「アルハンブ宮殿の想い出」の何度目かのレッスンを始めている。誰でも聞いた覚えがあるというクラシックギターの名曲、スペインのタレガの代表作である。この曲に因んで、ギター弾きにはこういう人がとても多いもの。これは一応弾けるとか、暗譜もできているとかであっても、この曲を人前でとなると弾けない人だ。僕もずーっとそういう人のまま、これを暗譜してからすでに10数年経つというのに。トレモロという弾弦法に自信のない人々のことである。定年後にギターを習った僕とは違って、「昔は弾けたけど年を取ったら難しくなった」という人も多い。
さて、今回これを始めてから別のエントリーに書いたコメントをまず。
『 アルハンブラ (文科系)2018-01-18 12:01:36
上の998(バッハのBWV998のプレリュードのこと)はなんとかなったようで、次の暗譜群曲はいよいよアルハンブラ。10数年も弾いているこの曲を今度こそ一応完成させようと、意気込んで20日ほど。
全く駄目なのだ。しっかり音を出すとテンポが遅すぎる。速い方は、速すぎて、トレモロ音もかすれる。そして、その中間スピードでは弾けないのである。その原因も、今度の20日ほどで分かってきた。こういうことのようだ。
遅く弾く時に分かるのだが、i指が遅れるのだ。速く弾く時にその分、i指の音が鳴らない。遅れる原因は、i指が、弾いた後に上に上がり過ぎるのである。第2関節が曲がりすぎる癖である。これがなかなか治らない。なんせ10年弾き続けてきた癖なのだから。
原因は分かったが、どうも大変なことになったようだ。直せるのだろうかと、不安になってきた。』
『 ちょっと直せた (文科系)2018-02-05 20:04:02
トレモロには二つの弾き方がある。一つは、普通のタッチで弾く。もう一つのタッチは、弦を下に押して離すとトレモロ音が大きくなるというもの。ただし、普通のタッチで弾いても、それと同じ音量が出る人はいる。僕の先生もこちらだ。この二つの間で、現在の僕は迷っている。少し遅いスピードなら「下押し離し」奏法は出来る。が、これだとちょっと力が入る分どうしても微妙な表現が難しくなるように思う。それで「普通奏法トレモロ」を目差している。そして、今回1か月ちょっと、なんとか出来るようになったかという所。上コメントで述べたi指の癖が直ってきたからだ。でもまだトレモロ音にムラがある。
普通弾弦法のトレモロって、本当に難しい。ただし、最初からトレモロが出来ていた人というのはいっぱい居る事も僕はよく知っている。以上全ては主として、トレモロが最初は下手であった老人の場合ということである。老人が、初め上手く弾けない場合のトレモロを上手く弾くようにするのはとても難しい。これは、年を取ると細かい身体の動きの記憶力がなくなるからだし、悪癖がついてしまうと、直すための根気が続かないからと考えてきた。本当に、いったん身につけてしまった悪い癖を一つずつチェックして修正していかねばならぬのだが、これを観察、分析していく論理が難しいのだろう。』
さて、9日のレッスンで、先生に言われた。「これは、もう、トレモロ行けますね!」。 僕もちょっと前からそう思えるようになっていたから、この評価が嬉しかったこと! 悪癖をどう分析して、どう直したか。上に『「普通奏法トレモロ」を目差している』と一方向だけでやってきたのだが、こちらだけに徹底したのが良かったようだ。こんな風に進んできた。
①身につけてしまった上記二つの弾き方の間で、迷いがあった。どちらかに徹底しなかったから、このお互いが脚を引っ張り合って前進できないようになっていた。その現れは・・・・
②上に書いたi指悪癖の他、a指にも悪癖があった。iが遅れる分aが早く弦に触り一瞬止まっているので前の音を消してしまう。
③改善法は、iを上げないように、かつ、aを一瞬で素速く動かすこと。これに成功するのはとても難しく、こんな要件が必要だったと今分かったような・・・。
④とにかく脱力して、「爪先だけでのように」軽く優しく弾く。その日の弾き初めは音が小さ過ぎても良いからこの「脱力、軽く優しく」を徹底する。これとは別にi、aの独自改善は、こうやった。iの改善は、miだけとか、pを入れないamiだけで練習する。aの改善は、pとaとだけ、もしくは、pとamiを1回だけ弾くやり方を続けて練習した。
⑤トレモロ3本指の弦移動がまた難しい。弾くべき弦の上で3本指先がなるべく同じ並び方をしていることが鉄則のようだから。そうでないと、弾く弦によって隣に触るとかの雑音が出るのが怖くて、大きなトレモロ音が出せない。このために、こんなやり方があるようだ。一つは、右肘をギターに付けず、肘から先を同じ形に固めたまま弦上を移動するやり方。もう一つは、普通に肘を付けて弾くやり方であるが、僕はこっちだが、これだとまた独特のいろんな工夫が要るようだ。観察してみると分かるが、右肘をギターに付けたままでは、第1弦のトレモロと3弦のそれとでは、各弦に対する3本指の並び方(角度など)が変わってくるはずなのだ。そこをどう飼い慣らすかが、難しい。これを飼い慣らせないと、どうしても音量が出せないことになる。音量がないトレモロ曲は曲想も出せないから、ただ弾いているだけで、人前ではちょっとということ。
初めから自然に身体が覚えてしまう若い人、あるいは自然に正しい方法を身につけてしまった方が羨ましくて仕方ない。ただ、ちゃんと弾けてた人が急に自信が無くなることが、トレモロには起こるようだ。プロでもそう語る人がいるから、トレモロはやはり難しいということだろう。まー、出来るだけ多くを意識化し切った弾弦法を身につけるに越したことはないのだろう。
さて、今回これを始めてから別のエントリーに書いたコメントをまず。
『 アルハンブラ (文科系)2018-01-18 12:01:36
上の998(バッハのBWV998のプレリュードのこと)はなんとかなったようで、次の暗譜群曲はいよいよアルハンブラ。10数年も弾いているこの曲を今度こそ一応完成させようと、意気込んで20日ほど。
全く駄目なのだ。しっかり音を出すとテンポが遅すぎる。速い方は、速すぎて、トレモロ音もかすれる。そして、その中間スピードでは弾けないのである。その原因も、今度の20日ほどで分かってきた。こういうことのようだ。
遅く弾く時に分かるのだが、i指が遅れるのだ。速く弾く時にその分、i指の音が鳴らない。遅れる原因は、i指が、弾いた後に上に上がり過ぎるのである。第2関節が曲がりすぎる癖である。これがなかなか治らない。なんせ10年弾き続けてきた癖なのだから。
原因は分かったが、どうも大変なことになったようだ。直せるのだろうかと、不安になってきた。』
『 ちょっと直せた (文科系)2018-02-05 20:04:02
トレモロには二つの弾き方がある。一つは、普通のタッチで弾く。もう一つのタッチは、弦を下に押して離すとトレモロ音が大きくなるというもの。ただし、普通のタッチで弾いても、それと同じ音量が出る人はいる。僕の先生もこちらだ。この二つの間で、現在の僕は迷っている。少し遅いスピードなら「下押し離し」奏法は出来る。が、これだとちょっと力が入る分どうしても微妙な表現が難しくなるように思う。それで「普通奏法トレモロ」を目差している。そして、今回1か月ちょっと、なんとか出来るようになったかという所。上コメントで述べたi指の癖が直ってきたからだ。でもまだトレモロ音にムラがある。
普通弾弦法のトレモロって、本当に難しい。ただし、最初からトレモロが出来ていた人というのはいっぱい居る事も僕はよく知っている。以上全ては主として、トレモロが最初は下手であった老人の場合ということである。老人が、初め上手く弾けない場合のトレモロを上手く弾くようにするのはとても難しい。これは、年を取ると細かい身体の動きの記憶力がなくなるからだし、悪癖がついてしまうと、直すための根気が続かないからと考えてきた。本当に、いったん身につけてしまった悪い癖を一つずつチェックして修正していかねばならぬのだが、これを観察、分析していく論理が難しいのだろう。』
さて、9日のレッスンで、先生に言われた。「これは、もう、トレモロ行けますね!」。 僕もちょっと前からそう思えるようになっていたから、この評価が嬉しかったこと! 悪癖をどう分析して、どう直したか。上に『「普通奏法トレモロ」を目差している』と一方向だけでやってきたのだが、こちらだけに徹底したのが良かったようだ。こんな風に進んできた。
①身につけてしまった上記二つの弾き方の間で、迷いがあった。どちらかに徹底しなかったから、このお互いが脚を引っ張り合って前進できないようになっていた。その現れは・・・・
②上に書いたi指悪癖の他、a指にも悪癖があった。iが遅れる分aが早く弦に触り一瞬止まっているので前の音を消してしまう。
③改善法は、iを上げないように、かつ、aを一瞬で素速く動かすこと。これに成功するのはとても難しく、こんな要件が必要だったと今分かったような・・・。
④とにかく脱力して、「爪先だけでのように」軽く優しく弾く。その日の弾き初めは音が小さ過ぎても良いからこの「脱力、軽く優しく」を徹底する。これとは別にi、aの独自改善は、こうやった。iの改善は、miだけとか、pを入れないamiだけで練習する。aの改善は、pとaとだけ、もしくは、pとamiを1回だけ弾くやり方を続けて練習した。
⑤トレモロ3本指の弦移動がまた難しい。弾くべき弦の上で3本指先がなるべく同じ並び方をしていることが鉄則のようだから。そうでないと、弾く弦によって隣に触るとかの雑音が出るのが怖くて、大きなトレモロ音が出せない。このために、こんなやり方があるようだ。一つは、右肘をギターに付けず、肘から先を同じ形に固めたまま弦上を移動するやり方。もう一つは、普通に肘を付けて弾くやり方であるが、僕はこっちだが、これだとまた独特のいろんな工夫が要るようだ。観察してみると分かるが、右肘をギターに付けたままでは、第1弦のトレモロと3弦のそれとでは、各弦に対する3本指の並び方(角度など)が変わってくるはずなのだ。そこをどう飼い慣らすかが、難しい。これを飼い慣らせないと、どうしても音量が出せないことになる。音量がないトレモロ曲は曲想も出せないから、ただ弾いているだけで、人前ではちょっとということ。
初めから自然に身体が覚えてしまう若い人、あるいは自然に正しい方法を身につけてしまった方が羨ましくて仕方ない。ただ、ちゃんと弾けてた人が急に自信が無くなることが、トレモロには起こるようだ。プロでもそう語る人がいるから、トレモロはやはり難しいということだろう。まー、出来るだけ多くを意識化し切った弾弦法を身につけるに越したことはないのだろう。