■命こがして c/w 私、明日はないの / ゴールデン・ヴェール (ポリドール)
掲載したのは、今や歌謡曲マニアのみならず、普通に昭和歌謡曲を楽しむファンにも知られる存在となった覆面女性シンガーのゴールデン・ヴェールが、昭和42(1967)年に出した人気シングル盤でして、実はサイケおやじも音源だけはCD等々で聴いていたんですが、ようやく最近になって現物アナログ盤を入手出来ましたので、ご紹介させていただきます (^^)
で、結論から述べさせていただければ、聊かエグ味の強い声質に好き嫌いが有るやもしれませんが、なかなか上手いボーカリストだと思いますので、わざわざ覆面歌手としてレコードを出さねばならなかっのは、何の因果か……?
ちなみに我が国歌謡界での覆面歌手といえば、コロムビアローズが初代&二代目共に有名な存在ですが、初代は戦前に活動していた「ミス・コロムビア」と戦中の宣伝放送アナウンサー「東京ローズ」という、何れも正体を隠していたミステリアスなアイドル(?)にインスパイアされた企画物の存在でありながら、昭和27(1952)年の公式デビュー時から多くのヒットを放って引退、次いで二代目が誕生したという素晴らしい伝説を残しているわけですが、その二代目が活躍している最中に、敢えての登場というのは、やはりコロムビア・ローズの影響は否定出来ないのでしょうか?
ちなみに覆面の人気者と云えば、プロレスラーを語らずにはいられないわけですが、サイケおやじの知る限り、最も最初の覆面レスラーはニューヨークに現れたマスクト・マーベルでしょうか。
確か正体はアマレスでオリンピックにも出場したモート・アンダーソンと云われていますが、これは戦前の出来事で、おそらくはショースポーツにオリンピック選手が出ている事を秘匿するためだったのでしょうが、本格的に活躍して人気を得たのは来日して力道山と戦ったゼブラキッドやデストロイヤー等々が登場してからだと思います。
いゃ~~、これが、とてもとても怖かったんですよ、リアルタイムじゃ~~ねっ!
閑話休題。
そして実は、彼女の正体は由木まなみ、さらに以前は波多マユミとして、チャーリー石黒のバンドで歌っていたという簡単な履歴が明らかになっており、サイケおやじとしては、このゴールデン・ヴェールのシングル盤をゲットする相当前に、由木まなみが歌った「涙こがして」をA面に入れたシングル盤を入手した時、そこには「由木まなみ(ゴールデン・ヴェール)」という記載が、ジャケットスリーブにありましたので、思わずニンマリ (^^♪
さて、そこで肝心のゴールデン・ヴェールが歌った「命こがして」は作詞:千葉幸雄&補作詞:水島哲、そして作曲:石田進&編曲:宮川泰が提供したミディアムテンポの典型的なムード歌謡と申しましょうか、既に述べたとおり、アルトボイスの低音域を用いた絶妙の節回しを披露する彼女の実力は本物と思うばかり ♪♪~♪
スッキリした演奏パートのアレンジもボーカルパートをグッと引き立てる見事さがありますし、程好いフェロモンの滲みもイイ感じ (^^♪
ですから、作詞:新野新&補作詞:村上千秋、そして作曲:城美好&編曲:宮川泰が恣意的に書いたと思われるB面曲「私、明日はないの」が、尚更にフェロモン歌謡の王道に仕上がったのもムベなるかな、A面曲「命こがして」と同系のムード歌謡ながら、今となっては、こちらの人気が高いのも納得するしかありません (^^)
ちなみに作曲家としてクレジットされている城美好は、チャーリー石黒が別名義のペンネームというのが定説になっていますし、楽曲そのものも、後に内山田洋とクールファイブのリメイクバージョンが制作されていますので、気になる皆様は、お楽しみくださいませ (^^)
ということで、今後の予定としては、前述した由木まなみのシングル盤をご紹介させていただく所存ですので、よろしくお願いいたします <(_ _)>
秋の夜長にムード歌謡ってのも、なかなかイイもんですねぇ~~♪