30日の拙稿「『酷薄帝国アメリカ』露呈」で、こう書いた。
【 経済の自由競争こそ経済発展の原動力、そのために国家による規制などはどんどん廃して「小さな政府」にすべし。国家の仕事は防衛と外交だけで良いと、そんな方針でやって来た国だ。結果、不安定労働者ばかりになってろくに国民が自立できず、GAFAなどを除く米資本も中国などで営業する始末。・・・・
米政治週刊誌「ニューズウイーク日本語版」には、こんな一節もあった。
『 最大の負け組はやはり、アメリカの労働者だ。経済学者はかって、好況下では労働者は自分たちの賃金を引き上げる力を持つと考えていた。だが最近の見方はちょっと違う。多国籍企業が全世界を自らの縄張りに収めて四半世紀がたち、グローバル化した資本は国内に縛られたままの労働者よりも優位に立った』
かくして、GAFAの株式時価総額はドイツGDPを超える一方で、アメリカの労働者は極貧に落ちぶれ果てたと、普通に語られることになった。それらのうちの中西部白人労働者達が、不動産王、トランプ予想外の当選の原動力になったという歴史の皮肉!
ともあれ、アメリカのコロナ死者、肺炎死者は一体どれだけになるのだろうか。恐ろしいことである。「苛政は、虎よりも猛々し」 】
と見ていたら、アメリカのコロナ対策責任者が、こんなことを語り出した。
『「(コロナ死者)10万から20万というのは、ベストケースのシナリオ」だと述べ、ワーストケースとしては「全米での死者100万」ということもあり得るとしたのです。』
また、こんなニュースもでた。
『CDC(米疾病予防管理センター)では、この2週間前に4つの感染シナリオに基づいて「全米の死者数は20万から170万の間」という見通しを公表していたのです。』
(以上いずれも、ニューズウイークのネット記事より)
他方、アメリカを最も批判的に見始めていた先進国ドイツは、結構自国の患者も多いのに、仏伊の重篤患者をもドイツへ輸送、入院させている。中国やキューバも、医者を送るなどイタリアなどに手を差し伸べている。『窮余の時こそ、国の本質が顕れる』。何度でも言うが、その他の世界の軍事力の全てよりも大きいアメリカの「国防」とは、一体、「何を」何から守るのだろうか?