて、このアルバムはその数少ないリーダー盤の1枚で、録音は1960年8月6日、メンバーはデイヴ・バーンズ(tp)、スタンリー・タレンタイン(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds) というお馴染みの面々ですが、実はこの組み合わせは非常に珍しいというセッションです。そして曲によってはパタート・ヴァルデス(per) も加わった華やかさ――

A-1 Syeeda's Song Flute
 な、な、な、なんと、いきなりジョン・コルトレーンが歴史的名盤「ジャイアント・ステップ(Atlantic)」で演じていたモード曲を取上げていますが、ご存知のように、そのセッションでもドラマーを務めていたのがアート・テイラーでしたから、必然が当然という感じでしょうか。
 実際、ジョン・コルトレーンのオリジナル演奏と同じ雰囲気のイントロは、これも同じくセッションに参加していたポール・チェンバースの存在感が欠かせません。
 シャープなハイハットに煽られてテーマをリードするスタンリー・タレンタインの野太いテナーサックスも魅力的ですが、アドリブ先発のデイヴ・バーンズがなかなか雰囲気を掴んだクール節を聞かせてくれます。
 もちろんスタンリー・タレンタインはハート&ソウルな黒いアドリブでハード・バップの王道を崩していませんし、リズム隊のタイトなグルーヴは最高級品でしょうね♪ トランペットとテナーサックスが交互にアドリブコーラスを埋めていく仕掛けもニクイところですし、ウィントン・ケリーの弾みまくったピアノは、何時聴いてもジャズの楽しさがいっぱいだと思います。

A-2 Epistrophy
 セロニアス・モンクが書いた抽象的なビバップ曲ですが、ここではパタート・バルデスの快楽ビート系のコンガが入っていますから、必要以上にエキセントリックになっていません。
 というよりも、ちょっと変態っぽい4ビートになっているところに、ドラマーのリーダー盤という趣が感じられます。もちろんグイノリのグルーヴが醸成され、各人のアドリブが、いっそう味わい深い感じです。
 終盤はポール・チェンバースのベースソロ、そしてアート・テイラーとパタート・ヴァルデスの打楽器合戦がハイライト! 調子が良くてリズム的な興奮度も高まった瞬間、テンションの高いラストテーマが出てくるという演出に、グッとシビレます♪

A-3 Move
 これまたコンガとドラムスが軸となった超アップテンポの演奏ながら、けっしてリズムが流れませんから、まずはデイヴ・バーンズがミュートで熱演! さらにスタンリー・タレンタインが豪快なブローで突進します。
 ちなみにデイヴ・バーンズは中間派~ビバップ系のトランペッターかもしれませんが、このセッションではかなりモダンなノリを聞かせてくれますし、ハードバップ丸出しのリズム隊との協調関係も良好だと思います。
 そして後半は、またまたドラムス対コンガの白熱の一騎打ち! アート・テイラーもパワー派の面目躍如という爆裂ドラムソロを聞かせてくれますよ♪

B-1 High Seas
 B面はケニー・ドーハムが書いた雰囲気満点のファンキー曲でスタート♪ こういう曲調は十八番というリズム隊が躍動的な名演を繰り広げるのは、お約束でしょうねぇ~♪
 しかしホーン陣が何故か意図的にファンキーを避けているようなアドリブソロは??? なんかセロニアス・モンクのバンドみたいです……。それがウィントン・ケリーにも伝染している感じで……。
 演奏全体は快適にスイングしまくっているのですが、ちょっと煮え切らないと……。
 
B-2 Cookoo And Fungi
 しかしこの演奏はパタート・ヴァルデスのコンガが冴えた楽しい仕上がり♪ スタンリー・タレンタインはソニー・ロリンズっぽい強烈なウネリの快演ですし、アート・テイラーの持続するラテンビートの恐ろしさ!
 かなり部分がドラムソロとコンガの絡みなんですが、ちっとも飽きない素晴らしさです。

B-3 Blue Interlude
 これもケニー・ドーハムが書いたファンキー丸出しの名曲で、グルーヴィなリズム隊が当たり前に凄く、スタンリー・タレンタインも気持ち良さそうにアドリブを吹いています。
 またデイヴ・バーンズが哀愁を滲ませた名演で、全てが歌になっているアドリブは出来すぎ疑惑♪ 続くウィントン・ケリーも粘っこいスイング感が満点です。

ということで、ドラマーのリーダー作は参加メンバーの魅力で評価が決まってしまうという現実もあるのですが、これはメンツの面白さに加えて、演目の妙が素敵です。

またアート・テイラーは、ドラマーとしてはマックス・ローチの攻撃性、アート・ブレイキーの爆発力、あるいはフィリー・ジョー・ジョーンズのようなエモーションという飛びぬけた個性が無いのは事実としても、シャープなシンバルと力感溢れる安定したドラミングは、もっと評価されて良いはずです。

実際、1976年にジョニー・グリフィンと来日したステージを私は体験していますが、そのパワフルなドラミング、シャープなシンバルの響きには圧倒された記憶が今も鮮烈です。

そういう魅力が、実はリアルタイムの全盛期にはレコーディングで録音しきれなかったところなんでしょう。今日の過小評価は、そういう部分も原因していると思います。

ジャズメンとしての実力は最高レベルですし、それは単にリズムキーパーとしてだけではなく、このアルバムに聴かれるような飽きさせないリズム的面白さとか、厭味なく凝った演奏は如何にもモダンジャズとしての魅力に溢れているのでした。

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快楽のビート

2008-03-29 18:39:07 | Weblog

昨日までの仕事地獄から脱出したものの、本日は野暮用地獄でした。もちろんその合間には、しっかりネタ集めというか、中古盤店やジャズ喫茶にも行けましたけどね♪

ということで、本日は――

Blues Walk / Lou Donaldson (Blue Note)

ジャズ喫茶なんて暗い空間では、悩んで聴くのがジャズの王道という風潮が確かにありました。それはもちろんフュージョンブーム以前の事ですが、だからルー・ドナルドソンのような快楽主義を貫いているミュージシャンはジャズではなかった時期もあったようです。

実際、タイトル曲がグループサウンズにもカバーされた「Alligator Bogaloo (Blue Note)」はもちろんの事、今では名盤扱いとなったこのアルバムも、店内の雰囲気を汚す1枚として槍玉にあげたジャズ喫茶もあったほどです。

しかし、これはバリバリのモダンジャズど真ん中でしょう!?

適度に緩くてファンキー、コンガ入りの楽しいリズムにウキウキワクワクしながらも、ルー・ドナルドソンといいう黒人ミュージシャンのハート&ソウルにシビレて何がいけないのでしょう。

録音は1958年7月28日、メンバーはルー・ドナルドソン(as)、ハーマン・フォスター(p)、ペック・モリソン(b)、デイヴ・ペイリー(ds)、レイ・バレット(per) という、これは当時のレギュラーバンドだったと思われる面々です――

A-1 Blues Walk
 なんともイナタイ!
 ファンキーというにはユルユルな雰囲気は、ズバリ、チャカポコのコンガがその秘密かもしれません。ルー・ドナルドソンもブルースを意識しつつも、実はR&Bに近いソウルフルなノリとフレーズで分かり易いアドリブに撤していますが、まずテーマメロディのジンワリフィーリングに魅了されてしまいますねぇ~♪
 ハーマン・フォスターのピアノはソニー・クラーク+エロル・ガーナーにオルガンっぽい奏法も交えた独特のグルーヴがクセになる危うさです。
 演奏は終盤でコンガとドラムスのズンドコ対決もあって、ひとつ間違えればドC調というギリギリ感がたまりません。

A-2 Move
 ルー・ドナルドソンのスタイルは誰が何と言おうと、チャーリー・パーカーの影響が色濃いわけですが、流石にあそこまでのエキセントリックのところは無く、むしろ同じ様なフレーズとノリを使っていても、実に分かり易いのが特徴で、それはチャーリー・パーカーが十八番にしていた、このビバップ曲で丸分かりでしょう。
 猛烈なアップテンポで、かなりトリッキーのフレーズも吹いていますが、明朗快活なスピード感が爽快です。コンガ入りのリズム隊も本領発揮の楽しい4ビートで盛り上がり、そういうノーテンキなところがビバップの進化形たるハードバップの魅力かもしれません。

A-3 The Masquerade Is Over
 どちらかと言えばシンミリ系のスタンダード曲を、ルー・ドナルドソンは屈託無く明快に吹きまくり♪ このネアカなフィーリングが我国のジャズ喫茶にはそぐわないところだったのでしょうねぇ……。
 しかしチャカポコのコンガ入り4ビートの快楽性は麻薬的なもので、こんな演奏ばっかり聞いていると社会復帰が難しくなりそうです。このリズム隊、最高!

B-1 Play Ray
 B面ド頭が、これまた緩いファンキー節というメロディですから、たまりません♪ もちろんレイ・バレットのコンガが絶妙の合の手ビートです。
 さらにアドリブ先発のハーマン・フォスターがハートウォームな和みの極北ならば、ルー・ドナルドソンはベタなフレーズと明快なノリでウキウキの居直りです。
 演奏は終盤にかけてリズム隊のケレンも用意されていて、どこまでも調子が良すぎるのでした。

B-2 Autumn Noctrne
 いやはや、これまたベタベタな選曲♪ もちろん演奏は期待通りにスローなグルーヴが醸し出され、ルー・ドナルドソンが真摯な歌心を聴かせてくれます。いゃぁ~、このメロディフェイクの上手さは流石ですねぇ~~♪
 こういう普通っぽい演奏を敬遠してはバチアタリというもんでしょう。

B-3 Callin' All Cats
 オーラスはアップテンポの陽気なハードバップ演奏ですが、ルー・ドナルドソンは意外にも新しい雰囲気のフレーズも使っています。
 しかしハーマン・フォスター以下のリズム隊には、そんなの関係ねぇ~! レイ・バレットのコンガも快調ならば、ペック・モリソンのベースも基本に忠実にな4ビートを送り出し、まさに魔法のビートの秘密が解き明かされていくのです。
 そして結局、ルー・ドナルドソンは元の木阿弥! さらっとしたソウル味が付けられたパーカーフレーズの洪水で見事に演奏を締め括るのでした。

ということで、捨て曲無しの楽しいアルバムです。まあ、本音を言えば、「Blues Walk」あたりはピアニストがソニー・クラークだったらなぁ……、なんて不遜な事を思った時期もありましたが、いやいや、これはやっぱりハーマン・フォスターの起用が正解です。

というよりも、このアルバムはリズム隊の快楽性が魅力じゃないでしょうか? コンガとかラテン系打楽器の入った演奏はチャーリー・パーカーもやっていますが、それはあくまでもラテンミュージックのモダンジャズ的展開であって、ここで聴かれる黒人系R&Bグルーヴとは一線を隔するものかと思います。

けっこう粘っこいファンキー4ビートにコンガのチャカポコピートが加わったことにより、ますますソウルフィーリングが強調されたのはルー・ドナルドソンの意図するところだったのでしょうか?

こういうビートの魔術が楽しめるのもジャズの魅力かもしれません。

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なんとかなるもんだ♪

2008-03-28 19:31:51 | Weblog
やっと帰れた♪

仕事の諸問題、懸案も解決の方向で、結果オーライです。

とはいえ、これから祝杯宴会か……。

まあ、今日だけは酔ったふりして騒ぎたい気分です。

本日の1枚、今日までは休ませて下さい。
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ちょっと、どころか完全に……

2008-03-27 17:12:34 | Weblog
今日も仕事で苦闘中……!

「サイケおやじ館」も、1ヵ月、更新出来ていないしなぁ……。

こんなザマじゃ、見捨てられてしまうのでしょう。

あと、もう少しで地獄から脱出できそうですが……。
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何も出来ない……

2008-03-26 17:18:00 | Weblog
仕事に振り回されて、急な出張となりました。

こんなに働いて、自分はどうだと言うのか!?

モヤモヤした疑問に苛まれてストレスたっぷりです。
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奈美ちゃんで和む

2008-03-25 17:38:28 | Weblog

あぁ、朝から仕事ばっかりで、こんなに働いてもロクなことがありません。

ということで、本日は――

dankaiパンチ~東京に吹く風~昭和40年代ポップス (ビクター)

恒例♪ というか自分的に嬉しい麻田奈美ちゃんシリーズのオムニバスCDです。今回はポップス篇ということで――

 01 いとしのマックス / 荒木一郎 
 02 あの娘と僕(スイム・スイム・スイム)/ 橋幸夫 
 03 君だけに愛を / ザ・タイガース
 04 青空のある限り / ザ・ワイルド・ワンズ
 05 トンネル天国 / ザ・ダイナマイツ 
 06 ダンシング・セブンティーン / オックス
 07 天使の誘惑 / 黛ジュン
 08 真冬の帰り道 / ザ・ランチャーズ
 09 ケメ子の唄 / ザ・ジャイアンツ
 10 帰り道は遠かった / チコとビーグルス 
 11 朝まで待てない / ザ・モップス 
 12 ひとりの悲しみ / ズー・ニー・ヴー
 13 愛情砂漠 / 安田南
 14 グッド・ナイト・ベイビー / ザ・キング・トーンズ
 15 ゴロワーズを吸ったことがあるかい / かまやつひろし
 16 グッド・バイ・マイ・ラブ / アン・ルイス 
 17 おそい夏/ 麻田奈美(ボーナストラック)

――という、非常にベタベタな選曲ですが、初めて聴けば温故知新は必定でしょうか。

ただ、かまやつひろし、そして安田南は狙いすぎてハズした感じも……。他にいれるべき名曲は沢山ありますが、それを言ったらキリがないので……。

ボーナストラックは麻田奈美のデビュー曲♪ フォーク歌謡の傑作で、もちろん彼女のヘタクソなボーカルが、らしくて好きですよぉ~~♪

それにしても彼女みたいなガールフレンドがいたら、学生生活は楽しかっただろうか……。なんて答えの出ない自問自答をしています。

コメント (2)
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論より証拠

2008-03-24 17:50:30 | Weblog

仕事はお金の話ばっかりで、ちょっと嫌気がさしています。

もう少し、心意気とか感じられれば、男にしてやろうという気持ちも湧くのですが、最初っから打算とタテマエばかりで、本音を吐かない者には、共感を覚えませんね。たとえ何年も付き合いが続いていても、です。

ということで、本日はスカッと――

Ezz-therics / George Russell (Riverside)

ジョージ・ラッセルはモード理論推進派のひとりとして、モダンジャズに確固たる足跡を残した偉人とされていますが、それほど聴かれているのかなぁ……。

というのが、私の素直な感想です。実際、ジャズの解説本なんかに載っている「リディアン的概念」とか、素人には意味不明の論理ばかりが先走り、そんな頭でっかちな演奏が入ったレコードなんか、乏しい資金を使って買う気にもならないし、たまにジャズ喫茶で鳴っているリーダー盤にしても、個人的には??? という印象でした。

ところが、このアルバムには素直にシビレましたですねっ♪ なんというかストレートな凄みが意味不明な理論をブッ飛ばしている感じです。

録音は1961年5月8日、メンバーはドン・エリス(tp)、デイヴ・ベイカー(tb)、エリック・ドルフィー(as,bcl)、ジョージ・ラッセル(p,arr)、スティーヴ・スワロー(b)、ジョー・ハント(ds) というガチンコで恐い面々――

A-1 Ezz-thetics
 古くはリー・コニッツ&マイルス・デイビスによるクールで熱い名演、ハードバップではマックス・ローチとソニー・ロリンズによる烈しくドライブしまっくた熱演がモダンジャズ史上に燦然と輝く幾何学的な名曲! そしてここでの演奏は地獄の底まで突進していきそうな、本当に火の出るような爆演が聞かれます。
 まずはテンションの高いイントロからテーマ合奏、猛然と突っ込んでいくリズム隊と妥協しないホーン陣の恐い対決は、アドリブパートでグングン白熱! 先発のデイヴ・ベイカーが瞬発力満点の爆裂トロンボーンを響かせれば、クールな浮遊感と青春の情熱が両立したようなドン・エリスのトンペットが不思議なカッコ良さです。
 そして真打のエリック・ドルフィーが危険極まりない狂気のアルトサックスで悶え泣き! 各アドリブ奏者のパートには絶妙のブレイクが仕掛けられていますが、エリック・ドルフィーの場合は、そんなの関係ねぇ~~! 天地驚愕の唯我独尊でしょうねぇ♪
 また終始、緊張感が強いリズム隊ではドラムスのジョー・ハントがヤケッパチ寸前のブチキレながら、実は冷静なところが凄いと思います。もちろんジョージ・ラッセルのピアノは些かワザとらしく響くのですが、ラストの混濁まで、実に爽快な演奏の決定版だと思います。

A-2 Nardis
 一応、マイルス・デイビスが作ったことになっているモードの名曲が、ここでは真相究明というか、種明し気味のアレンジで演奏されていきます。まずテーマのアンサンブルがミステリアスで最高ですねぇ♪ ちょっと情け無いドン・エリスのトランペットさえも、実は演出だと思います。
 リズム隊ではスティーヴ・スワローのベースが好き放題♪ ドン・エリスのミュートソロとウマが合った名演ですし、デイヴ・ベイカーのモゴモゴトロンボーンからエリック・ドルフィーのエキセントリックなバスクラリネットが登場するパートは、何時聴いてもスリル満点です。

A-3 Lydiot
 意味不明のテーマメロディが素晴らしくグルーヴィに演奏されていくという新世代のビバップ! アドリブ先発で手本を示すジョージ・ラッセルのピアノが煮え切らないぶんだけ、スティーヴ・スワローが素晴らしい助け舟を出し、バンドをスイングさせています。
 途中で居心地の悪いリフをぶっつけてくるホーン陣の中では、エリック・ドルフィーがツボを押えた嘘泣きアルトサックスですが、ドン・エリスのクール節は本物か??? と思っていると、デイヴ・ベイカーが重苦しい音色で密度の濃いフレーズを乱れ打ち!
 しかしこの演奏は、やはりスティーヴ・スワローが極みつきです。4ビートで自在に躍動するウォーキング、さらにしぶといアドリブソロまで、完全無欠の存在感は、ほんとうに気持ち良いですねぇ~♪

B-1 Thoughts
 ほとんど意味不明なテーマメロディが???とはいえ、途中からジョー・ハントがリードして躍動的なパートが始ると、少しはホッとします。しかしまたまたウジウジとした本音に立ち返り……。
 ですからアドリブパートは、ちっとも面白くありません。辛うじてバックの面々の絡みとか、意地悪く仕掛けられたアレンジにハッとさせられるのですが……。
 個人的にはドン・エリスが秀逸だと思います。
 
B-2 Honesty
 ゴスペル調の楽しい演奏ながら、やっぱり随所に変態指向がある感じでしょうか。エリック・ドルフィーのアルトサックスが熱く咆哮するほどに、裏にはジョージ・ラッセルの薄ら笑いがあるような……。
 まあ、それでも緊張感と和みのコントラストが素晴らしく、バンドメンバー各々が見せ場を作っていくのでした。

B-3 'Round Midnight
 オーラスは有名モダンジャズ曲なので安心感も漂いますが、実は出だしからフリー系の響きです。そしてもちろん、その中から、あの有名なテーマメロディが浮き出してくるというエグイ仕掛なんですねぇ♪
 あざといと言えば、それまでなんですが、エリック・ドルフィーのアルトサックスが艶っぽく、堂々とケレンを演じて潔いと思います。

ということで、ジャズ喫茶では隠れ定番でしょう。特にA面が鳴り出すと、お客さんはジャケットを眺めて手帳にメモという光景も、1970年代の文化世相でした。

またB面はお茶の間とか自室で聴くと、また違った味わいがあったりして、なかなか侮れない名盤だと思います。

論より証拠の1枚でしょうね♪

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ラウズのボッサ

2008-03-23 17:01:21 | Weblog

なんともポカポカした日でしたが、世間は残忍な事件、呆れた出来事に満ちていますね……。

そこでこんな日には――

Bossa Noba Bacchanal / Charlie Rouse (Blue Note)

1960年代前半のボサノバブームで作られたアルバムだと思いますが、私にとっては生真面目なチャーリー・ラウズとボサノバのイメージが結びつかず、これを聴いたのは1980年代も終りの頃でした。

というか、某廃盤店のバーゲンで格安放出された時にゲットしたのが真相です。

録音は1962年11月26日、メンバーはチャーリー・ラウズ(ts) 以下、ケニー・バレル(g)、チャンシー・ロード・ウェストブルック(g)、ローレンス・ゲイルス(b)、ウィリー・ボボ(ds)、パタート・バルデス(per)、ガーヴィン・マッソー(per) とクレジットされていますから、必ずしもジャズの専門屋ばかりではないところに本格志向があるようです。

ちなみにチャーリー・ラウズはご存知のとおり、セロニアス・モンクのバンドレギュラーとしてバリバリの頃であり、また同時期には親分が大手のコロムビアと契約して人気絶頂でしたから、チャーリー・ラウズへの注目度も高かったものと推察しております――

A-1 Back To The Tropics
A-2 Aconteceu
A-3 Velhos Tempos
A-4 Sanba De Orfeu / オルフェのサンバ
B-1 Un Dia
B-2 Meci Bon Dieu
B-3 In Martinique

――結論から言えば、陽気なラテンジャズという雰囲気が濃厚です。ボサノバ特有のお洒落なフィーリングとか涼やかな哀愁みたいなものは、あまり感じられません。

しかしボサノバはブラジルのモダンジャズという側面から聴けば、これは立派なジャズ作品であり、真ボサノバと言えなくもありません。

演目もちょっと見には一般的でない曲が多いのですが、聴いてみれば、けっこう耳に馴染んだメロディが心地良く、何よりも共演のリズム隊がシャープで感度良好♪

気になる2人のギタリストはケニー・バレルでさえも、エレキは1曲だけで、あとは生ギターを使っているのも高得点でしょう。特に「Velhos Tempos」でのチャンシー・ロード・ウェストブルックは最高ですねぇ♪
 
肝心のチャーリー・ラウズは、何時も多用するフレーズが気になるものの、曲想を大切に生真面目な吹奏で好感が持てます。「Sanba De Orfeu / オルフェのサンバ」あたりは快演でしょう。またジャズ色の強い「Un Dia」とか「In Martinique」はソニー・ロリンズっぽいノリが楽しいところですが、そうやって比べられてしまうのは、せつないですね……。

ということで、夏よりは今の季節、春の訪れの頃にはジャストミートの1枚だと思います。ウキウキするようなリズム隊の躍動感が素敵な「Back To The Tropics」から哀愁漂う「Aconteceu」、そして刹那の「Velhos Tempos」の3連発には、ちょっと抜け出せない魅力がありますので、私はA面ばかり聴いているのでした。

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トミフラの猫盤

2008-03-22 18:25:01 | Weblog

今日は墓参りとか、様々な野暮用に忙殺されました。

知らないうちに時間が過ぎた感じ……。こんなふうに過ぎていくのなら、人生も味気ないですね――

The Cats / Tommy Flanagan (New Jazz)

ブレスティッジお得意のジャムセッション盤ですが、これはトミー・フラナガンが一応のバンマスというアルバムです。なにせ収録5曲の内4曲もオリジナルを提供し、残るひとつのスタンダード曲は自分中心のトリオで演奏されているのです。

録音は1957年4月18日、メンバーはアイドリース・シュリーマン(tp)、ジョン・コルトレーン(ts)、トミー・フラナガン(p)、ケニー・バレル(g)、ダグ・ワトキンス(b)、ルイス・ヘイズ(ds) という魅惑の面々――

A-1 Minor Mishap
 タイトルどおり、ちょっとマイナー調で景気が良いハードバップ曲♪ けっこう私好みというか、まずテーマの合奏からしてグッと惹き込まれます。グイノリのリズム隊が実に良い感じですねぇ~♪
 そしてアドリブに入ると、まずはジョン・コルトレーンがこの時期特有のウネウネしたフレーズの連続ながら、どこか浮遊していくような不思議な展開……。
 しかし続くケニー・バレルが最高の名演を聞かせてくれます。アドリブに入るところのビリビリッとした痙攣フレーズなんか、もうシビレて悶絶ですよ♪ もちろん歌心もたっぷりです。
 またアイドリース・シュリーマンが実力派の面目躍如! 旨味のあるフーズとシブイ音色の妙が冴えわたりですから、トミー・フラナガンも気が抜けません。ジェルントルにしてツッコミも鋭いトミフラ節と生硬なビバップのグルーヴが両立しているのでした。

A-2 How Long Has This Been Going On ?
 このセッションでは唯一のスタンダード曲が、リズム隊だけで演奏されています。もちろん、我々が期待して裏切られないトミフラ節による解釈は、緩やかにして黒いグルーヴが滲み出た安らぎの名演だと思います。

A-3 Eclypso
 これは楽しいラテンリズムを使ったトミー・フラナガンの代表的なオリジナル曲♪ そしてアドリブパートは4ビートになるんですが、晩年まで愛奏していただけあって、ここでのソロも冴えまくりです。こういう歌心の妙、さらに快適なノリの良さこそがトミフラ節なんでしょうねぇ~♪
 アイドリース・シュリーマンのトランペットもスリル満点に良く歌っていますし、ジョン・コルトレーンも十八番のフレーズを連ねる大健闘! たぶんこの曲の元ネタは有名スタンダードなんでしょうけど、ええと、なんだっけ……。きっと歌心を刺激されるコード進行なんだと思います。
 もちろんケニー・バレルも素晴らしく、またリズム隊の安定した4ビートのグルーヴはハードバップの必須条件を満たしています。

B-1 Solacium
 些か地味な曲なんですが、なんともいえない柔らかな余韻と力強いリズム隊の織り成す味わいが深いと思います。
 アドリブ先発で手本を示すトミー・フラナガンは、いろいろと有名曲のメロディを入れたり、綺麗なピアノタッチを活かしたフレーズを聞かせてくれますから、本当に和んでしまいますねぇ♪
 するとアイドリース・シュリーマンがちょっと陰鬱な音色と不思議なフーズの連発で新鮮とはいえ、???の瞬間も……。トミー・フラナガンの伴奏と合っていない感じです。またジョン・コルトレーンも気合が入っていないというか、迷い道……。
 う~ん、何故だっ!?
 しかしそこから自分のペースに持っていく苦闘ぶりが、如何にもジョン・コルトレーンらしいと言えば、それまでなんですが……。つられてケニー・バレルまでもが調子を崩しているのです。

B-2 Tommy's Time
 しかしこれは素晴らしい名演! 控えめなブルースがジンワリと醸成されていく展開は、まさにハードバップ全盛期の証として、何度聞いても飽きません。
 まずはミディアムテンポで合奏されるテーマの雰囲気が最高ですし、アドリブ先発のトミー・フラナガンがジンワリと黒っぼく、リズム隊全員の意思統一されたグルーヴが、もう絶句するほどに素晴らしいです。
 野太い4ビートウォーキングのダグ・ワトキンスとビシッとしたアクセントのルイス・ヘイズが仕掛けるキメも流石ですし、ケニー・バレルのオーバーなハッスルぶりも微笑ましいところ♪
 もちろんアイドリース・シュリーマンは王道路線ですが、ジョン・コルトレーンが一筋縄ではいきません。ほとんど眠たいような出だしから、煮え切らないフレーズを続け、いつしか十八番の未完成音符過多症候群に陥っていきます。
 そしてそれを救うのが、ダグ・ワトキンスのヘヴィなベースソロ! この強いフィーリングが、演奏全体を支えているのがはっきりと分かります。そこへ重なっていくラストテーマにもゾクゾクさせられますから、実際、凄いと思います。

ということで、一時は珍しいトミー・フラナガンのリーダー盤であり、ジョン・コルトレーンの参加もあって、隠れた人気盤でした。

また猫ジャケットとしての人気もありましたですね。

コメント
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