本日は年度末であり、月曜日ということで、新たなる始まりが重なって、朝からメッチャクチャに忙しかったです。ケイタイは鳴りっぱなしだし、食事中も仕事の話ばっかりだし……。
ようやく今、こんなアルバム聴いて和んでいます――
■Halleloo-y' All / Red Garland (Prestige)
レッド・ガーランドがオルガンを弾いていることで有名なアルバムです。と言っても、たった1曲なんですが、それでも聴いてみたいと思わせる魅力は、和み優先の演奏に撤していたレッド・ガーランドならでは!
しかし個人的な思い出としては、このアルバムタイトルが何と発音してよいか分からず、聴きたいのにジャズ喫茶でリクエストすることが長い間出来なかったという見栄っ張りを露呈していましたですね。
録音は1960年7月15日、メンバーはレッド・ガーランド(p,org)、サム・ジョーンズ(b)、アート・テイラー(ds) という力感溢れるトリオです――
A-1 Revelation Blues
タイトルどおり、ゴスペル風味のブルースで、粘っこい中にも軽妙洒脱なレッド・ガーランドだけの「節」が存分に楽しめます。もちろん心が躍らされるブロックコードの響きも素敵♪
アート・テイラーのドラミングが何時もより軽めなのは、重量級のベースを響かせるサム・ジョーンズの参加ゆえのことでしょうか。ほとんどマンネリ寸前にまでレギュラー化していたポール・チェンバースとのトリオよりも、明らかに違うグルーヴが新鮮です。
このゆったりしてウキウキするような雰囲気、私は大好きです。
A-2 I'll Never Be Free
これも元ネタはゴスペルなんでしょうか、とにかくゆったりとしたメロディ展開にはブルースフィーリングがテンコ盛り♪ まさにレッド・ガーランドの選曲眼はニクイばかりですが、演奏もシンミリとしたフレーズとジワジワ効いてくるブルースの魂、泣きのメロディフェイク、そして味わい深いピアノタッチにグッとシビレます。
11分を超す長い演奏ながら、少しも飽きさせないのは流石ですね♪
ビンビンビンのサム・ジョーンズ、アート・テイラーのしぶといブラシも見事だと思います。
B-1 Everytime I Feel The Spirit
ゴスペルの有名曲がグイノリのアップテンポでハードバップに変換された見事な演奏です。アート・テイラーのハイハットが気持ち良く、サム・ジョーンズの4ビートウォーキングもツッコミが鋭いですから、レッド・ガーランドも快調にブッ飛ばす潔さ!
あぁ、こういうストレートなスイング感こそが、モダンジャズのひとつの魅力でしょうねぇ~~♪ なんの屈託もない楽しさが満喫出来ます。
B-2 Halleloo-y' All
さて、これがお目当て! レッド・ガーランドがオルガンを弾いた演奏です。まあ、正直言えば、不慣れな部分は否めませんが、低音パートはサム・ジョーンズに任せていますので、何時もどおりのブロックコード弾きがオルガンサウンドで出てくるとニンマリしてしまいます。
う~ん、例えばジミー・スミスあたりのオルガン専門屋とは明らかに違う楽しさがありますねぇ~~♪ アドリブフレーズだってガーランド節が全開ですから、これ1曲なのが勿体無い!
それとサム・ジョーンズの4ビートウォーキングが意想外の気持ちよさなのでした。
B-3 Back Slidin'
オーラスは、これぞレッド・ガーランドというブルースの世界です。つまり快適なテンポでグルーヴィな雰囲気♪ 十八番のブロックコードを存分に響かせながら、ツボを外さないブルースリックとモダンジャズのお洒落感覚を厭味無く撒き散らします。
絶妙なタイム感覚を完全に活かしきるレッド・ガーランドをピッタリとサポートするベースとドラムスは控えめな名人芸であり、本当に何時までも聴いていたい演奏になっています。
ということで、気になるアルバムタイトルは多分「ハレル~ヤ、オ~ル」と発音するように、ゴスペル感覚が強く滲み出た好盤だと思います。オルガン演奏はご愛嬌という雰囲気もありますが、個人的には好きですし、実は愛聴盤の1枚♪
なんか不思議に和んでしまうんですよ♪
地味ながら、聴かず嫌いは勿体無いアルバムじゃないでしょうか。