■All The Years Combine The DVD Collection / Grateful Dead (Shout / ヤマハ)
最近の再発事情におけるグレイトフル・デッドの暴挙は、例えば以前にも書いた「ヨーロッパ72」の如き、果たしてこれは死ぬまでに自分が全てを楽しめるのか?
というような悲喜こもごもに満ち溢れているわけですが、そんな中にまたしても登場したのが、これまでに残されてきた彼等の映像の中から比較的真っ当なソースを集めたDVD14枚組の箱物セット!
当然ながらグレイトフル・デッドには素晴らしき仲間意識を追求していた歴史がありますから、メンバーもスタッフもファンも業界関係者もゴッタ煮の人間関係があって、それゆえに会話にはスラングというか、内輪にしか理解出来ない言葉のニュアンスがあるようです。
そこでサイケおやじは日本版をゲットしたわけですが、やっぱり字幕はありがたいですねぇ~♪
ただしグレイトフル・デッドの優先的な本質は、当然ながら音楽であり、それもライプの現場でのナチュラルな高揚感や全体の流れの中の紆余曲折と起承転結! それを楽しむためにも、この映像集は素敵なプレゼントだと思います。
さて、肝心の内容ですが、とても昨日届いた段階では全てを鑑賞出来るはずもありませんでしたので、本日はちょいとイントロ的なご紹介――
01. ザ・グレイトフル・デッド・ムーヴィー (2DVD / 1978年公開)
おそらくはこれがグレイトフル・デッドの映像作品では一番に有名なものでしょう。
内容は1978年に劇場公開されたドキュメント映画「ザ・グレイトフル・デッド・ムーヴィー」が「Disc-1」、そして後の2004年頃に公式初DVD化された時のボーナス映像が「Disc-2」に収められています。
で、まずは本篇が1974年10月16~20日に行われたサンフランシスコはウインターランドでのライプ映像がメインであり、実はこの時のグレイトフル・デッドはステージ巡業を中止すると宣言していた事もあり、所謂「さよなら公演」としてジェリー・ガルシアが陣頭指揮で映画化した作品ということで、演奏場面はもちろんの事、ファンの悲喜こもごもの思い入れ、スタッフの打ち明け話もリアルな、まさにロックが如何にも時代の音楽だった風俗(?)が記録されている大名作だと思います。
またボーナス扱いの「Disc-2」には本篇に使われなかった歌と演奏、関係者へのインタビューやメイキング映像等々が収録され、これはおそらく前述した初DVD化の時の中身と同一なんでしょうか?
実は告白すると、サイケおやじは劇場では映画本編の鑑賞体験は無く、最初に接したのが海外ビデオ版、次に入手したのが、これまた海外版のレザーディスクでしたから、今回の日本語字幕は本当に有用でしたし、何よりもオリジナルの35ミリフィルムから変換されたという映像に落ち着きがあるので、観ていても疲れません。
しかし音質が一応はドルビーデジタル、5.1サラウンドミックスにされている所為というか、イマイチ迫力に欠けているような……。
尤もこれは大音量で楽しみなさいという、グレイトフル・デッド側の心遣い(?)かもしれませんねぇ~♪
気になる演目は「Dark Star」を筆頭に、まさにグレイトフル・デッドの醍醐味が堪能出来る曲ばっかりですし、なによりも曲名なんか気にする必要がないほど、充実した音楽の桃源郷が楽しめるはずです。
02. クロージング・オブ・ウインターランド (2DVD / 1978年12月31日)
様々なゴタゴタから売却が決まったサンフランシスコのロックの殿堂たるウインターランドの最後の企画興業から、グレイトフル・デッドのパートを纏めたものらしいです。
ちなみにこのシリーズライプにはヴァン・モリソン、ケニー・ロギンス、ブルース・スプリングスティーン、ブルース・ブラザーズ等々が出演し、それがケーブルテレビ(?)で放送された事から、ブートビデオのネタとしては広く知られていたソースでもありますが、今回は流石に公式リマスターとあって、画質はそれなりにアップしていると思います。
ただし、それでも劣化現象は避けえないものあり……。
まあ、このあたりは十人十色の評価となるでしょう。
個人的には最後まで通して鑑賞する時間が未だに無いので、チャプターで好きなパートだけチェックしましたが、ジェリー・ガルシアとボヴ・ウィアのギターの絡み合いが、どういう流れで成り立っているのか、特にボヴ・ウィアの選ぶコードやオカズの組み立て方を凝視出来るのは興味津々でした。
もちろん演目はデッド・ヒットパレード♪♪~♪
独得のユルユルな雰囲気は初めてグレイトフル・デッドを楽しまれんとする皆様には如何にもテンションの低いものと感じられるかもしれませんが、それがまた真髄でしょう!?
個人的には、たまりません。
03. デッド・アヘッド (1980年10月 / ニューヨーク)
これはタイトルと録音データからして、1981年頃に発売されていた同タイトルのビデオ作品と一緒の内容でしょうか?
だとすれば、最初がアコースティックセット、後半がエレクトリックセットという、当時のグレイトフル・デッドの典型的な構成がご覧になれるはずですし、相当にサイケデリックな映像処理もあったと記憶していますが、今回のDVDは未見ですので、ここまでと致します。
04. ソー・ファー (1987年作品)
これは有名なイメージ作品(?)で、ライプよりもスタジオ内でのグレイトフル・デッドが見られるという珍しさがウリでしょうか。
アニメやCGと実写の合成が、如何にも時代を感じさせるにしても、またそれがグレイトフル・デッドの「らしさ」と思います。
しかし、これまた今回の再発物件については、未見……。
で、個人的には楽しみの上位にランクしております。
05. チケット・トゥ・ニュー・イヤーズ (1987年12月31日 / オークランド)
06. トラッキン・アップ・トゥ・バッファロー (1987年7月4日 / ニューヨーク)
07. ダウンヒル・フロム・ビル (1987年7月17日 / イーストトロイ)
08. ヴュー・フロム・ザ・ヴォルト (1990年7月8日 / ピッツバーグ)
09. ヴュー・フロム・ザ・ヴォルト Ⅱ (1991年6月14日 / ワシントンD.C.)
10. ヴュー・フロム・ザ・ヴォルト Ⅲ (1990年6月16日 / マウンテンヴュー)
11. ヴュー・フロム・ザ・ヴォルト Ⅳ (1987年7月24&26日 / オークランド)
12. ボーナス・ディスク
以上は現在、全くの未見ですので、サイケおやじは何も書くことが出来ません。
しかし記載データを信じれば、これまでにブートで出回った映像もあり、音源に関しては、ほとんど全てが聞ける状況になっているのですから、それなりの安心感があるのは確かです。
ということで、詳しい中身については、追々に鑑賞後、1枚毎に書いていきますので、本日はここまででご容赦下さいませ。
ちなみに日本語字幕付きの国内版は限定販売ですから、気になる皆様には早めのゲットをオススメしておきますし、「ザ・グレイトフル・デッド・ムーヴィー」だけは2枚組として同じ内容のブツがバラ売りされているようですが……。
率直に言えば、この箱物が税込2万円ちょい、そのバラ売り2枚組が同じく5千2百円ほどであれば、自ずと決断は無理したくなるのがファン心理でしょうか?
う~ん、販売元のやる事はエグイ!
草葉の陰のジェリー・ガルシアは、如何に……?