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ハリルジャパン(113)「サッカーチームの強さ」を考える  文科系

2017年09月07日 10時00分18秒 | スポーツ
 2日に、31日のゲームについて『歴史的勝利を正しく評価すること』というエントリーを書いた。この内容を裏付けるような記事はすでにマスコミ分析のほとんどを占めているが、最新のゲーム数字を付けてこれを証明した記事が中日新聞6日夕刊に載った。大住良之が連載している「サッカーの話をしよう」なのだが、その勝因分析を先ず要約して、次いで、表記の「サッカーチームの強さ」について一つの重要な考察を試みてみる。

 大住は先ず、こういう数字を上げる。ブラジルW杯本戦3戦と、31日対豪戦との各種比較数字である。31日のゲームは、W杯3戦平均に比べてパス数は半減近く、ボールキープ率に至っては56%から34%に下がっている。それでいて、31日ゲームの日本協会発表数字シュート数は、日本15に対して豪4だ。それも、豪がペナルティーエリア内から打ったシュートは1本だけ。相手ゴールに近づくという点で日本が豪州を圧倒していたことがよく分かるのである。何故だったのかと問うて、大住はこう結論する。

 1対1で日本が勝ち、相手パスカットに至っては日本32回対、豪12回。『積極果敢な守備で主導権を握った』から勝ったと結論する。そう、今のサッカーは既にこういうものにもなっているのだ。繋ぎを中心とした常時ボールキープなど不要で、いざという時と場所で相手ボールを奪えれば勝てると。さて、手前味噌だが、これら全てが2日の拙エントリーと一致している。そこでこう書いていたことを強調したい。
『良い位置での敵ボール奪取による得点戦略』
『現下の最強者でないチームのサッカーは、中盤以前の「ここぞ」のボール奪取から、その中盤も含めて得点を目指すのである』

 この事から分かる表記のこと、「サッカーチームの強さ」について、現在最も重要なある考察を試みてみたい。敢えていうならば、こういう二者択一である。『攻守ともに最優秀の個人を集めるのか、チームとしての組織戦略第1か』
 この答え、よく言われるように後者が正しいに決まっているのである。国代表の場合は特に。日本代表でさえ、それぞれのポジションの最優秀選手を順に集めるのが強いチームということではない。日本選手の世界比較の得手を伸ばし、不得手を減らす組織戦術が第1であって、それによって選手を選考していくべきなのである。
 すると今で言えば、代表のチームコンセプトは繋ぎに拘るサッカーではなくなっていく。「現在世界最強の弱者の戦法」、いざという時に高い位置で相手ボールを奪って速攻という、ドルトムント的なショートカウンター得点戦略というものである。ハリルが採用しているのも実はこの戦略であって、その典型選手が原口と言える。だからこそ、ザックジャパンと全く異なった31日ゲーム数字になるわけであった。

 世界一の名選手を集めうるクラブ、例を挙げればマンチェスターやスペイン2チームなどとは異なって、日本代表をそういう選手に出来るのはまだ遠い先の話。それを目指しつつも、当面のW杯戦略は弱者が強者になりうる今の日本にとって最も適切な戦略が大事ということだ。

 なお、ザックも今のハリルと同類の戦略を目指していたが、選手がそれをきちんと守らなかったと、僕は見ている。これについては、往時イタリアの歴史的名監督、アリゴ・サッキ(ACミランで89,90年CL制覇)も、13年コンフェデ杯の日本を見て、そういう批評をしている。
『ザックは名監督だが、選手が彼のコンセプトをきちんと守っていない。彼のコンセプトは、一人でも乱す者がいれば成功しないという性格のものである』
 なおこのサッキの代表評価については、以下の過去エントリーを参照されたい。
『ザックジャパン(144)改めて、ドルトムント論 2014年2月21日』
 因みにサッキは、12~3年頃のドルトムント戦法、DFラインを押し上げてボールを奪取するというやり方の原型を創ったという側面を持っている。また、当時のこの戦法が今ではどこにも取り入れられ、部分取り入れ、発展なども進んだということは明らかである。、
コメント (5)
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