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知覧に来て  へそ曲がり

2006年07月31日 10時52分33秒 | Weblog
「中日スポーツ」31日付第6面「セブンアイ」に、元テニスプレーヤーの「佐藤直子氏」が寄稿されていますので紹介します。

 その前に、昨日の投稿で「長谷川良平氏」の死去について紹介しましたが、あの中で1か所誤りがありました。“あと3勝で「殿堂入り」”と書いたのですが、正しくは“あと3勝で「名球会入り」”でした。お詫びしつつ訂正させていただきます。


        見出し : 知覧で思う   佐藤直子

 知覧(鹿児島)に来ている。太平洋戦争終戦間近、この知覧からたくさんの若者が飛行機に片道分の燃料だけを積んで飛び立ち、飛行機もろとも敵艦に体当たりした。その陸軍特別攻撃隊の基地があった場所だ。特攻平和会館には遺品、手紙、写真などが展示されていた。

 私の心に残った19歳の若者が出撃前に母親にあてて書いた手紙。

「母上様19年間育てていただいてありがとうございました。今までこの気持ちを口に出すこともせず、親孝行の一つもせず、申し訳ありませんでした。明日私は散ってゆきます」

 何と言う悲しい手紙だろう。たくさん並べられた手紙を読みながら、おえつしている人もいた。私の目からも涙が流れ落ちそうだった。

 今の時代に、同じ年代の若者はテニスや野球などスポーツ、または大学入試などに命を懸ける。あの時代に、死に向けて飛び立っていった同年代の友の気持ちを、彼らは理解できるだろうか。平和があってこそ自分たちが自分の夢に向かって精いっぱい尽くすことができる。私たちは今の時代への感謝の気持ちを忘れて、ついついわがままになって、うまくいかないことを他人のせいにし、他の人に八つ当たりしたくなる。

「出撃20分前の腹ごしらえ」という写真は印象的だった。おにぎりをおいしそうに食べる特攻隊員らの写真。屈託のない笑顔。その様子は今の若者と少しも変わらない。ただ彼らはその後に飛行機に1人乗り込み、敵に撃ち落とされるか、敵艦にぶつかって自分が死んでいくことを知っていた。私がウィンブルドンの試合前の腹ごしらえとして食べたおにぎりの味と、その味はどう違っていたのだろうか?

 三角兵舎というところに12人1部屋で寝泊りして、出撃へと飛び立ったという。私が海外遠征でシングルルームを好んだのがなんとなく申し訳ない気がした。「時代が違うよ」と笑う人がいるかも知れないが。

 鹿児島の美しい海、桜島、開聞岳を見ながら、美しいわが国のためにと飛び立って行ったのだろう。終戦記念日も近い今日、知覧に来られて良かった。(プロテニス)
         
         以上です。
コメント (10)
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