OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

今日は辛いが明日はねっ!

2019-09-30 17:47:04 | 歌謡曲
昨日・今日・明日 / 井上順之 (フィリップス)

「歌は心の支え」という古からの教え(?)に従えば、特に仕事が辛くなった時のサイケおやじは本日掲載のシングル盤A面曲「昨日・今日・明日」を口ずさんでしまいます。

 なにからなにまで つらぁ~~いぃ~♪

とにかく、この阿久悠が綴った歌詞の最初のワンフレーズが絶対的でして、しかも都倉俊一が附したメロディがこのパート、ほとんどビートルズの「Ob-La-Di Ob-La-Da」ですからねぇ~~、当然ながらリズムアレンジも、それもんですよ♪♪~♪

そしてこの歌が尚更に良いのは、井上順の明るく朗らかな中にも滲み出るペーソスが持ち味の人柄と申しましょうか、二枚目でありながら気さくでオチャメなイメージには、こ~ゆ~歌が似合いますよねぇ~~。

ちなみに井上順と書いていますが、本日久々にレコードを取り出したら、ジャケットには「井上順之」名義の記載がっ!?

発売されたのは昭和46(1971)年春でしたから、スパイダースが正式に解散して最初のシングル曲ということで、「井上順之」に改名したと思われますが、そ~いえば当時のテレビ等々では「じゅん」じゃ~なくて「じゅんじ」と名乗っていたらしいとは、サイケおやじの妹からの情報です。

でも、そんなの関係無いほどにお茶の間に馴染んだ本人のキャラは不滅で、「じゅんじ」と名乗っていた時期も確かにあったんでしょうが、ほとんどの日本人は「じゅん」として認める存在でありましょう。

さて、肝心の楽曲「昨日・今日・明日」は既に述べたように「Ob-La-Di Ob-La-Da」のパクりではありますが、やはり都倉俊一の施したアレンジはオーケストラ&ストリングスを豪勢に使い、リズムも疑似レゲエから8ビートを有効に活用していますから、同時期にラジオを中心に流行っていたロン・ダンテエジソン・ライトハウス調のバブルガム風ソフトロックの歌謡曲的展開として実に秀逸だと思います。

決して「Ob-La-Di Ob-La-Da」のモロパクリなんかじゃ~ないんですっ!

それはテレビ出演時でもフルバンをバックに明るく楽しく歌えば笑顔みたいな、実に素敵な和みの時間をプレゼントしてくれていましたですよ♪♪~♪

ということで、ネクラになるより朗らかに過ごした方が人生は楽しいに違いないとは思いつつ、やはり辛い時に辛いという感情も。また生かされている証でしょう。

ですから、この世に「歌」が必要とされている意味も、ほんのりと分かった様な気分にさせられるのでした。

ということで、
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コミックバンド・アゲイン

2019-09-29 19:26:13 | 歌謡曲
宮本武蔵 / ドンキーカルテット (RCA / 日本ビクター)

近年はすっかり絶滅の感もあるコミックバンドも、昭和30 ~ 40年代はテレビのお笑い寄席番組が多数放送されていた事もあり、まさに全盛期だったように思います。

それはクレイジー・キャッツを頂点にドリフターズ、玉川カルテット、東京ボーイズ、殿様キングス、横山ホットブラザーズ、フラワーショウ等々と東西多士済々の中にあって、本日掲載のシングル盤A面曲「宮本武蔵」を大ヒットさせたドンキーカルテットは決して忘れられないグループでしょう。

説明不要とは思いますが、我が国のコミックバンドには大まかな分類でジャズ~ロカビリー系と浪曲漫才系があって、前者はクレイジーキャッツやドリフターズ、後者は玉川カルテットやフラワーショウが分かり易いところだと思います。

で、ドンキーカルテットは、どちらかと云えば前者に分類されるんですが、音楽ネタの中には洋楽も浪曲も講談もクラシックもゴッタ煮の笑いがあり、当然ながらコントネタにも音楽的な要素が強く混入されていた事は、実際に彼等の演芸をご覧になった皆様であれぱ思い出されるんじゃ~ないでしょうか。

メンバーは小野ヤスシ(g,vo)、ジャイアント吉田(vo,b)、猪熊虎五郎(key,vo,etc)、祝勝(ds.b,vo) が全盛期の顔ぶれで、昭和45(1975)年に出した掲載盤も、この4人が在籍中のレコーディングです。

良く知られているように、ドンキーカルテットはカントリー&ロカビリーバンド時代のドリフターズから分裂して結成されたバンドであり、それが昭和40(1965)年頃だったそうですが、それゆえに最初っからコミックバンドを目指したのがドンキーカルテットの本質だとしたら、お笑い演芸が大人気だった当時の芸能界の趨勢を見据えた動きだったのでしょう。

そして当然ながら、その頃はお笑い芸人もレコードを出すのが当たり前の時代で、クレイジーキャッツは既に大ヒットを何曲も放っていた大スタアでしたから、後に続けとばかりに世に出たシングル盤は数あれど、なかなか本格的にヒットしたのはドリフターズが昭和42(1967)年に発売した「いい湯だな」ぐらいだったと思いますが、それとてドリフターズがメインでやっていた様々なテレビバラエティの中で歌っての成果であり、以降「ミヨちゃん」「ズンドコ節」等々のカバー曲の替え歌&別アレンジ路線でヒットを重ねていったのは皆様ご存知のとおりです。

しかし、ドリフターズはそれゆえに自分達で演奏し、歌う事が極力少なくなり、コントグループになってしまった後も、ドンキーカルテットはバンド演奏をやりながらのコミックショウをライブの現場で押し通し、テレビ出演時であっても、カラオケよりは自前の演奏を見せていたのは特筆物!

実際、サイケおやじはリアルタイムで彼等の演奏や歌のライブステージに接して、ミュージシャンとしてのドンキーカルテットの上手さに背筋が伸びる思いをした事が何度もありましたですよ。

で、この「宮本武蔵」は、あの有名な剣豪の物語をドンキーカルテットの流儀で聞かせた名演で、曲調はモロにアップテンポのカントリー&ロカビリー、メロディラインもそのジャンルでは黄金律という、つまりはどっかで聞いた事のあるよなぁ~~♪ っていう調子の良さは最高で、しかも歌詞の中身はコミックソングですから、これが深夜放送をメインにヒットするのはムベるかな、パチンコ屋や商店街、飲み屋の有線でも流行りまくっていましたですねぇ~~♪
 
ちなみに作詞&作編曲はメンバーのジャイアント吉田であり、リードボーカルも担当していましたから、このあたりからもドンキーカルテットの音楽的素養の深さ&高さは伝わってくるんじゃ~ないでしょうか。実際、テレビでもしっかり歌っていましたからねぇ~~♪

ただし、残念ながら、ドンキーカルテットの目立ったヒットは、これだけ……。時代は少しずつコントグループを必要としていたようで、またコミックバンドも例えば殿様キングスのように本格的な歌謡曲のレコードを出してメガヒットを放つ等々、コミックバンドそのものの存在意義も薄れていったのは寂しい出来事と思うばかりです。

ということで、ドンキーカルテットに限らず、往年のコミックバンドの映像は夥しく残されていると思えば、デジタル化による纏まった映像集が出る事を強く願っています。

また、蛇足ではありますが、最近の歌謡界には喋りが特段に面白い歌手が多く、例えば福田こうへい、三山ひろし、大江裕、徳永ゆうき等々、歌が上手くて、トークも最高、さらに独独の「フラ」がある面々が続々と登場しているのですから、ここらで本格的なコミックバンドが出現しても良いのでは?

そんなふうに思っているのでした。
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海の底にはイジケなんかいらない

2019-09-28 20:15:48 | 歌謡曲
海の底でうたう唄 / モコ・ビーバー・オリーブ (東芝)

四季折々、それぞれに聴きたくなる歌がある事は、ひとつの幸せと思います。

で、本日のサイケおやじはそんな気分の後押しされて、モコ・ビーバー・オリーブが昭和44(1969)年末に発売した掲載のシングル盤を取り出しました。

もちろん、お目当ては収録A面曲「海の底でうたう唄」でして、作詞:尾崎きよみ&作曲:関口真人、そして編曲:青木望が提供したのは、儚い夏の思い出を想起させられるメルヘンチックな歌謡フォークですから、秋も深まりゆく今の季節にはジャストミート♪♪~♪

そしてサイケおやじには、高校時代の思い出も重なるわけでして、と言っても甘くせつない恋愛模様なんかじゃ~決してありません。

拙ブログでも度々書いてきたように、その頃のサイケおやじは学内同好会のバンド組に入れてもらっていたんですが、当時は圧倒的な歌謡フォークの大ブームでしたから、そこでもフォーク組は人数も多く、男子も女子も和気藹々、フォークギターを弾きながら、歌ったりハモッたり、それはそれは仲良しグループ交際的なところに見えましたですねぇ~~。

それは何故か……、と申し述べさせていただければ、当然ながらエレクトリックな楽器でドラムスも入っているバンド組はロックは英語か、日本語か? なぁ~んていう不毛な議論もあったぐらいですから肩身も狭く、人数も少なく、落ち込んだ時にはサイケおやじも入れて3人だけだった苦節もあったんですよ……。

で、そんな頃の秋には文化祭で、いよいよ同好会も晴れの舞台に出られる段取りにはなったものの、イマイチ気勢も上がらず、漫然と練習していたある日、フォーク組の練習場所の前を通った時に流れてきたのが、この「海の底でうたう唄」でして、しかもギターを弾きながら歌っていたのが産休で休んでいた某教師の代用として来ていた、ちょっと訳有りっぽい女性教師でありました。

なんか、一説によるとオールドミスっていう話も耳に入っていたんですが、それはそれとして、彼女はなかなか清涼な声の持ち主で、ギターもそれなりに上手かったんですよっ!?!

サイケおやじは我知らず、その場に立ち止まって聴き入ってしまったのは、今も鮮烈な記憶です。

どうやら、これは後で知ったことではありますが、彼女は大学時代にフォークソングの活動をしていたそうで、あちらこちらの集会でも歌っていたというのですから、人を惹きつける上手さは当然だったんですねぇ~~♪

ただし当時、純情だったサイケおやじは、ど~しても彼女に話しかける勇気も無く、代用期間中にはちょくちょくフォーク組に顔を出していた彼女の歌を何かと言い訳を捻り出しては聴きに行っていたという、懐かしくも恥ずかしい思い出があるのでした。

そして当然ながら、2ヶ月ほどで去ってしまった彼女の行方は、その後全く知る由もありません。

ですから、この「海の底でうたう唄」を聴きくなったり、聴いたりする時は必ず彼女を思い出してしまいます。

まあ、それも片思いとか恋愛感情云々ではなく、結局はイジケていたバンド組の一員としての卑屈な憧れだったと思うばかりです。

失礼致しました。
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反省の色なし!

2019-09-27 19:40:53 | Weblog
またまた相撲界を騒がす事件には、もう……、笑うしかないのが本当かもしれませんが、それにしてもサイケおやじは黙っていられない気分で、これを記しています。

まず、一番に呆れるのは事件の加害者である貴ノ富士が以前にも付き人への暴力沙汰から処分され、誓約書まで提出していながらの今回の問題は、全く自覚が無いという以前に、社会全般への理解もヘチマもあったもんじゃ~~ないですよねぇ~~~!?!

だいたい普通の会社で一度でも暴力沙汰をやらかしたら直ぐに解雇は必定だし、ましてや広く世間に知られている大相撲の力士がゴタゴタを起こしたら、社会的制裁なぁ~んていう甘い言葉じゃ~収まりがつかない事態になる事は最初の事件で分かっているはずなのに、それが身に染みてもいなかったのは、ウスノロと罵られてもしょ~がないでしょう。

さらに師匠や協会から「自主引退」を勧められても納得せず、弁護士を同席させての記者会見での言い訳を聞いていると、こりゃ~明らかに師匠や協会の顔に泥を塗る所業としか思えませんでしたよ。

そしてもしも、まあ、そんな事は有り得ないでしょうが、これまでどおりにプロの力士として相撲協会に残れたとしても、現行のシステムでは何処にも所属出来る部屋なんか無いでしょう。

そんなこんなも分からないんじゃ~、弁護士の先生だって……。

そりゃ~確かに法廷闘争という手段もありますが、その決して短くない時間にも己の体力や肉体は必ずや衰えていくわけですし、このままでは「解雇」へ追い込まれ、「退職金」という名目の「口止め料」さえも貰えないのですから、バカにつける薬はなんとやら!?!

また双子の弟、貴源治も同列のボンクラだったという事実も判明し、こりゃ~ダメだ……。

結局、彼等にも応援していたファンや後援者が確かに存在しているのですから、ここは兄弟揃って素直に頭を下げて相撲界を去り、他の世界で出直す他はないと断じます。

尤も、今の気持ちで相撲界から放り出されたら、チンピラヤクザの用心棒として弱い者イジメぐらいしか出来ないでしょうがねぇ~~~。

傷害事件で立件されない現在の幸せを大切するべきっ!
 
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秋の夜長のパット・マルティーノ

2019-09-26 20:32:45 | Jazz
The Visit / Pat Martino (Cobblestone)

ギタリストのステータスのひとつが「早弾き」にあるとすれば、パット・マルティーノこそは、その権化!

とにかくアドリブフレーズは乱れ打ちの如く正確無比という、まさに二律背反の境地に達した天才であり、寸時の緩みも感じさせないところは近づき難い印象の人物である事は、掲載したLPのジャケ写からも存分に伝ってくるんじゃ~ないでしょうか。

いゃ~、本当にジャケ写だけ見ていると、これがジャズのレコード?

なぁ~んていう疑問さえ抱いてしまうほどで、実はサイケおやじにしても、最初にこのジャケ写に邂逅した時はてっきりサイケデリックフォーク(?)かラガロック系のアルバムみたいな印象だったんですが、ワンテンポ置いて確認にすれば、そこには「Pat Martino」なるご尊名があり、しかもわざわざ「Inspired by and dedicated to Wes Montgomery」と但し書き(?)までもが記載されていたのであれば、あとは自ずと神妙に鑑賞する他はありますまい。

録音は1972年3月24日、メンバーはパット・マルティーノ(g) 以下、ボビー・ローズ(g)、リチャード・デイビス(b)、ビリー・ヒギンス(ds) という硬派な面々です。

A-1 The Visit
 パット・マルティーノ自作の変拍子、おそらく 6/8 拍子と思われますが、このメンバーにとっては何の躊躇も無くスイングしまくるんですから、痛快な怖さに震えてしまいます。
 全く淀みも緩みも感じさせない速射フレーズでアドリブを続けるパット・マルティーノを巧みにサポートするボビー・ローズのサイドプレイも流石ですし、かなり目立ってしまうリチャード・デイビスのベースは当然ながらアコースティックですから、本当にジャズ性感度の高い演奏だと思います。
 う~ん、フェードアウトが残念ですねぇ~~~。
 
A-2 What Are You Doing The Rest Of Your Life?
 どっかで聞いたことがある美しいテーマは多分、ミッシェル・ルグランの作曲かと思いますが、しっとりしたムードを大切に内気な片思いの如くメロディを綴っていくパット・マルティーノは、随所でオクターヴ奏法や思わせぶりなピッキングを用いて、このスローな曲展開でも全く飽きさせませんよ♪
 また、ここでもサイドギターのボビー・ローズが地味な名演と思います。
 
A-3 Road Song
 ご存知、ウェス・モンゴメリーの自作自演が超有名の決定版ではありますが、それゆえに数多のミュージシャンが演奏している中にあって、パット・マルティーノは矢鱈な早弾きはせず、むしろじっくりと偉大な先達に憧れと畏敬の念を抱いたような落ち着いたプレイがニクイばかり!
 もちろん演奏が進むに連れて十八番の三連&六連フレーズ、執拗な反復フレーズの完全披露はお約束で、このあたりはグラント・グリーンが得意技の「針飛びフレーズ」とは似て非なる、まさにパット・マルティーノの真骨頂でありましょう。
 いゃ~~、それにしても楽曲そのものが最高に素敵ですよねぇ~~♪
 パット・マルティーノも実に楽しそうにオクターヴ奏法をやらかすんですから、もう……、何にも言えません ♪♪~♪
 
B-1 Footprints
 これまたモダンジャズの名曲と申しましょうか、ウェイン・ショーターが書いた如何にものモードメロディを原曲のイメージどおり、ミディアム・スローで演じていますから、セッション参加メンバー全員の実力も存分に楽しめる仕上がりです。
 それは基本がブルースと思われる曲展開の中で、拘りのないフレーズを積み重ねるパット・マルティーノ、所謂新主流派どっぷりのベースでアドリブもバッキングも容赦ないリチャード・デイビス、繊細さとグルーヴィな感覚を両立はさせたビリー・ヒギンズのドラミング、さらに隙間を埋めていくボビー・ローズのサイドギターも上手いの一言!
 まさにジャズ者歓喜の名演じゃ~ないでしょうか。
 終演間際に炸裂するリチャード・デイビスのアルコ弾きには悶絶!

B-2 How Insensitive
 これまたご存知、アントニオ・カルロス・ジョビンの耳に馴染んだボサノバ曲ですから、油断は禁物!?
 テーマメロディを静かに歌わせつつ、ハッと気づけば、パット・マルティーノは何時の間にか独自にテンポアップした解釈で例の端正な乱れ打ち! 細かいフレーズを積み重ねるアドリブフレーズは、そのピッキングも凄いと思うばかりです。

B-3 Alone Together
 オーラスはジャズ者御用達のスタンダード曲ですから、正統派4ビートのハードバップを聴かせてくれます。そして当然ながら、テーマ演奏からしてオクターヴ奏法の大盤振る舞いということは、アルバムの主題のひとつでもあろう「dedicated to Wes Montgomery」でしょうか。
 さらにアドリブパートでの早弾きも爽快にして熱くさせられる、これぞっ! パット・マルティーノの素晴らしさ、凄さに圧倒されてしまいますよ。
 無暗に熱血じゃ~ないところが、たまりません ♪♪~♪

ということで、ジャケ写のイメージに狂わされると肩透かし的な内容かもしれませんが、モダンジャズのギターアルバムとしては実に秀逸で、ジャズ喫茶の大音量で聴くも良し、自宅で深夜独りヘッドホンで鑑賞するのも格別という名盤と思います。

パット・マルティーノには弾きまくった名演&名盤が多数あり、例えば「ライブ!」とか「イースト」等々、ロックファンにもアピールする人気アルバムは確かに凄いと思いますし、サイケおやじも大好きです。

と、同時に、このアルバムの様に幾分内省的な雰囲気が滲んだ演奏も、またパット・マルティーノの真実かもしれません。

最後になりましたが、ここで的確なサイドギターを担当しているボビー・ローズは隠れ名手として再評価を望みます。そして実はプロデューサー的な仕事もやっているらしく、ソウルジャズの分野での暗躍(?)も幾枚かのレコードに残されていますので、追々にご紹介しようと目論んでおります。

秋の夜長にはジャスギターのアルバムがジャストミートですねっ!
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盛り場演歌にジャジーなグルーヴ

2019-09-25 19:48:01 | 歌謡曲
恋街ブルース / 八代亜紀 (テイチク)

掲載したのは、未だブレイク前の八代亜紀が昭和47(1972)年に出したシングル盤なんですが、何と言っても思いっきり濃いルックスが最高じゃ~~ないですかぁ~~!

ファッションもその時代がド真ん中で、しかも作詞:悠木圭子&作曲:鈴木淳というソングライター夫妻が提供したのは全国の地名を歌い入れた、所謂ご当地ソングの酒場歌ですから、八代亜紀も「シュビドゥヴァ~」っていう青江三奈の十八番のスキャット&溜息ハミングを披露してのグルーヴ演歌っていうやつでしょうか、これまたルックスに負けない「濃さ」が楽しめますよ ♪♪~♪

ちなみに皆様ご存知のとおり、八代亜紀はクラブ歌手から昭和46(1971)年の公式レコードデビュー以来、売れていなかった頃に鈴木淳に発見(?)され、このシングル盤を出した時期には日本テレビ系列で放送されていたオーディション番組「全日本歌謡選手権」で勝ち抜き回数を重ねていたはずなんですが、そこでこの「恋街ブルース」を歌っていたかは定かではありません。

しかしひとつだけ彼女について覚えているのは、審査員をやっていた淡谷のり子が八代亜紀に対し、毎回厳しい批判をしていた事で、それはもしかしたら同じ審査員の席についている鈴木淳の存在を慮っての対処だったのでしょうか……?

また鈴木淳にしても、それまで自分が過言ではなくスタアに導いたちあきなおみとのあれやこれやから、八代亜紀を次代のスタアに育て上げたいという思惑があったという推察は易いと思います。

そして堂々の十週勝ち抜きの後、昭和48(1973)年春に発売した「なみだ恋」が大ヒット!

今日まで常に歌謡界の第一線で活躍しつづけ、他にも映画やテレビのバラエティ番組にも出演する等々、大スタアとしての存在感は抜群ですが、近年はジャズの世界に戻ったアルバムもヒットさせているのは、クラブ歌手時代への初心という事でしょうか。

良く知られているように八代亜紀はジェリー・ロンドンやクリス・コナー等々のジャズシンガーに憧れ、実際にクラブ歌手時代はそのジャンルの持ちネタも多数あったそうですから、そ~したジャジーなフィーリングがこの「恋街ブルース」の初っ端から歌いだされる件の「シュビドゥヴァ~」スキャットに活かされていると思うのは、例によってサイケおやじの独断と偏見であります。

実際には、そんな事は関係なく、素直に八代亜紀の「ご当地盛り場ソング」を聴き、酔わされればOKってことなんでしょうねぇ~~♪

体質的に酒に酔えないサイケおやじには、こ~ゆ~歌も必要だと思うばかりです。
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マリアに敗けても本望

2019-09-24 20:12:35 | 歌謡曲
あなたに敗けそう / 安西マリア (東芝)

さて、昨日のお題「バーバレラ」を我が国でリメイクするならば……、なぁ~んていう妄想を昔っから持ち続けているサイケおやじは、もしもそれが昭和50年代であったなら、安西マリアは有力な候補のひとり!

と、思っていました。

だって彼女のキュートなルックス、強いフェロモンを発散させる仕草、甘え口調とパンチの効いた歌いっぷりの魅力等々、もちろん男好きするナイスバディもジャストミートでしょう ♪♪~♪

それは早世した彼女が残した多くのグラビアや映像、そしてレコードジャケットにも顕著です。

またボーカリストとしての個性と実力は言わずもがな、同様に残された音源を聴くほどにシビレる皆様が大勢いらっしゃるはずです。

例えば昭和50(1975)年に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「あなたに敗けそう」も、まさにそのひとつとして決して忘れられない名曲名唱で、作詞:なかにし礼&作曲:井上忠夫が提供したのは、折しも盛り上がっていたアメリカンポップスのオールディズリバイバルの波を意識したアップテンポの歌謡ポップスで、しぶとさと甘え口調を並立させて節回すあたりは安西マリアの真骨頂!

川口真の施したブラスとストリングスを刺激的に用いたアレンジも秀逸で、何度聴いてもグッと惹きつけられてしまいますねぇ~~♪

いゃ~~、この曲に合わせて彼女がバーバレラを演じてくれても、絶対OKじゃ~ないかと、ねっ!

そして同じソングライタートリオが手掛けたB面「遠い愛情」がこれまた素晴らしく、ミディアムスローの曲調はオールディズ風味が巧みに活かされた正統派歌謡フォークですし、綴られた失恋の思いを安西マリアがセクシーに歌ってくれますから、本気でこっちが敗けそうですよ ♪♪~♪

ということで、最近は彼女のようなキュートなフェロモン系美女がグラビアの世界にばっかり行ってしまって、歌手とか女優とか、そ~ゆ~真に華やかな活動をしてくれないのは残念……。

もちろん、グラビアの世界だって華やかな事には違いないんですが、やっぱり芸能的なキャパが物足りないと思いますから。

その意味でサイケおやじの心の中に、安西マリアがますます輝きを増すのでした。
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SFはセクシーヒロインを見るべし!

2019-09-23 19:17:25 | Soundtrack
Barbarella / The Gliterhouse (Stateside / 東芝)

1950年代から人気を集めた雑誌連載のSF物語の挿絵、あるいはコミック作品に登場するヒロインはセクシームードがお約束だった事は隠しようもない事実として認知されているはずです。

それは映画の世界でも直ぐに継承され、数多のセクシー場面が撮られたわけで、我が国でも子供の集客を当て込んだ特撮&怪獣映画でも、例えば東宝の水野久美がキワドイ衣装で登場し、時には入浴シーンまでも演じたり、大映のガメラシリーズでは八並英子が極小ビキニ姿を見せつけたりした事は忘れられない記憶という皆様も大勢いらっしゃるでしょう。

ある意味では子供の付き添いで映画館にやって来た父兄へのサービスであったかもしれませんが、子供達にとっては所謂「性の目覚め」でもありましたですね ♪

そこで本日ご紹介は、そのジャンルでは決定的な人気作となっているジェーン・フォンダの主演作「バーバレラ」の主題歌でして、その映画冒頭、無重力状態の空間で無骨な宇宙服を少しずつ脱ぎ、キュートな裸体を拝ませてくれる彼女の大名演のバックに流れるソフトロックの名曲 ♪♪~♪

いゃ~~、これはもう、実際に映画をご覧いただくのが最良の鑑賞法という結論は既に出ているんですが、如何にも1967年に製作されたというキッチュな感覚とモダンサイケな字幕処理はニクイばかりですから、グリッターハウスと名乗るグループが演じる歌とメロディーの心地良さは相乗効果的に強い印象を残しているんですねぇ~~♪

このシーンは、ネットでもご覧いただけますので、まずはお楽しみ下さいませ。

ちなみにこれを製作したのはボブ・クルーとチャーリー・フォックスという業界の大物裏方コンビで、またグリッターハウスは実在のグループらしいんですが、サイケおやじは勉強不足で知るところもありません。

しかし、ボブ・クルーについては洋楽の世界では決して忘れてはならない重要人物でして、既に1950年代からフリーランスのプロデューサーとして幾つものシングル曲を製作し、小さなヒットを飛ばしていた結果として、ついに1962年にはフォーシーズンズを「Sherry」の大ヒットでトップスタアに導き、以降1968年頃まで多くの秀逸な楽曲の制作に関わっていたのですから、チャーリー・フォックスと共作した「Barbarella」が王道のソフトロックに仕上がったのは当たり前田のクラッカー!

さて、肝心の映画「バーバレラ」については幾つもの伝説や逸話が残されておりますが、監督のロジェ・ヴァディムと主演のジェーン・フォンダは当時、確か夫婦関係にあったはずで、だとすれば自分の女房にセクシー演技をさせたのも、所謂イキ顔とか嫌がりの表情と仕草を知り抜いていたとしか思えません。

何故ならば本篇の中にはセックス系の拷問とか、セックスそのものを想起させる演出がテンコ盛り ♪♪~♪ もちろんコスプレな衣装も凝視せずにはいられないものばっかりですから正直、ど~でもいいストーリー展開よりも、そんなこんなを見せるのが主題だったのでしょうねぇ~~。
 
参考までに記しておきますが、原作はフランスかベルギーで発行されていた漫画雑誌に掲載されていたそうなので、まさに欧州的な退廃さえも感じさせてくれるような気がするほどです。

ということで、実は本日の結論は、最近の我が国の特撮物は映画にしろテレビ作品にしろ、セクシー場面が少なすぎるという嘆き節……。

ひと昔前まではテレビ作品でも、ヒロインはパンチラやレオタード風の衣装が当たり前でしたし、水着姿だって大サービス的に演出されていましたからねぇ~~~。

もしも、何からの発案から、そ~した作品を作ろうと決意される業界諸氏がいらっしゃるならば、ぜひとも「バーバレラ」をリメイクして欲しいと願っているのでした。
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レイ・ブライアントの真実はひとつ

2019-09-22 20:17:02 | Jazz
Slow Freight / Ray Bryant (Cadet)

レイ・ブライアントが幾枚も出した名盤&人気盤の中でも、もしかしたら一番じゃ~ないかと思われるのが本日掲載のLPです。

しかし、だからこその分かり易さが強い所為でしょうか、往年のジャズ喫茶では軽く扱われていた現実も確かにあり、このアルバムが「好き」とは言えない雰囲気、言ってしまったら「恥ずかしい」という取り越し苦労も、まあ、今となっては自意識過剰でありました。

だって、中身はきっちり充実していますし、決して場当たり的にやったセッションじゃ~無い事は、聴くほどに実感されるばかりです。

録音は1966年12月、メンバーはレイ・ブライアント(p)、リチャード・デイビス(b)、フレディ・ウェイツ(ds) という強力ピアノトリオにホーンアンサンブル担当としてアート・ファーマー(tp.flu)、スヌーキー・ヤング(tp,flu) という超一流の面々が参加していますので、まさにレイ・ブライアントが持ち味のブルース&ソウルに溢れ、小粋なフィーリングは保証付き!

A-1 Slow Freight
 レイ・ブライアントが自作にして看板にもしているミディアムスローのブルースなんですが、親しみ易いホーンリフを従えたグルーヴィなビアノトリオの演奏に如何にも「ぶるうす」な語りが被せられているのが強い印象として刻みつけられます。
 で、この語りを演じたのは、裏ジャケ解説文にはポール・セラーノと記載されていますが、この人は当時、シカゴ周辺で活動していたMJT(Modern Jazz Two) に参加する事もあったトランぺッターと同一人物なんでしょうか? ちなみにMJTはボブ・クランショウ(b) とウォルター・パーキンス(ds) のユニットで、フロント陣は流動的ながら、フランク・ストロジャー(as) やハロルド・メイバーン(p) 等々の人気者も参加したLPを数枚残していますので、機会がございましたら、お楽しみ下さいませ。
 さて、しかしながら、この「語り」が入っているがゆえに演奏が進むにつれ、なかなか雰囲気が盛り上がる事が、逆に硬派なジャズファンやマニア層には顰蹙とでも申しましょうか、所謂シャリコマと決めつけられる一因だったのかもしれません。
 実際、往年のジャズ喫茶の中には決してA面を鳴らさない、あるいはリクエストがあっても、A面はお断りという店さえあったんですから、いやはやなんとも……。
 レイ・ブライアント本人はライブでの必須演目にしていたほどですから、リスナーのウケが悪かったはずもなく、だとすれば日本独自の文化であったジャズ喫茶の功罪さえも論議されてしまいそうな名演だと、サイケおやじは強く思うばかりです。

A-2 Amen
 ドナルド・バードが名盤「フェゴ(Blue Note)」に入れた自作自演のゴスペルファンキーな人気曲ですから、そのオリジナルの楽しさと熱気を増幅せんと奮闘するレイ・ブライアントは流石のグルーヴを発散させています。
 それはブラスセクションを活かしたブレイクやフェイクっぽいフレーズの作り方、またアドリブソロのノリの良さこそが、レイ・ブライアントの人気の秘密と痛感されるばかりでしょうか。
 楽しいです ♪
 
A-3 Satin Doll
 説明不要、デューク・エリントンが書いた超有名スタンダード曲ですから、ジャズ者の耳に馴染んだメロディを快適なテンポでスイングさせていく上手さは流石の手練れと思います。
 そして注目はバッキング、あるいはソロパートで驚愕のテクニックと音楽性を発揮しているリチャード・デイビスの物凄さで、特にベースソロはストロングスタイルの極みと申しましょうか、これを聴かずして、このアルバムの何をか語らんや!
 
B-1 If You Go Away
 B面ド頭はジャック・ブレルのシャンソンヒットで、アメリカでも多くの歌手がカバーバージョンを出しているんですが、ここでのブラスセクションを聞いて、思わず「人形の家」!
 と、叫びそうになる皆様が必ずやいらっしゃるでしょう。
 しかし、レイ・ブライアントの憂いが滲むピアノタッチは曲想を大切にしていますし、施されたアレンジもドラムとベースの存在を確実に活かして秀逸ですよ。
 すでに述べたとおり、このアルバムはジャズ喫茶ではB面が御用達という傾向があったようですが、いきなりこの演奏がスタートするとニンマリする以前に初めて聴いた時には呆気にとられるのも、全ては「人形の家」ゆえの事と思いますよ ♪♪~♪

B-2 Ah, The Apple Tree (When The World Was Young)
 これも原曲はシャンソンかもしれませんが、アメリカのジャズシンガーが英語で歌ったバージョンが幾つもあるという、耳に馴染んだメロディをピアノトリオだけで神妙(?)に演じているのは気分転換的でしょうか。
 
B-3 放蕩息子の帰還 / The Return Of The Prodical Son
 フレディ・ハバードやジョージ・ベンソンの演奏が殊更有名なソウルジャズの名曲ですから、レイ・ブライアントも周到にして期待に応える演奏を聴かせてくれます。
 しかも前段として、真摯に地味な「Ah, The Apple Tree (When The World Was Young)」を聴いた後ですから、実はほとんど調子の良い哀愁のテーマメロディだけで進行していく変奏パターンが分かり易いのは言わずもがな、この曲そのものが大好きなサイケおやじなどは、何度でも聴きたくなる魔法に毒されたようなもんですよ。
 ところが後半に登場するリチャード・デイビスのアルコ弾きのベースソロで現世に連れ戻されるという快感がニクイばかり♪♪~♪
 ちなみに「放蕩息子の帰還 / The Return Of The Prodical Son」を作曲したハロルド・アウズリーはソウルジャズをテリトリーに活躍したサックス奏者で、しぶといリーダー盤も出しているので、いずれはご紹介させていただきます。

B-4 The Fox Stalker
 オーラスは、まさにレイ・ブライアントが十八番のラテンビートを用いた自作曲で、ピアノトリオの魅力を満喫させてくれますよ♪
 オシャレ系のフレーズを潜ませたアドリブの妙、そして自然体のスイング感は絶品と思います。

ということで、本来モダンジャスは楽しいもんなんですよ ♪ てなことを実感させてくれるアルバムだと思います。

しかし、冒頭に述べたとおり、若い頃のサイケおやじは、ど~してもそれを素直に言えず、このアルバム以外にも秘匿していたLPが多々ありました。

ところが今は、それが若気の至りというよりは、未熟なプライドであったと反省するばかり……。

逆に言えば、齢を重ねて羞恥心を失ったのだとも思いたい心境でございます。

それでも、レイ・ブライアントが残してくれた「Slow Freight」は、人気盤にして傑作という真実はひとつ!

不滅だと思うのでした。
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次は何処へ…

2019-09-21 19:33:07 | Weblog

今日は朝からスケジュールが狂いっぱなしで、今も連れ回されています。

こりゃ~、ど~なんか……。

本日は、これにて失礼させていただきます (__)

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