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愛国心と靖国参拝⑨  歴史的教訓  落石

2006年07月22日 09時35分20秒 | Weblog
正当なことを主張して進んでいくこと。これは間違ったことではありません。
しかし予想した結果を得るとは限らないのです。
不健康な愛国心の囁くままに外国と敵対することは
実は危険なことなのです。

   


1941年(昭和16)、日本はアメリカなどに宣戦を布告します。
それまでの日本の行動、韓国併合、満州国建設などは、
自国の利益を追求するという「正当」な行動でした。
行動は正当であると進んでいくことが、思わぬ結果を招き寄せる。
太平洋戦争への道は、正にこの道でした。

「安全保障のディレンマ」と呼ばれていることがあります。
国の安全保障のために採用した対策が、他の国から脅威とみなされ
それらの国が対抗措置を採ることで、軍拡競争が引き起こされる。
その結果、国の安全保障が逆に危うくなることを言います。

半世紀前の体験は、日本人に、このディレンマに陥っていたことを
身に沁みて分からせてくれたはずです。
いま歴史から学ぶとすれば、これも学ぶべき事実のひとつでしょう。
自分が正当と思って行動しても、必ずしも、予想したような結果が
得られるとは限らないのです。
自分だけを愛する愛国心で、一面しか見えなくなっているかも知れないのです。


   



さて、私は、現在の日本はいいようのない空白観念に
囚われているのではないか?と、仮定してみました。
以前の飢餓感というのは、貧困への恐怖と言いなおしてもいいでしょう。
(貧困への恐怖、飢餓感とは、ルワンダの悲劇を引き起こした人口圧と
言ってもよいと思います)

日本は貧困からは一応、脱却しました。
しかし高度経済成長の夢は破れ、気が付いた時、
心にはぽっかりと空白が見えてしまったのです。
ゆとり教育が叫ばれましたが、結局、成功しませんでした。
この時、日本人の多くが人生とは楽しむものという
哲学を身につけることが出来たら、違った道を進んでいたかも知れません。
しかし永年にわたって身に染み付いて感覚は容易には変りません。
今は、試行錯誤の段階です。
ここからの出口は、一筋縄でいくような道ではなさそうです。


  

民主主義制度の結果、政治家は、当面の国民の要望に応えようと努力します。
困難な道を均すために、愛国心を教育の基本におきたいという
誘惑に駆られても仕方ないと思います。

しかし内政の困難さの余り、外に敵をつくって、国民の目を
一時的にせよ迷わすことは禁じ手です。

21世紀の日本は周囲の新しい状況を見極め、
国内の空白観念を解消するという
極めて広い視野と深い洞察力を必要としてます。

問題のありかが明確に見えない時代。基本的な矛盾が見えない。
別の小さな矛盾が基本的な矛盾であると設定。
それによって危機を克服できるように言う。それは危険な道です。

  


見えない苛立ちを共有する年齢の持つ我慢強さ。
バランス感覚の豊かな年寄りの知恵の出番かも。
しかし時代は動いていますね。福田さんが総裁選を降りると
発表しました。
安倍さんが総裁になるのなら、バランス感覚の豊かな福田さんを
副総理に推薦したいものです。


追伸  大切なことを書き忘れました。
    安全保障のディレンマを回避する
    最も有効な財産が、九条でした。

    これについてご意見を下さい。
    
    ご意見があれば、つづく

 


   





コメント (3)
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