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宇佐美貴史の「変身」?  文科系

2018年12月22日 13時16分34秒 | スポーツ
 宇佐美のデュッセルドルフはまだ降格圏ぎりぎりだが、ここに来て急に強くなってきたと分かる。11月末にはバイエルンと引き分けた上に、この18日には首位ドルトムントに「17ゲーム目にして初の黒星」を贈っている。その次第や、これに関わる宇佐美の言葉などをいろんなサイトから調べてみた。

 ドルトムント戦も守備を整備し、カウンターで勝負。宇佐美が言うには、
「走り勝てるだろうっていうのは(あった)。バイエルンの時を見ても、それで(ルケバキオは)3発ぐらい決めているから。今日ぐらい前で収めてくれれば後ろも押し返せる。ドルトムントもすごく疲労している感じはしたので『点を取られる恐怖心でいっぱいいっぱいだった』っていうことはなかった」

 宇佐美自身も「成長」を感じているというが、その言葉が、非常に面白い。ドイツに渡ってから、守備的なチームでの自分自身の生かし方は課題だった。それを今はこう語っていると言うのである。
「(左MFで出場した時)右サイドバックの相手の上がりとか、ボールを回された状態でもしっかり穴を作らずにやりながら前に出ていくのは、自分が一番好まないスタイルだったと思う」

 一番の持ち味であるドリブルで打破することより、まずは守備を求められる。その中でも「今チームが志向しているサッカーでしっかり、まずは相手にスキを作らない、左サイドから崩されないというところを意識している」という。
 与えられた課題にきちんと向き合っていくことで、課題を整理することができた。「今日1本やられたけど、粘り強く対応していく中で、チームの1選手というか、チームのために何ができるかということを、すごく考えている。それが成長と言えるのか…そうじゃないかもしれないけど、個人的にはこういうサッカーもサッカー。勝てればやっぱり楽しいしね」。宇佐美にとってはただの1勝ではなく、新たな可能性が広がった大きな1勝になった。

 さて、彼の以上の言葉の中に、サッカー選手としては実に不思議な表現があることに驚くのである。
『チームの1選手というか、チームのために何ができるかということを、すごく考えている。それが成長と言えるのか…そうじゃないかもしれないけど、個人的にはこういうサッカーもサッカー。勝てればやっぱり楽しいしね』

 守備的組織の一員になることが自分の成長とは言えないけど、これもサッカー?って、普通サッカー選手が言う言葉だろうか? この不思議さを理解する道はただ一つ、こういう考え方を彼が持っていると考えれば分かる。
「メッシやクリロナのように守備を免除される点取り屋をこそ、俺は目指してきたのだし、目指せる器である」
 流石に、今期JリーグMVP家長昭博から「ガンバユース始まって以来の天才」と言う称号を奪い取って来た後輩と言うべきか、ものすごい自負を感じる。が、この自負は潰し全盛の現代サッカーにおいてははて、適正なものだったのだろうか? 
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改めて「国際金融暴力の手口」  文科系

2018年12月22日 11時24分32秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 近ごろ、麻生太郎さんも「株屋はヤバイ」と語る。なぜなのか。経済本や経済誌を読んで題名の事を学ぶ機会があったが、ファンドや証券会社、投資銀行の遣り口をもっと世に広めるべきと思った。米英圏中心の新たな金融暴力が案外隠されてきたと考える。

・企業の筆頭株主になって

企業の株を買い占めて筆頭株主になると、こんなことをする。長期的株主としては、人員整理や「無駄」の削減などリストラに励んで株価を大幅に上げ、これを売り抜いて去っていく。短期株主に狙いでは、こんなことをやる。土地や建物など資産を多く持っている会社に目を着け、筆頭株主になってその土地を売るなどして株価を大幅に上げ、素早く全部を売り払い去っていく。国際金融が、こういうやり方で同じ国内に留まらず海外にもどんどん進出していくから、失業者や不安定労働者が増えているのだろう。
 最近の日本経済論調では、こういうやり方への批判も激烈になった。「米国流『ガバナンス』が企業を弱くする」。これは、高級経済誌「Wedge 3月号」表紙にも大書された二〇ページ大特集の表題。その主旨は、金融中心主義が企業・社会から長期観点を奪うことによって、製品開発能力などを壊してきたというもの。よく言われる自由化とは、こういう自由化までを含むのだろう。

・通貨戦争

 九七年東アジア通貨危機、〇一年トルコとアルゼンチン、そしてギリシャ危機など近年無数に起こっているものだ。解説が大変難しいこの遣り口の一つを、アジア通貨危機の発信地タイを例にとって見てみよう。一ドルがタイ通貨二五バーツの現時点において、三か月後に三〇バーツに下落すると「予測」して、一ドル二五バーツでドルを大量に買う先物予約をしておく。その上で、バーツを一挙に、そしてどんどん売り始める。そこには、同業者などから大量に借りる契約がしてあったバーツなども大量に含まれる。自分が所有していない債券、商品などを売る行為を空売りと呼ぶが、この空売りがバーツで始まったと観た同業者などは当然、これに協調して儲けようとする。その結果、三か月後一ドル三〇バーツになって起こることを、例示してみよう。一億ドルで三〇億と安くなったバーツを普通に買ってから先述の先物予約を行使すると、このバーツが一億二千万ドルに換えられる。バーツを借りた相手にも、その時点で普通に買ったバーツを返せばやはり二割の儲けになり、今時の安い利息を付けてもなお莫大な釣りが来るよう。また、普通なら不安になるこの「大商いへの確信」も、世界大金融にとっては比較的容易だろう。他の金融などから借りることができるバーツも含めて、己が動かせるバーツとタイ政府の「防御体制(金額)」とを比較できるし、持ち金の二五倍の勝負ができると言うレバレッジ手法もあるからだ。こういう全てから大金融による通貨危機は比較的容易に起こせるのであって、IMF資料からこう解説したマクロ経済学者がいる。
『一九七〇年から二〇〇七年までの三八年間に、二〇八か国で通貨危機が、一二四か国で銀行危機が、六三か国で国家債務危機が発生しています。金融危機は、先進国、新興工業国、開発途上国を問わず、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカを問わず起こっていたのです。これに対し、第二次大戦後一九七〇年以前の時期には、国際金融危機や大規模な一国金融危機はほとんど発生していません』(伊藤正直・東京大学大学院経済学研究科教授「金融危機は再びやってくる」)
通貨危機は国家債務危機にも繋がっていくのだし、中小国の大銀行危機なども容易に起こせる理屈だ。ドイツ銀行に米英日が目下掛けている銀行株空売りもできるのだから。

・デリバティブ

 普通は金融派生商品と訳される言葉だが、これがまた現代世界の怪物である。
消費者ローンでも住宅ローンでも、借用証書がある。これは、借りた方が貸した方に出す証明書。これを債券として貸し主に出すのが社債や国債。一定利子が付くのは同じだが、こちらはお金と同じような意味を持ち、売買も可能。この社債などと同じ考え方で、種々のローンの貸し主が借用証書(債権)を証券化したものが金融派生商品の元である。焦げ付きなどの危険が高い借金から出来た高リスク債券とか、低リスク債券でも元のローン返済が急に怪しげになったりしたら、利子を高くしなければ売れない。高リスク商品は当然売りにくいのだが、首尾良く売れるようにできれば、「高リスク高リターン」で凄い儲けになる。そこで、ハーバード大学院の数学科主席卒業というような優秀な頭脳を集めて、高リスク商品を売る手をあれこれ考え出させる。まず、証券化商品というのを色々に分割して組み合わせた。一銘柄の株を売るのではなく、投資信託を売るようなものだろう。とにかく、様々な債券を組み合わせるのだが、そこに高リスク債券を巧みに切り分けてもぐり込ませる。貯金もない低所得者に売りつけた住宅ローンからできたサブプライム住宅ローンの債券でも、これに安全な債券をちょっと組み合わせれば、「信用が保証された」という理屈だ。「高リスク貸し金を低リスクにして、お金が貸せない貧乏な方にも家を持っていただける、夢の商品」、こんな社会福祉的うたい文句付きの金融商品の登場となった。リーマンショックの原因となったサブプライム・バブルは、これが爆発的に膨らんでいったもの。ネズミ講同様売れている間は自転車操業的資金繰りも上々どころか、買い手が増えて値段がどんどん上がった家主の一般消費者ローン限度額さえ大いに上がったというように、周囲が大儲けだった。このサブプライム組込証券はなお、世界の小金持ちに売りつけられた。ギリシャ国家危機にもこれが絡んでいるし、この愛知でも二つの学校法人が確か百億を超えるような金の詐欺に訴訟を検討したが諦めたという新聞種もあった。


 かくして、世界は大金融天国。二〇〇六年の投資銀行ゴールドマンの優秀従業員五〇名は一人最低一七億円のボーナスをもらった。「夢」のサブプライム証券バブルが爆発する二年前の話。世界的著名投資家ウォレン・バフェットの二〇一〇年度収入は、約四〇〇〇万ドルに上る。こちらは、バブルが弾けたは弾けたで空売りで儲けた手口である。また、世界の大企業社長が皆、金融の馬車馬になってしまった。「会社は、社員や地域も含めた社会的公器」などと振る舞う社長などはアメリカ式株主にかかればすぐ首で、馬車馬の儲け記録は、ディズニー社社長アイズナーの年俸六億ドル! 
 以上主な出典は、ドナルド・ドーア著「金融が乗っ取る世界経済」である。この11月に93歳でイタリアはボローニャで亡くなられたロンドン大学、東京大学出身の英国人であって、若い頃から日本を愛してこられた政治経済学の碩学が「日本人への遺書」のように遺していった著書である。20代前半という若さで東京大学に学びに来たのは、「日本江戸期の教育制度研究」が目的であった。


(これは、2016年11月にここに書いた物に、ほんのちょっと加筆したものです)
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