OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

絶対最高なボビー・ウーマック

2013-01-31 15:01:51 | Soul

110番街交差点 / Bobby Womack (United Artists / 東芝)

今やラストソウルマンの尊称も輝かしく、なんとっ! 「ロックの殿堂」入りも果たしているボビー・ウーマックは、しかしサイケおやじにとっては、長らく名前先行型のソウル歌手でした。

それはストーンズやロッド・スチュアートがカパーヒットさせた「It's All Over Now」の本家本元であり、またギタリストとしても、1960年代後半から世に出た名盤レコードに名前が出てきたり、ついにはジョージ・ベンソンとの関連云々までもが熱く語られるという、非常に気になる存在であったのですが、しかし本人名義の歌や演奏については、なかなか真髄に触れる機会が無かったのです。

しかし一度でもボビー・ウーマックのソウルフルな魅力の虜になったが最後、死ぬまでついていきますっ!

そういう覚悟をさせられてしまうんですねぇ~~♪

本日掲載したシングル盤A面曲「110番街交差点 / Across 110th Street」は、サイケおやじにそうした熱烈な思いを抱かせる契機となった名曲名唱で、ジャケ写からも一目瞭然、これは同名映画(1972年・バリー・シアー監督)の主題歌でありました。

つまりサイケおやじは昭和49(1974)年、名画座でこの作品を鑑賞し、もちろん本篇のハードボイルドなムードにも感銘を受けましたが、それよりもグッと惹きつけられたのが、このテーマ曲とそれを自作自演したボビー・ウーマック!

告白すれば、この主題歌に限らず、劇中で使われた歌と演奏が最高にカッコ良すぎて、失礼ながらフィルム本篇よりも、サントラ音源にシビれてしまい、誰が担当しているのかを確認すれば、そこにあったのが「ボビー・ウーマック」という、サイケおやじにとっては未だ見ぬ「幻の強豪」だったというわけです。

ちなみにジャズファンクに染まりきった演奏パートを担当していたのは、モダンジャズ最高のトロンボーン奏者にして、映画音楽も得意分野であったJ.J.ジョンソンだった事も、流石の驚きでしたねぇ~♪

で、肝心のボビー・ウーマックは、ここでもナチュラルに聞かせてくれる漆黒のボーカルと熱血の節回し! その密度の濃さは自作自演の強みを超越した唯一無二の迫力に満ちています。

もちろんピースと命名されたバックバンドが演奏するファンキー&ソウルフルなカラオケパートも充実の極みで、ギターもキーボードもストリングスの響きも、当然ながらリズムアレンジも、全てが当時最先端のニューソウルでありながら、原理主義的なR&B感覚も強く滲んでいるのですから、何度聴いても心が揺れてしまいますっ!

以降、サイケおやじが本格的にボビー・ウーマックを意識して聴くようになった事は言わずもがな、レコードを集めていく過程おいて、前述したストーンズとの関連からロン・ウッドとの子弟(?)関係も含めて、とにかくロックに対する影響力の強さも認識させられましたし、本人の芸能活動の紆余曲折も様々な動機はあれど、結果的に更なる進歩へと導かれていった軌跡も興味深いところでした。

そのあたりについては、拙ブログでも今後の課題(?)にしておりますが、ひとつだけ述べさせていただければ、音楽的な実力と共に、ボービー・ウーマックには人望と似たような、何時も気を逸らさない何かがあるんじゃ~ないでしょうか。

まあ、本人がそれを意識しているか、否かは知る由もありませんが、人種の壁をあまり感じさせない行動力があってこそ、幅広いリスペクトを捧げられているように思います。

ということで、最後になりましたが、肝心の映画本篇「110番街交差点」も相当に素晴らしい作品で、ストーリーのネタはシンプルながら、1970年代初頭のニューヨークのハーレム周辺の景色や人間模様、あるいは警察内部の腐敗や悪人なりの道理を描いた内容は、まさにハート&ソウルなサスペンスが満点!

現在ではDVD化もされていますので、ボビー・ウーマックやJ.J.ジョンソンの音楽共々、ぜひともお楽しみ下さいませ。

そしてシングル盤だけでなく、主要音源がきっちり入っている同名LPアルバムも最高♪♪~♪

と、あえて付記させていただきます。

とにかく最高!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チャック・ベリーで厄払い!

2013-01-30 14:56:21 | Rock

Chuck Berry Hits (Chess / Pie International)

今年に入ってガタガタに落ちまくっているサイケおやじの運気を厄払い!

そんな言い訳を弄しつつ、某ネットオークションでゲットしたのが、掲載のイギリス盤EPです。

いゃ~、とにかくライプステージの熱気がダイレクトに伝わってくるジャケ写の素晴らしさは圧巻ですし、それを活かしきったスリープデザインもたまりませんねぇ~♪

これぞっ! R&Rを創成した偉人のひとりであるチャック・ベリーの面目躍如!!

と、思わず力んでしまうほどです♪♪~♪

 A-1 Johnny B. Good
 A-2 Nadine
 B-1 No Particular Place To Go
 B-2 Memphis Tennessee

さて、演じているチャック・ベリーについては説明不要でありますが、あえてサイケおやじが凄いなぁ~~♪ と痛感させられるのが自ら弾き語るエレキギターと歌のコンビネーション、そして今ではロックギターの定番となっている、あの独得のシンコペイションによるリズム的興奮度の高さです。

例えばA面ド頭「Johnny B. Good」にしても、イントロから既に複音弾きをミックスさせたスピード感溢れるフレージングは永遠に不滅ですし、コード弾きから選んで用いるブルーススケールによるバッキングも、特に低音域でのドライヴ感重視主義が、後に確立されるロックビートの基本形となっているんじゃ~ないでしょうか。

また、特有の味わいを表出するチョーキングの上手さも、ロックの原点かもしれません。

ちなみにギターソロにおける単音のフレーズは、そのリズム的イントネーションがブルース界の大物ギタリスト&シンガーだったT.ボーン・ウォーカーと似ていますが、源流を遡ればモダンジャズ創成期にエレキギターを用いていたチャーリー・クリスチャンに辿りつくはずですから、なかなか侮れません。

しかし、それでもチャック・ベリーが屹立するのは、ロックが明確に8ビートである論拠を提示した事だと思いますねぇ~。

それは決して1958年の「Johnny B. Good」だけでありません。

ビートルズやストーンズのメンバー達ばかりでなく、この世のロックに魅せられた者全てが感じる事の出来る真実が、過言ではなく「チャック・ベリー」なのです。

ところが皆様もご存じのとおり、この偉人は本来全盛期になるはずであった1959年末から1963年まで、少女への淫行事件で懲役暮らし……。

今となってはR&Rという、白人の大人社会にとっては厄介な音楽の黒人スタアを排除する目的があったとまで言われていますが、その間にもチャック・ベリーの音楽は殊更愛され続け、ビートルズやストーンズ等々の英国からの侵略者がアメリカを征服した時、実は地元の英雄だったチャック・ベリーの偉大さをアメリカの国民は再認識させられる事になるのですから、時の流れは偉大です。

そしてこのEPに収められた「Nadine」と「No Particular Place To Go」こそが、出所後のチャック・ベリーが1964年というブリティッシュ・インベンジョンの真っ只中で大ヒットさせた名曲名演なんですねぇ~♪

もちろん両曲共、チャック・ベリーならではのギターリフ&コードカッティングで演じられる特有の「節とノリ」は最高であり、しかもホーンセクションを入れた「Nadine」がスワンプロックに染まっていた1970年代初頭のストーンズを彷彿させるのは、逆もまた真なり!

一方、「No Particular Place To Go」は、直後に芽吹く白人主導によるブルースロックの雛型!?

う~ん、このガサツなビート&グルーヴは、生半可な気持ちでは真似すら出来ないでしょう。

その意味でオーラスの「Memphis Tennessee」は1959年に世に出た隠れ人気曲ながら、その汎用性の高さは未来永劫と思われるほどで、シンプルな第一印象の中にラテンミュージックっぽい味わいやフォークロック的なサウンドのキモが潜んでいると感じられるのは、それはそれで奥深いところと思います。

ということで、最後になりましたが、このイギリス盤はモノラルミックスで、しかも45回転ですから、なかなかギスギスに黒い音が飛び出してきました。

どうか、この勢いで厄払いが叶いますようにっ!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タワー・オブ・パワーでぶっ飛ぶ!

2013-01-29 14:58:36 | Soul

What Is Hip? / Tower Of Power (Warner Bros. / ワーナーパイオニア)

タワー・オブ・パワーはブラスロックとブラックファンクを融合した、なかなか独自のグループでしたが、我国では必ずしも一般的にウケていたとは言えません。

しかし一度でも虜になると、これが抜け出せない魅力の塊であり、特に重厚でアタックの強いホーンセクションとシャープでメリハリの効きまくったリズム隊が提供してくれる快感は唯一無二!

そのデビューはアメリカにおいては1970年、オークランドやサンフランシスコ周辺をメインに活動しながら、ホーンセクションだけがスタジオセッションや有名ミュージシャンの巡業ステージに助っ人参加する事も多く、次第に存在の凄さが認められるようになったのが、本日掲載のシングル盤A面曲「What Is Hip?」を出した頃の1973年でした。

ちなみにメンバーは結成時から流動的だったんですが、タワー・オブ・パワーを特徴づけるホーンセクションはエミリオ・カスティーヨ(ts,vo) とスティファン・クプカ(bs,vo) が中心となり、このレコードを制作した時期にはグレッグ・アダムス(tp,vo,arr)、ミック・ジレット(tp,tb,vo)、レニー・ピケット(as,fl,vo)等々が参加!

そして強烈な16ビートや変態(?)ファンクロックを打ち出すリズム隊の要がロッコ・プレスティア(b) とデヴィッド・ガリバルディ(ds) の奇跡の黄金コンビであり、そこへブルース・コンテ(g,vo)、チェスター・トンプソン(org,vo)、ブレント・バイアス(per,vo) 等々が加わっていたのが全盛期の顔ぶれでしょう。

気になるリードボーカルは、レニー・ウィリアムスという、まさにこの時期が旬の人気者が入っていた事も大ブレイクの要因かと思います。

つまりタワー・オブ・パワーと言えば、圧倒的なリズム的興奮を煽る演奏力ばかりがウリではなく、ボーカル&コーラスと言うよりも、合の手気味の疑似ラップみたいな人間の肉声と楽器の対立軸があってこそ、楽しく聞ける部分もあるのです。

その意味でヒットした「What Is Hip?」は極めてロックっぽいファンクであり、ジャズっぽいヒップホップでもありますから、ジェームス・ブラウンを始祖とするファンキー&ファンクに拒絶反応を示す洋楽ファンにとっても、すんなり受け入れられたんじゃ~ないでしょうか。

もちろんブラスロックのストレートな醍醐味が入っている事は言うまでもありませんが、それにしてもデヴィッド・ガリバルディのドラミングは凄すぎますねぇ~~♪

それゆえでしょうか、この人はスタジオセッションで活動出来るような融通(?)が無かったようですから、真髄を堪能するにはタワー・オブ・パワーに浸りきるしかありません。

ということで、このバンドの魅力は多様な音楽性を持ちながら、常に一点集中主義による楽曲単位の完成度の追求から、その凄味を発揮出来たように思います。

なにしろスローなソウルパラードや熱血の泣き節ソウル、あるいはジャズファンクなインスト演奏、さらにはニューソウルやハードロックなウケ狙いまでもストレートにイヤミなくやってくれましたから!

当然ながら、バンドメンバーの人種の雑多性も、それに大いに関係しているはずです。

ちなみに掲載シングル盤は吉例「来日記念盤」ではありますが、今も悔やんでいるのは、サイケおやじに全盛期タワー・オブ・パワーのライプ体験が無いこと……。

もちろん彼等は数次のメンバーの入れ変わりを経て、現在でも堂々と活躍していますが、その過程には急速に落目になった1980年代からの逼塞期がありますから、1970年代に作られた諸作盤に執心わけですが、それについては後に譲るとして、今日はここまでと致します。

いゃ~、こういうグリグリに強いビートの音楽って、本当に気合が入りますねぇ~♪

落ちた運気や様々なゴタゴタも、スカッとぶっ飛ばせるような気がしています。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キャンディ・ステイトンはディープソウルの裏女王か?

2013-01-28 14:58:19 | Soul

ベイビーとよんで c/w What Would Become Of Me / Candi Staton (Fame / 東芝)

1970年代中頃、ディープ~サザンソウルに目覚めたサイケおやじが、ひとつでも多く聴きたかったのが、キャンディ・ステイトンのレコードでした。

ところが当時はそうしたブームが萎みつつあり、黒人大衆音楽はニューソウルやフィリーソウル、またはディスコ系も含んだ後のブラコン風ブラックミュージックが主流になっていましたから、殊更我国でもキャンディ・ステイトンを聴かんと欲すれば、それなりに「運」と「努力」が必要とされていたのです。

つまり先輩コレクターに礼を尽くしてカセットコピーをお願いしたり、中古屋でのソウルコーナー探索は必須だったんですよねぇ~~。

そしてようやく手に入れた最初のブツが、本日掲載のシングル盤というわけです。

さて、そこでキャンディ・ステイトンは本質的にアメリカ南部育ちのゴスペルシンガーであり、若くして結婚したことから、実力は充分ながらも長い間、所謂芸能界とは無縁の生活を送っていたと言われていますが、ゴスペルグループに参加しての巡業は時々やっていたそうですから、世俗でのレコードデビューも運命の流れだったのでしょう。

本格的なきっかけはR&Bの大物歌手だったクラレンス・カーターの紹介により、アラバマ州にあったフェイムというマイナーレーベルと契約レコーディングを開始!

それが1969年頃であれば、フェイムレーベルを運営していたリック・ホールのプロデュースによってバックを務めるのがジミー・ジョンソン(g)、バリー・ベケット(key)、ジェシ・ボイス(b)、フリーマン・ブラウン(ds) 等々の所謂マスル・ショールズ~フェィム・ギャングの面々ですから、ハードに粘っこい演奏と真っ黒なブルース衝動に満ち溢れた歌の仕上がりは、聴かずとも最高であろう事がソウル好きの共通認識でしょう。

実際、1973年頃までにフェイムで作られたキャンディ・ステイトンのレコードにハズレは無いんですよねぇ~♪

この「ベイビーとよんで / He Called Me Baby」にしても、幾分大雑把なストリングスとバカラック調のホーンアレンジが如何にも発売された1971年型ソウルミュージックでありながら、その奥底から滲んでくるディープなフィーリングは、これぞっ! キャンディ・ステイトンのしなやかでブルージーなボーカルの力量に他なりません。

同時にリズムセクションが提供するシンプルなミディアムテンポのグルーヴ感も良い感じ♪♪~♪

一方、B面に収録された「What Would Become Of Me」の泣き節ボーカルと正統派サザンソウルの演奏が醸し出す醍醐味も最高で、ナチュラルにハスキーな領域へ踏み込んでいるとしか思えないキャンディ・ステイトンのボーカルには、思わず震えを誘われてしまうほどです。

う~ん、なんて素晴らしいシングル盤なんでせう!

以降、ますますキャンディ・ステイトン中毒が進行した事は言うまでもありませんが、思えばサイケおやじが最初に彼女の歌声に接したのは、FENから流れてきた「Stand By Your Man」という、せつなくも熱い名曲名唱でありました。

そのあたりの事は追々、拙ブログでも書いてまいりますが、もうひとつ、特筆しておきたいのが、このシングル盤を制作したフェイムレーベルとブロデューサーのリック・ホールの存在、そして件の現場だったフェィムスタジオ所縁のセッションミュージシャンのあれこれであり、それは1970年代前半の大ブームであったサザンロックやスワンプロックとも密接に関係しているわけですから、その影響力は計り知れない歴史でしょう。

ということで、結果論ではありますが、キャンディ・ステイトンを聴くようなった事で、1970年代ロックの要点やソウルミュージックのキモを尚更に強く意識するようになったのがサイケおやじの実相です。

ただし、そんな屁理屈を持ち出さなくとも、キャンディ・ステイトンの歌には素直に感情を揺さぶられる事が必至であり、それは言い古されたとはいえ、同時代のアレサ・フランクリンに匹敵するレディソウルの真髄と思っています。

なかなか聴くことが容易では無かったフェイム制作の音源も、今日ではコンプリートに近い編集盤CDが出ていますので、ぜひともお楽しみ下さいませ♪♪~♪

ビリビリにシビれること、請け合いです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

買ってしまいました♪

2013-01-27 14:46:42 | Weblog

とうとうと言うか、ついにと言うべきか、「キンドルペーパーホワイト」買いました♪

まだ好みの日本語のコンテンツは不足気味ですが、世界各国の面白いものは膨大にありますから!

なによりも安く洋書が読めるのは高得点♪

しかし、栞って入らないの……?

という疑問もあるんですが、楽しくて昼前から触りっぱなしでござんすよ。

ということで、実はPC本体のソフト入れ替え中のため、本日の1枚は休載させていただきますので、ご容赦下さい。

う~ん、世の中はどんどん進んでいきますねぇ~♪

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これが大人の片想い

2013-01-26 14:59:09 | 歌謡曲

片想い / 中尾ミエ (日本ビクター)

片想いは、なにも青春の特権ではありません。

大人だって日々、そうした感情にとらわれている事は言うまでもないでしょう。

ですから片想いの歌はどっさりある中で、本日は中尾ミエの歌謡路線の中では一番に知られているであろう、この名曲を出してみました。

ご存じのとおり、そう書いたのも、中尾ミエは和製洋楽≒日本語詞のカパーポップスで一世を風靡したスタアであって、今に至るも一般的な歌謡曲は印象が薄いと思われがちなんですが、やっぱり歌の上手さがあればこそ、思わずグッと惹きつけられるボーカリストとしての実力は天下一品!

この「片想い」は昭和52(1977)年にヒットしたんですが、実はそれ以前の昭和46(1971)年に発売されていたシングル曲で、掲載したのは、そのオリジナル盤だと思われます。

と拘りを書いたのは、レコーディングされたテイクは同一でしょうが、ミックスが微妙に異なる印象で、現実的にヒットした昭和52年の再発バージョンはボーカルが少し前に出ている感じがするんですが、真相はどうなんですかねぇ~。

ただし、それはそれとして、作詞:安井かずみ&作編曲:川口真による楽曲の素晴らしさはもちろん、中尾ミエのじっくりとした節回しの上手さは流石と感銘するばかり♪♪~♪

あぁ~、オルガンとピアノが提示するイントロからのクラシック風味、力強いリズムとコーラスが尚更の御膳立てを整えた中に出てくる中尾ミエの刹那のボーカルがあればこそ、これもまた永遠に聴き継がれていく名曲名唱と断じて、サイケおやじは後悔しません。

もしも「ドラマチック歌謡」なぁ~んていうジャンルがあるとすれば、この「片想い」はランキング上位、決定的と思っています。

ちなみに、この歌は決して中尾ミエがオリジナルではないそうで、どうやら同じ渡辺プロに所属していた槇みちるが先に発売していたものの、残念ながらサイケおやじは聴いたことがなく、ヒットもしていないはず……。

また、実力派歌手によるカパーバージョンも幾つか残されているらしいのですが、やはり中尾ミエが絶対ですよっ!

ということで、同じタイトル、あるいは似たような意図の曲は多々あれど、ひとつ間違えれば、ありきたりの印象が懸念される内容を堂々と聞かせてしまう、それこそが上手いボーカリストの証明作業であるとすれば、中尾ミエならではの世界を堪能出来る「片想い」は最高です♪♪~♪

テレビの懐メロ番組では常に「可愛いベイビー」ばっかりですが、たまには「片想い」も歌って欲しいなぁ~~~。

う~ん、それも片想いってことでしょうかねぇ~。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初恋は犯すべからず

2013-01-25 15:56:04 | Singer Song Writer

初恋 / 村下孝蔵 (CBSソニー)

昨夜、久々におやじバンドの練習に参加したところ、新しい演目が決まっていまして、それがご紹介の「初恋」です。

いゃ~、これはもう、サイケおやじが稚拙な筆を弄するまでもなく、我国歌謡界屈指の名曲と断言するところです。

なにしろ昭和58(1983)年の発売からずぅ~~っと、有線では定番の中の大定番であり、今もカラオケでは奪い合いの状況が続いている実態は言わずもがな、楽曲そのものの胸キュンフィーリングは、誰もが刹那の青春時代を回想するものでしょう。

もちろん自作自演の村下孝蔵の素晴らしい歌声も最高ですし、世に出た時代を鑑みれば、ちょいと古いタイプの歌謡フォーク系のメロディを彩る、リアルタイムでは最先端のシンセサウンドを用いたアレンジと演奏は用意周到!?

全くこれがウケなかったら、ヒット曲の神様は激怒天誅でしょう。

当然ながら、サイケおやじも大好き♪♪~♪

ところが、これをバンドでやるとなれば、担当楽器のギターやベースの出番がほとんど無いのが実情です。

極言すればキーボードとドラムスだけで、ボーカルとコーラスをバックアップ出来るほど、オリジナルバージョンでの水谷公生のアレンジは出来上がっていますからねぇ~♪

それをトウシロがどうこう云々、いじれるものではなく、例えやったとしても、完全なイモに転落するのがオチでしょう。

う~ん、困ったぞぉ……、と嘆く場合ではありませんよねぇ……。

だってサイケおやじは仕事のすったもんだを言い訳に、最近は練習に顔すら出せない日が多かったんですから、ここは謙虚&素直に参加させていただく所存というわけです。

ちなみにこの素晴らしい歌を世に出してくれた村下孝蔵は当時、既に三十路だったと言われていますし、失礼ながら現代のお笑い芸人スギちゃん風のルックスと歌声が一致しないというイメージが???

しかし不幸中の幸いというか、実はこの「初恋」が大ヒットしていた最中、村下孝蔵は病気で活動出来ず、そういえばリアルタイムではテレビ出演が無かったのは、その所為だったのでしょう。

ですから、完全に楽曲優位主義が貫けたのは結果オーライだったと思います。

という不遜な事を書いたのも、実はレコードによる楽曲と歌声のイメージが、テレビやライプの現場等で接する本人の実像と掛離れが大きい場合、そのマイナスのベクトルの大きさは絶大なんですねぇ……。

ひとつの例として、サイケおやじの妹は山下達郎や南佳孝のファンで、それなりにレコードを聞いていたんですが、雑誌やテレビでそのルックスに接した後は、きっぱり見捨てるという、とても薄情な行動を!

しかし「初恋」は絶対的な名曲であり、村下孝蔵の歌声は永遠に不滅です。

それは言うまでもなく、「初恋」は内気な片想いの忘れ得ぬ回想の歌であり、決して二枚目ではない村下孝蔵が演じてこその共感は否定出来ないものと思います。

ということで、シンセ使用過多のサウンド作りには決して馴染めないサイケおやじではありますが、この「初恋」に関しては、これしかないの境地です。

つまり当然、ハードロックではないし、ウエストコーストロック系のアンプラグドもイマイチ、違和感が打ち消せません。

アップテンポでスマートに演じてこそのサラリとした感触がなければ、ベタベタした雰囲気が強くなり、それは叶わぬ初恋の甘酸っぱい思い出には相応しくないのでしょうし、結果的にヒットしなかったと思われます。

やはり「初恋」は、大切にするべきなのでしょう。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

麻生よう子への妄想

2013-01-24 15:35:18 | 歌謡曲

■逃避行 / 麻生よう子 (エピックソニー)

昨日に引き続き、サイケおやじがジャズっぽさを感じる歌謡スタアのひとりが、麻生よう子です。

ご存じのとおり、彼女は本日掲載したシングル盤A面曲「逃避行」の一発大ヒットで忘れられない美人歌手なんですが、何故かその昭和49(1974)年のデビュー時が鮮やかすぎた感があり、以降は残念ながら泣かず飛ばずが現実だと思います。

しかし歌の上手さ、歌ってきたオリジナル楽曲の充実度は素晴らしいんですよねぇ~♪

特に十八番だったのが、この「逃避行」で既に確立されているドラマ性のある歌詞の表現でしょう。

ところが、そうした、ある意味での「宿命」や「運命」を上手く歌いすぎるところに、彼女が受け入れられる状況の煮詰まりがあるように思うのは、サイケおやじだけでしょうか……。

平たく言えば、もう少し、ライトタッチなオリジナル曲を聴かせて欲しいわけですよ。

もちろん現在でも活動していると思われる麻生よう子は、これまでに相当数のシングル盤を出していますから、その中にはきっちりその傾向の歌もあるんですが、やっぱり「逃避行」でのデビューがあまりにも強い印象という事なのかもしれません。

ちなみに件の大ヒット曲は作詞:千家和也、作曲:都倉俊一、そして編曲が馬飼野俊一という匠の三人衆が本当に良い仕事で、特にどっかで聞いたことのあるようなメロディは、おそらくギルバート・オサリバンの「Alone Again」とバフィー・セント・メリーでヒットした「The Circle Game」を絶妙にブレンドさせた秀逸作の決定版♪♪~♪

それを麻生よう子がジャズっぽいフィーリングを秘めた洋楽テイストで歌ってくれるんですから、これか歌謡ポップスというよりも、所謂「ニューミュージック」の先駆けかもしれません。

また、ジャズっぽさという解釈では所謂AOR風味も否定出来ず、最近の流行になりつつある歌謡スタアがジャズを聞かせるという趣向からして、麻生よう子は最適の逸材だったと思うんですが、もちろん彼女だって、それは百も承知!

1980年代にはモロにジャズっぽい、例えば「赤坂の夜は更けて」等々のムードジャズ歌謡曲をレコーディングしていたのですから、ここらでひとつ、本格的なジャズボーカル物を作って欲しいと切望しております。

ということで、本来であれば、もっと売れまくってもよかったと思う麻生よう子は、もうひとつの魅力として、美形のルックス&ナイスバディという真実もありましたですねぇ~♪

昭和50年代のグラビアでは、彼女の水着姿やセクシーショットが人気を呼んだことを記憶されている皆様も大勢いらっしゃるでしょう。

今となっては夢幻だったかもしれませんが、水着姿で歌う麻生よう子が愛おしい♪♪~♪

またまた例によって、サイケおやじの妄想はそこへ辿りつくんですから、暴言ご容赦、失礼致しました。

コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歌謡ジャズフィールな久美かおり

2013-01-23 15:34:37 | 歌謡曲

くちづけが怖い / 久美かおり (日本コロムビア)

昭和40年代中頃に登場した我国の女性歌手は映画出演も多く、それゆえにどっちつかずの存在感として記憶されるスタアも少なくありません。

本日ご紹介の久美かおりも、昭和43(1968)年に作られたタイガースの歌謡映画において、沢田研二=ジュリーの相手役としての注目度が異常に高く、本業であった歌手活動が現在では、なんとなく余技の如く思われているフシがあります。

しかし彼女は本来、ジャズも歌える実力派のシンガーであり、平尾昌晃や東海林修等々の熱心な指導や推薦があったほどの逸材だったと言われています。

尤もサイケおやじがそうした真相を知ったのは彼女が引退した後、相当に年月が経過した昭和末期の「廃盤アワー」ブームの頃でしたから、それでもなんとか所有していた久美かおりのシングル盤を聴き直し、うなづく他はなかったわけですが……。

さて、そこで掲載したのは昭和43(1968)年初夏にヒットした彼女のデビュー曲「くちづけが怖い」をA面に収録のシングル盤♪♪~♪

サイケおやじが一番に気に入っているところは、そのベタベタに昭和歌謡曲しまくった魅力というか、リアルタイムのGSがやっても不思議ではない楽曲のキモをあえて、堂々の歌謡曲にしている、その狙いです。

まあ、そんな感じ方はサイケおやじ独りの思い込みかもしれませんが、前述したような久美かおりのジャズボーカリストとしての本性が、なかなか上手く活かされたような気がするんですねぇ~~♪

どうにも上手く文章に出来ないのが苦しいところではありますが、そういう事なんです。

ちなみに曲を書いたのは作詞:なかにし礼、作曲:東海林修ということで、雰囲気からすれば、伊東ゆかりが歌っても違和感は無いと思われますが、果たして、ここまでのベタベタフィーリングが表現されたかは、ちょいと想像出来ません。

ということで、ご存じのとおり、久美かおりと言えば沢田研二の相手役を演じたことによって、世界中(?)のジュリーファンから陰湿な虐め被害という伝説ばかりが記憶されていますが、本質的には美人歌手の典型であり、もしも時代が昭和50年代後半のデビューであったとすれば、例の「キャンディージャズ」ブームでブレイクしていたように思います。

しかしとにかく、久美かおりも忘れてしまうには勿体ない本物の歌手でしょう。

確か以前に音源を纏めたCDも出されたはずですが、現在は廃盤でしょうか……。

再評価が望まれますねぇ~。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あんな大人に、なるんじゃ~ないぜっ!

2013-01-22 14:58:48 | 歌謡曲

これが青春だ / 布施明 (キングレコード)

世間を騒がせた大阪桜宮高校バスケット部の体罰事件は、「体育科」を「普通科」に看板の掛け替えをする事により、一応の決着に至ったようですが、個人的には騒動の全てに反吐が出る思いです。

もちろん体罰を肯定するわけではありません。

桜宮の体育科を受験しようと準備していた子供達にも、同情はするところです。

しかし、それでも打ち消せないのが、問題が明るみに出た後の学校側の説明と態度、そして教育委員会の責任回避的な処理、おまけに橋下市長の如何にもの姿勢、さらにはそれを囃したてるマスコミの何時もの行動!

当然ながら、それぞれの立場には、それなりの道理が成り立つのでしょう。

ところがサイケおやじが納得出来ないのは、渦中の指導をやっていた教師が表に出てこないところです。

気合を入れるために平手打ち等々の暴力行為に及んだ事は、生徒と学校への愛情であろうという推察は易く、しかし行動そのものは傷害事件として取り扱われても不思議ではないのですから、本人や学校側にとっては、迂闊な態度は示せないのでしょう。

ただし、それでも間違った事をしていないという信念に基づいた指導であったとすれば、もっと堂々と自ら説明を果たすのが本当じゃ~ないでしょうか。

結局、今回の結末について、在校生が無理を承知で自分達の切なる気持を伝えているのに、学校側がそうした逃げの態度では情けないっ!

一方、橋本市長のバカヤローは何時も以上で、この機会に嫌いな教育委員会や日教組を苛めてやろうとする意図がミエミエなんですから、これまた始末が悪いですよ。

そしてさらに見苦しいのが、橋本市長嫌いのマスコミが、挙ってそれを批判するという、これまたバカの上塗り!

これでは現場の在校生、これからの受験生はやりきれませんよ。

おそらくは前述した「看板の掛け替え」が、およそ1年ほどで元に復すという現実が見えていたとしても、その気持は如何ばかりか……。

しかし彼等を納得させようとすれば、問題の指導教員は暴力容疑で逮捕、校長以下、学校職員やOBまでもが峻烈な取り調べとなり、とことん責任を追求されるのが実社会なんですよ。

そこであえてサイケおやじは在校生や入学を予定している子供達に、「あんな大人に、なるんじゃ~ないぜっ」と言いたいわけです。

文字通り、反面教師の集団であり、面倒な問題からは腰が引けるような姿勢が、どれほど世間から疎まれるか?

もちろんサイケおやじにしても、その立場であれば、似たような姑息な手段に走る事は自覚していますから、立派な事は言ってはいけないわけですが、それにしても……。

冒頭に述べた、「反吐が出る思い」ってのは、自分自身に対してもです。

ということで、やっぱり生徒第一に考えれば、まずは歪んだ教育を施していた担当教師を処罰し、校長や教育関係者も責任を果たし、さらには生徒達にスジを通す大切さを教えて欲しいと思う他はありません。

そうやってこそ、青春の情熱を謳歌しようとする子供達への責務云々!?

掲載したシングル盤は、そんなこんなの想いから、青春ドラマに仮託した理想の生き方を提示する名曲「これが青春だ」であります。

まあ、青春物語そのものは完全なる虚構に立脚しているわけですが、だからこそ惹きつけらける本質があるんですよねぇ~。

 腹が立ったら 喧嘩もしよう
 悲しいときは 涙流そう
 誇りひとつを 胸にかかげて
 いつも裸の これが若さだ

あぁ、これこそが青春の特権というか、完全なる憧れの世界であって、その岩谷時子の作詞をいずみたくの曲メロで大らかに歌う布施明の痛快さ!

憧れに向かい合う事こそが、美しかったと思うのは、中年者以上の感慨と思っている次第です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする