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書評「暴政」⑥ アメリカの暴政を憂う②  文科系

2017年12月13日 16時24分05秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 これは、この10月18~21日の4回に分けて内容紹介、書評を書いた、その6回目に当たるものだ。著者がトランプ誕生、支配のアメリカをどのような内容で憂えているか、これを昨日の5回目に続く今回のテーマとする。今回も、著者がポピュリスト・トランプに抱いている懸念に関わるいくつかの言動をこの本から挙げてみたい。20世紀のファシズム台頭史を念頭に置きつつ、トランプに抱く懸念である。

『候補者であった頃には、現大統領は、私設保安部隊に対し政治集会から反対者を排除するように命じましたし、そればかりか出席者たちにも、異論を唱える者たちは追い出せと促したものでした。よく見られた光景ですが、抗議の声を挙げる者は、はじめはブーイングに、それから「USA!」という血迷った叫びに曝され、そのあげく集会から力ずくで追い出されたものです。選挙戦のある集会では、現在大統領となっている候補者は、「くずがまだ残っている。追いだしたらどうかね。追い出しちまえよ」と煽りました。それを合図に聴衆は、反対者と思われる者たちの退治にかかりました。その間ずっと「USA!」と叫びながらでした。候補者はふいと言葉を挟みました。「この方がいつもの退屈な集会より、もっと面白いんじゃないかね? 私には面白いがね」。この種の暴徒化した聴衆による暴行は政治的な雰囲気を変えようとして行われたのですが、何と実際に雰囲気を変えることができたのでした
(第6レッスン「準軍事組織に警戒せよ」から)

『現大統領は選挙運動中、ロシアのプロパガンダ・メディアのインタビューを受けて、アメリカの「メディアはこれまで信じられないほど不正直だった」と主張しました。彼は選挙戦の集会からたくさんのレポーターを締め出しましたし、定期的に一般の人間たちからジャーナリストへの憎悪を引き出しました。権威主義体制の指導者たちと同じで、彼は批判を封じ込める法律を導入することで言論の自由を抑圧してやると公約しました。ヒトラーと同じで、現大統領は「嘘」という語を、自分の好みに合わない事実が述べられることを指すのに用いましたし、ジャーナリズムのことは、自分に反対するキャンペーンとして描いたのです。現大統領は、膨大な人数に彼が伝える誤った情報のソースとなっているインターネットとの相性の方が、メディアとの相性よりも良いのです』
(第11レッスン「自分で調べよ」から)

『ロシアにアメリカの大統領選挙に介入するよう訴えるのは、愛国心に悖ります。選挙戦の集会でロシアのプロパガンダを引用するのは、愛国心に悖ります。ロシアのきなくさい新興財閥と同じコンサルタントを使うのは、愛国心に悖ります。ロシアのエネルギー会社に出資している者に外交政策の助言を求めるのは、愛国心に悖ります。ロシアのエネルギー会社に雇われている者によって書かれた外交政策のスピーチを読み上げるのは、愛国心に悖ります。ロシアのプロパガンダ機関から金を受け取っていた者を国家安全保障担当補佐官に任命するのは、、愛国心に悖ります。ロシア=アメリカ合弁のエネルギー会社の長であり、プーチンから「友好勲章」を受け、ロシアの金融筋ともつながっている巨大石油会社のCEOを国務長官に任命するのは、愛国心に悖ります。』
(第19レッスン「愛国者たれ」から)
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