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破綻している日米政経、どうする? 1  文科系

2020年05月21日 09時31分18秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 標記のことで例えば、今のアメリカは「自由と民主主義の国」ではないと示された。4月14日拙稿に書いたように、ューヨークの各人種10万人当たりコロナ死者数が『ヒスパニック22.8、黒人19.8、白人10.2、アジア系8.4人とあった』というのだから。民主主義と言えるか否かには平等の考え方、見方の違いが関わってこようが、国民の命にこれだけの差があっては、「これは結果としての平等議論(結果の平等)であって、その命を守る機会はどの人種にも平等に与えられてきた(機会の平等)」といって済ますことができるものではない。この国の格差がこれだけ有意な「人種による命の格差」につながっているのだから。
 さて、今アメリカでコロナ以前からこんな議論が起こっていた。「アメリカ労働者の職が、中国にどんどん奪われてきた」。これは、世界的米製品の製造拠点が中国にどんどん移って行って、本国がいわゆる空洞化したことによるもの。トランプの保護貿易主義への転換も、自分を当選させた無数の白人不安定労働者への選挙対策だと言われてきた。いまだに人種差別があるアメリカで、白人労働者でさえこうならば、他は推して知るべしだろう。
 
 ところでこれらの点で日本はどうかとみれば、もっとはるかに悲惨なのだ。中国に生産拠点が移って日本経済空洞化が始まったのは、20世紀末からのことだ。その結果がこれである。1990年代中頃には世界順位一桁であった日本国民1人当たり購買力平価GDPが、18年度には31位。そして、明らかにこの結果である「50歳まで結婚経験なしの男性が4人に1人」「この130年なかった出生数の少なさから、人口急減国家へ」。これすべて今や、小泉、安倍ら自民党の供給サイドを重視した新自由主義経済・小さな政府への転換によるものであることも今や明らかと言える。

 ちなみに、安倍が「アベノミクスの柱、インフレレターゲット2%目標」をどれだけ大声で叫んできても何の前進もなく、いつの間にかこの目標までも下ろしてしまった。このことを私たちは一体、どう見たら良いのか。この2%目標のためにこそ、GPIFも日銀も総動員して官製バブルを大きく積み上げてきたのに、給料は一向に増えず、不安定労働者ばかりがあふれていて、心ある経済学者・中谷巌らも述べてきたように「中産階級の大没落こそ、日本経済最大の問題である」。

 ちなみに、アメリカではもうこんな反省も始まっているが、日本政財界は一体何をしているのか?
 
【 今、グローバル経済(学)はこう破綻した  文科系
2020年01月18日 07時22分42秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

  今、グローバル経済(学)は、アメリカでこう破綻した。日本の主流経済学者らの反省をも是非聴きたいものである。この40年ほど世界を席巻してきた新自由主義経済に対して、世界で重大な反省が巻き起こっているからだ。まず、去年の8月にはこんなことがあった。
  小さな記事だったが、8月20日夕刊に分かる人には分かる出来事が、報じられている。この大事な記事の見出しは、
「株主最優先を米経済界転換」?? 
 この中日新聞記事の書き出しはこうだ。
『米主要企業の経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は19日、株主の利益を最優先する従来の方針を見直し、従業員や顧客、地域社会など全ての利害関係者の利益を尊重する新たな行動指針を発表した。これまで米経済界は「株主利益の最大化」を標榜してきたが、大きな転換点となる』
 次いで、12月3日の米政治週刊誌「ニューズウイーク日本版」が組んだ特集「宗旨変えしたノーベル賞学者」は、2人の世界的経済学者らの反省を載せている。それは以下のように重大すぎる声と言って良い。
 まず、アベノミクスにも大いに影響を与えたポール・クルーグマンは、こう反省しているのだそうだ。
『アメリカの製造業を支えてきた中間層が経済・社会的な大変動に見舞われることに気付かなかった。中国との競争でアメリカの労働者が被る深刻な痛手を過小評価していた、というのだ』
 このニューズウイーク記事によると、他の経済ジャーナリストなども今は、経済学者らの過去理論を批判しているのだそうだ。
『多くの経済学者が福祉を犠牲にし、効率性を最優先して「高賃金の雇用を切り捨て、低コストの技術産業に未来を託した」というのだ』
 という反省から、このニューズウイーク論文の末尾まとめはこういうものになっている。こちらは、もう一人のノーベル賞経済学者・ジョセフ・スティグリッツが90年代から指摘し続けてきたグローバリゼーション批判をまとめた文章でもあるようだ。
『最大の負け組はやはり、アメリカの労働者だ。経済学者はかって、好況下では労働者は自分たちの賃金を引き上げる力を持つと考えていた。だが最近の見方はちょっと違う。多国籍企業が全世界を自らの縄張りに収めて四半世紀がたち、グローバル化した資本は国内に縛られたままの労働者よりも優位に立った。
 主流派の経済学者たちがこれほど急に左寄りになったことに驚いているのは当の経済学者たちだ。多くは前述の格差問題に関する会議でこのことに気付かされた。来年の米大統領選挙では、経済学者達の支持は中道のジョー・バイデン前副大統領よりもエリザベス・ウォーレン上院議員やバーニー・サンダース上院議員などの革新系候補に流れているとの声も参加者からは聞かれた』

 さて、こう言った反省は、日本の誠実な経済学者達の間ではもうとっくに起こっていた。中谷巌(三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長、多摩大学名誉学長、一橋大学名誉 教授)とか水野和夫(三菱UFJモルガン・スタンレー証券、法政大学教授)らがその代表者になるはずだ。「中産階級を大量に没落させたのが、現経済政策の最大の誤りだった」と反省したのだし、水野はこう述べている。「バブル経済しかないというのは、既に資本主義の寿命が尽きたということだ」。それでさて、英米日などの政府は、どういう理論でもって今後の経済政策を行っていけるというのだろう。
 アメリカは「GAFA時価総額バブル」経済? 日本は「官製バブル」経済? こんな危機的な閉塞状況だからこそ、アメリカは中国を叩き続けざるを得ないのだろう。もしアメリカから日中資金が逃げ出したら、こんな「GAFAバブル」経済の国など即沈没である。アメリカが今や必死に見えるイラン、ベネズエラや、(対中国冷戦対策としての)香港、台湾やに対する「暴力的」外交戦略、姿勢も、こういう経済破綻が背景になっている事はまた自明であろう。
 日本の主流経済学者の声も、今是非聴きたいものだ。】

コメント (1)
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