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コロナが金融世界支配をさらに進化させるのか?   文科系

2020年04月20日 12時00分02秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

  昔、投資銀行モルガン・スタンレーの元トレーダーが描いた「フィアスコ」という本を読んだことがある。この題名は「大破綻」というような意味だが、95年2月27日、当時の英国名門銀行ベアリングズ社・シンガポール支店の28歳のトレーダーが10億ドルの損失を出した事件から始まって、「モルガンが日本の会社から2週間で7500万ドルを強奪した」経過を中心に、この職業への反省を込めて描かれた体験談なのだ。このベアリングズ銀行大穴事件の被害者が日本の会社だという情報を掴んで小躍りしたという場面が最初に出てきて、それがまずとにかく興味を引いた。

「決算期を控えた日本の会社に、粉飾決算を助けるデリバティブを売る絶好のチャンスだ!」と勇躍したのである。さて、その本にモルガンの社訓にも等しいこんな言葉が書いてあったのが印象に残っている。
『我々モルガン・スタンレーは、歴史上いつも、金が欲しくて死に物狂いの団体、人々からこそ、最大の儲けを上げさせてもらってきた』
 なお、この本の書評、内容紹介が当ブログ07年1月21日に載っているから、いつでもお読みいただける。出し方は、右欄外今月分カレンダーの下の「バックナンバー」欄で、「07年1月」をスクロール・クリック。上のカレンダーがその月の分に替わるから、その21日をクリックするとその日のエントリーだけにエントリー本欄が替わって、お求めの記事にスクロールしていただけば良い。
   

  さて、今や世界の会社という会社、人々がこの「金が欲しくて死に物狂い」という時代が到来したのではないだろうか。金貸し待望の時代がやって来た! それも、冷戦以来グローバルな株主本位新自由主義経済世界の支配者として我が世の春を謳歌して来た末に、リーマンショック、GAFAバブルと日本官製バブルしかないという金貸しにとって慢性的受難時代が長く続いていた後なのであった。この10余年がどれほど「金貸し受難の時代」だったかというと、こんな無残な数字が遺っている。
『世界全体の金融機関を除く事業会社や家計、政府部門の債務残高が2018年に180兆ドル(約1京9000兆円)に達し、リーマンショック前の07年から1・6倍に拡大したことが19日国際決済銀行(BIS)の調べで明らかになった』

 人も政府、企業などもどこもかしこも借金まみれになっていて、もう世界中どこを探しても搾り取るお金など無いような時代になっていたことがわかるのだが、そんな今新たに、生きるために何でもありのさらに死の物狂いの時代が始まるのだ! 金融依存経済国なら我々を手ぐすね引いて助けてくれることだろうし、この機会にこそ、世界に残っためぼしい財産をさらに担保に取るとか、最後に残った「金持ちの物経済国・中国」をなんとかして支配圏内に喰らい込むとかが、狙えるようになった。これが実現したらもう、世界はやっと、永遠に続く金一元化帝国である。 

 さて、こういう人々・政府と、物経済にこそ依拠して人のまともな職業というものを作り直していく人々・政府との分かれ道が世界史上に新たに提起され直したという、そんな世界史的時代が今なのだと、僕は考えている。世界の全てが金融の奴隷になる一元化帝国ができ上がるのだろうか?

コメント (1)
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