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コロナが示した、世界史的病弊  文科系

2020年04月09日 15時38分07秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 日本とドイツを除いては、先進国のコロナ死者が異常に多い。感染者の1割以上が亡くなったイタリア、イギリスのほか、スペインもこれに次ぎ、無保険者も多いアメリカがまた大変なことになりそうだ。米コロナ死者が、イタリアをも優に超えていく勢いを示し始めている。何が、民主主義国かという話だろう、これは。

 これらの国は、イタリア、英米を典型として、株主利益の最大化、規制緩和による「小さな政府」を実現してきた国である。いずれも、リーマンショック以降は特に慢性化した失業と、不安定労働者が多く、内需が乏しく、国民の自立力も大変弱い超格差社会。これに対して、医療など政府機能はどんどん縮小してきたということなのだ。イタリアなどは、そういう改悪の典型国である。以下のように。2000年ほどまでのイタリア医療は世界でも2番目ほどの高水準のものであった。それが国際金融によって食い物にされた末に、「身の丈に合った小さな政府」を押しつけられた末に、この貧困化、体たらくということだ。以上からの教訓を一言で言えば、国民にとって最も大切な命が軽くなっているという意味で、民主主義が特に先進国世界中で建前だけになって来たと示されたのである。世界中で慢性化した失業者を放置した「民主主義国」「好景気」などはあり得ないし、小さな国家もほどほどにできる経済体制をという、そんな教訓ができたということではないか。

 時あたかもアメリカ経営者団体や経済学者らが去年から「株主利益最大化方針は誤りであった」と一斉に唱え始め、「では、どうするか?」という模索が始まった時でもある。
 この模索は、国連中心でやっていくという多国間主義・国際民主主義の道しか無いはずだが、その国連に対してこれを無視するような行動をアメリカがとり続けてきたことこそ、今世界の最大問題になっている。つまり、「国連中心の世界改革」をアメリカ単独主義が妨害して来たということだ。それどころか、湾岸戦争、イラク戦争以降のアメリカは国連を無力にすることに励んできたし、リーマンショックが示した金融規制改革も終始妨害してきたものだ。これに対してドイツのメルケルがこんなことを強調している。
「他国に頼る時代は終わった。欧州独自の戦略を構築したい」

 このような世界史の中で日本を見ると、何よりもまずこう言いたい。「国際的金融活動で対外収支をかろうじて黒字にする時代は、結局世界的に有効需要を失していく道であって、何の将来的展望も無い真っ暗闇への突入である」と。また、「この道ゆえにアメリカに従ってきた世界経済体制では、『2%目標』さえ幻想と帰し、どんな『改革』も絵に描いた餅にしかならない」と。

 ちなみに、オリンピック開催にぎりぎりまで執着したのは、従来流の「経済」重視策から。それで3月最後の3連休に「コロナ対策」をおろそかにしたその付けがどれだけ大きいことになったか、その結果が間もなく示されるはずだ。吉と出ることをただ祈るのみである。何しろ国民は、世界一の公序良俗あふれた「公民」と誇れる人々なのだから。

コメント (3)
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