■水夫のなげき c/w 雨あがりのサンパ / ズー・ニー・ヴー (日本コロムビア)
連日報道されている韓国の旅客船沈没事故の悲劇は、鎮魂の祈りと呆れたバカ話がゴッタ煮となって、どうにもやるせない気分です。
特に乗客を見捨てて、ほとんど真っ先に現場から逃げ出した船長以下、乗組員の無責任な行動は、もはや人間としての生き様を問われても、全く弁解の余地は皆無!
さらに罪深いのは、これで韓国の船員なんてものは、そのほとんどが同類の利己主義者と世界中に本性を見せてしまった事でしょう。
もちろん、そうであるはずは無くとも、韓国人を見る目が、前以上に卑下したものになっているのは確かだと思いますねぇ……。
そして、おそらくこれには韓国にも必ずや存在する、本物の海の男達が困惑させられている現実があるはずです。
そこで本日掲載したのは、昭和43(1968)年晩秋に発売された、スー・ニー・ヴー名義では最初のシングル盤で、特に海の男に仮託したハードボイルドな心情を歌ったA面曲「水夫のなげき」は秀逸!
ご存じのとおり、ズー・ニー・ヴーはR&Bとカレッジフォークの両刀使い的というか、かなり広範な音楽性を追求するバンドだった印象がサイケおやじには強く、それゆえに後年に出す永遠のスタンダードヒット「白いサンゴ礁」ばかりが人気を集めるのは如何なものでしょう。
むしろ両方の個性に同等の姿勢で接する事こそがズー・ニーヴーを聴く楽しみであるとすれば、とりあえず表裏で2曲を収めているアナログ盤シングルレコードにおける二律背反するが如き企画は大歓迎♪♪~♪
前述した「水夫のなげき」は作詞:山上路夫&作曲:村井邦彦という、なかなか洋楽系お洒落イメージの作風を得意とするソングライターコンビの提供ですから、かなり黒いフィーリングがイヤミ無く歌謡曲に転化されているのもムペなるかな、ほどよいコブシか効いた歌と演奏がニクイほどにキマッていますよ♪♪~♪
ところがB面「雨あがりのサンバ」になると、それが堂々のボサノバ歌謡ですからねぇ~♪ 正直に告白すれば、ズー・ニー・ヴーのやりたい事とか本音本性がどこにあるのか、ほとんど迷い道に思えたりするでしょう。
まあ、今日ではズーニー・ヴーの音源はそれなりに纏められ、グループのプロフィールも良く知られているところですから、それは後追いで楽しまれる皆様にとっては、余計なお世話のはずです。
しかし、それでもズーニー・ヴーという優れたバンドの個性が失われていないのは、こちらの「雨あがりのサンバ」もA面と同じ作家コンビが書いた名曲という真相があるからなんですよっ!?
う~ん、こういうプロ意識の高い事をやってしまう山上路夫&村井邦彦の二人組も流石だと思いますが、そうした提供作品をソツ無く、さらに説得力を強く披露するズー・ニー・ヴーの実力は侮れませんねぇ~♪
ということで、コリアン民族の人間性を云々してみたって、今更どんな意見も説得力に乏しいでしょう。
ならば実行あるのみ!
一刻も早い事態の収拾と慰霊に勤めて欲しいものです。
最後になりましたが、この「水夫のなげき」は既に述べたとおり、七つの海を渡りつつ、男の生き様を模索する男の心情に仮託した、つまりは人の道のあるべき姿、その一例を歌っているような気がします。
そして何処にでもある、裏と表の相反性を具象化しているズー・ニー・ヴーというバンドが演じてこそ、何か深みが増しているような気がするのでした。