OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

宗旨を越えてエレキで浮かれろっ!

2024-12-24 17:25:02 | Ventures

The Ventures' Christmas EP (Liberty / 東芝)

   A-1 Jingle Bells / ジングル・ベル
   A-2 Santa Claus Is Comin' To Town / サンタが町にやってくる
   B-1 White Christmas / ホワイト・クリスマス
   B-2 Rudolf The Red Nosed Reindeer / 赤鼻のトナカイ

クリスマス!

――と言ったって、仏教徒のサイケおやじには矢鱈に浮かれた気分なんてものは何時頃からか失せてしまっているんですが、それでも少年期だった昭和40年代には、それなりにウキウキした気分に導かれていた事は確かです (^^;

それはクリスマスケーキ等々の御馳走の他に街に流れていたクリスマスソングに気分が触発されていたと思えば、エレキで奏でられる本場のクリスマスソングにはノー文句でシビレていましたですねぇ~~♪

もちろん、中でも圧倒的だったのは王者ベンチャーズのクリスマスレコードで、掲載したのは昭和41(1966)年に我が国独自で発売された通称コンパクト盤と呼ばれた4曲入りの33回転7吋盤なんですが、上記した収録曲は当然ながら、前年に発表し、以降世界的ロングセラーヒットになっている傑作LP「ベンチャーズ・クリスマス・アルバム / The Ventures' Christmas Album」からカットしたトラックですから、その完成度は永遠不滅!

実際、主にR&Bの有名曲から引用したリフやリズムパターンを洒脱に使ったアレンジで演奏されるエレキインストは説明不要、正にベンチャーズの真骨頂 (^^♪

そして特筆しておきたいのがジャケットデザインの楽しい雰囲気の良さで、もちろんこれはベンチャーズ本人達の新しいグループショットが入手出来なかった当時の我が国レコード会社の苦肉の策ではありましょうが、それにしても軽妙にして楽しさ満点のデザインは秀逸ですよねぇ~~ (^^♪

ということで、クリスマスは宗旨は違えど祝賀行事であれば、やはり虚心坦懐に楽しむのも十人十色、決して強制されるものではありません。

しかし、不肖サイケおやじは、久々に掲載盤に針を落とし、ベンチャーズサウンドによるクリスマスソングにシビレさせられたという、あらためてクリスマスの意義のひとつを痛感させられました (^^;

うむ、キリストもベンチャーズも偉大なり!

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急がば廻れの心意気

2021-05-18 19:29:09 | Ventures

WALK DON'T RUN / The Ventures (Dolton)

さて、いよいよ我が国でもコロナウィルスのワクチン接種がスタートしましたが、高齢者が優先対象とはいえ、案の定というか、既に予約段階から混乱&トラブルが発生し、また実際の接種状況についても、呆れ果てた実情や事故(?)や続出しているのですから、これでいいのかっ!?!

と、連日の嘆き節がサイケおやじの本音です。

それは例えば、予約申し込みの電話やネットが全く繋がらない状況は言わずもがな、未だに件の「予約番号」が手元に届いていないとか、地域においては為政者や有力者が抜け駆けしての早期接種というド汚さが露見したり、偽りの予約を取るというイタズラだか、何かの思惑なのか、そんなデタラメが成り立っているのですから、嘆かわしい限りです……。

また、良かれと思って計画した事が裏目というか、電話やネットじゃ~、高齢者は難しいだろうからと思いやり、対面予約受付を実施したところ、現場は早朝から長蛇の列で三密状態!

また、予約する際の接種場所の選択を「かかりつけの医院」にした場合、結果的に早くても初回が9月とされてしまう等々、総理大臣や厚生大臣が「7月中に終了させる」なぁ~んて発言は全く現実を見ていないという戯言なんですねぇ~~~!

さらに実際の接種現場では、某所の高齢者施設で同日に2回接種された居住者がっ!?

現在、経過観察中とはいえ、許されないミスであり、場合によっては「業務上過失」という罪状になる事は明らかでしょう。

結局、そんなこんなの混乱失態は国家による高齢者を利用しての人体実験と断定されたって、言い訳は繕えないし、それを追求しようともしない野党の議員は烏合の衆!

で、サイケおやじとしては、ワクチン接種なんて、しばらくは様子を見てからにするつもりなんですよ。

だって、一般国民の接種が高齢者の後だというのですから、強制ではないにしろ、あんまりにも性急な方策には疑問が拭い去れません。

そこで本日は、1960年に出たベンチャーズの記念すべき初ヒット「急がば廻れ / Walk Don't Run」をウリにしたアメリカプレスの4曲入りEP盤でして、ど~です、このジャケットの亀のイラストこそは、ユーモラスにしてシニカルな気分を存分に表しているんじゃ~ないでしょうか (^^;

ちなみに収録されているのは下記のとおり ――

  A-1 Walk Don't Run / 急がば廻れ
  A-2 The McCoy
  B-1 Honkey Tonk
  B-2 Raunchy

―― という4曲で、何れも最初のLP「ウォーク・ドント・ラン」にも収録されていますが、ここで特筆すべきは、このEPが「45回転仕様」になっている事で、つまりは音が良いんですねぇ~~♪

で、肝心の「急がば廻れ / Walk Don't Run」はボグ・ボーグル(g)、ドン・ウィルソン(g)、ノーキー・エドワーズ(b)、スキップ・ムーア(ds) という最初期の4人組で演奏されていると云われていますが、それはそれとして、ここでのドラムロールのイントロには何度聴いてもワクワクさせられてしまいますねぇ~~ (^^♪

もちろん、今では有名になっている真実として、この大ヒット曲のオリジナルはジャズギタリストのジョニー・スミスの自作自演バージョンであり、しかしベンチャーズが影響されたのはチェット・アトキンス(g) のポピュラーカントリーのバージョンとされているんですが、それを思いっきり8ビートに変換し、2拍目にスネアドラムが二つ打ちすれば、ドン・ウィルソンのリズムギターは極上のカッティングでロックのグルーヴを演出するという、永劫のベンチャーズスタイルの基本形が、ここに出来上がっていたわけです。

そして気になるリードギターはボグ・ボーグルが弾いており、ノーキー・エドワーズに比べれば派手さは無いものの、ハーモニーの入れ方とか、なかなかシブイ小技はニクイばかり (^^♪

実際、夥しいアマチュアのバンドがベンチャーズの「急がば廻れ / Walk Don't Run」をコピー演奏しても、一番に難しいのが、こ~ゆ~シンプルな楽曲メロディでノリを出す事であると思えば、ベンチャーズは本物の天才グループであり、この後の音楽史のみならず、大衆文化にまでも大きな影響を及ぼした事は必然と思うばかりです。

ということで、「急がば廻れ」は正に至言!

現在の様な混乱した世相にこそ必要とされる心構えかもしれません。

そ~ですよ、慌てる乞食はなんとやらっ!

ここは焦らず、じっくり構えていても結果は同じと決める覚悟の潔さ!

居直りと思われようとも、サイケおやじは今日もベンチャーズの「急がば廻れ / Walk Don't Run」に心を奪われてしまうのでした。

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ノーキー・エドワーズの熱いリックが迸る!

2021-04-15 18:25:11 | Ventures

Hot Guitar Licks / Nokie Edwards (RJ Productions = CD)

   01 Alabama Jubilee
   02 Nokie Boogie A
   03 I Got a Woman
   04 Guitar Boogie
   05 Classical Gas
   06 Steel Guitar Rag
   07 Exodus
   08 Keep Searchin'
   09 Swat
   10 Cuando Cuando
   11 Brazil
   12 Fools Rush in

本日ご紹介するのは、2018年に出たノーキー・エドワーズの未発表セッション音源から作られたCDで、ということは、この偉人のラストレコーディング? と思われがちですが、実は中身は、1996年にフィリピンに招かれたノーキー・エドワーズが地元のミュージシャンとスタジオで録音した演奏集になっています。

もちろん、説明不要とは思いますが、ノーキー・エドワーズはベンチャーズのリードギタリストとして大活躍し、その影響力は我が国ばかりか、世界中に及んでいますので、フィリピンにも信奉者は夥しく、ここに聴かれるセッションを企画したラモン・RJ・ジャシントなる人物も、そのひとりとして、現地では放送局や様々なスタジオを経営する、ある意味では「芸能界の顔役」と云われているらしいんですが、それはそれとして、やはりベンチャーズにシビレた体験からギタリストとしても活動し、ノーキー・エドワーズとは古くから親交があったそうですから、ここに聴かれる演奏がリラックスした中にも躍動感に満ちている事には納得して歓喜悶絶 ♪♪~♪

しかも、上記した演目をご覧いただければ、これまたコアなファンならずとも期待でワクワクさせられる名曲ばかりだと思いますが、いかがなものでしょう。

もちろん全曲でノーキー・エドワーズが十八番のリックを全開で披露し、バックを担当したのは前述のラモン・RJ・ジャシント(g) 以下、ボロロン・エラハ(g)、ベン・テソロ(b)、ロリー・ロルダン(b)、エドニコラス(ds) という、おそらくは地元のセッションプレイヤーと思われる名前がジャケットに記載されておりますが、他にもキーボードやホーンセクションが入ったトラックもありますから、かなり周到な準備もあったのでしょう。

しかし、そんなこんなは考える必要が無いほどに、ここのでノーキー・エドワーズは親指に装着したサムピックに神業のフィンガーピッキングを絡ませて全篇で弾きまくりですし、バックの面々のリズムセクションとしての役割に徹したサポートには敬意すら感じさせる素晴らしさですよっ!

それはカントリー&ウエスタンのスタンダード曲にしてアップテンポのド頭「Alabama Jubilee」、スタジオリハーサル的なノーキー・エドワーズのオリジナルとされる「Nokie Boogie A」、レイ・チャールズの代表曲というよりも、今やR&Rの定番にもなっている「I Got a Woman」、そしてロカビリーやジャズ系の有名ギタリストが数多く名演を残している「Guitar Boogie」と続く4連発で、既にリスナーの皆々様にしても、絶対に震えて浮かれるんじゃ~ないでしょうか (^^♪

あぁ~~、このビート感と十八番のリックの乱れ打ちは、カントリーロックの醍醐味はもちろん、ベンチャーズサウンドのひとつのキーポイントをノーキー・エドワーズなりに表現した、全く自由な天才性の証明と思うばかりです。

しかし、だからこそ、ベンチャーズではノーキー・エドワーズの後任を務めたジェリー・マギーが代名詞的に弾いていたメイソン・ウィリアムスの大ヒットカバー曲「Classical Gas」が、ここでは幾分考え過ぎてしまった感が……。

なぁ~んていう不遜な思い、どうか……、ご容赦くださいませ <(_ _)>

そして中盤、「Steel Guitar Rag」では、これぞっ! やっぱりノーキー・エドワーズならではの凄いギタープレイが堪能出来ますし、有名な映画音楽として「栄光への脱出」という邦題がある「Exodus」は哀愁が滲むテーマメロディを活かしたアレンジと演奏がニクイばかり ♪♪~♪

さらに、その意味でサイケおやじが大いに気に入っているのが、デル・シャノンのヒット曲のひとつにして「太陽を探せ」の邦題がお馴染みの「Keep Searchin'」で、原曲のキモだった泣きメロと解放感に溢れたサビの展開を前半は低音弦をメインに、中盤からはベンチャーズ風味を入れた、本当に世界中のファンが望むところを存分に聴かせてくれるんですねぇ~~♪

終盤のアドリブプレイもイイ感じ♪♪~♪

ちなみに、この「Keep Searchin' / 太陽を探せ」はテンプターズの「エメラルドの伝説」やシャネルズの「街角トワイライト」のネタ元になっているとサイケおやじは思い込んでいるんですが、いかがなものでしょう (^^;

閑話休題。

こ~して、この音源集も後半に入って、うっ!?

と、思わず呻かされるのが日本でも人気が高かったアメリカ制作のアクションテレビドラマ「Swat / 特別狙撃隊S・W・A・T」のテーマ曲で、なんとっ! これまでの演奏の流れとは一変したファンキーなリズムとビート、さらにホーンセクションまでも導入した、ある時期のベンチャーズもやっていたサウンドの再現を狙った様なトラックなんですが、流石はノーキー・エドワーズ!

ニューソウルなリズムギターをバックにしながらも、カントリーロック由来の泥沼ファンキーなフレーズを積み重ねて山場を作る職人技が冴えまくりですよっ!

もう、このあたりになると、ファンとしては端座して聴き入るのみの心境なんですが、続く「Cuando Cuando」、そして良く知られたラテンの名曲「Brazil」における南国グルーヴの心地好さは格別で、これはフィリピンでのセッションという環境が関係しているとしたら、結果オーライの大正解と思うばかりです (^^♪

そして、いよいよの大団円と申しましょうか、泣きメロが胸キュンのスタンダード曲「Fools Rush in」は、ライトタッチのカントリーロックにアレンジされていますから、ノーキー・エドワーズの十八番のリックがテンコ盛り ♪♪~♪

こりゃ~~、やっている当人達だって、楽しいに違いないという仕上がりで、羨ましくなるばかりです (^^♪

ということで、ベンチャーズやノーキー・エドワーズのファンならずとも、音楽好きならハナからケツまで楽しめる音源集ですよ、これはっ!

特にギター好き、ギターを少しでも弾いた事のある皆様には、一度は聴いても後悔しないはずと、激オススメです。

なにしろ、殊更前半はシンプルなリフとアドリブフレーズ主体の曲ばかりですから、ノーキー・エドワーズも手練れの技を存分に披露しておりますし、語弊があるかもしれませんが、ちょいとばかりシバリの多いベンチャーズでのプレイよりは、相当に自由に弾いている様に感じるんですが、いかがでしょうか (^^♪

あぁ……、現世では永遠にノーキー・エドワーズの新しい演奏は聴けませんので、今後も同様の未発表音源の登場を心待ちにしているのでした。

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この季節の思い出

2020-08-04 20:44:09 | Ventures

北国の青い空 / The Ventures (東芝)

今日は殊更に暑かったですねえ~~。

普段であれば、こんな時こそ、仕事帰りにビアガーデン♪♪~♪

っていう定番コースも、現在は自粛を求められている所為で、一応屋外ではありますが、やはり感染症対策を重視すれば、自発的に行くことは憚られるところでしょう。

しかし、そこが日本の夏の風物詩である事は揺るがせに出来ない事実ですから、今年はしょ~がないにしても、来年はぜひっ!

ということで、思い出したのが掲載のシングル盤A面曲、ご存知ベンチャーズが昭和42(1967)年6月に出した「北国の青い空」でして、もちろん説明不要、奥村チヨ日本語歌詞のカバーバージョンを大ヒットさせたという傑作曲です。

この背景には、ベンチャーズが同時期に製作発売した我が国独自の企画アルバム「ポップス・イン・ジャパン」の存在があり、この「北国の青い空」も彼等の作曲によるオリジナル「Hokkaido Skies」でありましたが、そんなこんなでリアルタイムから現在まで、日本のエレキバンドならば、必須必修の名曲になっている事は言わずもがな!

実はサイケおやじは学生時代、入れてもらっていたバンドでようやくレギュラーになれた頃、関東近郊の地方都市のビアガーデンにバイトで出演するというセミプロ活動初体験において演奏していたプログラムの中に「北国の青い空」があったもんですから、「ビアガーデン」という言葉から即連想してしまうのが、「北国の青い空」というわけです。

ちなみに、当時のサイケおやじはエレキのバカ大将を目指してはいたものの、ようやく入れてもらったレギュラーでの役割は、あまり得意ではないリズムプレイばっかりの丁稚奉公だったんですが、それでも楽しかったのは言うまでもありません。

実は後に知った事なんですが、当時はサイケおやじよりも上手い仲間が何人も存在しながら、何故に自分が選ばれたかという真相は、リズムカッティングを6弦からキッていたからで、つまりは往年のエレキバンド、あるいは1960年代のロックバンドでは普通だったリズムプレイをやっていたからだそうで、逆に言えば、その頃、つまり昭和50年代では聊か時代遅れの奏法に固執していたというか、本当は……、それしか出来なかったんですが、とにかく結果オーライでありました (^^;

それと、もうひとつ思い出したのが、その時のステージに対バンというよりも、交代で出演していたのが弾き語りで歌謡フォークを演じていた女性シンガーで、ちょっぴり丸っこいルックスに衣装がミニスカ♪♪~♪

ですから、ムチムチした美脚(?)に目を惹きつけられていた野郎どもが多かったのは絶対の事実で、しかもギターを抱えて椅子に座ってのパフォーマンスの時は、ステージが高く作ってありますから、テーブル席のお客さんからは、角度によって、なかなか素敵な目の保養にもなっていたのですよ♪♪~♪

もちろん、サイケおやじを含むバンドメンバーも休憩時間には、そ~ゆ~美味しい場所に近づいては、その部分を凝視しておりました ♪♪~♪

う~ん、彼女は、その後……、どうしているのかなぁ~~、なぁ~んて、思ったりしています、今日は (@^^)/~~~

ということで、何れにしても、この災厄を乗り越えないかぎり、世の中は明るくはならないでしょう。

とにかく今は、我慢の時と思うばかりです。

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エレキでコロナをぶっ飛ばせっ!

2020-04-09 20:42:43 | Ventures

若さでゴーゴー / The Ventures (Dolton / 東芝)

国家規模による自粛要請から、それなりに帰宅も早まったというのに、野暮用が多く、なかなか自分の時間が確保出来ないのは、これ如何にっ!?

それでも、これまでよりはギターに触る時間を増やす努力はしたいと思っているサイケおやじが取り出したのが、本日掲載したベンチャーズのシングル盤です。

もちろん、皆様ご推察のとおり、久々にエレキインストを弾いてみたいという欲求が噴出したのかもしれません。

で、これはベンチャーズが1965年に本国アメリカで発売した大ヒット傑作アルバム「ベンチャーズ・ア・ゴー・ゴー」からカットした2曲をカップリングした、おそらくは我が国独自のシングル盤と思われますが、殊更A面に収録された「若さでゴーゴー / Go Go Slow)」は翌年、つまり昭和41(1966)年新春から見事にヒットしています。

なにしろ、これはベンチャーズのメンバー4人が共作したオリジナル曲とはいえ、そのベースになっているのはファンならずとも聴けば一発! そうです、ベンチャーズの人気演目「10番街の殺人」を改作した様な、つまりは二番煎じと言えない事もありませんが、それが実に心地好いんですねぇ~~♪

泣きメロと申しましょうか、全く日本人好みの主旋律を激しいビートで煽るように演奏するあたりは、ベンチャーズの得意技のひとつと思うばかりです。

う~ん、このジャケ写のライブステージショットは、中でもメル・テイラーの演奏アクションは、この「若さでゴーゴー / Go Go Slow)」のイメージにはジャストミートでしょう ♪♪~♪

そしてミディアムテンポで、この感覚は、当時としてはヘヴィでハードな極みのロックフィーリングだったと思いますし、サイケおやじにしても、少年時代に心に響いた大切なロック衝動でありました。

ということで、聴きながらギターを抱えてしまった事は言うまでもありません。

あぁ~~、バンドやりてぇなぁぁぁ~~~!

コロナウイルスが終息したら、これは本気になりそうです。

エレキで、こんな災厄、ぶっ飛ばすぜっ!

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追想ジェリー・マギー、そしてベンチャーズのニューロック

2019-10-21 17:46:04 | Ventures
■Underground Fire / The Ventures (Liberty / 東芝)

  A-1 Fire
  A-2 ワイルドでいこう / Born To Be Wild
  A-3 Sunshine Of Your Love
  A-4 The Weight
  A-5 ハートに火をつけて / Light My Fire
  A-6 Down On Me
  B-1 Underground Fire
  B-2 E・マイナーの残り火 / Embers In E Minor
  B-3 草原の海 / Sea Of Grass
  B-4 Higher Than Thou
  B-5 Up, Up And Down
  B-6 田舎者のカチカチ頭 / Country Funk And The Canned Head

最近の訃報と云えば、やはりベンチャーズに在籍していたギタリストのジェリー・マギーも、天国へ召されましたですねぇ……。

洋楽ファンの中には「ベンチャーズの」というよりは、むしろ凄腕のセッションプレイヤーとしてのスタジオの仕事、殊更スワンブロック系のレコードに聴かれるプレイこそが神髄という評価がコアなマニアの証明みたいになっておりますが、しかしベンチャーズでの活動が決してアルバイト的なものではなかった事は、世界中の共通認識と確信するところです。

もちろん、ベンチャーズでは前任がノーキー・エドワーズという一座の大スタアでありましたから、ライブの現場でも、また新しく発売されるレコードにおいても、常に比較され続けたという不利な状況は避けえない現実でした。

しかし、ジェリー・マギーがレギュラーメンバーとなって以降のベンチャーズが、確かに第二期黄金時代を築いた事も確固たる事実です。

それは殊更日本では昭和40年代後半のベンチャーズ歌謡の大流行は言わずもがな、リアルタイムで発売されていたベンチャーズ名義のアルバムが、そりゃ~確かに売り上げは落ちていたでしょうが、そのジェリー・マギーを迎えた事による新しい魅力は決して蔑ろにされるものではありません。

例えば本日ご紹介のLPは1969年に発売された意欲作で、タイトルどおり、当時はアングラとの関連も密接だった所謂ニューロックな演目に拘った演奏集!

説明不要とは思いますが、メンバーはドン・ウィルソン(g)、ボブ・ボーグル(b)、メル・テイラー(ds)、そして新参のジェリー・マギー(g) に加えて、実際にレコーディングされた演奏には正体不明のオルガン奏者の活躍が強い印象を残しています。

それはA面ド頭が今も人気のアーサー・ブラウンの「Fire」から全開で、そのオリジナル演奏が基本的にオルガンロックでしたから、ここでもメインのギターサウンドのバックで暴れるオルガンはお約束ながら、しかしスピードに乗ったギターインストの魅力はきっちり楽しめるんですねぇ~~♪

イントロ前(?)の掛け声も、ちゃ~んとオリジナルを意識していて憎めません♪♪~♪

またメル・テイラーのハッスルしたドラミングもニューロックには違和感無く、ジェリー・マギーのリードギターがロック最先端を感じさせるスペーシーな響きと粘っこいノリを聴かせてくれるのですから、たまりませんよ ♪♪~♪

それはオルガンロックの代表的なヒット曲、ドアーズの「ハートに火をつけて / Light My Fire」にも顕著で、オリジナルを意識したオルガンがメインで活躍するとはいえ、キメのリフから入っていくギターのアドリブソロはニューロックがド真ん中のソウルジャズ風味がニクイところでしょうか、ジェリー・マギーの本気度の高さは侮れません。

しかし、それでもベンチャーズが本来の魅力を失っていないのがステッペンウルフの「ワイルドでいこう / Born To Be Wild」のリズム的興奮を煽るギターアンサンブルの凄さであり、大いに気になるクリームの「Sunshine Of Your Love」は流石に長尺なアドリブパートは出ませんが、ジェリー・マギーのギタープレイはエリック・クラプトンに見事な挑戦状を提出しているんじゃ~ないでしょうか。少なくともクリームのオリジナルスタジオバージョンをここまで堂々とインスト化出来るのは、ベンチャーズだけでしょう。ボブ・ボーグルもメル・テイラーも負けていませんよっ!

さて、そこで巷間常識的に語られるジェリー・マギーのスワンブロッカーとしての魅力は、ここではザ・ハンドの「The Weight」のカバーで流石の冴えを聴かせてくれますよ。多重録音によるダブルトラックのギターソロとか、たっぷりと雰囲気を作ってくれるピアノの伴奏もクリソツで楽しいです。

そしてジャニス・ジョプリンの「Down On Me」ではヘヴィなビート感を押し通すベンチャーズのロック魂がイイ感じ ♪♪~♪

で、ど~してもここで書いておかなければならないのが使用楽器、特にギターについては明らかにベンチャーズの代名詞たるモズライトでは無い事が聴いているうちに必ずや納得されるはずで、特にジェリー・マギーが弾いたであろうリードギターはギブソン系と推測する他は無いほどですし、もしかしたら「レスポール」か「335」あたりかもしれません。またカントリーロック系のリックを弾いている時はテレキャスターっぽい感じが確かにあり、これはドン・ウィルソンのリズムギターも同様のような気がしていますが、いかがなものでしょう。

ちなみに来日公演のステージショットやサイケおやじが実際に接したライブギグでのジェリー・マギーは、レスポールの他にファイアーバードも使っていましたですねぇ。

それとジェリー・マギーのピッキングはサムピックを用いたフィンガーピッキングが主体ではありますが、当然ながらフラットピックも使っているのかもしれません。

そんなこんなを思いつつ、ベンチャーズのオリジナルで固めたB面こそは、まさにニューロックなインストばかりという、感じ方次第では早すぎたフュージョンでもあり、ソウルジャズのニューロック的解釈でもあろう、当時としてサイケデリックな雰囲気も彩にした相当に進んだ演奏が徹頭徹尾、楽しめますよ ♪♪~♪

当然ながらサウンドの作り方そのものにしても、様々なエフェクターを使ったり、多重録音の面白さやリズムパターンの変化の付け方等々、本当に頭脳的なプレイが各所に聴かれますし、それでいて何よりもベンチャーズらしさを大切にした伝来の魅力が、聴くほどに伝わってくるんですねぇ~~♪

ただし、ここまで偉そうなことを書き連ねたサイケおやじにしても、このアルバムに覚醒したのは翌年末の事で、告白すれば新しくジェリー・マギーが入った昭和43(1968)年の来日公演から作られ、年末に発売されたライブ盤「イン・トーキョー」に違和感が隠し切れなかったもんですから、続けて翌年春に出たこのLPには不吉な予感がしていましたし、実際にレコード屋の店頭で聞かせてもらった時には、それがB面であった所為もあり、ほとんど???の気分でありました。

ところが同時に発売された「Fire」と「ワイルドでいこう / Born To Be Wild」がカップリングされたシングル盤を友人から借りて聴いているうちに、これはっ!

と思わざるを得ませんでした。

そこで苦心惨憺、ど~にか中古で入手できた掲載盤に針を落とせば、そこにはニューロックなベンチャーズが確かに存在し、このバンドの十八番であるインストによるカバーバージョンの魅力と共に、しっかり組み立てられたオリジナル曲の演奏には凄みすら感じたほどです。

ちなみに後に知ったことではありますが、アメリカで発売されたオリジナルのLPは、この日本盤とはA面とB面が逆になっており、曲の配列も異なっていますし、ジャレットデザインも大きく違いますので有注意!

ということで、1971年の夏、ジェリー・マギーが在籍していたベンチャーズの来日公演にサイケおやじは意気揚々と出かけ、実は初めて接するベンチャーズのフルコンサートでしたから、大いに楽しんだんですが正直、このアルバム「Underground Fire」からは「ワイルドでいこう / Born To Be Wild」と「ハートに火をつけて / Light My Fire」そして「Fire」ぐらいしか演奏してくれず、残念な気持ちが残りました。

それでも大きくテンポアップされていた「Fire」、また「Classical Gas」でジェリー・マギーが大名演を聴かせてくれたのは、今も大切な思い出であります。

ということで、不遜な事ばかり書いてしまいましたが、ジェリー・マギーが偉大なるギタリストであったという真実は不滅!

報道によれば来日公演のスケジュールの最中に体調を崩し、そのまま帰らぬ人となったそうで、もしも故人が日本に対して並み以上の好感を抱いていたとしたら、以て瞑すべしというか、ひとつの幸せな人生だったのでしょうか……。

ありがとう、ジェリー・マギー、また、会おう!

合掌。
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エレキで浮かれて童心に帰る

2017-12-03 20:04:34 | Ventures
ジングル・ベル / The Ventures (Dolton / 東芝)

昨夜は某所で行われたクリスマスツリーの点灯式とやらに行ってきました。

もちろん、それは仕事の繋がりからの行動で、と書いたのも、これまでも度々告白してきたとおり、仏教徒のサイケおやじは、その信心はほどほどではありますが、それでもキリスト教の祭礼にど~して夢中にさせられるのか、相当に懐疑的でありまして、そりゃ~、異教徒の祝祭に事寄せての遊興という言い訳は理解出来ますが正直、なんだかなぁ……。
 
う~ん、でも……、子供の頃はノー文句で楽しかったんですよ、クリスマスがっ!

そこで取り出したのが本日掲載のシングル盤で、昭和40(1965)年末に発売されたベンチャーズのエレキインストがど真ん中のクリスマスソング「ジングル・ベル / Jingle Bells」ですから、その楽しさは説明不要とは思いますが、なんといってもレイ・チャールズの代表曲「What'd I Say」のメインリフを引用したイントロからのリズム的興奮は言わずもがな、特筆すべきはメル・テイラーのドラミングの凄さは痛快至極♪♪~♪

リアルタイムでは小学生だったサイケおやじは既に述べたとおり、素直にクリスマスを楽しんでいたのは、もしかしたら、このベンチャーズの「ジングル・ベル / Jingle Bells」のエレクトリックなビートがあったのも、ひとつの要因じゃ~なかろうかと、ひとり納得するばかりです、恥ずかしながら。

ちなみに、この掲載のシングル盤は収録両面とも同時期に発売されたLP「ベンチャーズ・イン・クリスマス / Christmas Album」から我が国独自にカットされたものですが、アルバム全篇もまた秀逸な仕上がりになっていますので、ぜひともお楽しみ下さいませ。

ということで、またしても天邪鬼を丸出しにして恥の上塗りを重ねてしまったサイケおやじではありますが、このあたりで童心に帰ってクリスマスを素直に楽しむのにも、言い訳は無用なんでしょうねぇ……。

いやはやなんとも、そんなこんなも本日はベンチャーズのエレキなクリスマスソングに免じて、ご容赦いただきとうございます。

失礼致しました。
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秋の夜長のブルー・スター

2017-09-23 20:36:40 | Ventures
Blue Star / The Ventures (Dolton / 東芝)

秋も深まった今宵、ど~にも聴きたくなるのが本日掲載のシングル盤A面曲「Blue Star」です。

演じているベンチャーズは説明不要、エレキインストの大御所バンドにして、我が国にエレキブームをもたらし、それがそのまんまGSブーム、牽いては今日に至る日本のロックに大きな、そして無視出来ない影響を与えた功績は、まさに歴史!

それはエレキインストが決してイケイケの演奏ばかりではなく、もちろんこれはベンチャーズだけではありませんが、哀愁や甘さを湛えたスローな曲調においても、ロックだからこそ表現可能だった名演があったからで、殊更ベンチャーズにおいては、それが後に所謂「ベンチャーズ歌謡」と呼ばれるポップス系歌謡曲に発展継承されていった事を鑑みれば、この「Blue Star」の人気が格別なのも頷けるところと思います。

なにしろ原曲はビクター・ヤングが書いたスタンダードなメロディと云われていますが、やはりベンチャーズが演じたバージョンのロマンチックにしてスペーシーな表現の素晴らしさは他に類似するバンドのカバーよりも個人的には圧倒的に好き♪♪~♪

例えばシャドウズの演じる同曲の味わいの薄さは、ベンチャーズのバージョンを聴いていればこその感想かもしれませんが、それはそれとして、1964年に出したアルバム「ウォーク・ドント・ラン Vol.2」に初出した時からの完成度は圧巻で、これが翌年春になって我が国でも「ウォーク・ドント・ラン '64」の邦題で発売された時から既に、この「Blue Star」は人気を集めていたところで、ついに1966年秋にシングル曲として出されてみれば、これがなんとっ!

女性コーラス入りのシングルバージョンだったんですから、たまりません♪♪~♪

ちなみに書き遅れてしまいましたが、演奏の本質的な魅力であるロマンチックなギターは、スライド風のパートと低音弦によるロックっぽさの融合だと感じるわけですが、このスライド風のパートは最初に聴いた時、てっきりノーキー・エドワーズの新技(?)かと思っていましたし、高校入学以来、エレキを弾いてはバカ大将を目指していたサイケおやじにしても、コピーに勤しむ時にはスライドでやろうとして苦しんだ前科があるのものの、実際はスティールギター奏者として有名なセッションプレイヤーのスヌーキー・ピートがレコーディングに参加していたという真相を知ってみれば、ベンチャーズのサウンド作りの頭の柔らかさには敬服するばかりです。

前述したシャドウズのバージョンには、失礼ながら、このあたりが不足したストレートな演奏になっているのが、個人的には物足りなかったのでしょう。

ところが、この「Blue Star」には、スライドやスティールギターに頼らずとも、素晴らしい仕上がりを聴かせるロマンチックな名演が確かにあって、それは寺内タケシとバニーズが昭和44(1969)年頃に出したバージョンでありまして、そこでは寺内御大がエレキギターの音量ボリュームを上げ下げするという所謂バイオリン奏法によって、これまた素晴らしき天才の証明を堪能させてくれますよ♪♪~♪

このレコードについては、何れご紹介させていただく所存です。

ということで、秋の夜長にはロマンチックなエレキインストで浮世の憂さを忘れるのも悪くありません。

個人的には公私の別なく、最近は心の重荷になっている懸案が多数あるもんですから、尚更です。

心に秘めた思いの……、せつなさよ。
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ノーキーとジェリーはベンチャーズで輝く

2017-07-28 19:54:55 | Ventures
The Ventures Legacy Leads Live!
     featuring the guitars of Gerry McGee and Nokie Edwards (ポニーキャニオン = CD)

★Disc-1 : featuring Gerry McGee
 01 Walk Don't Run '64
 02 My Bonnie Lies
 03 Out Of Limits
 04 Penetration
 05 Apache
 06 Goldfinger
 07 秘密諜報員 / Secret Agent Man
 08 Driving Guitars
 09 Classical Gas
 10 太陽はひとりぼっち / Twist Degli Amanti `l`eclisse`
 11 Black Sand Beach
 12 二人の銀座 / Ginza Lights
 13 京都の恋 ~ 黒くぬれ! / Kyoto Doll ~ Paint It Black
 14 雨の御堂筋 ~ 京都慕情 / Stranger In Midosuji ~ Reflections In A Palace Lake
 15 さすらいのギター / Manchurian Beat
 16 朝日のあたる家 / House Of The Rising Sun
 17 Wipe Out
 18 10番街の殺人 / Slaughter On 10th Avenue
 19 Hawaii Five-O
 20 Diamond Head~Pipeline
 21 Caravan
★Disc-2 : featuring Nokie Edwards
 01 Walk Don't Run '64
 02 My Bonnie Lies
 03 Out Of Limits
 04 Penetration
 05 Apache
 06 Goldfinger
 07 秘密諜報員 / Secret Agent Man
 08 Driving Guitars
 09 Sleepwalk
 10 El Cumbanchero
 11 I Got Woman
 12 Black Sand Beach
 13 二人の銀座 / Ginza Lights
 14 京都の恋 ~ 黒くぬれ! / Kyoto Doll ~ Paint It Black
 15 雨の御堂筋 ~ 京都慕情 / Stranger In Midosuji ~ Reflections In A Palace Lake
 16 さすらいのギター / Manchurian Beat
 17 朝日のあたる家 / House Of The Rising Sun
 18 Wipe Out
 19 10番街の殺人 / Slaughter On 10th Avenue
 20 Hawaii Five-O
 21 Diamond Head~Pipeline
 22 Caravan

昨夜はちょっぴり時間があったので、久々にCD屋を急襲して、あれやこれやネタを物色してきた中の面白盤が、本日ご紹介の2枚組CDです。

それは、なんとっ!

ベンチャーズの歴代リードギタリストとして特に有名なノーキー・エドワーズとジェリー・マギー各々が入ったライブ演奏を同じ曲目で聴けるという企画盤なんですが、当然ながら、新しい録音は入っていないと思いますし、発売元がポニーキャニオンなので、近年の音源からチョイスしたのでしょうが、付属解説書にも、そんなこんなのデータが記載されていないのは、個人的には減点……。

しかし、聴いているうちに、そんなこたぁ~~霧散させられてしまうのが、ベンチャーズサウンドの痛快さであり、極言すれば、誰がリードを弾いていようと、ドン・ウィルソン(g) とボブ・ボーグル(b) のリズムコンビがそこにある限り、それはベンチャーズに他ならないという真理が間違い無く確認出来るのですから、たまりません♪♪~♪

収録演目は上記のとおり、ひとつのコンサートライブを再現した流れになっているのも嬉しい限りであり、しかも両ギタリストの異なる魅力を堪能出来るような配慮からでしょう、プログラムの中にはダブッていない曲がちゃ~んと仕込まれており、それがジェリー・マギーの「Classical Gas」と「太陽はひとりぼっち / Twist Degli Amanti `l`eclisse`」、そしてノーキー・エドワーズの「Sleepwalk」「El Cumbanchero」「I Got Woman」の合計5トラックなんですが、何れも味わい深い名演になっていますよ。
 
以前にも書きましたが、両ギタリストの比較は安易には出来ないながらも、サイケおやじとしてはジェリー・マギーにはスワンプロックやカントリーロックの色合いを強く感じ、ノーキー・エドワーズには正統派カントリー&ヒルビリーというか、正統的なロケンロールのルーツを包括した懐の深いプレイから弾き出されるスリルとスピードに満ちた神業に畏敬の念を覚えていますので、前述した5曲は殊更に楽しめると思います。

もちろん、各々のCDを通して聴くベンチャーズのエバーグリーンな輝きは、絶対!

しかし、それゆえの個人的な希望を述べさせてもらえれば、現代のデジタル技術を使えば、同じリズムトラックを用い、右にノーキー・エドワーズ、左にジエリー・マギーのギターが匠の技を競うというような仕掛けも可能かと想像すれば、楽しさも倍増以上と思うばかりなんですが、いかがなものでしょう。

もしかしたら、好事家の皆様の中には、既にそ~したアメイジングなトラックが出回っているような気もしておりますが、いゃ~~、本気で聴いてみたいですよっ!

ということで、最後にはちょっぴり我儘も言ってしまいましたが、やっぱりベンチャーズのライブ盤を聴くという儀式(?)は神聖にして、これ以上の快楽はありません。

全く、それこそがエレキのバカ大将になりたかったサイケおやじの偽りの無い心根なのでした。
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ベンチャーズ必殺の来日公演 1972 !!

2016-09-28 18:19:58 | Ventures
The Ventures On Stage '72 (東芝)


 A-1 Cruel Sea
 A-2 Driving Guitars
 A-3 I'm A Man
 A-4 Apache
 A-5 Diamond Head
 A-6 二人の銀座 / Ginza Lights
 B-1 輝く星座 / Medley: Aquariuus ~ Let The Sunshine In
 B-2 10番街の殺人 / Slaughters On 10th Avenue
 B-3 Bulldog
 B-4 Proud Mary
 B-5 Medley: 京都の恋 / Kyoto Doll ~ 黒のぬれ / Paint It Black
 B-6 Wipe Out
 C-1 Gimme Some Lovin
 C-2 朝日のあたる家 / House Of The Rising Sun
 C-3 ゴッドファーザー 愛のテーマ / Love Theme From The Godfather
 C-4 Honky Tonk
 C-5 雨の御堂筋 / Stranger In Midosuji (歌:欧陽菲菲)
 D-1 Walk Don't Run
 D-2 さすらいのギター / Manchurian Beat
 D-3 Pipeline
 D-4 Caravan

サイケおやじが初めてベンチャーズのフルコンサートライブに接したのは昭和46(1971)年の来日巡業で、当然ながら本物のエレキサウンドとロックビートの洪水には大興奮させられたんですが、その時のリードギタリストはジェリー・マギーだったので、翌年になって今度はノーキー・エドワーズが復帰しての黄金の4人組による来日が決定したというニュースには大袈裟ではなく、心底ワクワクさせられましたですねぇ~~♪
 
もちろん、それは決してジェリー・マギーを軽視しているわけではありません。
 
しかしエレキブームが最初に爆発していた時の立役者だったベンチャーズのノーキー・エドワーズという存在は過言ではなく、既に神格化されていたわけですから、遅ればせながらエレキのバカ大将を目指していたサイケおやじの心持ちを察していただきとうございます。
 
また、皆様ご存じのとおり、その頃は所謂ベンチャーズ歌謡が我が国で大当たり状態で、渚ゆう子の「京都の恋」や「京都慕情」、欧陽菲菲の「雨の御堂筋」、牧場ユミの「回転木馬」、そして厳密にはベンチャーズとは申せませんが、やはり同様の味わいが濃厚な小山ルミの「さすらいのギター」等々が売れまくり、それに呼応するように以前ヒットしていた奥村チヨの「北国の青い空」や山内賢&泉雅子の「二人の銀座」がリバイバルするという事に加えて、北米や欧州各地でもベンチャーズの人気が再燃していたという、まさに絶好のタイミング!
 
ところが世間の目は厳しいというか、日本におけるリアルタイムの洋楽最前線はブリティッシュ系のハードロックやプログレ、あるいはシンガーソングライターの大ブームからウエストコースロックが人気を集めていたもんですから、既にベンチャーズは過去の遺物という扱いで、しかも歌謡曲の世界でウケていた事が尚更に……。
 
ですからサイケおやじが、その昭和47(1972)年夏の来日コンサートに馳せ参じようと算段を重ねている姿は、例えば校内同好会のバンド組の面々からは呆れられ、そのチケット代を無駄遣いとまで蔑まれたのは今に至る悔しい思い出です。
 
まあ、そりゃ~、その頃にはいよいよ外タレの来日がラッシュとまで称される状況になっていましたから、せっかく安くもないお金を払うのならば、最先端のグループやバンドのライブに行くべきだという論拠は分かるんですけどねぇ~~、しかし先輩や友人諸氏からのありがたいアドバイスも、思い込んだら試練の道というサイケおやじの志には馬耳東風でありました。
 
そしていよいよ接したベンチャーズのライブが昭和47(1972)年9月30日の渋谷公会堂で、いゃ~~、これがもう、迫力満点の大興奮コンサート!!
 
とにかくサイケおやじにとっては近くて遠い夢の存在になっていたノーキー・エドワーズがそこにいるベンチャーズですからっ!!
 
しかも既に写真や様々な情報から知ってはいたのですが、ベンチャーズの面々が使う楽器が往年のモズライトではなく、ノーキー・エドワーズは所謂キャンディーアップルレッドのテレキャスター、ドン・ウィルソンはギブソンSGとジャズマスター、そしてボブ・ボーグルはカール・ヘフナーのバイオリン型ベースを弾いていましたし、ステージ衣装にしても揃いのユニフォームっぽいものではなく、各人が好みで選んだようなサイケデリック&ニューロック風なスタイルになっていた事も強い印象でした。
 
それでもアンプは多分テスコだったように思うんですが、出てくる音はマーシャル系というか、上手い具合の歪みが感度良好♪♪~♪
 
おまけに当日はゲスト歌手として欧陽菲菲、牧場ユミ、林美香の3人が登場したという豪華版で、全体としては二部構成になっていました。
 
そこで本日掲載したのは、その昭和47(1972)年9月30日の感激のライブから作られた偉大なる2枚組LPで、前述したゲスト歌手では牧場ユミと林美香の歌はカットされていますが、ステージの起承転結はきっちり入っていますので、これが第二期黄金時代というベンチャーズの真髄がハナからケツまで、存分に楽しめますよ♪♪~♪
 
なにしろド頭「Cruel Sea」からメンバー全員の意思の統一も鮮やかな突進力が全開ですし、続く「Driving Guitars」にしてもお馴染のフレーズやキメが手抜き無しで披露されるんですから、たまりません。
 
そうです、ベンチャーズはインストバンドでありながら、決して無闇なアドリブに走るなんて事はせず、何時も同じ出来上がった演奏をやってくれるところが凄いんですよっ!
 
まあ、そのあたりが当時の最先端だったハードロックやプログレのようにアドリブを無意味に膨らませたような長時間演奏とは真逆なスタイルでしたから、保守的で古い体質のバンドと決めつけられていた大きな要因でしょう。
 
しかし、ベンチャーズのように、ここぞっ! というところで、こちらが望む「お約束」のリフやフレーズを常に安定的に聴かせてくれるスタイルが出来るバンドは、その頃のトップを争っていた連中の中に幾つあるのかっ!
 
と考察すれば、何人もベンチャーズには勝てないと思うばかり!
 
ですから、「Apache」「Diamond Head 」「10番街の殺人 / Slaughters On 10th Avenue」「Wipe Out」「Walk Don't Run」「Pipeline」等々の十八番の大ヒット演目にしても、その偉大なるマンネリこそが最高の極みであり、そこには例の「テケテケ」やブリッジ外奏法、そしてメル・テイラーのダイナミックなドラムスを要にしたビートとリズムの興奮が充満し、ロック永劫の未来へ向かって激しく放出されていく瞬間が感じられるんですよ。
 
また、今回の来日巡業ライブでは、ひとつの楽しみだったと思うんですが、ジェリー・マギーが弾いていた時の演目をノーキー・エドワーズがどんなふうに聴かせてくれるのかっ!?
 
という興味も深々だったんじゃ~ないでしょうか?
 
少なくともサイケおやじは、そうでした。
 
で、結論から述べさせていただければ、どちらも自分だけの個性を大切にしながら、非常に共通項の多い演奏で、しかしそれは決して相手に遠慮しているわけじゃ~ないと思うばかりっ!
 
つまりノーキー・エドワーズもジェリー・マギーもカントリーやロカビリー、そしてカントリーロックのルーツに深く根差した音楽性に基づいたギタースタイルが得意だとすれば、前者はスピード&スリル、後者はソウル&スワンプというか、サイケおやじとしては、どちからと言うとジェリー・マギーにロック寄りの味を感じてしまうんですが、さりとてノーキー・エドワーズがロックじゃ~ないとは決して申せません。
 
むしろ瞬発力ではノーキー・エドワーズが明らかに凄く、フレーズやリズムのキレも素晴らしいと思います。
 
しかしジェリー・マギーには、これまた特有のファンキーさが感じられ、聴きなれたお馴染のキメやフレーズの随所に織り込むロック系のオカズには、ハッとさせられる事が度々あるんですねぇ~♪
 
そこで具体的な例としては、既に前年の来日公演からやっていたエレキシタールも使う「Medley: 京都の恋 / Kyoto Doll ~ 黒のぬれ / Paint It Black」がジェリー・マギーのバージョンはジョン・ダリルのキーボードが入っていた事もあり、なかなかロックぽいのに対し、このLPで聴ける1972年のバージョンでは、妙にカラッと抜けが良く、また別の魅力になっているように思いますが、いかがなものでしょう。
 
それは「輝く星座 / Medley: Aquariuus ~ Let The Sunshine In」についても似て非なる魅力として、特に後半の「Let The Sunshine In」 のパートではジェリー・マギーのドロ臭さに比べて、ノーキー・エドワーズが明るいファンキーフィーリングを表出させているあたりは、なかなか面白いと思います。
 
また、その意味でも凄いのが「Proud Mary」におけるノーキー・エドワーズのギターワークで、攻撃的なリズムのアタック、神業のフィンガーピッキングで弾きまくる多彩なフレーズはカントリーロックの真髄というよりも、これぞっ! エレキインストの醍醐味ってやつですよっ! 当然ながらジェリー・マギーも昭和45(1970)年の来日公演でライブバージョンを残していますが、そちらはジョン・ダリルのキーボードが入った些か長閑な演奏になっていて、もちろんそれはそれで魅力があるんですが、両バージョンを聴き比べた場合、サイケおやじは圧倒的に今回の方が好きで、まさにベンチャーズがギターバンド本来の姿を感じさせてくれた証のように思います。
 
それはビル・ドゲットが1950年代に大ヒットさせたR&Bインスト「Honky Tonk」にしても同様で、実はこの曲は既にベンチャーズが1960年に最初に出したLPとされる「ウォーク・ドント・ラン」に収録されていましたが、そのバージョンのリードを誰が弾いていたかは、ノーキー・エドワーズなのか、あるいはボブ・ボーグルなのか、はたまた名前不肖のセッションミュージシャンなのか、不勉強のサイケおやじには知るところもありませんし、この来日公演が終わった年末に突如して(?)日本で発売された新録(?)LP「ロックンロール・フォーエバー」では、ブルースロックで有名なハーヴィー・マンデルがリードを弾いたスタジオバージョンが残されているという、なかなかマニアックな演目なんですが、流石にノーキー・エドワーズが本気(?)で弾いてるライブバージョンは、バンド自体の纏まりの良さもあって、素晴らしいですねぇ~~♪
 
さらに今回のベンチャーズがリスナーを圧倒してくれるのが「I'm A Man」や「Gimme Some Lovin」といった、ブリティッシュロック上昇期にスペンサー・デイビス・グループが十八番にしていた演目をきっちり新しい感覚で披露している事でしょう。
 
この2曲はジェリー・マギーも、この来日直前に発売されたアルバム「黒いジャガーのテーマ」に収録のスタジオバージョンで演じているので、それなりに聴き比べは可能なんですが、ノーキー・エドワーズというよりも、ドン・ウィルソン(g) もボブ・ボーグル(b) も、そしてメル・テイラー(ds) にしても、決して過去ばかりに拘ってはいないわけで、その極みつきが、これまたベンチャーズが絶対の人気曲「Bulldog」であり、そこで聴かれるノーキー・エドワーズのギターソロにはワウワウペダルが大胆に使用され、まさに火傷しそうな圧巻のプレイ!
 
とにかく会場でそれをダイレクトに聴けた高校生のサイケおやじは、絶句して悶絶!!
 
そしてそれが同年晩秋に発売されたこのアルバムに収録されている事は僥倖であり、また必然としてロックギターの真髄が聴けますよっ!
 
告白すればサイケおやじは、この2年後にワウワウを入手した時、そのアドリブソロをコピーしようともがき苦しんだ前科があり、その不遜な行為を大いに反省させられたほどのアンタッチャブルな演奏は、ぜひとも皆様にもご堪能いただきたいと切に願うばかりです。
 
ちなみに当時のノーキー・エドワーズはフラットピックよりはサムピックをメインに使用していたようで、当然ながら他の運指の細かい技も多く、加えてビブラートアームが無いテレキャスターですから、押弦の平行移動とか、メリハリの効いたチョーキング等々 なかなか簡単にはフィーリングを掴めないテクニックが盛り沢山と推察するのがやっとの状態ですから、サイケおやじにはあまりにも高い山なのですが……。
 
閑話休題。
 
それと気になるのは、当時第二期黄金時代に入っていたベンチャーズを象徴するほど盛り上がっていた「ベンチャーズ歌謡」のプログラムでは、流石に本家本元の演奏はツボを押さえた上手さがあって、「二人の銀座 / Ginza Lights 」や「さすらいのギター / Manchurian Beat」における独特の歌心は言わずもがな、この一撃で大ブレイクした欧陽菲菲が特別参加の「雨の御堂筋 / Stranger In Midosuji」も、ベンチャーズが伴奏してこその楽しみが確かにあります。
 
また、もうひとつ気になったのが「ゴッドファーザー 愛のテーマ / Love Theme From The Godfather」で、これはてっきりベンチャーズの新演目かと思っていたら、実は直前に日本主導で制作されたノーキー・エドワーズのソロアルバムに収録されていて、つまりはこの時点でベンチャーズのスタジオバージョンは無かったのですから、尚更にこのライブバージョンは貴重じゃ~ないでしょうか。
 
さて、ここまで、ど~してもノーキー・エドワーズ中心に書いてまいりましたが、ベンチャーズ最大の魅力はバンド全体から発散されるリズム的な興奮だと思うサイケおやじにすれば、やはりメル・テイラーの存在は欠かせませんから、アンコールは当然ながら、この人気ドラマーのショウケースである「Caravan」はお約束!
 
千変万化のドラムソロは説明不要、ベンチャーズのライブステージでは絶対的なお楽しみであるのが、その途中に入れる「スティック・オン・ベース」で、これはベースの弦をドラムスティックで敲くという、どうやらスイング時代のジャズでは普通にあった「芸」らしいんですが、それをあえてエレキがビンビンのロックでやってしまうところに、逆説的に普遍なベンチャーズサウンドの快楽性があるように思います。
 
これは実際にステージライブに接した皆様ならば、充分に納得されるはずですし、具体的には頃合いをみてドラムスのセットに近づくボブ・ボーグルがベースを捧げるように差し出せば、メル・テイラーは自分のソロを中断させる事なく、自然の流れでベースの弦にスティックを持っていき、リズムとビートに合わせてそれを敲くと、ボブ・ボーグルはフレットの指を動かして音程をつけるという共同作業なんですねぇ~~♪
 
その痛快さは、今日まで多く出ている映像作品でもご覧いただけますし、このライブ盤でも音だけとはいえ、たっぷりと楽しめますので、どうぞご確認下さいませ。
 
ということで、冒頭に述べたように、高校生だったサイケおやじが周囲の嘲笑もなんのその!
 
勇躍接した昭和47(1972)年夏のベンチャーズ来日公演は、最高にして大興奮のライブでした。
 
はっきりと断言させていただきますが、これまで自分が体験してきた外タレの来日ステージの中では、かなり上位の思い出になっています。
 
惜しむらくは、この時の完全版ステージライブ映像が未だ発表されていない事ではありますが、それでもこの2枚組LPは何度聴いても飽きませんし、CD化もされているので、ひとりでも多くの音楽ファンにお楽しみいただきとうございます。
 
あぁ……、あれから既に44年かぁ~~、それでも感激感動は些かも失せていないのでした。
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